最強伝説黒沢は、賭博漫画ではなくダメなオッサンを描くという一見なにが面白いのか全く分からない漫画
イケメンでもなく、オッサン、性格もキモい、出世から取り残されている、人望もない
という良いところを見つけるのが難しいという異色の主人公の心理描写が見所の作品です。
今回はカイジで有名な福本伸行先生の作品、最強伝説黒沢の記事を書いて行きたいと思います。
カイジで培った心理描写が凄い
ある日、黒沢は、現場のみんなに気に入られようとアジをこっそりみんなの注文した弁当に忍ばせます。
黒沢が一人一人に配ったアジは、たった一匹です。
配ったのはたったの一匹でしたが、このアジを恩着せがましくなくみんなに自分が配ったことを知らせたい黒沢は、裏で色々と試行錯誤します。
結局、一時はアジを2匹食べていたことを現場の人に目撃され現場に置き去りにされるという嫌がらせを受けます。
この後、無事誤解は解けますがそれでも他人の弁当にこっそりアジを入れるという行為はキモがられ
現場のみんなの総意からなのか、現場の仕事を外され一人交通誘導の仕事に格下げされてしまいます。
たった一匹のアジからここまで話を広げた訳ですが、命や大金を賭けて戦うカイジと比較するとなんだか微笑ましい感じがしてしまいます。
ですが、カイジで培った独特の言い回しはそのままで、心の葛藤もまるでギャンブルをしているかのようです。
一見、キモくて不器用なおじさんなんですが、底辺として必死に生きる姿に感動する事、間違いなしです。
あらすじ
赤松VS黒沢編
谷平建設に26年間も務めていた黒沢は、工事現場を任されますが会社から役不足を心配されその現場に28歳の赤松が補佐役として置かれます。
赤松は万能で、数々の資格、美人の奥さんと子供、仲間からの人望など黒沢が持っていない物を全て持っていました。
赤松に負けじと気に入られるため現場のみんなにビールを配りますが、仕事中だったため無視され
次にみんなの弁当に内緒でアジを忍ばせますが、アジが余計に入っていることにすら気付かれず
自分の弁当がそもそもなかったことに腹を立て文句を言う黒沢
自分の弁当がないことをみんなに知られないように背を向けていた赤松
探してみれば二人分の弁当はしっかりあったのですが、赤松はここでようやく自分の分もあるなら食べるとし
ようやく弁当がないことを名乗り出て、黒沢との格の違いを見せつけるのでした。
交通誘導員
勝手に他人の弁当にアジを入れたことは、みんなに知られてしまいますが、それが逆にキモがられてしまった黒沢
社長直々に、現場の仕事を外れて交通誘導の仕事に回されてしまいます。
その後、赤松から黒沢に連絡があり、また交通誘導の仕事をしてくれないかと頼まれます。
赤松に頼みごとをされた黒沢は体調不良でしたが、赤松に頼られたことを喜び、交通誘導の仕事を引き受けます。
が、そこはカーブを過ぎてすぐに黒沢が道幅減少を知らせているという非常に危険な現場だったのです。
仲間たちが手伝いに来てくれるという妄想も虚しく、黒沢は危険な仕事を一人で立ち向かうしかありませんでした。
危険な仕事を終えますが、動作が小さいとクレームが来ていると現場の人から言われ散々な日に終わります。
失踪
交通誘導の仕事が終わり、体調不良だった黒沢は、高熱でフラフラと車道で自転車を漕いでいるところを仲間に助けられます。
そこで近くの穴平建設の現場で「太郎」が事故に巻き込まれ損傷してしまっていることを知らされます。
太郎とは、黒沢が大事にしている人型の交通誘導のロボットです。
現場に着きボロボロでしたが無事だった太郎を前に黒沢は泣き崩れてしまいます。
この黒沢の姿を見た穴平建設の仲間たちは黒沢の人間としての良さを知りました。
そこで一緒にファミレスに行く仲間たちでしたが、騒ぎ過ぎたため中学生の不良グループに絡まれてしまいます。
ファミレス内で不良グループを撃退した黒沢でしたが、報復の為、拉致されてしまいます。
黒沢を連れた車の中で彼らは、ゲームをしており、これから黒沢に暴力を加えようというのに平然とゲームをする彼らを見て異様さを感じるのでした。
不良少年たちから暴力を受けた黒沢は最後に土下座を要求されます。
プライドが許さずなかなか土下座に踏み切れない黒沢でしたが助かるために土下座をして助けを求めます。
しかし間一髪で穴平建設の仲間が助けに入り、不良少年たちは逃げた後、黒沢は、そのことに気づかず仲間たちに土下座してしまうのでした。
その後、仲間たちにファミレスで励まされますが最悪の事態を逃れた黒沢でしたが不良たちに屈してしまったことに納得しません
不良たちに逆襲することを誓いますが、ファミレスには黒沢以外にも悩みを抱えている人が沢山いて周りの関係ない人たちからも賛同されます。
ファミレスに居た人たちからは先生と呼ばれ、遂に黒沢は不良たちの前に立ちはだかったのです。
このことがきっかけとなり、黒沢は不良との喧嘩に巻き込まれていきます。
まとめ
今回は、最強伝説黒沢の記事を書いてみました。
背中に刺した角材を出して不良たちに角材を振り上げようとしますが角材に釘が刺さっていて角材が抜けなくなり、服に引っ掛かっていた為、服で首が締まるという黒沢
ドジで見栄っ張りで底辺一直線だけど、一生懸命人間であろうとする姿はなんだか微笑ましいです。
弁当に入れたアジ一匹でも、もの凄い戦いが繰り広げられていることが分かります。
黒沢でなければ何事もなく過ぎていくダメなオッサンの日常ですが、そんな日常の心理描写を面白く描いているという斬新な作品です。
バトル漫画ではなんとなーく中身が分かりそうな気もしますが黒沢の面白さは僕の文章では伝えきれない面白さがありますので、興味が持てたという方は是非ご覧になってください(^^)/
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