もし、人生の終盤を迎えた老人が、突如20歳の肉体を取り戻したら――? そんな奇想天外な物語の舞台は、日本政府が極秘裏に進める若返り実験の島。80歳以上の選ばれた人々が、夢のような第二の人生を謳歌するはずでした。
しかし、その楽園は、若返った肉体を持て余す老人たちの欲望が渦巻き、倫理観が崩壊した、バイオレンスが支配するディストピアへと変貌していました。
主人公の八武崎瀧郎は、愛する妻子を惨殺され、無実の罪で50年間を獄中で過ごした老いた男。出所後、復讐のため自らも若返り、この謎の島へと足を踏み入れます。
若々しい姿を取り戻した瀧郎を待ち受けるのは、想像を絶する過酷な現実と、陰謀渦巻く政府の暗部。巨大な怪物、謎の刺客、そして若返り薬に隠された恐るべき秘密。
果たして瀧郎は、自身の壮絶な過去に決着をつけ、真の復讐を遂げることができるのでしょうか? 老いと若さ、生と死、そして人間の欲望が交錯する、予測不能なサバイバル・アクション劇が、今、幕を開けます。
エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―あらすじ
エイジング1巻あらすじ
少子高齢化が進む日本で、政府は80歳以上の高齢者を対象とした若返り薬の開発に成功しました。その治験として、選ばれた高齢者たちは20歳の肉体を取り戻し、南海に浮かぶ孤島で第二の人生を送ることになります。
主人公の八武崎瀧郎は、かつて愛する妻子を謎の尖り耳の男に惨殺され、その濡れ衣を着せられて50年もの間、刑務所で過ごしました。出所後、復讐を誓う瀧郎は、自らも若返り薬を服用して島へと乗り込みます。
しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、若返った老人たちが若者のように享楽的な生活を送る、欲望渦巻く異様な世界でした。瀧郎は、かつての穏やかな島を想像していただけに、その変貌ぶりに戸惑いながらも、復讐の機会を窺うのでした。
エイジング2巻あらすじ
常春島に潜入した瀧郎は、若返り薬の副作用と思われる急激な老化現象に苦しむ女性ミナと出会います。
リコは、急激に老化の進んだミナを救うため薬を服用させようとしますが、そこへ不良グループが現れリコから薬を奪おうとします。この事態を鎮圧する為重装備をした警備員が登場し、不良グループに過剰なまでに攻撃を加え、島民たちの間に不安と混乱が広がります。
このことがきっかけで、同じく島に潜入していた若い女性リコと行動を共にすることになります。
リコは、この若返りプロジェクトの中心人物であり、薬の開発者である叔父を探していました。二人はそれぞれの目的を果たすため、協力して島民のデータベースにアクセスしようと試みるのでした。
エイジング3巻あらすじ
瀧郎とリコは、リコの叔父の居場所と耳尖りの男の居場所を突き止めるため、島の市役所に侵入し、住民データを盗みだします。しかし瀧郎の復讐相手である耳尖り男の情報は見つかりません。
リコの叔父は、島のスタッフとして登録されていましたが、そこは未開発の地区となっており島民は立ち入り禁止の地区となっていました。
叔父を探しに向かう二人ですが、その道中、巨大な異形の生物に襲われ、命の危機に晒されます。一方、リコは叔父の手がかりを求めて単独で行動する中で、島の南端に位置する政府の迷彩基地を発見します。
しかし、警備兵に見つかり追われることになります。逃げている最中に現れたのは薬を投与され凶暴化した失効型戦闘員と呼ばれる異様な存在でした。
リコは自らを追ってきた警備兵の一人と逃げることになりますが、警備兵に裏切られ絶体絶命の状況に陥ります。この出来事を通して、島の裏側に隠された恐ろしい実験の存在が示唆されます。
エイジング4巻あらすじ
山中を彷徨う失効型戦闘員に襲われたリコと警備兵。しかし、警備兵の裏切りによりリコは絶体絶命の危機に陥りますが、間一髪のところで駆けつけた瀧郎に救われます。
二人は手掛かりを求めて第2基地へと向かいますが、そこで彼らを待っていたのは、目を疑うような異常な“肉欲”が渦巻く現場と、新たな危機でした。
一方、御像崎博士は、抗老化薬の副作用を抑える薬であるアムリジンに不純物を混ぜた犯人が、市長よりも格上の残虐な人物だと確信していました。その犯人の仕業により、若返った老人たちが急に老化して死亡する事件が起きていたのです。
そして、その犯人は天狗の面を被り、光学迷彩で姿を消しながら、振動剣という武器で瀧郎とリコを襲ってくるのでした。
姿の見えない敵に苦戦する瀧郎でしたが、激しい攻防の末、左腕を切り落とされてしまいます
基地内での出来事を通して、若返り技術の裏に潜む陰謀がより深く描かれていきます。
エイジング5巻あらすじ
リコの叔父と対峙した尖り耳の男は、銃で撃たれてもすぐに立ち上がるという、常識では考えられないほどの生命力を持っていました。
その異様な姿を見た瀧郎、尖り耳の男の挑発的な発言の中で彼こそが自分の妻子を殺害した真犯人だと確信し、激しい怒りを覚えます。
復讐を誓う瀧郎は、危険な相手と戦う前にリコを安全な場所へ逃がそうとします。しかし、リコは瀧郎を見捨てて逃げることを拒否し、共に戦うことを決意します。
人生を懸けた最後の戦いを前に、瀧郎は過去の辛い記憶を振り返り、復讐への決意を新たにします。そして、ついに尖り耳の男の正体が明らかになる時が来ます。それは、瀧郎にとって想像もしていなかった、衝撃的な人物でした。
ギリギリの所で尖り耳の男に崖に突き落とされた瀧郎は、島の元医師である北里によって助けられます。
3カ月もの間眠っていた瀧郎の失った左腕と右目は、義肢と義眼に置き換わっているのでした。
エイジング6巻あらすじ
遂に自身の妻子を殺害した真犯人が判明したものの、瀧郎とリコは指名手配犯となってしまいます。橋爪を捕えるべく、二人は一旦街に戻り、準備を整えることにします。
しかしその道中、島に新たにやってきた三期生の反社会勢力の一味に遭遇し、賞金首であることが露見してしまいます。
その後、テリーの店を間借りさせてもらいながら橋爪のいる第二基地に乗り込む計画を練っていた一行でしたがそこへ孔條會がやってきてリコが捕らえられてしまうのでした。
エイジング7巻あらすじ
武闘派・孔條會に拉致されたリコを救出するため、瀧郎は単身で孔條會のアジトに潜入します。義肢のバッテリー残量が心許ない状況での戦いを強いられる瀧郎でしたが、その最中、彼の身に奇妙な変化が起こり始めます。
それは、彼の戦闘能力を向上させるような、これまでとは異なる感覚でした。一方その頃、御像崎博士のもとには防衛大臣・女川が訪れ、女川の口からエイジング計画の裏に隠された、恐るべき事実が告げられるのでした。
それは、島だけでなく日本全体を揺るがすような衝撃的な内容でした。
孔條會に乗り込んだ瀧郎は、孔條會の主要メンバー2人を倒します。しかし2人は改造を受けた瀧郎と互角に渡り合うほどの耐久力とパワーの持ち主で、遂に義肢のバッテリーが底を尽きてしまいます。
なんとか、孔條會のボスの元へとたどり着いた瀧郎は、孔條會のボスから橋爪のこれまでの悪事の数々を聞かされその場から解放されるのでした。
エイジング8巻あらすじ
橋爪を拘束するため、再び第二基地に潜入した瀧郎とリコ。周到な準備の末、ついに橋爪の部屋に辿り着きますが、そこで待ち受けていたのは、仲間のはずだったテリーと銃口を向けた兵士達でした。
テリーこそが橋爪本人であったことが判明し、瀧郎とリコは絶望の淵に突き落とされます。橋爪は二人を嘲笑い、兵士たちに銃殺を指示しますが、その瞬間、橋爪は信じられない光景を目にするのでした。
実は、瀧郎達はテリーの不審な行動に気付いておりテリーが橋爪ではないかという事は最初から知っていたのです。
それは、これまで幾度となく危機を乗り越えてきた瀧郎の、底知れぬ力の一端を示すものでした。
しかし、ようやく橋爪を追い詰めたかに思われましたが橋爪も逃げる手段をしっかり用意しており敵の要塞の中で逆に追い詰められてしまいます。
エイジング9巻あらすじ
執拗に瀧郎たちを追いかけてきたサイボーグ男を、辛くも退けた二人。ようやく安堵したのも束の間、橋爪によって送り込まれた次なる刺客、エグゼクターとアナイアレイターと呼ばれる新たな強敵が、彼らの前に立ちはだかります。
犬型の鉄製のアニマルウエポンたちと対峙した瀧郎達は、ようやく一基を倒すことに成功しますが、アニマルウエポンは次々と現れます。
さらにゴリラ型のアニマルウエポンは瀧郎達が逃げていた木に登り、最後は木をへし折ってしまいました。
絶体絶命のピンチの中、基地には警報が鳴り響き、アニマルウエポンたちは故障してしまいます。
エイジング10巻あらすじ
橋爪が絶対的な信頼を寄せる戦闘マニアの司令官と、再び相まみえることになった瀧郎。
圧倒的なパワーと戦闘スキルを持つ司令官に対し、瀧郎は劣勢を強いられますが、最後の切り札として、戦闘用義肢に内蔵されたリストブレードで反撃を試みます。
互いの全てを懸けた、血で血を洗う死闘の末、ついに決着の時が訪れます。
ようやく司令官を退けた瀧郎達の前に、今度は橋爪が現れます。
御像崎博士を人質に取り広場へ来るように促す橋爪、そこには武装した兵隊たちが多数、瀧郎達を取り囲んでいたのでした。
しかし、そこへリコの要請を受け孔條會のメンバーが応援に駆けつけます。更に失効型の戦闘員まで乱入し現場は大混乱となってしまいます。
エイジング11巻あらすじ
瀧郎一行、孔條會、橋爪の兵隊たちの三つ巴の戦いが続く中、不死の肉体を手に入れることができるという新薬『ネクタデューサ』を求め、橋爪は第六基地へと向かいました。
一方、瀧郎たちは第二基地での敵味方入り乱れる激しい戦いを制し、急いで橋爪の後を追います。
第六基地へ辿り着いた橋爪は、待ち構えていた国防省の女川に追い詰められます。
追い込まれた橋爪は、市長の黒川を盾にネクタデューサを探すため、逃げ込みますがそこで黒川に裏切られ銃弾を頭に撃たれてしまうのでした。
そのままネクタデューサの原液に漬かってしまった橋爪は、確かに死んだように想われましたが、原液の中で大笑いしています。
報復を恐れ焦った黒川は、緊急停止ボタンと間違えて研究所にあった薬液をネクタデューサの入った巨大な容器の中に流すボタンを押してしまいます。
瀧郎達が橋爪が居ると思われた場所に辿り着いたときには、橋爪の姿は無くそこには国防省の兵たちが凄惨な姿となり転がっているのでした。
エイジング12巻あらすじ
『ネクタデューサ』によって異形の化け物へと変貌を遂げた橋爪は、ついに大量殺戮兵器を起動させてしまいます。
このままでは日本が破滅してしまう。兵器の発動まで残された時間はわずか数時間。圧倒的な身体能力を持つ橋爪を倒す唯一の方法は、防衛大臣・女川率いる政府の協力を得て、総力を挙げた抹殺作戦を実行することでした。
瀧郎は、最後の希望を託し、全てを懸けて橋爪との最終決戦に挑みます。彼の復讐は果たされるのか、そして日本を救うことができるのか。物語はついにクライマックスを迎えます。
コメント