
『鋼の錬金術師』の世界で、主人公エドワードたちの前に立ちはだかる「ホムンクルス」。
その中でも、特に異質な存在としてファンに強い印象を残しているのが、七つの大罪「傲慢」を司るプライドです。
見た目は可愛らしい少年セリム・ブラッドレイですが、その内には底知れない冷酷さと、ホムンクルスの中でも群を抜く最強の能力を秘めています。
今回は、このプライドの正体から、恐るべき能力、キング・ブラッドレイ夫妻との「家族ごっこ」に隠された人間性への影響、そして衝撃の最終的な結末まで、徹底的に深掘りしていきます。
唯一生き残ったホムンクルスであるプライドには、一体どのような運命が待ち受けていたのでしょうか。
プライドとは? 始まりのホムンクルス、その正体と性格
『鋼の錬金術師』において、物語の核心に深く関わるホムンクルスたち。
その中でも「始まりのホムンクルス」として、お父様によって最初に生み出されたのがプライドです。
まずは、プライドの基本情報と、アニメ作品における設定の違い、そしてその本質に迫る性格について見ていきましょう。
プライドの基本情報と、二つのアニメの異なる姿
| 名前 | プライド(セリム・ブラッドレイ) |
|---|---|
| 七つの大罪 | 傲慢 |
| 生まれた順番 | 1番目 |
| 養父 | キング・ブラッドレイ |
| 養母 | ブラッドレイ夫人 |
『鋼の錬金術師』のアニメは、2003年版と2009年版(FULLMETAL ALCHEMIST)の二種類があります。
実は、この二つのアニメでは「プライド」のキャラクター設定が大きく異なります。
2003年版のアニメでは、国家大総統であるキング・ブラッドレイ自身がプライドとして描かれていました。
一方、2009年版アニメと原作漫画では、ブラッドレイ夫妻の養子である「セリム・ブラッドレイ」がプライドの真の姿となっています。
この設定の違いは、物語の展開やキャラクターの印象に大きな影響を与えているため、ファンの中でも議論の的となることが多いポイントです。
傲慢の具現者:プライドの恐ろしい性格と、唯一の忠誠心
セリム・ブラッドレイとしてのプライドは、幼い男の子の見た目と、丁寧な敬語を使うことから、一見すると礼儀正しく純粋な印象を与えます。
しかし、その本質は「傲慢」そのもの。
ホムンクルスのプライドとしての真の性格は、エンヴィーをも凌駕するほどの残虐性と冷酷さを持ち合わせています。
人間を見下し、自身の目的のためならば手段を選ばない非情な一面は、作中で幾度となく描かれました。
唯一、お父様に対してだけは絶対的な服従を誓っており、その目的のためには自身の身がどうなっても構わないという覚悟を持っています。
この、見た目と中身の恐るべきギャップこそが、プライドの最大の魅力であり、読者に強いインパクトを与えていると言えるでしょう。
ホムンクルス最強説? プライドの脅威的な能力と戦績
ホムンクルスの中でも異質な強さを持つプライドは、最強のホムンクルスとして敵味方問わずに恐れられている存在です。
ここでは、『鋼の錬金術師』に描かれていた内容を参考に、プライドが持つ能力の強さについてチェックしてみましょう。
影を操る最強の力:その能力の全貌
プライドの最大の武器は、無数の目と口を持つ変幻自在の「影」を操る能力です。
この影は、金属のような硬い物質すら容易に切り裂き、その切れ味は恐ろしいほどです。
さらに、影のエネルギーが不足すれば、他の人間やホムンクルスを吸収して自身の力に変えることも可能です。
影が存在する場所であれば、どこへでもその影を伸ばし、攻撃や防御、索敵など、あらゆる状況に対応できる汎用性の高さもプライドの恐ろしさを際立たせています。
ただし、影の能力は光がなければ使えないという弱点も存在します。また、密閉された空間では、影を伸ばす範囲が限られるため、その能力が制限されることもありました。
これらの弱点を突かれるとプライドも不利になるため、読者からは光の有無が戦況を大きく左右するという見方もあります。
容赦なきホムンクルス:仲間をも吸収する冷徹さ
プライドの能力に対して、キング・ブラッドレイ以外のホムンクルスたちはその強さに萎縮している様子が描かれています。
エドワードとの戦闘中、戦況が不利になった際には、その場にいたグラトニーを躊躇なく吸収し、グラトニーが持つ能力(無限の胃袋)を手に入れました。
これは、自身の目的のためならば仲間をも利用することを厭わない、プライドの冷酷な性格を明確に示すシーンです。
また、お父様から離れて単独行動を繰り返すグリードに対しても容赦なく襲いかかっていることから、他のホムンクルスたちに対しても容赦ない一面を持っています。
読者からは、プライドの行動はまさに「傲慢」そのものであり、自己中心的で絶対的な存在としての彼のキャラクター性を際立たせているという声も多く聞かれます。
驚異の身体能力と知性:なぜプライドは強敵なのか
プライドは影の能力だけでなく、キング・ブラッドレイにも匹敵するほどの驚異的な身体能力も持ち合わせています。
素早い動きで敵を翻弄し、格闘術においても高い実力を見せました。
さらに、幼い見た目からは想像できないほどの高い知性と、敵の心理を読み取る狡猾さもプライドの強みです。
戦況を冷静に分析し、最も効果的な方法で敵を追い詰める戦略的な思考は、多くの読者をゾッとさせました。
影という特殊な能力と、それを最大限に活かす知性、そして身体能力の高さが相まって、プライドは作中屈指の強敵として君臨したと言えるでしょう。
プライドの“家族ごっこ”と、人間との関わり
ホムンクルスとして生み出されたプライドは、キング・ブラッドレイ夫妻の養子「セリム・ブラッドレイ」として人間社会で生活を送っていました。
この「家族ごっこ」とも呼ばれる生活は、プライドにどのような影響を与えたのでしょうか。
キング・ブラッドレイ夫妻との生活:プライドに芽生えた変化?
プライドは、キング・ブラッドレイ夫妻の養子として、愛情を注がれて育てられました。
特に、養母であるブラッドレイ夫人は、セリムが車に轢かれそうになった際に身を挺して助けるなど、深い愛情を注いでいたことが描かれています。
ブラッドレイは、これらの行動を「家族ごっこ」の一環に過ぎないと語っていましたが、プライド自身はブラッドレイ夫人に対し、特別な感情を抱いていた時期もあったようです。
読者からは、この人間らしい家庭環境が、プライドの根底にある傲慢さとは異なる、わずかながらも「人間らしさ」の萌芽を育んだのではないか、という考察が多く見られます。
後に、最終決戦で人間だった頃の記憶が走馬灯のように蘇る描写があり、この「家族ごっこ」がプライドの心に少なからず影響を与えていたことが示唆されています。
プライドの結末:ホムンクルス唯一の生存者となった理由とは
『鋼の錬金術師』では、多くのキャラクターが命を落とす中で、ホムンクルスもまた、その多くが消滅の運命を辿りました。
しかし、プライドだけは、その例外。
ここでは、プライドがどのような結末を迎え、なぜホムンクルスの中で唯一生き残ることができたのかを深掘りします。
エドワードとの最終決戦:意外な敗北と真の姿
「約束の日」において、プライドはエドワードと壮絶な最終決戦を繰り広げます。
大人を相手に優位な戦いを展開することが多かったプライドは、エドワード相手であればいつも以上に優位に立てると計算していました。
しかし、エドワードの予想外の猛攻と、キンブリーの魂が内側からプライドの影に干渉したことで、プライドの人間としての器は徐々に破壊されていきます。
エドワードを吸収して回復を試みようとしますが、先に吸収されていたキンブリーの妨害により、エドワードに反撃のチャンスが到来。
エドワードは、プライドの本体である「小さな影」を掴み取ることで、この激闘に決着をつけました。
この戦いは、プライドの傲慢さが、予想外の形で打ち砕かれる象徴的な場面として、読者に強い印象を残しました。
小さき者としての再生:プライドが「生き残った」意味
エドワードが掴み取ったプライドの本体は、手のひらよりもずっと小さい、赤ん坊のような姿でした。
エドワードはこのプライドを処分することなく、ブラッドレイ夫妻の元へ返しました。
ブラッドレイ夫妻は、プライドの真の正体を知った上で、再び一から育てることを選択します。
これにより、プライドは『鋼の錬金術師』に登場するホムンクルスの中で、唯一死亡することなく生き残る結果となりました。
なぜプライドだけが生き残れたのか、という点については、多くのファンが考察しています。
「家族ごっこ」を通して、人間らしい感情や絆に触れた経験が、彼を完全に消滅させることを防いだのではないか、という見方もあります。
傲慢の化身であったプライドが、最も無力な赤ん坊として再誕したことは、新たな人生、そして人間としての可能性を示唆しているとも考えられるでしょう。
心に残るプライドの名言:その本質を映し出す言葉たち
ホムンクルスの中でも圧倒的な強さを持つプライドは、『鋼の錬金術師』内で多くの名言を残しています。
ここでは、どのような名言がハガレンファンの間で印象に残っているのかチェックしてみましょう。
「外見など記号でしか…」:プライドの本質を示す言葉
「外見など記号でしかありませんよ小さい錬金術師のお兄さん」
エドワードと対峙した際の発言です。
影の存在であるプライドにとって、人間の肉体はただの器であり、その外見に意味はないという、彼の冷徹な本質を強く表しています。
この言葉は、プライドが人間を見下している根源的な思想を垣間見せるため、ハガレンファンの間では強く印象に残ることになりました。
「気付いちゃいました?困りましたね。うちのお義母さんおしゃべりが好きで」:ホークアイ中尉への警告
「気付いちゃいました?困りましたね。うちのお義母さんおしゃべりが好きで」
セリムの正体にいち早く気づいたホークアイ中尉に対して、能力を見せて警告するシーンです。
幼い少年の口から発せられる不気味な言葉と、影の能力が垣間見えることで、最強格のホムンクルスがこの先に待ち受けていることを暗示しています。
プライドが持つ得体のしれない不気味さは、この名言によってさらに印象付けられ、ハガレンファンの間でも語り草となっています。
「私の中に入って…」:人間性を垣間見せた瞬間
「…やめろ…私の中に入ってくるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
エドワードの侵入を許してしまったプライドの、最後の断末魔のような叫びです。
この時、走馬灯のようにブラッドレイ夫妻との思い出が脳裏をよぎり、今まで人間を見下し続けていたプライドが、ブラッドレイ夫妻の愛情によって人間の家族が持つ尊さを知っていたことが示唆されます。
プライドの傲慢さが揺らぎ、わずかながら人間性が垣間見えたこの名言は、多くの読者に衝撃と感動を与えました。
読者からは、この瞬間にプライドの中に芽生えた人間らしさが、彼がホムンクルスの中で唯一生き残った理由の一つなのではないか、という考察も多く見られます。
プライドの声優:三瓶由布子と柴田秀勝が演じる魅力
『鋼の錬金術師』に登場するホムンクルスも物語において重要な存在です。
そのホムンクルスの中でも最強の存在であるプライドはどのような声優が演じているのか、早速チェックしてみましょう。
「2009年版/原作」プライド(セリム・ブラッドレイ)の声:三瓶由布子
2009年版アニメでプライド(セリム・ブラッドレイ)を演じているのは、声優の三瓶由布子です。
三瓶由布子は、少年役を多く担当する声優として知られており、その可愛らしい声と、プライドの冷酷な本質とのギャップが、キャラクターの魅力をより一層引き出しています。
幼い少年の声で発せられる残虐なセリフは、多くの視聴者に強烈な印象を与えました。
三瓶由布子のプロフィール
| 名前 | 三瓶 由布子 |
|---|---|
| 生年月日 | 1986年2月28日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 事務所 | アクセルワン |
「2003年版」プライド(キング・ブラッドレイ)の声:柴田秀勝
2003年版アニメでプライド(キング・ブラッドレイ)を演じているのは、声優の柴田秀勝です。
柴田秀勝は、その重厚で威厳のある声で、キング・ブラッドレイの絶対的な存在感を表現しました。
彼の声が、視聴者に「この人物こそがプライドである」という強烈な印象を与えたと言えるでしょう。
柴田秀勝のプロフィール
| 名前 | 柴田 秀勝 |
|---|---|
| 生年月日 | 1937年3月25日 |
| 出身地 | 東京都台東区 |
| 事務所 | RME |
このように、同じ「プライド」というキャラクターでも、アニメのシリーズによって異なる声優が担当することで、それぞれの作品におけるキャラクターの個性や雰囲気が大きく異なっている点も、ファンにとっては興味深い比較対象となっています。
世間の評判と人気:唯一の生き残りに寄せられる声
ホムンクルスの中で唯一死亡することのなかったプライドに対し、世間ではどのような評判や人気があるのでしょうか。
SNSの投稿などから、その声を探ってみましょう。
新旧アニメのプライドへの戸惑いと、その魅力
アニメのシリーズによってプライドの存在が大きく異なることから、ファンの中には最初、混乱する声も見受けられました。
しかし、どちらのプライドも『鋼の錬金術師』内で重要なポジションに位置し、それぞれ異なる魅力を持っていると評価されています。
特に、セリム・ブラッドレイとしてのプライドは、幼い見た目と冷酷な言動のギャップが、その不気味さを際立たせ、多くのファンを惹きつけました。
ブラッドレイ夫人とのエピソードへの反響
プライドがブラッドレイ夫人に命を救われるシーンは、ファンに強い印象を与えました。
プライド本人にとっては些細な出来事であったとしても、命懸けで守ってくれた夫人に対する感情が、彼の今後の考え方を大きく左右したと考える読者が多いようです。
この一連の描写に対して、「ホムンクルスにも人間らしい感情が芽生えるのか」という意外性や、「プライドにも救いがあった」と感じる好意的な声も見受けられます。
なぜ生き残ったのか? プライドの結末への考察
『鋼の錬金術師』内に登場したホムンクルスの多くが最終的に消滅する中で、唯一プライドだけが生き残ったことについて、多くのファンがその理由を考察しています。
プライドの性格と境遇から、「人間らしい環境で育てられたからこそ、彼だけはホムンクルス唯一の生き残りになったのではないか」という見方があります。
最後まで猛威を振るい続けたラースとは違い、ブラッドレイ夫妻との生活を通して人間的な感情に触れたことが、最終的な彼の運命を分けたのかもしれない、と考える読者も少なくありません。
この結末は、プライドが真の「人間」として再出発する可能性を秘めている、という希望的な解釈も生んでいます。
【ハガレン】プライドは強いホムンクルスだった
『鋼の錬金術師』内に登場する多くのホムンクルスの中でも、プライドは最強のホムンクルスであり、ホムンクルス唯一の生き残りであることがわかりました。
敵として登場したキャラクターでありながら、ブラッドレイ夫妻との関わりを通して心境が変化したことで、どこか憎めない存在になったとも言えるでしょう。
『鋼の錬金術師』には、このような魅力にあふれたキャラクターが多数登場します。
それぞれの個性に注目した上で、改めて作品を読み返してみると、新たな発見があるかもしれません。
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