【バガボンド】心震わす名言の数々!生き方と強さを問いかける格言集

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【バガボンド】心震わす名言の数々!生き方と強さを問いかける格言集

 

漫画バガボンドは、主人公・宮本武蔵の剣豪への道を描く中で、多くの名言や名ゼリフを生み出してきました。

これらの言葉は、登場人物たちの葛藤や成長、そして人生の真理を深く問いかけ、読者の心に強く響きます。

今回は、作中に登場する心に残る格言を深掘りし、その魅力を再発見していきます。

 

バガボンドとは?井上雄彦が描く宮本武蔵の生涯

バガボンドは、「SLAM DUNK」や「リアル」といった名作を生み出した漫画家・井上雄彦が手掛ける歴史漫画です。

天下無双を目指す宮本武蔵の生涯を、時に葛藤し、時に成長する人間ドラマとして丹念に描き出しています。

文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞や手塚治虫文化賞など、数々の賞を受賞しており、その芸術性の高さと物語の深さは多くの読者を魅了しています。

バガボンドの魅力は、単なる剣術の描写に留まらず、武蔵を取り巻く個性豊かな人々との交流を通じて生まれる言葉の数々にあると考える読者が多いようです。

それぞれの登場人物が抱える悩みや信念が、時に強烈なメッセージとして、時に優しく寄り添う言葉として、読者の心に感動を与えます。

本記事では、そんなバガボンドの真髄とも言える名言を振り返り、作品の深層に触れていきます。

 

バガボンド登場人物たちの心に響く名言

バガボンドでは、様々な人物が独自の視点から人生や強さについて語り、読者に深い示唆を与えます。

彼らの言葉は、宮本武蔵の成長に大きな影響を与え、物語を一層奥深いものにしています。

 

沢庵宗彭:ありのままの自分を受け入れる大切さ

吉岡道場での戦いを生き延び、沢庵宗彭に助けられた武蔵は、おつうについて話を聞きます。

剣の道に生きると決めたものの、おつうのことが頭から離れず、道に思い悩む武蔵に対し、沢庵宗彭はこう告げます。

「認めてしまえ、ありのままのお前を。修行はそれからだ」

剣の道を進むことと、おつうへの思い、どちらにも強い気持ちがあり悩む武蔵に対し、沢庵宗彭はまず思い悩む自分自身を認めることが第一歩だと諭します。

人間は様々なことを同時に悩み、葛藤するものですが、そんな自分を責めることなく受け入れることの大切さに気づかされる名ゼリフです。

読者からは「自分を肯定することから始まる」という普遍的な真理が込められている、という共感の声が多く聞かれます。

 

宝蔵院胤栄:成長と心の充実

宝蔵院胤栄と戦うため道場へ向かう武蔵は、道を尋ねた老人に殺気が「不細工」と言われ、寄り道をします。

武蔵はその老人が目的である胤栄とは気付かず、己の強さについて、自分がどれほど強いのか全くわからないと吐露します。

そんな武蔵に対し、胤栄はこう告げます。

「海を泳いでいる最中には、海の広さはわからんよ」

ただ我武者羅に強さを求める武蔵に対し、胤栄は今のお前には分からないとはっきりと告げます。

「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉にも通じる名言で、読者からは「無我夢中で進む中では気づけない視点がある」という見方もあります。

我武者羅に進む最中には気付けなかったことに気付けるようになることこそが、真の成長であると示唆しているのかもしれません。

 

また、胤栄は武蔵に「心」の重要性も説いています。

弟子・胤舜に弱点があると語り、それが「心・技・体」のうち「心」だと語ります。

胤栄の語る心とは何か、武蔵に対し胤栄はこう告げます。

「時に己の命を業火にさらすような状況を乗り越えてこそ、『心』は充実を見る」

これは、天才ゆえに心の成長を得なかった胤舜を表した名ゼリフと考えることができます。

人の心とは、過酷な状況に打ち勝ってこそ満たされるという、人間の本質を捉えた名言です。

この後、武蔵は胤栄の指導の下、恐怖に打ち勝つための修行を始めますが、胤舜に殺されそうになった恐怖が武蔵の心をさらに強くしたのは間違いありません。

読者からは、「困難を乗り越えることが精神的な成長に繋がる」というメッセージを受け取った、という感想が多く寄せられています。

 

柳生石舟斎:強さの本質と無限の可能性

次々と強者に挑み天下無双の道を目指す武蔵は、次の標的として天下無双と名高い柳生石舟斎を定めます。

武蔵が「無謀と笑うか?」と城太郎に訊くと、城太郎は「人は多分、そういうよ」と答えますが、武蔵はこう続けます。

「なんの天は笑いはしない」

世間を気にせず己の道を歩み続ける武蔵の心情を表した名ゼリフであり、無謀な挑戦を繰り返し続けてきた武蔵ならではの言葉です。

読者からは「自分の信じた道を進む勇気をもらえる」という声が聞かれ、多くの人が共感したシーンと言えるでしょう。

 

柳生石舟斎に挑み、そのあり方に畏怖を抱き逃げ出した武蔵は、逃走中に石舟斎の言葉を改めて考えます。

「考えれば考えるほど、見よう見ようと目を凝らすほど、答えは見えなくなる。見つめても見えないなら目を閉じよ、どうじゃ?」

この言葉に続き、石舟斎は武蔵にこう問いかけます。

「お前は無限じゃろう?」

天下無双という言葉にとらわれ、獣のように強さを求める武蔵でしたが、この石舟斎との問答で、天下無双の本質の一端に触れることとなります。

今までしがみついてきた「天下無双」という言葉の意味を改めて考えさせられる名言です。

「言葉を除け、自分に目を向けてみれば、人の可能性は無限に広がる」という、人の本質を捉えた感動的な言葉と考える読者が多いようです。

 

板倉勝重:心の均衡を保つ術

吉岡一門との死闘を終えた武蔵は、京都所司代・板倉勝重により捕らえられ、牢に入れられます。

勝重は今や天下無双と言われる武蔵に興味を持ち、話を聞きますが、武蔵は自らは天下無双ではないと告げます。

天下無双とはただの陽炎だと聞いた勝重は、翌日武蔵にこう話をします。

「真ん中がいちばんいい」

人の心とは嫉妬心や崇拝のどちらに揺れても良くはないもので、真ん中が一番良いと勝重は語ります。

さらに、心の別れ道の上で常に真ん中であること、それが出来れば争いはなくなると勝重は続けて語ります。

「無駄な嫉妬心などを捨て去り、常に心を真ん中に保つことが穏やかに生きていくコツ」という、現代社会にも通じる教訓として受け取った読者も多いのではないでしょうか。

登場の少ないキャラクターながらも、心に強く残る名言を残しています。

 

本位田又八:弱さを受け入れ、前へ進む道

小次郎の名を騙り、吉岡道場の門下生に袋叩きにされる又八の前に、ふらりと現れたのは本物の小次郎でした。

小次郎は瞬く間に吉岡道場の門下生二人を斬り、残りの一人も手にかけようとしますが、そこに又八は割って入り、耳の聞こえない小次郎に対し必死の説得をします。

小次郎に対し又八は自分の気持ちを吐露するようにこう投げかけます。

「負け犬は負けを抱えて…それでも生きていくんだ。前へ進まなくちゃならねえんだよっ」

これまで現実から逃げ続け、嘘ばかりついてきた又八の本当の心情が見えた感動的な名言です。

「弱者には弱者の強さがある」「弱い者でも常に進み続けなければならない」というメッセージが込められており、多くの読者が又八の心情に共感したシーンではないでしょうか。

 

お杉:親子の情と強さの定義

又八と再会を果たしたお杉は長旅の疲れのため倒れてしまい、又八におぶられて美作へ帰郷することとなります。

美作への道中、又八は武蔵への劣等感と自らの弱さに向き合いお杉に愚痴を零してしまいます。

そんな時、又八に背負われたお杉は又八をいたわるように呟きます。

「又八…、この世に強い人なんておらん。強くあろうとする人。おるのはそれだけじゃ」

人知れず嘘をつき続け、劣等感に悩まされる又八に対し、その姿を認めつつも励ますような言葉です。

作中では、時に厳しい人物として描かれがちなお杉ですが、逃げ続けてきた又八を母が認める感動的な名ゼリフと言えるでしょう。

この場面では、他にも「よう言うた又八。弱いものは己を弱いとは言わん。おぬしはもう弱いものじゃない。強くあろうとする者。もう一歩目を踏み出したよ」と名言が続きます。

この言葉は、読者にとって「強さとは何か」を改めて考えさせるきっかけとなったのではないでしょうか。

 

和尚:過去を乗り越え、今を生きる

又八は母・お杉と故郷・美作に帰ろうとする道中にお杉が亡くなってしまい、元お世話になっていた寺に引き返すこととなります。

寺で真面目に仕事を始めた又八は、寺の和尚から寺でこのまま働かないかと持ちかけられますが、自身がこれまで人を騙してきたことを理由に断ります。

しかし、和尚はそんな又八にこう言葉を投げかけます。

「過去は過去。今日のお前は今日つくるんだよ」

作中では間違った道ばかり選んできた又八ですが、そんな又八を気遣い、これからが大事だと励ます感動的な名言です。

「いつまでも過去に囚われていては前には進めない」という前向きな気持ちをもらえる言葉として、多くの読者が共感したようです。

武蔵と同様に、又八の成長もバガボンドの物語における重要な要素の一つと考える読者もいます。

 

宮本武蔵:真の強さとは

農村に居つき、水路工事や農作業を続ける武蔵のもとに、武蔵を剣の道に戻そうと小倉細川藩から使者がやってきます。

武蔵を剣の道に戻そうとする小倉細川藩の長岡でしたが、武蔵はその誘いを断ります。

長岡がなぜ誘いを断るのか訊ねると、武蔵は長岡に「不粋だな」と呟き、土の上に転がるとこう続けます。

「強くなりたいでなく、強くありたい」

作中、ここまで数々の強敵を斬り殺してきた武蔵でしたが、今までの自我を振り払うような、強い言葉です。

前述の又八の母・お杉の言葉とも一致する強さに対する考え方で、多くの読者に感動を与えた名ゼリフと言えるでしょう。

 

再び柳生石舟斎の元に向かう武蔵は、その道中、伝説の剣豪・伊藤一刀斎と果し合いを演じることとなります。

辛くも一刀斎に一刀を入れることに成功した武蔵は、一刀斎が去った後、剣の道を志した頃の気持ちを徐々に思い出します。

そんな中、武蔵の中から生まれたのは、「今のど真ん中にいたい」という気持ちでした。

「動け、揺さぶれ、言葉を振り切れ、今のど真ん中にいるために」

伊藤一刀斎との戦いを終え、武蔵は改めて強さとは何かを考えます。

その時、武蔵の中に浮かんだのは、武蔵の原点とも言える「おっさん穴」でした。

幼少の頃、ただ剣を極めることを楽しんでいた時を思い出す武蔵は、今という時間について考えます。

常に過ぎる時間の中で、「今のど真ん中」を捉えることこそが剣の境地である、という悟りを開いたのかもしれません。

武蔵は今の真ん中にいるために、剣を振るいます。

読者からは、「今を生きることの重要性」を再認識させられた、という声が聞かれます。

 

柳生石舟斎に一刀も入れることができず、逃げるように柳生を去る武蔵でしたが、その頭の中には石舟斎の「天下無双とは、ただの言葉じゃ」という言葉がずっと残っていました。

どうやって天下無双を目指したらいいのか迷い、目に付く相手を倒し続ける武蔵でしたが、迷いを捨てるようにこう呟きます。

「考えるな、もう十分考えた」

作中ではこの後「俺はただてっぺんが見たいだけ」という言葉が続きます。

悩みを打ち払い目標だけを見据える真っ直ぐな言葉は、天下無双とは何か迷い続けてきた武蔵の迷いを断ち切る力強く感動する名言です。

「何かに迷って立ち止まりそうになったときや、くじけそうになったときにこの格言を思い出す」という読者も少なくありません。

 

吉岡伝七郎:努力と信念の証

吉岡伝七郎は一年間の修行を終え、再び武蔵と戦おうとしていました。

ところが、兄・清十郎はこの一年間で武蔵が飛躍的に力をつけ、伝七郎がそれほど力が伸びていないことを察します。

清十郎は伝七郎にそのことを告げ、戦いをやめさせようとしますが、伝七郎は己の信念に従い戦うことを改めて決意します。

その時の伝七郎の思いが名言として刻まれています。

「蟻は歩いているんだっ、一歩一歩、喜びをかみ締めながらっー」

この名ゼリフのあとには「一歩一歩、喜びをかみ締めながら。成長しろ、武蔵。それでも、俺が勝つ!」と続きます。

作中では、強者として描かれていない伝七郎ですが、努力の人として感動を与える名言を多く残しています。

残念ながら武蔵には遠く及ばず敗れてしまいますが、その努力を続ける姿は多くの読者に感動を与えたのではないでしょうか。

「たとえ結果が伴わなくても、努力し続けること自体に価値がある」というメッセージを受け取った読者もいるようです。

 

バガボンドの魅力:多様な視点から描かれる「人間」

バガボンドには、今回紹介した名言以外にも数多くの言葉が登場し、またセリフのない名場面も多く存在します。

なぜバガボンドはこれほどまでに人の心を感動させる名ゼリフを生み出せるのでしょうか。

それは、武蔵を取り巻く様々な登場人物の存在が大きいでしょう。

含蓄ある言葉を吐く胤栄や石舟斎、弱者として生きる又八など、バガボンドには個性的な登場人物が多数登場します。

これらの登場人物がそれぞれに抱える心情や哲学が、深く掘り下げて描かれることで、バガボンドの作品としての魅力に繋がっていると考える読者が多いようです。

彼らの言葉は、読者自身の生き方や価値観に問いかけ、時に迷いを打ち払い、前へ進む勇気を与えてくれるでしょう。

元気を出したい時や、前へ進む勇気が欲しいと悩んでいるなら、バガボンドをもう一度読んでみてはいかがでしょうか。

作中に登場する人物たちが、きっとその悩みに立ち向かう活力を与えてくれるはずです。

 

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