【ネタバレ】映画『亜人』徹底解剖!原作との違いから見えてくる実写の真髄

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【ネタバレ】映画『亜人』徹底解剖!原作との違いから見えてくる実写の真髄

 

佐藤健と綾野剛が激しいアクションをぶつけ合うことで話題を呼んだ実写映画『亜人』。興行収入14.4億円を記録し、大ヒットとなりました。

本作は、桜井画門が講談社の『good!アフタヌーン』で連載していた同名漫画を原作としています。

「亜人」と呼ばれる、どんなに致命傷を負っても自己回復し、死ぬことがない人間の亜種が存在する世界が舞台です。彼らを恐れる人間は、亜人をコントロールしようと躍起になります。

亜人と人間は相容れない存在ですが、そんな中で、亜人でありながらも人間の世界で生きていきたいと願う永井圭と、亜人が支配する世界を望む佐藤という二人の青年が、それぞれの「正義」をぶつけ合う物語が軸となっています。

この記事では、そんな映画『亜人』の魅力やネタバレ考察、演じた俳優たちの情報、そして映画の見どころなどを深掘りしてご紹介していきます。

 

  1. 映画『亜人』とは?不死身の存在が織りなすドラマ
    1. 「死なない」ことが生む究極のバトル
    2. 10秒でわかる!映画『亜人』のあらすじ
  2. 映画『亜人』ネタバレあらすじ:永井圭と佐藤の戦いの軌跡
    1. 佐藤との出会いと「亜人」としての覚醒
    2. 佐藤の暴走と永井圭の決意
    3. 佐藤との決着!命がけの一騎打ち
  3. 映画『亜人』を彩るキャスト陣
    1. 永井圭(演:佐藤健)
    2. 佐藤(演:綾野剛)
    3. 田中(演:城田優)
    4. 奥山(演:千葉雄大)
  4. 映画『亜人』の知られざる小ネタを深掘り!
    1. 『踊る大捜査線』ファン歓喜!隠された小ネタとは?
    2. 千葉雄大と綾野剛のアドリブが生んだ名シーン
  5. 映画『亜人』ここがすごい!3つの注目ポイント
    1. 1. 圧巻のパワフルアクションシーン
    2. 2. 本広克行監督が仕掛ける遊び心
    3. 3. 目を見張る映像表現のクオリティ
  6. 原作コミックと実写映画の違いを徹底比較!
    1. 「亜人」とはどんな存在?その定義に迫る
    2. アクションに全振りした実写映画の魅力
    3. 原作漫画との決定的な違い:キャラクター設定編
      1. 永井圭のキャラクター設定
      2. 佐藤のキャラクター設定
    4. 実写映画には登場しない重要キャラクターたち
    5. 「亜人の死の定義」が問いかける哲学
  7. 実写映画『亜人』の評価と考察:アクションに特化した潔い作品
    1. 頭脳戦と心理戦が光るアクション
    2. ストーリーは「割り切り」だったのか?
    3. 映画『亜人』に関する11の疑問点:深掘り考察!
      1. 疑問点1:「亜人」とはどういう存在なのか?
      2. 疑問点2:亜人の肉体再生の条件とは?
      3. 疑問点3:永井圭の他に政府に拘束されていた2人の亜人とは?
      4. 疑問点4:IBM(または黒い幽霊)とは何なのか?
      5. 疑問点5:佐藤の正体とは?
      6. 疑問点6:永井圭の家族構成は?両親との関係はどうなっているの?
      7. 疑問点7:戸崎優とはどんな人物なのか?その謎は?
      8. 疑問点8:なぜ佐藤は鉄壁のフォージ重工ビルに侵入することができたのか?亜人復活の条件とは?
      9. 疑問点9:特殊神経ガス「AJVX」とは?
      10. 疑問点10:政府の特殊部隊「対亜」とは?
      11. 疑問点11:ラストシーン~エンドロールの解釈は?続編制作に含みを持たせたのか?
  8. まとめ:『亜人』実写映画は新たな魅力を提示したか?

映画『亜人』とは?不死身の存在が織りなすドラマ

「死なない」ことが生む究極のバトル

映画『亜人』は、桜井画門による同名漫画を実写化した作品です。主演には、映画『るろうに剣心』シリーズで複雑かつ激しいアクションを見事に演じきった佐藤健、そしてその肉体美とストイックな役作りで知られる綾野剛が名を連ねています。

佐藤健は、特撮ドラマ『仮面ライダー電王』で主役を務め、故・三浦春馬主演の『ブラッディ・マンデイ』でも重要な役どころを演じるなど、若くからアクション作品への出演が多かった俳優です。満を持して出演した映画『るろうに剣心』では、その見事な剣技アクションで原作ファンをも唸らせました。

映画『亜人』でも、綾野剛との一騎打ちのシーンでは、その見事な反射神経と身のこなしで、まさに「美しい」と表現できるアクションを披露しています。

共演の綾野剛もまた、映画『るろうに剣心』で佐藤健の敵役を演じていましたね。綾野剛も役作りのストイックさで有名で、佐藤役のために食事はタンパク質中心にし、筋力を増強したというエピソードは、ファンの間でも語り草になっています。劇中で披露される上半身の裸体は、まさに鍛え抜かれた肉体美そのものです。

 

10秒でわかる!映画『亜人』のあらすじ

ある日、研修医の永井圭は交通事故で命を落としますが、すぐに自己再生し、自分が「亜人」であることを知ります。

研究施設に運ばれた永井圭は、政府機関によって過酷な人体実験の対象となります。

死んだ方がマシだとさえ思えるような日々の中、同じ亜人である佐藤に助け出され、仲間に誘われますが、永井圭はそれを拒否して逃走。

佐藤や政府機関に追われることになりますが、佐藤の凶悪な行動を止めることを決意し、永井圭は佐藤と戦うために再び舞い戻るのでした。

 

映画『亜人』ネタバレあらすじ:永井圭と佐藤の戦いの軌跡

佐藤との出会いと「亜人」としての覚醒

研修医として充実した日々を送っていた永井圭は、ある日、トラックに轢かれて重体となり病院に搬送されます。緊急処置も虚しく、永井圭は手の施しようがなく亡くなってしまいました。

しかし、時間が経つにつれて永井圭の身体は自己回復し、ついに蘇生します。自分の身に起こったことに戸惑う永井圭は、永遠の命を持つ新人類「亜人」だったのです。

永井圭は研究施設へと運ばれ、実験体として凄惨な人体実験を施されます。それは死んだ方がマシだとすら思えるほどの苦痛を伴う実験でした。

そんな実験が繰り返されていたある日、佐藤が研究施設に現れ、永井圭を助け出します。しかし、それは自分たちの仲間に永井圭を引き入れたいという佐藤の思惑からでした。永井圭は佐藤の誘いを断りますが、そんな永井圭に佐藤は戦いを挑みます。

佐藤の圧倒的な戦闘力の前に、永井圭は逃げることしかできませんでした。しかし、逃走中に亜人の本当の力を知ることになります。

それは、亜人にはIBMと呼ばれる分身を出す能力があり、永井圭もまた無意識にIBMを出現させ、戦闘させることができるというものでした。永井圭は自身のIBMに戦闘に参加させながら命からがら研究施設から逃げ出し、どこかの村へとたどり着きます。

その頃、佐藤は亜人自治区の成立を目指してマスコミを集め、人間たちの極悪非道を訴えるのでした。

 

佐藤の暴走と永井圭の決意

その頃、入院していた永井圭の妹の病室に、政府機関の下村泉が訪れます。下村泉は永井圭の妹に永井圭の居場所を教えるよう説得していましたが、妹は応じません。

そんな中、佐藤の仲間である田中のIBMが病室に現れ、下村泉を串刺しにしてしまいます。目の前で起きている光景が信じられない永井圭の妹は、さらに信じられない光景を目の当たりにします。死んだと思われた下村泉が蘇り、下村泉のIBMである「クロちゃん」と田中のIBMが死闘を繰り広げ始めたのです。

IBM同士が死闘を繰り広げている間に、下村泉と永井圭の妹は病室から逃げ出しました。

妹は、何とか永井圭と合流し、永井圭が保護してもらっている老婆の元で永井圭とともに生活を始めます。

永井圭は、村で老婆と妹とともに生活しながら、自身のIBMである「ユーレイ」を躾けようと試みました。

永井圭と「ユーレイ」は、初めは全く噛み合わなかったものの、少しずつ連携が取れるようになっていったのです。

そんな中、佐藤は亜人自治区の成立に応じない政府に業を煮やし、マスコミを通じて全国の亜人に呼びかけ、国を奪うことを宣言します。佐藤のその様子をPCで複雑な思いで観ている永井圭。そして、佐藤はついにクーデターを開始します。

それは、厚生労働省に飛行機を追突させるという恐ろしい行動から始まりました。

永井圭はそれを見て佐藤を止めなければならない時が来たことを悟り、妹を連れてお世話になった老婆の元から東京に戻ります。佐藤との決着をつけるために。

 

佐藤との決着!命がけの一騎打ち

東京に戻ってきた永井圭は、政府機関の戸崎と接触し、佐藤を倒すために取引をします。自分と妹が生きていくための保証と、佐藤の抹殺。それが取引材料でした。

その頃、佐藤は厚生労働省に飛行機を追突させた上に警視庁のSAT隊を全滅させます。そして、佐藤の元に集まった亜人とともに、最終決戦に向けた準備を始めました。佐藤の目的は、フォージ重工業が密かに作成していた毒ガス。

それを東京で散布して、東京を人間の住めない街にし、亜人しか生きられない地区にしようというのが目的だったのです。

永井圭もまた政府機関とともに佐藤一派との最終決戦に向けて作戦を練り、双方がそれぞれの「正義」のために動く中、ついに最終決戦の火蓋が切って落とされました。田中と佐藤が集めた仲間たちが毒ガスを奪取すべくフォージ重工業の本社に攻撃を仕掛けますが、肝心の佐藤の姿がありません。

なぜ佐藤が現れないのか。永井圭と政府機関は疑念に思いながらも永井圭の作戦を開始します。

それは永井圭のIBMを送風口を通じて送り込み、目くらましに使い、侵入した亜人たちを麻酔薬で眠らせて捕獲するというものでした。

永井圭のこの作戦は成功したのですが、そこには佐藤の罠が待ち受けていました。

佐藤はフォージ重工業に侵入した仲間に自身の切り落とした左手を渡していたのです。なぜなら、再生した佐藤が難なくフォージ重工業に侵入するために必要なことだったからです。

亜人は、その死を迎える時に最も大きな肉塊を元に生まれ変わるためであり、そのために先に侵入した仲間たちに持たせていたのでした。

佐藤はある廃品工場で自身の肉体をバラバラにし、フォージ重工業に先に入っていた左手を元に再生を果たしました。佐藤が現れたことで、優勢だった永井圭や政府機関側はあっという間に形成を逆転され、ピンチに陥ります。

ついに、永井圭と佐藤は対峙し、一騎打ちとなりました。

最後の死闘を繰り広げるのですが、佐藤はまさに不死身。どうあがいても佐藤を倒すことができず、ついに永井圭の命運も尽きたかと思ったその時、意外な結末が待ち受けていました。

 

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映画『亜人』を彩るキャスト陣

永井圭(演:佐藤健)

本作の主人公。ある日、交通事故に遭って一度命を失い、再生したことで、自身が亜人であることを知ります。それによって、政府や同じ亜人である佐藤の陰謀に巻き込まれていきますが、自分の意志で佐藤と戦うことを決意します。

亜人でありながら自らを犠牲にして佐藤を倒した後、永井圭は蘇り、その後の行方は明確には描かれません。そのラストは、観る者に様々な想像を掻き立てるのではないでしょうか。

演じるのは佐藤健。映画『るろうに剣心』シリーズのアクションが印象的ですね。

今回の『亜人』についても、スタントマンを使わず自分でアクションシーンを演じており、アクションをこなせる俳優の代表格の一人と言えるでしょう。

 

佐藤(演:綾野剛)

神出鬼没で無敵の亜人である佐藤。その人物像は謎に包まれたままですが、政府に対する深い恨みがあるように見えます。

しかし、それが本当に佐藤の行動原理になっているのかは判然としません。劇中、永井圭と出会ってからは永井圭への執着を見せ、とにかく仲間に引き入れたい様子でしたが、永井圭と戦うこと自体も楽しんでいるような、不気味な存在でしたね。

演じたのは綾野剛。佐藤健同様、アクションを演じられる俳優の一人です。佐藤健もそうですが、綾野剛もそのストイックさで有名で、この撮影時も身体を絞るために食事制限をしていたのは有名な話です。

 

田中(演:城田優)

国内で2例目の亜人である田中。佐藤と最初から行動を共にしている人物です。研究対象として人間から虐待を受け、それによって人間に激しい憎悪を抱いているという人物です。

佐藤はその行動原理などが謎めいていて掴みどころのない人物でしたが、この田中に関しては、初めから人間に対する恨みという明確な行動原理があるのだな、と分かりやすく表現されていたように思います。

演じるのは城田優。城田優は演技の振り幅が広く、こういったヒール役もできれば、いじめられっ子の役もあるなど、その演技力の高さは素晴らしいですね。

 

奥山(演:千葉雄大)

佐藤一派の一人で頭脳派の奥山。パソコンを駆使してハッキングを行い、佐藤を支援する人物ですが、実は完全に佐藤にも与しているわけではない人物です。

一見優しそうに見えますが、実は佐藤並みに冷酷な一面を持っています。おそらく佐藤も含めて仲間だとは思っていない、そんな孤高の人物像が感じられます。

演じるのは千葉雄大。「あざとかわいい」の代名詞のような俳優ですが、こういった役柄が非常に似合いますね。昨年放送された日本テレビ系列のドラマ『ダブルブッキング』でも、実は殺人犯だったという非常に難しい役を演じていました。

 

映画『亜人』の知られざる小ネタを深掘り!

『踊る大捜査線』ファン歓喜!隠された小ネタとは?

映画『亜人』の監督は、フジテレビ系ドラマ『踊る大捜査線』や、映画『踊る大捜査線』シリーズの監督を務めた本広克行です。

本広監督はドラマや映画の『踊る大捜査線』でも、作品の中に小ネタを仕込むことで有名です。『踊る大捜査線』でも、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や『機動警察パトレイバー』のネタが仕込まれており、それらを見つけることが本広監督の映画の楽しみ方の一つと考えるファンも少なくありません。

実は、映画『亜人』にもそんな小ネタがあるのですが、映画をご覧になって気づかれた方はいますか。

映画『亜人』の中では、厚生労働省に飛行機を追突させた佐藤が警視庁のSAT隊と戦う場面があります。

このSAT隊の隊長は長く『踊る大捜査線』でもSAT隊を率いた隊長、草壁中(演:高杉亘)なのです。いつも大きな無線で、あのワイルドな声で部下に指示を出すのが特徴的でした。

それがそのまま今回の映画『亜人』でも小ネタとして仕込まれていて、『踊る大捜査線』ファンもとても嬉しくなりますよね。こうした監督の遊び心は、映画をより一層楽しめる要素と言えるでしょう。

 

千葉雄大と綾野剛のアドリブが生んだ名シーン

映画『亜人』には、山田裕貴や浜辺美波など、今や引っ張りだこの俳優たちが出演しています。山田裕貴は佐藤一派側の亜人でしたが、その中に千葉雄大もいます。千葉雄大は「あざとかわいい」の代名詞と言っても過言ではない俳優です。

千葉雄大は可愛らしい顔立ちそのままの役柄もあれば、その顔立ちとのギャップがありすぎる癖のある役や闇を抱えた役も多く演じています。

この映画『亜人』でも、かなり癖のあるハッカーの役でした。そんな千葉雄大が演じる奥山は、漫画原作ではでっぷりと太った役柄なのですが、実写映画ではすっきりとしたイケメンとして表現することで、実写ならではの奥山が生まれました。

その奥山を演じる千葉雄大と佐藤を演じる綾野剛との演技にまつわる逸話があるのです。

佐藤が亜人たちを集め、フォージ重工業から毒ガスを奪い、東京を亜人の自治区にしようと仲間たちに伝えたところ、数人の仲間が怖気づくというシーンがあります。

佐藤が怖気づいた仲間を銃で即座に射殺していくのですが、その死体の処理をどうしようか、と仲間たちに相談しました。

相談された仲間の一人、奥山がその綺麗な顔に少しも動揺を見せず、抑揚のない声で「首切って、ドラム缶に封印」と言います。

これに対し、佐藤が「可愛い顔して言うねえ」と返すシーンがあるのですが、実はこのシーンは綾野剛のアドリブだそうです。千葉雄大がその可愛らしい顔で毒のあるセリフを何の淀みもなく言ったことから、思わず出てしまったアドリブだとか。確かに、『亜人』の千葉雄大も美しく可愛らしい顔でしたからね。綾野剛が思わず、そんなセリフが出てしまうのも納得です。

ちなみに、千葉雄大と綾野剛は、2021年10月から始まるフジテレビ系ドラマ『アバランチ』でも再共演を果たしています。

 

映画『亜人』ここがすごい!3つの注目ポイント

1. 圧巻のパワフルアクションシーン

本作の最大の魅力は、その緻密でパワフルなアクションシーンです。佐藤健と綾野剛という、自身でアクションシーンを演じることで有名な二人の激しいアクションシーンを全編を通して堪能できます。

また、二人が終盤に見せる鍛え抜かれた肉体美も必見です。

終盤の永井圭と佐藤の対決シーンにおけるアクションは、映画『るろうに剣心』を彷彿とさせるようなアクションシーンが満載です。映画『るろうに剣心』でも終盤に、佐藤健演じる剣心と綾野剛演じる外印の戦いは、まさにこの『亜人』の前哨戦かのようです。

 

2. 本広克行監督が仕掛ける遊び心

小ネタを仕込むことで有名な本広監督なので、小ネタ探しも楽しみ方の一つではないでしょうか。

前述したSAT隊の隊長だけでなく、本広監督はご自身が好きだった映画やアニメのオマージュを映画の中に仕込むことでも有名です。

例えば、映画『交渉人 真下正義』の中には、映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』のネタが随所に使われていると言われています。

確かに、建設途中で中止となった地下鉄が使われるといったシーンなど、見る人が見れば分かるネタが多分に仕込まれています。映画『亜人』にも、そんな隠されたネタが使われているかもしれません。そんな小ネタを探しながら鑑賞するのも、この映画の醍醐味と言えるでしょう。

 

3. 目を見張る映像表現のクオリティ

映画『亜人』は、制作会社にProduction I.Gが参加しています。

このProduction I.Gは、押井守監督の『攻殻機動隊』を制作した会社で有名です。『攻殻機動機動隊』は海外の様々なクリエイターにも大きな影響を残し、2021年に新作が発表された『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー監督も影響を受けて『マトリックス』シリーズを制作したと言われています。

その『攻殻機動隊』を制作した会社なので、CG表現やVFXの素晴らしさが映画の随所に見られます。

例えば、IBMの表現です。不気味で何者なのか分からないIBMはCGで描かれていますが、その美しさには思わず息を飲んでしまうほどです。

また、特に素晴らしいと感じたのはそのPC画面です。終盤に奥山が政府機関を撹乱するためにPCを操作する場面があり、かなり緻密に作られていて細かいシーンで手を抜かないところに、制作陣のこだわりを感じます。

また、ラストシーンでビルの窓を破って永井圭が逃げ出すシーンもまたとても美しかったですね。

永井圭はIBMの影をまとわせながらビルの下に落下していくのですが、あれこそ佐藤健の運動能力と映像表現が合わさったシーンです。その少し前、永井圭が再生を果たすシーンもそうですが、とにかくIBMのシーンは不気味ながらもどこか魅力的ですよね。

映画『亜人』、私なりのオススメポイントをまとめてみましたが、それ以外にも鑑賞して楽しいポイントはたくさんあります。

例えば、先日終了したTBS系『TOKYO MER〜走る緊急救命室』でもテロリスト役を好演していた城田優が、実はそれよりも前にこの映画『亜人』でヒール役を演じていたことや、若い頃の浜辺美波や山田裕貴を観られるというのも楽しいポイントだと思います。

また、元AKB48の川栄李奈の激しいアクションシーンも見どころの一つですね。終盤の城田優との死闘は圧巻でした。

 

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原作コミックと実写映画の違いを徹底比較!

映画『亜人』は桜井画門原作のコミックをもとにした実写化映画です。コミック原作の映画はもはや邦画の定番になりつつありますが、そういった作品は根強い原作ファンがいたり、どうしても原作との差異が出てしまい、賛否両論になりやすいので評価が難しいですよね。

かくいう私も原作コミックの『亜人』が好きだったので、今作ではそれがどのように再現されているのか気になっていました。

原作コミックとの比較もしながら、映画を見た率直な感想を書いていきたいと思います。

 

「亜人」とはどんな存在?その定義に迫る

「亜人」の主な特徴は以下の3点です。

  • 死んでもすぐに生き返る
  • 一度死ぬまで自分が亜人だと気づかない
  • 亜人にしか見えない「黒い幽霊(IBM)」を操れる

映画では、自らが亜人であることを知った永井圭と、国内初の亜人である佐藤らの戦いが中心に描かれています。

 

アクションに全振りした実写映画の魅力

今作はとにかくアクションシーンに力が入っていましたね。頭脳戦や心理戦の要素も織り交ぜながら、スタイリッシュな攻防が展開されます。

アクションシーンで流れるダンス系のミュージックとの相性も良く、よりクールな演出になっていて見応えがありました。

そして亜人の「死なない」という特徴を最大限活かした戦い方が見ていて面白かったですね。大怪我をしても一度死ねば完全な状態で復活できるので、自らの頭を銃で打ち抜いてリセットしまくります。

原作から純粋なアクションの要素を抽出し、コンパクトにまとめられている印象でした。その反面、ストーリー展開がやや粗くなっていたり、登場人物の心理描写などはかなり少なくなっていました。そこは最初から割り切って作られたのかなと思います。

個人的にはもう少しキャラクターの内面を掘り下げて欲しかったと感じる読者も多いのではないでしょうか。

 

原作漫画との決定的な違い:キャラクター設定編

永井圭のキャラクター設定

映画では研修医として働いていましたが、原作では高校生という設定です。

原作では佐藤や周囲の人々との関わりを通じて、永井圭の内面的成長が丁寧に描かれています。しかし映画だと単に「合理的な性格」となっていましたね。ここは原作も同じで、最初は感情移入しにくいキャラクターでした(笑)。

 

佐藤のキャラクター設定

佐藤に関しては、キャラクター設定が映画と原作では全く異なります。映画では日本初の亜人で、政府によって人体実験をされたために人間を憎んでいる、という設定になっています。

しかし原作の佐藤は元軍人のアジア系アメリカ人で、本名はサミュエル・オーウェンです。そして正真正銘根っからのサイコパスです。

人の命をなんとも思っておらず、自らが亜人であることを知った佐藤はゲーム感覚でテロを起こすようになります。この設定の違いは、物語の根幹にも大きく影響していると言えるでしょう。

 

実写映画には登場しない重要キャラクターたち

原作だけに登場する重要人物を一部紹介します。

  • 海斗:永井圭の幼馴染です。永井圭の逃走を助けるなど大活躍しますが、映画には一切登場しません。
  • 中野攻:永井圭サイドにいる亜人です。永井圭とは対照的な熱い性格で、フォージビルでの攻防でも活躍し、原作では主役級の扱いをされていました。
  • オグラ・イクヤ博士:亜人研究の第一人者。亜人の性質について彼が分かりやすく解説してくれます。映画では彼に当たるようなキャラクターがいなかったので、亜人の特徴に関する細かい説明などはされていませんでしたね。
  • 永井圭の母親:「永井圭」という人間を知る上で非常に重要な人物だと思うので、個人的には映画にも登場させて欲しかったですね。

これらのキャラクターの不在は、映画がアクションに特化するために、物語の深掘りを一部犠牲にした結果とも考えられます。

 

「亜人の死の定義」が問いかける哲学

映画ではこの話題は出てきませんでしたが、原作ではたびたび語られているものです。

基本的に亜人は不死身ですが、「断頭」されると亜人は死んでしまいます。「なんだその矛盾は」と思うかもしれませんが、これは少し哲学的な話なのです。

亜人が生き返るとき、遠くに行き過ぎた部位は回収されずに新たに作られます。もしそれが頭部だった場合はどうなるか。

切り落とされた頭部に残っている意識が本当の自分で、新しい頭は自分ではないのです。記憶などは引き継がれるため人格の連続性は保たれますが、切り落とされた頭部から新しい頭に意識が移るわけではありません。

本人からすると断頭された時点で自らの人生は終わりです。これが「亜人の死の定義」です。原作では「中村慎也事件」のケースがこれに当たりますね。

映画でも佐藤の転送シーンがありましたが、佐藤が全身粉々になってしまったため、肉体が再生される際に頭部も新しく作られています。つまりあの時点で今までの佐藤は死に、新しく生まれ変わった佐藤が復活しているという解釈もできます。

中身は同じですが、実際は別人という見方もできるでしょう。

書いていて私も少し混乱してきましたが、とにかく亜人も死ぬときは死ぬという、奥深い設定が垣間見えます。

 

実写映画『亜人』の評価と考察:アクションに特化した潔い作品

頭脳戦と心理戦が光るアクション

本作は、心理サスペンス、アクション、ダークファンタジーなど、様々な魅力を持つマンガ原作から、特にアクション部分のエッセンスを取り出して、コンパクトに109分超でまとめられています。

とにかく、最初から最後まで「アクションシーン」を如何にかっこよく、クールに魅せるか、リアルに体感させるか、を第一に考えて作られた映画でした。

主演の佐藤健が、映画『ミッション・インポッシブル』シリーズに似ているとインタビューで語るように、激しいアクションシーンの中にも頭脳戦・心理戦といった要素が上手く採り入れられています。特に、亜人の「死ねない」という特殊な条件を活かしきった各シーンの攻防は、無駄がなくインテリジェンスに練り込まれており、非常に見応えがありました。

また、スピーディなダンス系ミュージックとの相乗効果が素晴らしく、リズムよく進んでいくアクションはスタイリッシュで良かったと思います。MX4Dや4DXに最適化された空間の使い方、演出も光りました。

実際に、Filmarks、映画.comなどでの評価も概ね高評価となっていますが、感想コメントでも、高評価の根拠としては、「アクションシーンの練り込まれた演出」がほとんどでした。

 

ストーリーは「割り切り」だったのか?

アクションシーンに重きを置きすぎたのか、その反面、ストーリーはかなり大味で、各キャラクターたちの設定や心理描写もかなり割り切って描かれていました。この適当さは、確信犯的な「割り切り」だったのかもしれません。

パンフレットを良く読み込むと、脇役の千葉雄大や城田優などは、当初手渡された脚本や、その場のノリで簡単に変わっていく演出に違和感を感じていたことが行間から読めます。キャラクター造形の点で原作へのリスペクトが足りていない部分を、現場レベルで細かく修正を試みていたのだろうなと思わされる記述が印象的でした。

細かく指摘しだすとツッコミどころ満載なのは、なんとなく本広克行監督の代表作『踊る大捜査線』シリーズのご都合主義的なストーリー進行の「悪い部分」を踏襲してしまっているような気がします。

原作の登場人物を間引き、ストーリーをシンプルに整理・改変するのはかまわないんです。しかし、極限まで脚本・ストーリーを精査して厳選できていたか?というと、かなり疑問符がつきます。

というのも、妙な小ネタがやたら多いのですよね。原作を読んでないと笑えないし、細かい編集段階を経て小ネタを残した割には、それを効果的に伏線として使うことができていない点はいただけないです。

一体この小ネタやエピソードは何の役に立っているんだろう?と思う箇所が何箇所かあります。

例えば、ほんの一例として挙げるなら、以下のような箇所です。

  • 戸崎が、「トザキではない。トサキだ。」と訂正するセリフ
  • おばあちゃんの家での「雨奇晴好」の意味を聞くシーン
  • 亜人のニュース報道に混じって、ヒカキンが2度も出て来る。
  • フォージ重工ビルでの平沢を看取るシーン

これらの小ネタが、少しでもいいのでクライマックスのアクションシーンや、主人公たちの心情描写の手がかりになるのであれば、まだいいのですが、全く生きていないように感じられます。

これだけの小ネタを残すのであれば、もっと1分1秒でも主要人物のキャラクターやエピソードを掘り下げる演出をしてほしかったという見方もあるでしょう。

小ネタではなく、原作から盛り込まれるべき大事なエピソードは、探せばいくらでもあったはずです。単にアクションシーンが凄い!っていうだけだと、やはり何年も先まで繰り返しDVDで鑑賞される作品として残り得ないと思うからです。

 

映画『亜人』に関する11の疑問点:深掘り考察!

本作はマンガ原作をかなり「アクション映画」寄りに翻案して制作されたため、主要人物たちの細かい設定やストーリーの伏線については、説明がカットされたり、大幅に省略されています。そこで、より本作を深く理解するため、マンガ原作・小説ノベライズ作品を参照しながら、主要な疑問点を補足説明したいと思います。

 

疑問点1:「亜人」とはどういう存在なのか?

亜人とは、死ぬことのできない新しいタイプの人類です。肉体が損傷を受けても、一旦死ぬことで、元通りに体を再生できる能力を持ちます。26年前、アフリカで発見されてから、永井圭を含め、公式に認定された亜人は全部で47体です。

日本政府は、「亜人管理委員会」という秘密組織を立ち上げ、そこで表向きは亜人を「保護」するとしながら、裏では人体実験を繰り返し、特定企業や政府のモルモットとしていました。

原作マンガの設定によると、人間は、ある日突然変異的に「亜人」へと変化するようです。永井圭のように、幼少時に「亜人」化していたにも関わらず、交通事故に遭うまで自覚がなかった亜人もいます。

また、本作では採用されていない設定ですが、「フラッド現象」といって、感情が急激に高まった際に、まれに亜人が一度に多数のIBMを出現させることがあります。その際、周りにいた人間もまれに亜人化することがあるとされています。

 

疑問点2:亜人の肉体再生の条件とは?

戦闘などで傷ついた亜人の肉体は、傷ついたそばから再生が始まるわけではありません。傷つけば、普通に血も出ますし痛みで苦しみます。肉体の再生が始まるのは、あくまで完全に一旦心臓がストップし、「死亡」した時なのです。この時、亜人に備わった超然的な力で肉体は完全復活し、体内に残された銃弾などの異物は完全に分解されます。

だから、亜人たちは戦闘で重症を負うと、そのままの状態で苦しんで戦うのではなく、敢えて一旦死亡して「リセット」することで、完全体として復活して戦闘を継続することを選んでいたのですね。

 

疑問点3:永井圭の他に政府に拘束されていた2人の亜人とは?

冒頭で永井圭が政府に拘束されていた時、全身に巻き付いていた包帯の頭部に「003」と書かれていました。つまり、永井圭は日本人として公式に保護(拘束)された3例目の亜人だったのですね。

ちなみに、映画での設定では、1例目は佐藤、2例目が佐藤と行動をともにした田中でした。1例目の佐藤は20年間、2例目の田中は、佐藤に救出されるまでの間、2年間、それぞれ政府に拘束されて、残忍な人体実験をされました。

 

疑問点4:IBM(または黒い幽霊)とは何なのか?

映画中では、単に「黒い幽霊」とか「クロちゃん」と呼ばれていた、人間離れした恐ろしい見た目の謎の生命体。これは、IBM(Invisible Black Matter)と呼ばれており、亜人の持つ一種の「分身」みたいなものです。IBMは、黒色のIBM粒子から構成されます。

IBMの戦闘力は並外れて強く、その亜人が「火事場の馬鹿力」を発揮した時の強さを体現しているとマンガ原作では説明されています。

IBM粒子やIBMは一般人には見えず、亜人だけに見えます。その特徴をまとめると、以下の通りとなります。

  • 亜人が強い感情を抱いた時に出現する
  • 1日1回~2回、1回10分程度しか出現させることができない
  • 弱い自我を持ち、亜人の感情に応じた振る舞いをする
  • 犬のように訓練して飼いならすことができる
  • 亜人によってはIBMを出せない者もいる

長期間、自らのIBMに好き放題させていた永井圭は、最初の佐藤との対決の際に偶発的にIBMを出現させます。しかし、永井圭のIBMは言うことを聞かず、全くコントロールできませんでした。田舎の民家に隠れていた時、永井圭が自らの亜人を手なづけようと訓練するシーンがありましたが、この訓練を経て、最終対決ではIBMとの完璧な連携ができるようになっていたのですね。(手なづけるのが早すぎるきらいはありましたが)

また、全ての亜人がIBMを出せるわけではなく、奥山などはIBMが使えません。その一方で、永井圭は1日に何度も亜人を呼び出すことができる生まれ持っての特異体質でした。

 

疑問点5:佐藤の正体とは?

本映画では、佐藤は初めて日本政府に公式に認定された1例目の「亜人」でした。彼は、亜人管理委員会に保護と言う名の下、20年間もの間監禁されて、毎日のように切り刻まれ、人体実験のモルモットになってきました。

その後、どうやって逃げ出したかは映画中では明らかにされていません。佐藤は無類のゲーム好きで、アジトでは度々携帯型ゲーム機に夢中になっていました。元々のサイコパス的な気質なのか、監禁時に性格が歪んだか、その性格形成がどのようになされたかは明らかにされていませんが、一連のテロや永井圭との戦いも、「ゲーム」として楽しんでいる狂人でもあります。(※原作の設定は異なるため、後述)

 

疑問点6:永井圭の家族構成は?両親との関係はどうなっているの?

映画中では描写が省略されていましたが、現在の永井圭の家族は、母、妹(慧理子)との3人暮らしです。父は優秀な外科医でしたが、腎不全の患者を救うために、禁断の臓器売買に手を出して罪を犯しました。その時、同じく救命専門医だった母は、子どもたちを守るために即座に夫と離婚しています。

ちなみに、慧理子は生まれつき原因不明の難病に犯されており、永井圭は妹を救うために、父と同じく医者を目指したのでした。

 

疑問点7:戸崎優とはどんな人物なのか?その謎は?

戸崎は、政府の亜人管理委員会の委員長として、亜人保護や人体実験の推進に関わってきました。プライベートで弱みを握られた戸崎は、政府高官や財界のトップの意向の通り、亜人を利用した人体実験や商品開発の斡旋・管理をやらされていました。彼には、重病の許嫁がおり、彼女を救うために莫大な医療費が必要な状況であることを政府筋の高官に見透かされ、半分脅されるような形で委員長の座についていたのでした。

それにしても、「トザキではない。トサキだ」というセリフや、ミントタブレットのヘビーユーザーであるという設定が、今ひとつ作品中で生きていなかったのは少し惜しかったかもしれません。

 

疑問点8:なぜ佐藤は鉄壁のフォージ重工ビルに侵入することができたのか?亜人復活の条件とは?

原則として、亜人が「寿命」以外で死亡することはありません。その生命力は無限と言っていいほど強く、亜人が死亡した時、少しでもその死体の肉片が残っていれば、一番大きな肉片を起点にして全身を復活させることができます。

脳を含む頭部が完全破砕されても、残された別の部位から復元します。この時、元の記憶は復活して新しく造られた脳に引き継がれるため、人格としての連続性は保たれるようです。

佐藤は、この原理を応用して、フォージ重工ビルへの潜入に成功しました。20年間の人体実験で「死」についての感覚が麻痺した佐藤ならではの、冴えたやり方ではありますが、異常な作戦でした。

フォージ重工ビルの攻防戦で、佐藤は事前に左腕を切り落として、バッグに入れて田中たちにフォージ重工ビル内に事前に運ばせた上で、自らは木材の破砕機で、全身を切り刻みました。これにより、フォージ重工ビル内の左腕を起点として復活を果たし、自らを「転送」することに成功したのでした。

ちなみに、「転送だよ、ミスター・スポック」という発言は、アメリカのSF映画『スタートレック』で出てくる転送装置にかけています。これからぐちゃぐちゃになって破砕機で死亡する前に軽口を叩く余裕が、彼の異常性を示していますね。

 

疑問点9:特殊神経ガス「AJVX」とは?

映画オリジナルで登場した、微量でも大量の人間を殺傷できる、非常に致死性の高い神経ガスです。フォージ重工社が、亜人として20年間拘束した佐藤を使った人体実験で開発に成功しました。開発が非常に難しく、フォージ重工社の社内にしか存在しないという設定でした。(そんな危ないものが、普通に社長室の金庫にあるとは、驚きですね。)

佐藤は、自らを苦しめた人体実験を通して開発された猛毒ガスを敢えて使って人々を殺害することで、復讐しようとしていたのですね。

 

疑問点10:政府の特殊部隊「対亜」とは?

陸上自衛隊内部に設けられた、亜人の殲滅を第一目的とする秘密部隊「対亜人特選群」の略称です。映画中、警視庁特殊急襲部隊(SAT)が佐藤の前に全滅してしまったため、戸崎の要請により、フォージ重工ビルの最終局面において、土壇場で上空から投入されました。

ただし、戸崎が永井圭に秘密裏に政府と約束した「対亜」の投入条件が、佐藤だけでなく永井圭も合わせて拘束するという条件だったため、佐藤・永井圭の両者に対して無差別に液体窒素が噴射されたのでした。

 

疑問点11:ラストシーン~エンドロールの解釈は?続編制作に含みを持たせたのか?

ラストシーンでは、永井圭が強く要望していた「対亜」部隊がヘリで到着し、組み合っている永井圭と佐藤をまるごと液体窒素で固めて破砕することで、二人の亜人をリセットさせず活動停止に追い込むことに成功したかに見えました。これはマンガ原作にはない、上手いアイデアでした。

しかし、「対亜」が液体窒素を噴射する直前に、永井圭はとっさの機転で片腕を切り落として、復活できるようにしたのです。「対亜」による現場処理が一段落したところで、永井圭は復活し、そのままビルを落下して逃亡していきました。

問題は、エンドロール中に、誰かの手が、佐藤のハンチング帽をそっと拾うシーンが挿入されていたことです。このハンチング帽を拾うシーンについて、直感的には結局佐藤がどうにかして復活したのでは?と思わされますが、映画パンフレットでの本広監督のコメントによると、そうでもないようです。

「わからないですよ。全然違う亜人があの場所にいたとか、対亜人チームの中に亜人がいたとか、いろいろな想像ができるようにはしてあるんです。だから、続編がもしできたときに、別の人物があのハンチングをかぶっていて、“えー、綾野剛じゃないんだ~!?”みたいなことになる場合もある(笑)」

このように、観る者に様々な解釈を委ねる形で、物語は幕を閉じます。

 

まとめ:『亜人』実写映画は新たな魅力を提示したか?

マンガ原作でフォーカスされている、謎解き的な要素やダークなサスペンス要素、主人公の成長描写は敢えて捨象され、アクションシーンに特化して制作された本作。原作からの改変・省略は著しいですが、これはこれで一つの形としてアリなのかなと思いました。(詰めは甘いという見方もありますが)

むしろ、アニメ・マンガ原作とは別の切り口で描かれた新しい世界観の中で、気楽に楽しめる娯楽映画としては、ありなのかなと思います。完成度はともかく、やろうとしていた方向性は良かったと思います。折角なので、是非映画館の大画面で楽しんでみて下さいね。

映画を観る際には、佐藤健が好きだから、綾野剛が好きだから、といった視点で観るのも良いでしょう。また、漫画のファンだから観る、アクション映画が好きだから観る、など、皆さんそれぞれのポイントで、ぜひ、この映画『亜人』を楽しんでいただきたいと思います。

 

 

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