
人気ファンタジー作品「魔法使いの嫁」に登場するエリアス。
その異様な見た目とは裏腹に、まるで子供のように嫉妬深い一面を見せるギャップが、多くの読者や視聴者の心を掴んでいますね。
また、エリアスの声を担当する声優の竹内良太さんの、艶やかで渋みのある「イケボ」に骨抜きになっている女性ファンも少なくありません。
作中では、チセに対して多くを語ろうとしないため、エリアスの正体は未だ多くの謎に包まれています。
そこで今回は、ネタバレを交えつつ、「魔法使いの嫁」のキーパーソンであるエリアスの謎多き正体に迫っていきましょう。
エリアス・エインズワースの基本プロフィール
エリアスについて深く掘り下げる前に、まずは彼の基本的なプロフィールを見ていきましょう。
魔術師と魔法使いが存在するこの世界で、「本物の魔法使い」と称されるエリアスは、一体どのような人物なのでしょうか。
| 年齢 | 不明(300歳以上) |
| 出身地 | 不明 |
| 身長 | 200cm(角除く) |
| 体重 | 不明 |
| 種族 | 不明(人外) |
| 性別 | 男 |
| CV | 竹内良太(男性姿)、木下紗華(女性姿) |
エリアスは、人ならざる異形の魔法使いとして描かれています。
山羊の角とイヌ科の頭蓋骨のような頭部が特徴的ですね。
「影の茨」「裂き喰らう城」「骨頭」「影の棘」「茨の魔法使い」「半端者」など、数多くの異名を持つ存在です。
現代では希少な「本物の魔法使い」であり、その実力は教会からも警戒されるほど。
魔法の傾向としては、破壊系統を得意とし、浄化のような魔法は苦手とされています。
デフォルトの異形の姿以外にも、金髪の人間の姿や四足の獣型、さらには肉体を組み替えて女性の姿に変化することも可能です。
普段は紳士的で穏やかな性格ですが、人間としての常識が欠けている部分もあり、時折見せる子供っぽい反応や行動からは、精神的な未熟さも感じられます。
「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」と呼ばれるチセをオークションで強引に競り落とし、自身の弟子であり、将来の「嫁」として家に迎え入れます。
チセとの出会いと交流を通じて、エリアス自身も変化を見せ、徐々に人間としての感覚や感情を知っていく姿が描かれています。
遥か昔、リンデルと出会い、その師匠ラハブから「エリアス」という名を与えられ、魔法使いとしての道を歩み始めました。
リンデルと出会う前の記憶がなく、ラハブもエリアスの正体を解明することはできませんでした。
その正体は未だ明らかになっていませんが、「元は精霊だが人が混じっている」「影に属する存在」「肉の殻を持つ者」といった情報が断片的に語られています。
引きこもりで人間嫌いの世捨て人のように見えますが、人との関わりを完全に断っているわけではありません。
妖精の女王から「私達の世界で暮らさないか」と誘われた際には、「君達はいつも僕の事を憐れんだり嘲笑っているだろう」「僕を恐れるのは人間達だけど、受け入れたのもいつだって人間だった」と拒否しており、人間との関わりの中にエリアスにとって大切なものがあることが示唆されています。
物語が進むにつれてチセへの執着心を強め、チセが交友関係を広げることに内心で苛立ちを覚える場面も描かれています。
特に8巻では、嫉妬の対象であったステラを誘拐し、チセにかかっていた呪いを移植しようとして、ついにチセから拒絶されてしまうという衝撃的な展開もありました。
その後、9巻のラストでは互いの気持ちを正面からぶつけ合い、最終的にいくつかの約束事を交わすことで、チセを学院に通わせるくらいの妥協点を見つけ出す様子が描かれ、二人の関係性の変化に多くの読者が注目したのではないでしょうか。
エリアス・エインズワースの謎多き側面
エリアスは「魔法使いの嫁」の世界において、非常に異質な存在です。
その特異な性質や、感情の表し方、そして過去に秘められた真実に迫っていきましょう。
エリアスが持つ数々の異名とその意味
エリアスには、その特徴を捉えた複数の異名が存在します。
それぞれの異名には、彼の能力や性質、そして過去が暗示されていると考えられます。
茨の魔法使い
エリアスが魔法を詠唱すると、彼の周囲には無数の茨が現れ、まるで彼を世界から隔てるかのようです。
この茨が巻きつく様子から名付けられましたが、イギリスでは茨そのものが魔力を持つ植物として扱われていることも深く関係しています。
読者の中には、エリアスがチセに対して抱く嫉妬深さを象徴する意味合いもあるのではないかと考察する人もいるようです。
裂き喰らう城(ピルム・ムーリアリス)
この異名に当てられる「ピルム・ムーリアリス」という呼び名は、古代ローマ時代に生まれた言葉です。
当時の兵士たちが陣地を要塞化するために携帯した杭に由来し、「ピルム」は「槍」、「ムーリアリス」は「壁のようなもの」という意味を持ちます。
エリアス自身が現在の姿になるために、かつて領域侵犯したことを暗に示唆しているとも考えられますが、その詳細はまだ不明な点が多いです。
教会との交戦経験でこの名が与えられたという過去からも、その名の裏には何らかの破壊的な出来事が隠されていると考えるのが自然でしょう。
影の棘
エリアス自身が、自分の本質を影だと語っていることもあり、影の中から伸び出る無数の茨をまとう彼の姿にこの二つ名はしっくりきます。
影と対をなす光の性質を持つ魔法は苦手だとエリアスは語っており、その点はチセの方が相性が良いことが作中で描かれています。
これは、エリアスの持つ暗く、時に制御不能になる魔力の本質を表現していると考えることができるでしょう。
肉の殻を持つ者
妖精王オベロンをはじめ、妖精の国の住人がエリアスをこう呼ぶことがあります。
ネタバレになりますが、人間でないエリアスが何らかの経緯で「肉の殻」を手に入れたことにより、人間にも妖精にも嫌われる存在になってしまったとされています。
「魔法使いの嫁」の中でも、その所属が不明瞭で宙ぶらりんな存在として描かれているエリアスは、どちらにも属せないことで両者から疎まれている側面があります。
しかし、チセやリンデルといった真の理解者がいることで、エリアスを受け入れてくれる居場所も現に存在しているのが、彼の救いと言えるでしょう。
エリアスの異形の姿とその意味深な頭部
「魔法使いの嫁」には妖精以外にも様々な種族の生き物が登場しますが、体は人間なのに頭部が動物の頭蓋骨らしき骨と角のみという異形の姿を持つのは、エリアスを除いて他にいません。
このちぐはぐな外見もまた、エリアス自身が「人間もどき」と揶揄される要因を作っています。
エリアスは人間に擬態することも可能なので、人間の姿を保つことはさほど難しいことではないはずです。
しかし、あえて素顔を晒しているのには何らかの理由があるとも考えられます。
頭部が骨という特徴を英語に直すと「bone head」となり、俗語的には「馬鹿」や、スポーツの世界では「凡ミス」という意味を持つことから、妖精の国の住人の言葉からも分かる通り、エリアスが過去に取り返しのつかない重大な過ちを犯したことへの戒めとして、自身の頭部をあえて人間に擬態せずにそのまま晒しているという見方もできるでしょう。
感情豊かなエリアスの素顔と行動
動物の頭蓋骨のような頭部は不気味な雰囲気もありますが、実際のエリアスは無自覚ながらも実に感情豊かです。
チセもまた、エリアスの感情は眼光の部分が如実に表現していることを見抜いています。
声優の竹内良太の声を聴きながらも、エリアスが今何を考えているか想像しながらアニメを観るのも、「魔法使いの嫁」の一つの楽しみ方と言えるでしょう。
人間の感情を知るためにチセを買った
「魔法使いの嫁」では、チセのような人間のことを「夜の愛し子(スレイ・ベガ)」と呼びます。
スレイ・ベガは、本人の意思とは無関係に妖精の類を引き寄せる性質を持ちますが、膨大な魔力の貯蔵庫である一方で総じて短命という特徴があります。
エリアスは周囲から弟子をとるよう言われたため、形式的にチセを弟子として招き入れましたが、二人の最初の出会いはオークション会場でした。
スレイ・ベガである少女一人のために500万ポンドをいともたやすく支払ったエリアスは、人間の感情が知りたいという願望も込めてチセをお金で買い取ったのでした。
お世辞にも良い出会いを果たしたとは言えませんが、こうした不思議な縁によって、人嫌いの魔法使いと人間不信の少女は出会うべくして出会った、と考える読者も多いようです。
外見に似合わず子供っぽい一面
エリアスは、その魔法使いらしい出で立ちと物腰柔らかな態度からは想像もつかないほど、実際には子供っぽい一面があります。
未だ名前を知らない感情に好奇心を示す様子は無邪気な子供のようで、振り回されるチセもその純粋さには時たま困惑するほどです。
また、エリアス自身も自分の感情の由来や意味を自覚していないことが多々あり、無自覚なエリアスに対して人間であるチセの方が現在の感情を察知している場合さえあります。
普段は大人びた言動なだけに、彼の子供っぽさが良い意味で際立ち、そのギャップが可愛いとするファンも実際に多数いるようです。
特にチセのこととなると、嫉妬を始めとする新たな感情の波に戸惑うことも多いエリアスですが、無知ゆえの幼さもまたエリアス本来の素顔であることは間違いありません。
特技はテディベア作り
同じく魔法使いである知人のアンジェリカがまだ幼かった時に一度テディベアをねだられたことをきっかけに、エリアスは一つ覚えで誰かへのプレゼントには必ずテディベアを作り続けました。
それ以来、彼の特技としてぬいぐるみ作りが備わったそうです。
その特技はチセへのクリスマスプレゼントにもいかんなく発揮され、「魔法使いの嫁」ではチセの身長の半分ほどもある大きなテディベアを渡していました。
チセの年齢には子供っぽすぎるプレゼントにもかかわらず、嬉しそうに頬を赤らめるチセの初々しさが印象的でしたね。
エリアスなりのチセへの愛着がうかがえるシーンということで、その何気ないやり取りに心を癒された人も多かったのではないでしょうか。
紳士なようで嫉妬深い
チセと深く関わる中で、感情に乏しかったエリアスは徐々に人間らしくなっていきます。
チセがリンデルの元に一人で杖を作りに行った時には、その物足りない寂しさを「寒い」と誤解し、夏なのに暖炉に火をおこし薪をくべていました。
また、チセの興味を奪い去った人間の少女(ステラ)の存在に無自覚に嫉妬したエリアスは、無言で家を飛び出し森の中へと一目散に駆けていくというシーンもありました。
その後追いかけてきたチセを胸中の嫉妬のままに茨でがんじがらめにしたりと、チセが絡むとエリアスは途端に冷静さを欠きます。
チセが自分と距離を置くようなそぶりを見せると、嫉妬に類する感情に駆られて度々暴走するのですが、その迷走ぶりは駄々っ子さながらで可愛げがあると捉える読者もいるようです。
紳士然としている瞬間よりも人間らしく、エリアスはチセに関してだけ嫉妬という感情を持て余してしまうのでしょう。
チセが傷つけられると異形化する
カルタフィルスとの戦闘でチセが傷つけられると、エリアスは怒りのあまり我を忘れて暴走します。
昂ぶるどす黒い感情のままに異形化した姿はまさに怪物で、チセが目覚めて止めなければどれほどのものを傷つけ破壊したことでしょうか。
エリアスはチセの言うことなら素直に聞く節がありますが、お互いがお互いに翻弄されている二人の関係性はじれったいようなあたたかさがあります。
この異形化は、エリアスがチセに対して抱く深い愛情と独占欲の表れであり、彼の本能的な部分がむき出しになる瞬間だと考えることができるでしょう。
「魔法使いの嫁」の世界観とエリアスの住まい
「魔法使いの嫁」の世界観は、イギリスをベースとしています。
エリアスはイングランド地方の辺境にある屋敷を所持しており、チセを招き入れる以前は家事妖精のシルキーとの二人暮らしをしていました。
作中でエリアス自身も語っていますが、チセが来てからの屋敷内は賑やかであたたかな雰囲気に包まれています。
世話を焼くことを生き甲斐とするシルキーも、もてなす住人が増えたことを喜び、忙しなく家事をこなしている様子が随所に描かれています。
ちなみに、エリアス所有の屋敷には、イングランド中央部に建てられたコッツウォルズの郷士の館という、実在するモデルがあります。
エリアスの茨のイメージにしろ魔法に関する設定にしろ、「魔法使いの嫁」の世界観にはイギリスをベースとした幻想的な魔法世界が色鮮やかに描かれているのが魅力ですね。
ネタバレ注意!エリアスの過去と真の正体
エリアスの素顔が割と人間味にあふれていることが確認できたところで、ここからはネタバレを含めたエリアスの知られざる過去について見ていきましょう。
エリアスはチセに対して頑なに自らの過去をひた隠しにしたがりますが、二人の関係性を案じたリンデルが独断で彼の過去のほんの一部を語りました。
リンデルが出会った当初のエリアスはチセが知る彼とは大分様子が違うのですが、その内容を要約すると以下のようなものでした。
リンデルとの出会いと「エリアス」という名の誕生
かつて遊牧民として生活していたリンデルは、雪の積もる森の中で彷徨っていたエリアスを保護します。
空腹を訴えたエリアスに対してスープを振る舞ったリンデルはひとまず、リンデルの師匠の元へと迷子のエリアスを送り届けます。
そこでリンデルの師匠によって「エリアス」と名付けられたエリアスは、師匠ではなく友人になったリンデルから魔法の使い方を教わっていきます。
リンデルが出会った当時のエリアスは無機質な印象が先立ち、チセと生活する彼の片鱗はうかがえません。
ただリンデルの口からも語られた通り、エリアスはおよそ300年という長い歳月をかけて現在の人格を形成しました。
今でこそ魔法使いらしく黒いローブを羽織っていますが、当時はみすぼらしい格好をしていました。
かつて人間を食べたことがある?
リンデルが語る過去の中でエリアスは、「記憶はないけど人間を食べたことがある」と発言しました。
リンデルがすかさず茶化したためその場は何事もなく終わりましたが、リンデル自身もエリアスのその発言にはゾッとしたと後に語っています。
妖精の国の住人が指すところの「肉の殻」とは、人間を食べたために備わった可能性もありますが、その詳細は原作でも未だに語られていません。
しかし、肉の殻を持つ者がエリアスなのであれば、エリアスの本質とはそもそも人間でないことが推察できます。
この「人間を食べた」という過去は、エリアスの異質さや危険性をより際立たせる要素として、読者に強い印象を与えていることでしょう。
エリアスは人間じゃない?その存在の定義
エリアスの正体に関する真実はその片鱗だけが作中にちらつくものの、全容が明らかになることは恐らくまだ先のことでしょう。
ただ「魔法使いの嫁」でのエリアスの存在は次のように定義されています。
「おとぎ話と同じくらい古くから存在し、おとぎ話に描かれるような、人間の味方をすることもあれば災いをもたらすこともある、不可解で強力な力を秘めた存在」
この定義だけを見ると、エリアスの存在は神にも近しい存在であったかのようにも読み取れます。
そんな存在であることを捨ててまでなぜ人間に近づきたかったのか、そこには深い理由が潜んでいることは想像に難くありません。
人間との関わりを通じて、エリアスが何を求めているのか、彼の真の目的が何なのか、今後の展開に期待が高まりますね。
エリアスの変幻自在な姿とその理由
現在のエリアスは、骨の頭にヤギの角が生えた姿をしていますが、その身体は洋服に隠され、詳細は不明です。
手や足は人間のように見えますが、手袋で覆われています。
チセが膝に乗ることもあるため、質感は人間に近いのかもしれませんね。
エリアスは顔を自由に変えられるようで、元が骨であるため、顔を「肉付け」するのも容易であるようです。
様々な姿を持つエリアス
エリアスがこれまでに見せた姿は以下の通りです。
・通常の骨の姿
・イケメンな男性の姿
・美しい女性の姿
・四つ足歩行をする化け物の姿
・チビエリアス
このように、エリアスは人間にも、化け物のような姿にも変身できますが、通常の姿は骨の頭にヤギの角を持つ人外のものです。
時折、感情が高ぶると魔力が暴走し、化け物のような本来の姿に戻ることもあります。
この姿は真っ黒で棘に覆われており、元の姿に戻るのに時間がかかることもあります。
学院編で分身して「チビエリアス」を生み出すなど、驚くべき能力も持っていますね。
さらに、彼の頭が突然半分に割れるといったシーンもあり、チセでなくても驚いてしまうような場面も見られます。
こうした変幻自在なエリアスの姿は、彼の正体や能力の多様性を示していると言えるでしょう。
人間としての仮の姿・女性の姿の理由
エリアスは人間と接触する際には、骨の頭の姿を避け、人間の姿を選んでいますが、これはあくまで仮の姿です。
精霊たちと接する際には本来の姿に戻り、人間たちを驚かせないようにするために仮の姿を使っているようです。
男性の姿は神父サイモンを参考にしており、エリアス自身もサイモンに対して好意的な感情を抱いていると見られています。
一方で、女性の姿はチセに「誰だろう?」と呟かれるなど、まだ会ったことのない人物をモデルにしているようです。
エリアスが初めて女性の姿を取ったのは、カルタフィルスに攫われた竜の雛を助けるために潜入したオークションの時です。
これまでサイモン似の男性の姿を保ってきたエリアスが、なぜここで女性に変身したのでしょうか。
このオークションは、かつてエリアスがチセを購入した場所と同じだったため、エリアスの身元が知られている可能性がありました。
そのため、エリアスは顔バレや身バレを防ぐために、女性の姿を選んだと考えられます。
体が小さく、目立たない女性の姿は、潜入や素早い対応に適していたのでしょう。
つまり、エリアスが女性に変身するのは、目立たずに行動する必要がある場面であると考えることができます。
彼の通常の姿は多くの場所で知られており、その姿で現れればパニックを引き起こす可能性があります。
そのため、潜入や隠密行動が求められる際には、女性の姿を選んでいるのでしょう。
美しい女性の姿が誰をモデルにしているのかも、今後の物語で明らかになるのか、興味深い点ですね。
エリアスの魔法の実力と怪物としての苦悩
エリアスは作中において、トップクラスの魔法の使い手として描かれています。
しかし、その強大な力を持つがゆえの苦悩も抱えています。
高水準の万能型魔法使い
エリアスは作中の登場人物の中でも高水準の能力を持っており、基本的に万能型といって差し支えないでしょう。
技術としては空間の転移、記憶の消去、触媒を用いた道案内、薬の調合など多岐に及びます。
ただし、浄化や昏睡といった魔法は不得手であり、出来なくもない程度のようです。
逆に破壊系統の魔法を得意としており、作中で繰り出したものとしては、影から無数の槍や茨を繰り出す、記憶の破壊、肉体の切断などが見られます。
その威力も非常に高く、杖を用いた状態なら千年を生きる化け物相手にも軽々と魔法を通し、その肉体を両断するほどです。
また、魔法とは別の力として、複数の形態を持っており、より怪物らしさを増した形態や、明らかに元の姿を留めていない異形の姿となって戦うこともあります。
前者の姿ではより獣じみた戦法(噛みつきや爪を用いた引っ掻き)を取り、後者の姿では強力な魔法を放つなど、普段の姿より強力な力を行使している描写が多いです。
しかし、衝動的に変化させると中々普段の姿には戻れなくなってしまうという弱点も抱えています。
実際に衝動的な変化を起こした後、数日間元の姿に戻れなくなったという描写もありましたね。
妖精王夫妻には叶わないのか、その配下と見られるスプリガンには肉体を押さえ込まれ、身動きが取れなくなった場面もあります。
とはいえ、作中トップクラスの実力者であることに変わりはなく、魔法や魔術に携わる者からは大きく警戒されています。
特に教会とはかつて交戦経験があり、18世紀フランスのある港にて存在を捕捉された際に障害記録が学院に残されています。
「裂き喰らう城」の名はその際に与えられたとのことです。
人間らしさを求める怪物としての苦悩
エリアスもまた人外である以上、それなりに物騒な価値観を根底に抱いています。
とはいえ、自身の獣性を良しとはしておらず、無理にでも“そうある”べきとして人間側の価値観に合わせようと努力はしているのですが、当然自身の在り様を曲げるような真似が長く続くはずもなく、無理が祟ったのか後に大きな事件を引き起こしてしまっています。
言ってしまえば“人間らしいこと”は言えるものの、それに中身が伴っていない状態であり、基本的に人間の価値観や心の移ろいに関しての理解が浅い(本人も自覚あり)のです。
実際にかつてヨセフに向けて放った人間側としての善寄り視点の言葉が、後にブーメランとなって返ってきてしまっている場面もありました。
そういった問題点を抱える故か、種族問わず大多数の者達から良い扱いを受けておらず、友人は居ても理解者と呼べる存在は正直片手で足りる程度にしかいないのが実情のようです。
これらのことも相まって、自分の価値観を悪いものとして受け取っている節があるものの、妖精王夫妻曰く、本来は化け物としての価値観を元に生きることこそが自然であり、人外側が人間側に歩み寄ることばかりが正しいわけではないとのことです。
そもそもエリアスが人の理の外側に存在する者である以上、人間とは根本的な部分に差異があるため価値観が大きく違うのは至極当然と言えるでしょう。
むしろ、自分の大切なモノのためなら何であろうと切り捨てる、自分だけのモノとして閉じ込めておきたいといった思想自体は人外として自然なことであり、無理に自身の価値観を歪めてまで人間に歩み寄ろうとするその姿勢について、ティターニアは難色を示しており、エリアス自身のアイデンティティの崩壊に繋がるのではないかと危惧している様子も描かれています。
ただ素直な性格ゆえか、エリアスのそんな苦悩自体は周囲に伝わっており、エリアスを快く思っていない者も、有事の際には気にかけたり、個々人なりの叱責をかけることも少なくありません。
総じて「周囲から浮いてはいるが、隣人として許容されない程でもない」といった感じである、と考える読者もいることでしょう。
ちなみに、作中でやらかすことの多いエリアスですが、実際のところチセの独断専行が発端であることも多く、特に呪い関連の件については一概にエリアスが悪いとは言えなかったりもします。
実際に妖精王夫妻からのフォローを受けている場面もありましたね。
エリアスは感情豊かな魔法使い
ネタバレの内容を含みながらエリアスの正体について迫ってきましたが、ありきたりな人間のように自分の感情を隠す必要性がないからこそ、エリアスは自身の感情にとても素直に行動します。
最初こそ単なる弟子としか見なかったチセに興味を持ち、時には嫉妬まで抱き、短命な彼女の寿命をどうにか延ばそうと懸命に努力するエリアスの姿は、誰よりも泥臭くて人間らしいものがあります。
エリアス自身の過去とともにその正体が明かされるのが待ち遠しいですが、彼の不気味な素顔や暴力的な嫉妬にも動じなかったチセであれば、エリアスの正体が何であれ、そのままのエリアスを受け入れてくれるはずです。
それに、エリアスの正体以外にも「魔法使いの嫁」にはたくさんの見どころがあります。
声優の演技によって生き生きと表現されたキャラクター達は、エリアスを含めた全員が魅力的で、このアニメをきっかけに声優を好きになる方もいるかもしれません。
今後ともエリアスの感情豊かな素顔が明らかになるのを楽しみにしつつ、今はゆったりとした時間の流れる「魔法使いの嫁」の世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。



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