
ニューヨークが崩壊し、異界と現世が交差する魔都「ヘルサレムズ・ロット」が誕生してから、僕たちの日常はすっかり超常現象に支配されてしまいましたね。
内藤泰弘先生が描く『血界戦線』は、スタイリッシュなアクションと、思わず叫びたくなる格好いい技名が魅力の作品ですが、ファンの間で常に議論の的になるのが「結局、誰が一番強いの?」というギモンです。
今回は、最新の連載状況や単行本での描写を徹底的にリサーチし、純粋な戦闘能力に基づいた最強ランキングを作成してみました。
作中で圧倒的な絶望感を見せつけたあの王から、人類の希望を背負うライブラの面々まで、僕の独断と偏見(と愛)を込めて順位付けしています。
異界の住人も驚くような、ガチのランキングをぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
血界戦線最強キャラクターランキング
第20位 ウデシウボ
第20位にランクインしたのは、異界人の運び屋3人組の一人、ウデシウボです。
彼はシボロバ、ヤハビオと共に「人間パック」を異界へ運ぼうとした犯罪者ですが、その巨体と異界人特有の身体能力は侮れません。
物語の初期に登場し、レオを拘束するなどの立ち回りを見せましたが、残念ながらライブラの主戦力と比較すると一歩譲る形となります。
直後の19位に位置するシボロバが持つ「幻術」のような搦め手を持たないため、純粋な武力のみではこの順位が妥当と言えるでしょう。
異界の一般住人よりは遥かに強力ですが、秘密結社の壁は高かったようです。
第19位 シボロバ
第19位は、同じく運び屋3人組のリーダー格、シボロバです。
彼は単なる怪力だけでなく、クリーニング屋のトラックを装うほどの高度な「幻術」を使いこなす知能派でもあります。
物理的な破壊力では20位のウデシウボと大差ありませんが、相手を欺く術を持っている点で一歩リードしていますね。
しかし、18位のベルベット・WS・ラインカイマーのような、プロの戦闘員としての執念や特殊な知覚能力の前では、その幻術も通用しにくいと考えられます。
結局のところ、クラウスによって車両ごと粉砕された戦績を見ても、上位陣の圧倒的な火力には耐えきれないのが現実です。
第18位 ベルベット・WS・ラインカイマー
第18位には、人狼局を裏切り「人狼吊し」として暗躍したベルベット・WS・ラインカイマーを選出しました。
彼女は過敏王ゼオドラと契約し、自身の知覚神経を数百倍に強化することで、本来は不可視であるはずの人狼を捉えるという離れ業をやってのけました。
19位のシボロバの幻術すら彼女の超知覚の前では無意味でしょう。
しかし、その強すぎる感覚が仇となり、17位のアリス獄長のような重火器や轟音を伴う攻撃には極めて脆弱であるという致命的な弱点があります。
チェインの機転によって増幅された衝撃音で命を落とした結末が、彼女の限界を示しています。
第17位 アリス・ネバーヘイワーズ
第17位は、パンドラム監獄の獄長、アリス・ネバーヘイワーズです。
素手の戦闘力は高くありませんが、パワードスーツ「バルトーチャー44型」を纏った際の殲滅能力は目を見張るものがあります。
凶悪犯1000人を同時に相手取れるというスペックは伊達ではなく、18位のベルベットのような回避特化型の相手をも物量と火力で押し潰すことが可能です。
あのクラウスにさえ(彼が手加減していたとはいえ)負傷を負わせた実力は本物です。
ただし、16位のツェッド・オブライエンのように、流麗な血法で装甲の隙間を突いてくる超一流の牙狩りを相手にすると、機械の動きでは翻弄されてしまうでしょう。
第16位 ツェッド・オブライエン
第16位は、ライブラの新人であり斗流血法・シナトベの正統後継者、ツェッド・オブライエンです。
彼は血液を媒介に真空刃を作り出す精密な攻撃を得意とし、17位のアリスが操る無骨なパワードスーツを容易に切り刻む技巧を持っています。
13時間にわたって血界の眷属と戦い続けたスタミナと精神力は、新人という枠を完全に超えていますね。
ただ、兄弟子である15位のザップ・レンフロと比較すると、爆発的な破壊力や生存への執着心において、あと一歩及ばない印象を受けます。
真面目すぎるがゆえに、ザップの「クズゆえの予測不能な動き」には対抗しきれない部分があるのです。
第15位 ザップ・レンフロ
第15位には、ライブラ一のダメ男、ザップ・レンフロをランクインさせました。
性格は最悪ですが、戦闘の天才であることは間違いありません。
斗流血法・カグツチを駆使し、16位のツェッドが持つ風の技とは対極にある「火」の属性で周囲を焼き尽くします。
特筆すべきは、1ナノ秒の間に邪神と斬り合う反応速度で、この瞬発力は常人の域を遥かに逸脱しています。
14位のK・Kのような遠距離特化型の攻撃も、彼の野性的な勘とスピードがあれば懐に潜り込むことが可能でしょう。
しかし、スティーブンのような冷徹な戦術家相手には、性格の隙を突かれて氷漬けにされるのが目に見えています。
第14位 K・K
第14位は、電撃を纏う銃弾を操るスナイパー、K・Kです。
954血弾格闘技を使い、超遠距離からの狙撃のみならず、近接戦でも二挺拳銃で相手を圧倒します。
15位のザップがどれだけ素早く動こうとも、彼女が放つ1.25GWの電撃を伴う面制圧攻撃から逃げ切るのは至難の業です。
ママとしての悩みは尽きませんが、戦場での冷酷なまでの命中精度は、まさにプロフェッショナル。
それでも、13位のスティーブン・A・スターフェイズが展開する絶対零度の空間そのものを凍らせる技の前では、弾丸すらも静止させられてしまうため、この順位となりました。
第13位 スティーブン・A・スターフェイズ
第13位は、ライブラの副官、スティーブン・A・スターフェイズです。
エスメラルダ式血凍道による広範囲の凍結能力は、14位のK・Kの銃撃を物理的に遮断し、戦場全体を自分のペースに引き込みます。
彼は単なる戦闘力だけでなく、私設部隊を率いて裏で敵を排除する冷徹な判断力を持っており、その隙のなさが強みです。
ザップが震え上がるほどの「限界値に近い優しさ」は、彼の底知れない実力を物語っています。
しかし、12位のデルドロ・ブローディ&ドグ・ハマーのような、物理法則を無視した圧倒的な質量と再生能力を持つコンビを凍らせ続けるには、体力の限界があります。
第12位 デルドロ・ブローディ&ドグ・ハマー
第12位には、最凶の犯罪者と美青年が融合した血槌のハマー、デルドロ・ブローディ&ドグ・ハマーを選びました。
液状化されたブローディがハマーの肉体を強化する「血殖装甲」は、13位のスティーブンの氷を内側から破壊して突き進むパワーを持っています。
どれだけ傷ついても再生し、巨大な血の拳で粉砕するスタイルは、正攻法の格闘術では対抗不能です。
まさに歩く戦略兵器ですが、11位のルシアナ・エステヴェスのような、分子レベルで肉体をバラバラにする「幻界執刀」を持つ相手には、その巨体も格好の標的になってしまいます。
第11位 ルシアナ・エステヴェス
第11位は、ブラッドベリ総合病院の女医、ルシアナ・エステヴェスです。
彼女は「ファーデムトリガ」によって無数の個体に分裂し、相手をすれ違いざまに腑分けする神業を持ちます。
12位のブローディ&ハマーのような巨大な敵であっても、彼女の集団にかかれば一瞬で解体されてしまうでしょう。
医療技術を転用したその攻撃は回避が極めて困難です。
しかし、10位のオズマルドのように、身体そのものが血界の眷属に支配され、圧倒的な速度と力でねじ伏せてくる怪物を前にすると、分裂体の一つひとつが脆い彼女にとっては相性が最悪と言わざるを得ません。
第10位 オズマルド
第10位に食い込んだのは、地下闘技場の元王者、拳豪オズマルドです。
その正体は、高位の血界の眷属が死体を利用していた姿であり、皮を脱ぎ捨てた真の姿はクラウスすら一蹴するほどの戦闘力を誇ります。
11位のルシアナのメスが届く前に、音速を超える一撃を叩き込むことが可能です。
純粋な「武」への執着心は、並の超人を寄せ付けない威圧感があります。
しかし、9位のブラックが持つ、目に見えないPSI能力による空間的な破壊の前では、どれだけ鍛え上げた肉体も内側から破裂させられてしまうため、ここが限界点となります。
第9位 ブラック
第9位は、術士協会の天才少年、ブラックことウィリアム・マクベスです。
絶望王をその身に宿していた時期の彼は、念じるだけで異界の巨体を爆発させるなど、物理的な防御が一切通用しない超能力を行使しました。
10位のオズマルドがどれだけ素早く動こうとも、思考の速度で発動する彼のPSIを避けることはできません。
都市を覆う結界を一人で維持し続けるほどの魔力量は異常です。
それでも、8位のクラウス・V・ラインヘルツが持つ「不屈の精神」と、あらゆる魔術的な干渉を跳ね除けるブレングリード流血闘術の重圧には、精神的に脆い彼は屈してしまうでしょう。
第8位 クラウス・V・ラインヘルツ
第8位は、僕たちのリーダー、クラウス・V・ラインヘルツです。
人類最強クラスの牙狩りであり、999式久遠棺封縛獄によって血界の眷属を封印できる唯一無二の存在です。
9位のブラックの超能力に耐え抜き、一撃で結界を粉砕するその姿はまさに獣。
117式絶対不破血十字盾は、あらゆる超常攻撃を無効化する信頼感があります。
しかし、そんな彼でさえ、7位のブリッツ・T・エイブラムスが背負っている「呪い」の影響からは逃れられません。
クラウスがどれだけ強くとも、周囲を壊滅させるエイブラムスの不運(幸運)は、戦闘という概念そのものを破壊してしまいます。
第7位 ブリッツ・T・エイブラムス
第7位は、世界屈指の吸血鬼対策専門家、豪運のエイブラムスです。
彼自身に特殊な攻撃技はありませんが、数多の眷属から受けた呪いが「本人には効かず周囲に跳ね返る」という特性により、彼を攻撃しようとした者は自滅します。
8位のクラウスがナックルを振るえば、何らかの事故で自分の腕が折れるような、因果律レベルの防御(?)を持っています。
ある意味で無敵に近い存在ですが、6位の堕落王フェムトのような、退屈しのぎに世界そのものを書き換えてしまうような超次元の存在には、その幸運も通用しません。
フェムトにとっては、エイブラムスの呪いすら「面白いおもちゃ」に過ぎないのです。
第6位 堕落王フェムト
第6位は、HLを代表する怪人、堕落王フェムトです。
千年の時をかけて魔導を極めた彼は、7位のエイブラムスの不運を軽々とあしらい、指先一つで街を混沌に陥れます。
彼の強さは測定不能で、気まぐれに召喚する魔獣だけでもライブラを全滅させかねない脅威となります。
戦うことすら馬鹿らしくなるような圧倒的な余裕がありますが、そんな彼でさえ「厄介だ」と認めるのが、5位の偏執王アリギュラです。
フェムトが計算された混乱を好むのに対し、アリギュラは計算不能な純粋な欲望で物理法則を破壊するため、フェムトの手にも負えません。
第5位 偏執王アリギュラ
第5位は、ゴスロリ衣装に身を包んだ危険すぎる乙女、偏執王アリギュラです。
彼女の恐ろしさは、自身の恋人を「血液」に変えて他人に移植するという、神の領域に等しい狂気と技術を即座に実行する行動力にあります。
6位のフェムトが「遊び」であるのに対し、彼女は「本気」で世界を自分色に塗り替えます。
巨大なモンスタートラックを素手で操り、監獄を正面から破壊する力は、もはや災害そのもの。
ですが、そんな彼女の暴走をさらに上位の次元から観測し、歴史の一部として処理してしまうのが、4位のリガ=エル=メヌヒュトです。
第4位 リガ=エル=メヌヒュト
第4位には、レオに神々の義眼を与えた異界存在、リガ=エル=メヌヒュトを選出しました。
彼は「上位存在のお抱え眼科技師」であり、人類の尺度では測れない力を持っています。
5位のアリギュラがどれだけ暴れようとも、彼は時間を静止させ、あるいは存在そのものを「観測対象」として固定することで無力化できます。
彼の前では物理的な強さは意味をなさず、存在の格が違いすぎます。
しかし、その彼ですら、3位のタイクーンブラザーズのような、長老級の中でも例外中の例外とされる血界の眷属を完全に抑え込むことは難しいでしょう。
第3位 タイクーンブラザーズ
第3位は、長老級の眷属、タイクーンブラザーズ(イングウェイ&マクシミリアン)です。
彼らは互いの心臓を入れ替えることで封印を無効化し、裸獣汁外衛賤厳に「次元の違う存在」と言わしめました。
4位のリガ=エルがどれほど高次元な存在であっても、彼らの「刃身の獣」を模倣した戦闘能力と無限の再生力は、全てを切り裂き、焼き尽くします。
二人がかりの連携はライブラ総出でも足止めが精一杯という絶望的な強さです。
ですが、その天才的な眷属たちに斗流血法の真髄を見せつけ、圧倒したのが2位の裸獣汁外衛賤厳です。
第2位 裸獣汁外衛賤厳
第2位は、斗流血法の創始者、裸獣汁外衛賤厳です。
もはや人間を辞めている「血闘神」であり、長老級の眷属ですら赤子のように扱うことができます。
3位のタイクーンブラザーズが模倣した技の本家であり、火と風を同時に操る「七獄五劫 天照天羽鞴」は、相手をプラズマ化させて消滅させるほどの威力。
身体の大部分を失いながらも、血の杖一本で世界の均衡を保つその姿は、作中における武の到達点と言えるでしょう。
それでも、彼が1位ではない理由は、HLそのものを支える「理」を司る1位の存在、絶望王(ウォッチマン)がいるからです。
第1位 絶望王
栄えある第1位は、テレビアニメ版でも猛威を振るった絶望王です。
古くから人界を観測し続けてきた「ウォッチマン」であり、肉体を持たない概念的な存在です。
2位の賤厳がどれだけ武力を極めても、絶望王は「世界の終わり」そのものを引き起こす権能を持っており、戦う土俵が異なります。
レオの神々の義眼さえも利用し、第二次大崩落を企てたその知略と力は、全キャラクターの中で群を抜いています。
彼を倒すことは不可能であり、唯一「満足させる」ことでしか退かせることはできません。
文句なしの、ヘルサレムズ・ロット史上最強の存在です。
まとめ
いかがでしたか?『血界戦線』最強キャラクターランキングTOP20をお届けしました。
こうして振り返ってみると、1位の絶望王や上位の「王」たちのチートっぷりが際立ちますが、それに対抗するクラウスさんたちの「人間の意志」がいかに凄いかも再確認できましたね。
特にライブラのメンバーは、単体の戦闘力では測れないチームワークや絆で、格上の眷属たちを封印してきました。
最強議論は尽きないものですが、僕としては「技名を叫んでから殴る」彼らの熱い戦いこそが、この作品の一番の魅力だと思っています。
今回のランキングをきっかけに、もう一度原作やアニメを見返して、お気に入りのキャラクターの強さを再確認してみてください。
皆さんの「僕の考える最強はこっちだ!」という意見も、ぜひ聞いてみたいです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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コメント
現在『血界戦線』で最強の存在はおそらく「コスモス」「ケイオス」と呼ばれる超越者の「主」(現状最も謎に包まれており、『血界戦線 Beat 3 Peat 2 ―RUN SILENT, RUN DEEP (ラン・サイレント・ラン・ディープ)―』で初めてその存在が言及された)だと思います。
あの堕落王フェムトでも、自身を「巣箱の中の蟻」と思わせることを匂わせている(実際にはレオナルド・ウォッチがその件の発言を聞き、そう思っただけで本人から言及はされてないが……)。
「コスモス」「ケイオス」、そして二人の主人……彼らがフェムトが言っていた、神性存在(最低でもアレフ2次元以上の力を有する)や超常人たちすらも「巣箱の中の蟻」扱いしている超越的存在なのかもしれない……(もうわけがわからないよ)。
『血界戦線』シリーズの舞台となるのは、「ヘルサレムズ・ロット」。未曽有の大災害により紐育(ニューヨーク)が崩壊。町の中心に異界へ繋がる大穴が開いた結果、異界と現世の交わり、人間、魔人、吸血鬼などの異種族が入り乱れて存在する魔都となった。「大崩落」と呼ばれる災害とヘルサレムズ・ロットの誕生については、これまでも語られているが、『血界戦線 Beat 3 Peat』の第2話「崩落都市2.99」で、より詳細にその様子が描かれている。世界各地で空中に現れた正体不明の六つの物体の中心に紐育があったこと、大崩落に白いスーツ姿の青年コスモス(外見のモデルはおそらくティルダ・スウィントン)、黒いスーツ姿の壮年男性ケイオス(外見のモデルはおそらくイアン・マクシェーン)という超常的な存在が関連していることなどが語られたが、まだまだヘルサレムズ・ロットの成立には謎が多い。
なお、作者・内藤泰弘氏はカバー折り返しで『シーズン1の目標は「テンションを下げずに10巻の最終話まで面白く描き切る」だった。
シーズン2の『血界戦線 Back 2 Back』の目標は「事故も厭わぬアクセルベタ踏みでどこまで行けるかやってみる」だった。
シーズン3の『血界戦線 Beat 3 Peat』はどうしていこうかと、作業進めながらウスラぼんやり浮かんできたのは「思い残す事が無い様に今まで考えてたネタを全てブチ込む」でした。まあやってみます。どこまで出来るかは分かりませんが、それはいつもの事』などと書かれている……ということは『血界戦線 Beat 3 Peat』が最終シリーズか?
一夜にして崩落・再構成され異次元の租界となった、かつて紐育(ニューヨーク)と呼ばれた霧烟る都市『ヘルサレムズ・ロット』。異界と現世の交わる魔都、『血界戦線』のHL(ヘルサレムズ・ロット)はほぼ毎日と言っていいくらいの感覚で世界滅亡レベルの超常現象が発生し、人類(ヒューマー)どころか異界人の命すらポンポン消し飛ぶくらいには命が紙切れよりも軽い。
やたら「ちょっと立ち寄ってみました」みたいな軽いノリで神様みたいな上位存在連中が押しかけてくる。クトゥルフ神話に登場する邪神と同等、あるいはそれ以上の絶対的上位の存在を崇める者達がいて、その者達が崇める神性等の上位存在が普通に顕現してくる街。それがHL(ヘルサレムズ・ロット)である。
ザップの娘が存在してたり、ガチャで切れて世界を滅ぼそうとする神様がいる小説版『血界戦線』の世界というパラレルワールドも存在する。
『血界戦線 Beat 3 Peat 1 ―崩落都市2.99―』でH.Lの成立とライブラ設立の経緯が明かされた。
12時間に渡って全世界で地震が観測されない、という異常事態。魔術を操る者たちが「予感」に打ち震える。古文書に記された予言の場所はーーニューヨーク。
何者かに選ばれた少年がN.Y.の雑踏に放り出される。
「ある所に行ってあるものの栓を開けて欲しい」
「それだけ?」
「これ以上は伝えない なるべくしてなるかどうかが肝心なんだ でも間違いなくスリリングさ 上手くいけば 世界を裏返すことが出来るぞ」
「裏返すって…それって何だか沢山人が死にそうだ」
「過程ではね でも気にする事はないだろう どうせ君を放っておいた世界と君が放っておいた世界だ」
導かれるように、何も目的がないように歩く少年。
「九千九百九十九億九千九百九十九万九千九百九十九分の一を掴み取れ」
あらゆる障害を越えて歩く少年が、ふとある店に立ち寄る。
偶々手に取ったコーラの瓶を開けようとして……。
「ハイ どうしたの? 死にそうな顔して」
声を掛けてきた少女に憑き物が落ちた顔を見せる少年。
しかし時すでに遅し、もう「栓は開き」……。
「ごめん」
何の変哲もないコーラ瓶の栓が開いたことから世界の崩壊は始まった。
消滅する建物に、巻き上げられる人々、大挙して現れる魑魅魍魎。
あの全貌がまったく掴めないタコのような巨大な神性存在すらも、コスモスによってこの世界に呼び出された。
このタコ足は現代より未来にあたる世界観上のアメリカ海軍第二艦隊の総攻撃もまったくの無傷のまま返り討ちにし、異界技術と融合した現在の兵器はおろか、「半神」となったヨグ=グフォトを圧倒したザップ・レンフロをして「死ぬぜ、その弟子(ツェッド)が」と言わせる程の超常存在であり、人界の超人や異界の怪物どもでも手の付けられない上位の神性存在である。
等級神性存在2種であるヨグ=グフォトですら、本来の姿に戻ればHL(ヘルサレムズ・ロット)の結界を破壊するほどの力を持つ。
しかもHLはお遊びとはいえ、ビー玉遊びの児戯以下の感覚や息をするかのように宇宙や次元を破壊、消滅させるなど、多元宇宙・マルチバースを軽く超越する領域にいる神性存在等がその力で作りだしたものだが、その創造を止めたのは詳細不明の桁外れの術者個人だったらしい。
しかしその変化は押し留められ。
「何ともはや惜しい あとほんの少しで完全な崩壊が拝めたのに 『彼女』(少女のこと)の投入は見事だったよ ケイオス」
「お前と同じ 『九千九百九十九億九千九百九十九万九千九百九十九分の一』だ コスモス」
「おかげで『彼』(少年のこと)はわずかに躊躇った その数瞬の結果がこの『惨状』だよ 世界中のありとあらゆる耳聡い術使いが間に合ってしまった」
「ああもう必死だね 痛々しくて見ていられない ここまでかな? 今回は」
「いかにも 潮時に相違ないだろう」
ニューヨークを組み替えたのはコスモスとケイオスという2人。
コスモスが全世界、異界と現世を融合させて世界を破滅させようとしたのを、ケイオスがニューヨークのみに止めた。
「コスモス」「ケイオス」と呼ばれる存在は何者だったのだろうか。一見すると普通のスーツ姿の人間のようだが……。
この二人は「神性存在」や「13王」等の上位存在・異界人・魔人・超常人たちよりも更に上位の存在らしい。
コスモスが「主(しゅ)」と呼ぶ謎多き存在(おそらく『血界戦線』の世界を創造した、言うなれば創造主「神」そのものと思われる超越的存在で、コスモス曰く「主から見れば どんなに力を持とうとも 我々もまた主の掌の上だ」とのこと。このことから、コスモスとケイオスよりも遥かに上位の存在であることが理解できる)がいて、コスモスとケイオスはその直属の超上位存在である(コスモスが言うには「我々(自分とケイオス)はここ(宇宙や異界どころか、アレフ2次元以上の力を持つ神性連中、堕落王フェムトたちよりも遥かに高次の領域)から見霽かす全てを自由にできる」程度の力はあるが、それでも彼らの主人には遠く及ばないらしい)。
複数の並行世界を観測して干渉できると思われる「秩序」と「混沌」は、おそらく天使や悪魔なのだろう。こんなのどうすればいいんだ!
ヘルサレムズ・ロットは、何やら超越者のゲームの結果のようだ。あくまで偶然の積み重ねに世界崩壊のスイッチを任せる、ということだろうか。これが運命だというのなら術者たちが気づいて、命を懸けて抑え込んたのもまた運命。
超越者たちは「また次の機会に」で引っ込めばいいかもしれないが、つきあわされる人間たちはたまったものではない。
H.Lで発生する超常現象などを操っているかに思われる超越者の白い男と黒い男。黒い方は”ケイオス“と呼ばれているようだが…(白い方は“コスモス”か)。
かつて「コーラの栓を開けさせる」ことに世界の終焉を賭けさせた彼ら。およそ全知全能に見えるが、『血界戦線 Beat 3 Peat 2 ―RUN SILENT, RUN DEEP (ラン・サイレント・ラン・ディープ)―』でのコスモスとケイオスの会話が以下の通り
「そんな顔をするな コスモス」
「もう限界だ 気持ち悪すぎる」
「またその話か 何億回繰り返せば気が済…」
「完全なる調和が見えているのに 手を出せないおぞましさを君は理解しない」
「コスモス おぞましいなどと…」
「何故だ 我々はここから見霽かす全てを自由にできる」
「だからだ」
「途方もない数の失望を重ねてきただろう」
「全てはあるがまま あるがままが全て どんなに美しくとも恣意の介在は許さぬ」
「恣意 恣意ね ならばなぜ我々は存在している 私の心が乱れ続ける意味は? 私の行いを打ち崩すお前に恣意は無いと? 主から見ればどんなに力を持とうとも 我々もまた主の掌の上だ この会話もあるがままを構成する一部なのだろう」
彼らも互いを縛る不自由を「主」からかけられているらしい。
「ならばまたやろうか どうせ僕の挑戦を君は拒めない」
「如何にも そしてまた同様に私のルールをお前は拒めない」
何億回目かの人界への干渉を始めようとする二人の超越者だった。
『血界戦線 Beat 3 Peat 1 ―崩落都市2.99―』で語られたHLの成立で登場した「コスモス」と「ケイオス」は街が誕生した後も引き続き崩壊と阻止を試み、街に厄災が封じ込められているように見えて実はじわじわと染みだしつつあることも、『血界戦線 Beat 3 Peat 2 ―RUN SILENT, RUN DEEP (ラン・サイレント・ラン・ディープ)―』で描かれている。
明言はされていないが、ページの繋がりを見るに、あの堕落王フェムトのクソ下らないが、深刻な世界の危機すら超越者の差し金である可能性が否定出来ない……そんなのどうしようもないのでは? 全く勝てる気がしない。
その超越者の意志すら自由に操る「主」の正体や目的とは?
内藤先生曰く「当初考えてた目論見の方向に、大方話は進んでいます」とのことだが……。
HLを作ったほうがコスモス(秩序)で、それを妨害しギリギリのところで世界を保ったのがケイオス(混沌)なのが、もう言ってしまうけども、すごいチープでシンプルな外しで、だけどことこの漫画(血界戦線)においてはそれこそが正解、みたいなところがある。
何故なら、神様が戯れに小石を水たまりにぶち込む世界なので……。
『血界戦線』に登場する「コスモス」と「ケイオス」のモチーフはおそらく、ロード・ダンセイニによる幻想文学の代表作『ペガーナの神々』に登場する、神々の創造主マアナ=ユウド=スウシャイに願い、神々を創らせた〈宿命(フェイト)〉と〈偶然(チャンス)〉だと思われる。
この世がはじまるより前の深い霧の中で、〈宿命(フェイト)〉と〈偶然(チャンス)〉が存在しており、両者は賭けをして、その勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに話しかけた――「わしのために神々を創ってもらおう」。
そしてマアナ=ユウド=スウシャイは、賭けに勝ったものの願いを聞いて、宿命と偶然のいずれかのために小さき神々を創った。宿命と偶然――勝負に勝ったのがどちらであるのか、世界を支配するものがいずれであるのか、それはマアナ=ユウド=スウシャイのほかは誰も知らない。
〈宿命(フェイト)〉と〈偶然(チャンス)〉はサイコロを振って勝負し、勝ったほうが、その勝者に従う神々をマアナ=ユウド=スウシャイに創らせた超越的存在。彼らは創造主ではなく、あくまでプレイヤーや読者の立場で、マアナ=ユウド=スウシャイがエグゼクティブ・プロデューサーやゲームマスター、作者であり、人類や他の神々はゲームのコマや物語の登場人物に過ぎない。
コスモス(秩序)とケイオス(混沌)も戦いではなく、ゲームで勝敗を決めている。
以上の点から、〈宿命(フェイト)〉と〈偶然(チャンス)〉がモチーフではないかと考えられている。