人気漫画『キングダム』に登場する元秦国相国、呂不韋。
その圧倒的な存在感と野望に満ちたキャラクターをアニメで演じているのは、ベテラン声優の玄田哲章です。
今回は、『キングダム』の呂不韋を演じる玄田哲章のプロフィールや、彼が長年吹き替えを担当しているアーノルド・シュワルツェネッガー（シュワちゃん）との深い関係に迫ります。
さらに、彼の多彩なキャリアを彩る主な出演作品や演じたキャラクターについてもご紹介します。
『キングダム』における呂不韋とは？
『キングダム』は、原泰久によって『週刊ヤングジャンプ』で2006年から連載されている人気漫画です。
中国の春秋戦国時代末期を舞台に、天下の大将軍を目指す少年・信と、中華統一を志す秦の若き国王・嬴政の活躍が描かれています。
コミックスは2025年3月18日には最新刊となる75巻が発売され、累計発行部数は2025年4月時点で1億1千万部を突破しています。
アニメはNHKで第5シリーズまで放送されており、実写映画も大ヒットを記録するなど、メディアミックスも積極的に展開されている作品です。
呂不韋の人物像
呂不韋は、かつて各国を渡り歩いて巨万の富を築いた「稀代の商人」です。
その並外れた才覚と財力によって秦国の要職を歴任し、最終的には臣下最高位の「相国」にまで上り詰めました。
彼は「金で国を動かす」という独自の思想を持ち、秦国内で最大の勢力を築き上げます。
国王・嬴政とは、秦国の未来を巡って度々激しい権力争いを繰り広げる宿命のライバルとして描かれています。
その冷静沈着さと、すべてを掌で転がすかのような策略は、読者からも「知略の塊」として畏敬の念を抱かれています。
呂不韋のアニメ声優：玄田哲章
呂不韋の重厚な存在感をアニメで表現しているのが、声優界のレジェンド、玄田哲章です。
玄田哲章のプロフィール
| 生年月日 | 1948年5月20日（76歳） |
| 出身地 | 岡山県 |
| 所属 | 81プロデュース |
玄田哲章は1970年に俳優としてデビューし、主に舞台で活躍した後、1972年に声優としてのキャリアをスタートさせました。
彼の最大の魅力は、その太く響く低音のバリトンボイスにあります。
テレビアニメ、ゲーム、そして特に洋画の吹き替えで数多くの作品に出演し、幅広いキャラクターを演じ分けてきました。
バレエ経験者であり、ピルエットが得意だったことから「ピルエットの玄田」という異名を持っていたこともあるそうです。
長年の功績が認められ、2010年には第4回「声優アワード」で功労賞を受賞しています。
アーノルド・シュワルツェネッガーの「公認」吹き替え声優
玄田哲章のキャリアを語る上で欠かせないのが、ハリウッド俳優アーノルド・シュワルツェネッガー（通称：シュワちゃん）の吹き替えです。
映画『ターミネーター』シリーズをはじめ、シュワルツェネッガーの出演作品のほとんどを玄田哲章が吹き替えており、その声は日本のファンにとって「シュワちゃんそのもの」という認識が定着しています。
2015年には、映画『ターミネーター：新起動／ジェニシス』のジャパンプレミアで来日したシュワルツェネッガー本人から、「私の声を100年間演じてほしい」と公認され、まさに「永久認定」されました。
このエピソードは、玄田哲章の声がどれほどシュワルツェネッガーのイメージと深く結びついているかを物語っています。
玄田哲章の主な出演作品と演じたキャラクター
玄田哲章は、呂不韋のような野心家から、強面だが心優しいキャラクター、さらにはコミカルな役まで、その幅広い声質と演技力で多くのキャラクターに命を吹き込んできました。
彼が演じた代表的なキャラクターの一部をご紹介します。
幽☆遊☆白書：戸愚呂（弟）
作品中盤のボスキャラであるB級妖怪。
冷静沈着な戦闘狂でありながら、普段は紳士的な一面も持つという二面性が魅力のキャラクターです。
NARUTO -ナルト-：九喇嘛（九尾の狐）
主人公うずまきナルトの中に封印された、強大な力を持つ尾獣。
当初は憎悪に満ちていましたが、ナルトとの交流を通じて次第に心を開いていく姿は多くの視聴者の感動を呼びました。
銀魂：屁怒絽
見た目は非常にいかついですが、実は温和で礼儀正しい花屋の店主。
しかし、花や虫に危害を加える者には容赦なく制裁を加える一面も持ち合わせており、そのギャップが魅力です。
クレヨンしんちゃん：アクション仮面
主人公野原しんのすけが大好きな特撮ヒーロー。
正義感が強く、マナーに厳しい性格の持ち主で、子供たちの憧れの存在です。
機動戦士ガンダム：スレッガー・ロウ
強襲揚陸艦ホワイトベースに配属された、陽気で頼りになるパイロット。
劇中ではシャアの乗るザンジバルに唯一の直撃弾を当てるなど、印象的な活躍を見せました。
Dr.スランプアラレちゃん：スッパマン
正義の味方を自称する、スーパーマンのパロディキャラクター。
ナルシストでヘタレな性格ながらも、なぜか憎めない愛されキャラです。
クッキングパパ：荒岩一味
厳つい見た目に反し、家族思いで仕事もでき、料理もプロ並みにこなす主人公。
その豪快さと包容力、そして照れ屋な一面が多くの視聴者から支持されています。
これらのキャラクターを見てもわかるように、玄田哲章の声は、キャラクターの持つ「強さ」「威厳」「優しさ」、そして「ギャップ」を表現するのに最適な響きを持っています。
呂不韋を演じる玄田哲章への評価
『キングダム』の呂不韋を演じる玄田哲章の声に対し、ファンからは絶賛の声が多数寄せられています。
「玄田哲章さんが呂不韋を演じることで『大物感』が半端ない」という感想は非常に多く見られ、呂不韋というキャラクターが持つカリスマ性や野望が、彼の重厚な声によって一層引き立てられているという評価が定着しています。
また、「キングダムの声優はみんなハマり役だが、特に呂不韋役の玄田哲章さんが好き」という声もあり、信や嬴政といった主要キャラクターと並び、呂不韋のキャスティングも非常に高い満足度を得ていることが伺えます。
「呂不韋が玄田哲章の声だと耳が幸せになる」という声は、彼の声が持つ心地よさやキャラクターへの完璧なフィット感を物語っています。
玄田哲章の声が、呂不韋の「全てを裏で操る智謀の深さ」や、「秦国の未来を賭けた嬴政との対立における重み」を、アニメを通して視聴者に強烈に印象付けているのは間違いありません。
彼の演技は、呂不韋が単なる悪役ではなく、独自の信念と哲学を持つ一人の「巨星」であることを、声の力で雄弁に語りかけていると言えるでしょう。
まとめ
『キングダム』の元秦国相国・呂不韋の声を務める玄田哲章は、その唯一無二のバリトンボイスと圧倒的な演技力で、キャラクターに深みと説得力を与えています。
長年にわたりアーノルド・シュワルツェネッガーの公認吹き替え声優を務めるなど、その実力は国内外で認められています。
『幽☆遊☆白書』の戸愚呂（弟）や『NARUTO -ナルト-』の九喇嘛、『クッキングパパ』の荒岩一味など、数多くの人気キャラクターを演じ分けてきた彼のキャリアは、まさに声優界の重鎮と呼ぶにふさわしいものです。
『キングダム』を視聴する際は、ぜひ呂不韋のセリフにも注目してみてください。
玄田哲章の声が織りなす「秦国の巨星」の存在感に、きっと引き込まれることでしょう。
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