劇場版アニメ『ドラゴンボール』シリーズに登場するスラッグは、テレビアニメ版には登場しないキャラクターでありながら、その強烈な存在感と独特の背景で多くのファンに深い印象を残しました。
特に、映画公開当時は最強クラスの敵として描かれ、フリーザにも匹敵する、あるいはそれ以上の強さを持つと噂されたこともあります。
今回は、そんな謎多きスラッグの戦闘力や強さの秘密、そしてナメック星人特有の「口笛」がなぜ彼の致命的な弱点となったのかについて、深掘りして解説していきます。
彼の残忍な性格や、壮絶な生い立ちにも触れながら、スラッグの真の魅力に迫りましょう。
【ドラゴンボール】スラッグとは?悪に堕ちたナメック星人
まずは、スラッグの基本的な情報と、彼が登場する『ドラゴンボール』という作品についておさらいしましょう。
スラッグのプロフィール:超ナメック星人の片鱗
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | スラッグ |
性別 | 男性 |
種族 | ナメック星人 |
戦闘力 | 156万(老体時)〜推定600万(巨大化時) |
初登場作品 | 劇場版『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』 |
スラッグは、劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』に登場するナメック星人です。
初登場時は老人の姿で、その戦闘力は156万程度と、公式のカードダスでは表記されていたと言われています。
これは、サイヤ人編で登場したベジータ(推定1万8千)や、フリーザの第一形態(53万)をはるかに凌駕する数値であり、その時点での悟空たちにとって驚異的な強さであったことが伺えます。
物語終盤で巨大化した際には、戦闘力が推定600万程度まで跳ね上がるとされており、まさに規格外の存在でした。
スラッグの性格:純粋な悪意の塊
本来、ナメック星人は善良な心の持ち主が多い種族として作中で明かされていますが、スラッグの場合はナメック星人の中でも珍しい悪の心しか持たない存在です。
非常に残忍で短気な性格をしており、少しでも気に入らないことがあれば、たとえ長年仕えてきた配下の部下であっても即座に処刑してしまうほどの冷酷さを持っています。
彼の行動原理は自身の野望と破壊欲にのみ基づいており、その純粋な悪意が彼の強さをより際立たせている、と感じるファンも少なくありません。
スラッグの名前の元ネタ:ナメック星人の共通点
スラッグの名前を英語で表記すると「slug」となり、その意味は「ナメクジ」です。
作中に登場するナメック星人の名前は、ピッコロ(笛)、ネイル(カタツムリの殻)、デンデ(でんでんむし)など、ナメクジやカタツムリのような軟体動物に由来しているため、スラッグもナメクジを意味するslugから来ていると考えられています。
スラッグは幼少期にナメック星が滅亡の危機に瀕した影響で、宇宙船に乗ってスラッグ星へ移住しました。
その移住先から名前を取り、自身をスラッグと名乗り始めたとされていますが、これはナメック星人という種族の背景を深く掘り下げた設定であり、物語に深みを与えています。
【ドラゴンボール】の概要とあらすじ
『ドラゴンボール』は、鳥山明による週刊少年ジャンプで約10年半にわたり連載された、伝説的なバトルアクション漫画です。
数多くのメディアミックス展開を果たしており、テレビアニメ、劇場版アニメ、ゲーム、トレーディングカードなど、そのシリーズは多岐にわたります。
日本のみならず世界的に人気の高い作品で、コミックスの全世界累計発行部数は2億6000万部を突破し、今もなお多くのファンを魅了し続けています。
物語は、人里離れた山奥に住む少年孫悟空の元へ、ある日「ドラゴンボール」を求めて一人の少女ブルマがやってくることから始まります。
悟空はブルマと共にドラゴンボールを探す旅に出ますが、道中で幾度となく強敵やピンチに遭遇します。
仲間を守るために、そして純粋に強さを求めるようになった悟空は、数多くの敵との激闘を繰り広げ、心身ともに大きく成長していきます。
その成長の過程で、友情、努力、勝利といったテーマが色濃く描かれ、多くの読者に感動を与えました。
スラッグの戦闘力と強さの秘密:口笛が弱点の理由
劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』内で、スラッグは悟空との戦いであと一歩のところまで追い詰めた強力な敵キャラクターです。
ここでは、劇中で猛威を振るったスラッグの特徴や強さの秘密、そしてその致命的な弱点について深掘りしていきましょう。
スラッグの戦闘力:フリーザに匹敵する「超」の力
作中ではスラッグの明確な戦闘力は公表されていませんが、一つの基準として、公式から発売されたカードダスで表記されていたスラッグの戦闘力は156万程度と記載されていました。
これは、当時の基準で考えると、フリーザの最終形態に匹敵する、あるいはそれを超える可能性を秘めた数値であり、その圧倒的な強さがファンの間で大きな話題となりました。
老体でこの戦闘力を持つため、神龍によって若返った後や巨大化した後は、これよりもさらに戦闘力が跳ね上がるとされています。
巨大化時の推定600万という戦闘力は、当時の悟空(通常状態)にとっては絶望的な数値であり、いかにスラッグが強敵であったかが伺えます。
スラッグの強さ:シンプルだからこそ恐ろしい
スラッグは、戦闘中に特に目立ったような派手な技を使用しません。
ピッコロのようなナメック星人が使う、腕伸ばしや巨大化といった能力を駆使して戦闘を繰り広げましたが、それだけでも悟空たちを苦戦させるほどでした。
自身を「超ナメック星人」と名乗るだけあり、その戦闘力の高さは計り知れないものでした。
シンプルながらも圧倒的なパワーと、相手を圧倒する体格差で、悟空を追い詰める姿は多くの視聴者に衝撃を与えました。
派手な技に頼らないからこそ、彼の純粋な強さが際立っていた、という見方もできるでしょう。
スラッグの弱点が口笛である理由:ナメック星人の「音」の特性
『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』内で、高い戦闘力を誇るスラッグは悟空たちを苦戦させた最強クラスの敵キャラクターでした。
しかし、ナメック星人の共通の弱点である口笛を悟飯が使用したことで形勢逆転します。
これは、地球人にとってガラスを引っ掻く音が不快に聞こえるように、ナメック星人にとって口笛の高周波の音は極めて不快であり、聴覚に致命的なダメージを与えるという設定があったためです。
スラッグも例外なく口笛が弱点となり、その動きは鈍り、悟空にトドメを刺される隙を与えてしまいました。
万が一、ナメック星人の弱点が口笛であることを知らなければ、戦闘力の差で悟空たちはそのまま敗北する可能性もあり、この意外な弱点が物語の重要な鍵を握っていた、と言えるでしょう。
この弱点は、ナメック星人が聴覚に優れている種族であることの裏返しとも考えられます。
スラッグの活躍:地球を悪の星に変えようとした野望
『ドラゴンボール』に登場する敵キャラクターについて知る上で、純粋な強さや戦闘力以外にも、彼らがどのような活躍を残しているのかが重要なポイントです。
スラッグの場合、作中でどのような恐ろしい野望を抱き、どのような活躍を見せたのか、実際にチェックしてみましょう。
スラッグの活躍①地球に飛来しドラゴンボールを探す
悪の心が異様に発達するという異質な成長を遂げたスラッグは、いくつもの星を配下に収める最中、地球へ到着しました。
その場に居合わせた悟飯とスラッグの部下たちで戦闘が始まり、スラッグはその時に悟飯の帽子についたドラゴンボールの存在に気付きます。
圧倒的な強さを見せつけたスラッグは、最終的に悟飯のドラゴンボールと、そばにいたブルマのドラゴンレーダーを奪い取り、残りのドラゴンボールを探し始めました。
彼の地球来訪は、自身の野望を実現するための第一歩であり、その強大さを印象づけるシーンとなりました。
スラッグの活躍②容赦なく部下を処刑する残虐性
ナメック星人のほとんどが善の心が大きく成長しますが、スラッグの場合は悪の心が大きく成長しました。
そのため、自分の計画に部下の不手際で少しでも支障が出る場合は、原因になった部下を即刻処刑してしまうような残虐性を持っています。
単純な強さだけでなく、強大な悪の心を持っているのがスラッグの大きな特徴であり、その冷酷さは多くの視聴者に彼の恐ろしさを印象付けました。
彼の支配欲と短気な性格が、部下たちを恐怖で縛り付けている様子も描かれています。
スラッグの活躍③ドラゴンボールで若返りを果たす
スラッグは、悟飯のドラゴンボールとブルマのドラゴンレーダーを奪った後、部下たちを利用して地球上に点在するドラゴンボールを短時間で全て集め終えます。
そして、神龍に対し「若返り」を願い、並外れた強さを持つ若い体を再び手に入れました。
この若返りによって、彼の戦闘力はさらに跳ね上がり、悟空たちにとってより絶望的な脅威となりました。
永遠の命ではなく、若返りを選んだところに、彼の強さへの執着が見て取れます。
スラッグの活躍④若返りと巨大化で悟空を追い詰める
圧倒的な強さを手に入れたスラッグは、間もなくしてやってきた悟空たちと戦闘を開始します。
一進一退の攻防が続きますが、スラッグが巨大化することで悟空でも手のつけられない状態になってしまいました。
そこへピッコロも加勢し、近くにいた悟飯へナメック星人の弱点である口笛を吹くように命じます。
弱点の口笛を聞いたスラッグの動きは鈍くなり、その隙を突いた悟空の渾身の一撃によってトドメを刺されました。
この戦いは、悟空がまだ超サイヤ人に覚醒する前の物語であり、スラッグの強さが当時の悟空の限界を引き出した、という見方もできます。
スラッグの声優:レジェンド声優陣の競演
ナメック星人の中でも異質の強さを持つながら、弱点の口笛が原因で悟空たちにあと一歩及ばなかったスラッグは、2人のベテラン声優が担当しています。
どのような声優が担当しているのか、実際にチェックしてみましょう。
若いスラッグを演じたのは「屋良有作」
若返った後のスラッグを演じているのは、声優の屋良有作です。
屋良有作は1975年から声優活動を開始しており、声優以外に俳優やナレーターも務めています。
2013年の第17回声優アワードでは功労賞も受賞しており、その功績が称えられました。
後述する内海賢二が演じていたキャラクターも数多く受け継いでおり、長きにわたって第一線で活躍しているベテラン声優です。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 屋良 有作(やら ゆうさく) |
性別 | 男性 |
生年月日 | 1948年3月15日 |
血液型 | A型 |
出身地 | 東京都足立区 |
職業 | 声優、俳優、ナレーター |
事務所 | 青二プロダクション |
屋良有作の主な出演作品
屋良有作の主な出演作品は、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』のさくらヒロシ役、『Dr.スランプ』の則巻千兵衛役、『ゲゲゲの鬼太郎(第3作)』のぬりかべ役、『ジパング』の梅津三郎役、『賢者の孫』のマーリン=ウォルフォード役など、幅広い作品で活躍しています。
その深みのある声は、多くのキャラクターに命を吹き込んできました。
老人のスラッグを演じたのは「内海賢二」
老人のスラッグを演じているのは、声優の内海賢二です。
内海賢二は1955年から2013年まで活動していた声優で、俳優やナレーターなども務めていました。
彼が亡くなった後も、その功績は語り継がれており、2022年には内海賢二の活動を追ったドキュメンタリー映画『その声のあなたへ』も公開されています。
その力強く、存在感のある声は、多くのキャラクターに威厳と迫力を与えてきました。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 内海 健司(うつみ けんじ) |
性別 | 男性 |
生年月日 | 1937年8月26日 |
没年月日 | 2013年6月13日 |
血液型 | A型 |
出身地 | 福岡県北九州市 |
職業 | 声優、俳優、ナレーター |
事務所 | 賢プロダクション |
内海賢二の主な出演作品
内海賢二の主な出演作品は、『北斗の拳』のラオウ役、『Dr.スランプ』の則巻千兵衛役(前任)、『ストリートファイターII V』のベガ役、『鋼の錬金術師』のアレックス・ルイ・アームストロング役、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の大魔王バーン役など、数々の伝説的なキャラクターを演じてきました。
その重厚な声は、多くのファンに深く刻まれています。
スラッグに対する世間での評判や人気:意外な弱点と強さのギャップ
スラッグに対する世間での評判や人気は、どのようなものだったのでしょうか。
その独特な特徴が、ファンの間で様々な議論を呼んだようです。
口笛の弱点に驚きと納得の声
ナメック星人が弱点としている口笛の由来を知って感心するファンは多いようです。
地球人にとってガラスを引っ掻く音が不快に聞こえるように、ナメック星人にとって口笛は不快な音に聞こえるため、スラッグも例外なく口笛が弱点となりました。
この設定は、鳥山明先生らしいユニークな発想であり、「まさか、こんな弱点があるとは!」と驚くと同時に、「なるほど」と納得するファンも多かったようです。
強大な敵が意外な弱点を持つというギャップが、物語をより面白くしました。
「スラッグ」という名前に隠された背景
スラッグの名前の由来に驚くファンもいるようです。
スラッグは幼い頃にスラッグ星に移住した経験を元に、自身をスラッグと名乗るようになりました。
もしスラッグが別の星に移住していた場合、違う名前を名乗っていた可能性もあると考えられており、ファンの間では「もし別の星に行っていたらどんな名前になっていたんだろう?」といった想像を掻き立てる要素となっています。
キャラクターの細かな設定まで掘り下げて楽しむことができるのも、『ドラゴンボール』の魅力の一つと言えるでしょう。
劇場版オリジナルキャラクターとしての圧倒的な強さ
劇場版『ドラゴンボール』シリーズに登場する敵キャラクターの強さに驚くファンは多く、スラッグも例に違わず圧倒的な強さの持ち主でした。
劇場版放映時期だと、悟空はまだ超サイヤ人になることができませんでしたが、それでいてフリーザに匹敵する強さを持つスラッグは、当時の悟空たちにとってはまさに絶望的な敵キャラクターでした。
「超サイヤ人」という概念が登場する前の映画で、これほどまでの強敵が登場したことは、多くのファンに衝撃を与え、彼の存在感を強く印象付けました。
テレビアニメでは描かれない、映画ならではのスケールの大きな戦いも、スラッグの人気を後押しした要因と考えられます。
まとめ:スラッグは映画史に残る「超ナメック星人」だった
劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』に登場するスラッグは、フリーザ並の強さを持ちながら、弱点の口笛で悟空にあと一歩及ばなかった、印象深い敵キャラクターです。
彼の残忍な性格、圧倒的な戦闘力、そしてナメック星人ならではの意外な弱点というギャップが、多くのファンに強いインパクトを与えました。
このように、劇場版『ドラゴンボール』シリーズにも、テレビアニメとは異なる魅力を持つキャラクターが数多く登場し、ファンを魅了し続けています。
現在も『ドラゴンボール』は様々なメディア展開が続いている作品のため、今後も劇場版アニメに登場する敵キャラクターや、原作では語られなかった彼らの背景にも注目してみてはいかがでしょうか。
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