
原泰久先生による大人気漫画『キングダム』。
中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を目指す信の成長を描く本作には、魅力的なキャラクターが数多く登場します。
中でも、秦国の将軍として、その美しい容姿と飄々とした性格で高い人気を誇るのが、蒙恬(もうてん)です。
祖父・蒙驁、父・蒙武という猛将の血を引きながらも、頭脳派として知られる蒙恬は、主人公・信や王賁(おうほん)と共に、秦の次世代を担う存在として注目を集めています。
アニメ版『キングダム』で蒙恬に命を吹き込んでいるのは、ベテラン声優の野島裕史さん。
今回は、蒙恬の人物像や作中での活躍はもちろんのこと、彼を演じる野島裕史さんの魅力的な演技にも焦点を当ててご紹介します。
『キングダム』の世界:激動の春秋戦国時代を駆ける物語
蒙恬の魅力に迫る前に、まずは彼が活躍する『キングダム』の世界について簡単にご紹介しましょう。
『キングダム』は、2006年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されている、中国の春秋戦国時代をテーマにした歴史漫画です。
紀元前の中国大陸には、秦をはじめとする七つの大国が割拠し、天下統一を目指して日夜激しい戦争を繰り広げていました。
そんな乱世に生きる主人公・信は、幼馴染の漂(ひょう)と共に「天下の大将軍」になるという夢を抱き、修行に明け暮れる日々を送ります。
しかし、ある日、漂は後の秦の始皇帝・嬴政(えいせい)の身代わりとなって命を落としてしまいます。
漂の死を乗り越えた信は、嬴政に協力することを決意し、大将軍への道を駆け上がっていくことになります。
累計発行部数は8,300万部を超え、「第17回手塚治虫文化賞」のマンガ大賞も受賞するなど、その人気は絶大です。
アニメ化、実写映画化、スマホゲームなど、多岐にわたるメディア展開も行われています。
蒙恬(もうてん)の人物像:美しき天才軍師のプロフィール
秦国に所属する将軍の一人である蒙恬は、長い髪と端麗な顔立ちが特徴的な美男子です。
その血筋は、祖父に秦の将軍筆頭・蒙驁、父に丞相・呂不韋(りょふい)の腹心で呂氏四柱(りょししちゅう)にも数えられる猛将・蒙武(もうぶ)を持つ、由緒正しい名家の嫡男です。
蒙恬の基本プロフィール
| 所属 | 秦国 |
|---|---|
| 役職 | 楽華隊(後に楽華軍)隊長、将軍 |
| 家族 | 祖父:蒙驁、父:蒙武、弟:蒙毅(もうき) |
| 初登場 | 単行本17巻183話 |
| CV | 野島裕史 |
飄々とした性格と底知れぬ軍才
祖父や父が前線で戦う猛将であるのに対し、蒙恬は頭脳派の将軍として描かれています。
常に飄々としていて本心が読み取りにくい雰囲気を持っていますが、その軍略は「底が見えない」と昌平君(しょうへいぐん)に評価されており、嬴政や信からも絶大な信頼を寄せられています。
元々は楽華隊の百人将として初登場しましたが、鄴(ぎょう)攻略戦で多大な功績を挙げ、嬴政から将軍の地位を与えられるまでに成り上がりました。
その飄々とした性格に加え、蒙恬はどこかチャラい一面も持っていると考える読者も多いようです。
戦場を離れると遊び人に見える姿を見せることもありますが、優れた知略を持つ将軍であるため、いくら自由奔放でも周囲からの評価が下がることはありません。
また、気分屋で飄々としている一方で、剣術と知略に長けた天才でもあります。
昌平君の軍師養成学校を早期認可で卒業した第一号であり、剣術は力押しではなく受け流しからのカウンターを得意としています。
周囲との関係性:信や王賁、そして家族
蒙恬は人当たりがよく、コミュニケーション能力に長けているため、信や王賁の元を自ら訪れて交流するなど、フットワークの軽い情報通でもあります。
顔を合わせると言い合いが始まってしまう信と王賁の間を仲裁することも多く、彼らの良き兄貴分のような存在です。
信念に真っ直ぐで愚直な信を気に入っており、裏工作で救ったり、軍師を紹介したりするなど、何かと信を助けてくれる場面が見られます。
王賁のことは「苦手」と言いつつも、名家の出で父親との関係が微妙な者同士、互いに気にかけている様子が伺えます。
王賁のことで彼の父・王翦(おうせん)に啖呵を切ったこともあるなど、その絆の深さが感じられますね。
家族に関しては、祖父・蒙驁を尊敬しており、弟・蒙毅との仲も良好です。
しかし、父・蒙武とは少しギクシャクした関係にあると見られますが、お互いに思いやる描写もあるため、決して険悪というわけではありません。
幼少期から面倒を見てくれており、楽華隊の副長も務める胡漸(こぜん)を「じィ」と呼んで慕っていることからも、彼の人間味あふれる一面が垣間見えます。
史実の蒙恬:将軍として、行政官としての功績
『キングダム』は歴史漫画であるため、作中に登場するキャラクターの多くには史実に基づいたモデルがいます。
蒙恬も例外ではありません。
史実の蒙恬は、斉(せい)から移り住み、祖父・蒙驁の代から秦に仕えていた蒙氏の出身で、当初は文官として仕えました。
父は蒙武、弟は蒙毅という構成も史実通りです。
将軍としての活躍
始皇帝の武将として名高く、紀元前224年には李信(りしん)将軍の副将として楚(そ)を攻め、当初は大勝を収めます。
李信、王賁と共に斉を攻め、これを滅亡に追いやることに成功したことも史実に基づいています。
その後、匈奴(きょうど)を30万の大軍で攻めてオルドス地方を奪回するなど、比類なき功績を挙げました。
蒙恬が任地にいた間、匈奴はその防備を突破できず、中原に侵攻できなかったと言われています。
行政官としての有能さ
蒙恬は将軍としてだけでなく、行政官としても非常に有能であったとされています。
摘発された不正役人を動員しての万里の長城(現在の石造りの長城とは別)の築城にも着手し、これらの大事業を、法を破ったことのある者たちを用いながら反乱も起こさせず、短期間で成し遂げたことは、彼の卓越した統率力を示しています。
一般に「民衆を酷使した」といわれることもありますが、これは大間違いで、始皇帝時代に動員されたのは不正役人、囚人、逃亡者、正業に就かない者などに限られていたという見方もあります。
蒙恬の最期と蒙氏兄弟の悲劇
紀元前210年に始皇帝が崩御すると、その死に乗じて末子の胡亥(こがい)、宦官(かんがん)の趙高(ちょうこう)、宰相の李斯(りし)が権力掌握を狙い、邪魔な扶蘇(ふそ)と蒙恬に始皇帝の名を使った偽の詔書を送って自害を命じます。
蒙恬は詔書の真偽を疑い、事実確認がとれるまで自殺を思いとどまるよう扶蘇に進言しますが、扶蘇は疑うこと自体が義に反するとして自害してしまいます。
蒙恬もしばらくは命に抵抗していましたが、皇帝となった胡亥に再度自害を命じられると、やむなくそれに従い、毒を仰いで自殺したとされています。
しかし、この偽の詔書は胡亥や趙高らの悪評に基づいた後世の創作である可能性が高いと考える歴史家もいます(事実だとしても記録に残すはずがないため)。
弟の蒙毅が始皇帝の枢機に参画していたこともあり、蒙氏兄弟は本来ならば秦朝を支えるべき柱石でしたが、皮肉にもそのことが李斯をして趙高に膝を屈するきっかけとなり、蒙氏兄弟、ひいては秦朝の崩壊にもつながったという見方もあります。
作中での活躍:蒙恬の将軍への道
蒙恬は、初登場の時点で千人将格の腕前でしたが、祖父の蒙驁の方針で経験を積むために特殊三百人隊を率いていました。
ここからは、彼の将軍への道のりを、主要な戦役と共に見ていきましょう。
山陽編:臨時千人将から正式な千人将へ
敵の策略により千人将が激減したため、蒙恬は王賁や信と共に臨時千人将に昇格します。
総大将である祖父・蒙驁を狙う敵将・輪虎(りんこ)を討ち取るための作戦を飛信隊と玉鳳隊に持ちかけ、自らは囮役を買って出ることで、三隊合同での作戦を成功させました。
戦後、正式に千人将に昇進します。
合従軍編:奮闘と覚醒、二千人将へ
騰軍(とうぐん)に所属し、乱戦の中で白麗(はくれい)の弓の危険性をいち早く見抜き妨害する活躍を見せました。
その後、騰から王賁と共に臨時五千人将に任命され奮闘します。
父・蒙武が楚軍総大将・汗明(かんめい)と一騎打ちをしている最中に、楚大将軍・媧燐(かりん)が弟・媧偃(かえん)に命じて蒙武を背後から殺そうとしているのを察知し、駆けつけてこれを阻止。
弾みで一騎打ちに割って入ってしまい、激怒した汗明に斬られますが、蒙恬が倒れたことで激昂した蒙武は汗明を討ち果たしました。
意識不明の状態となるも、蒙武の不器用な檄に反応し、奇跡的に一命を取り留めます。
この戦いを経て、蒙恬は二千人将に昇進しました。
毐国(あいこく)編:着実な昇進
毐国建国宣言後、秦に侵攻してきた楚軍を蒙武と共に迎撃します。
咸陽(かんよう)攻防戦後には四千人将に昇進しました。
鄴編:将軍昇格と大いなる飛躍
五千人将に昇進し、三軍連合軍の一員として出陣します。
秦王・嬴政から、信・王賁と共にこの戦で必ず三人共に大功を上げて将軍へ昇格するよう激励されます。
朱海平原(しゅかいへいげん)戦では王翦軍(おうせんぐん)左翼の一角を担い、王翦の意図を汲み、囮として見事に陽動をこなしました。
しかし、李牧(りぼく)自らの奇襲により左翼本陣で主攻を担っていた王翦軍の麻鉱(まこう)が討ち取られてしまいます。
大将が討ち取られ総崩れになりかけていた麻鉱軍を蒙恬が代わりに指揮し、半分を立て直し、初日を凌ぐことに成功します。
その後、王翦からの指示により臨時の将軍に昇進し、麻鉱に代わって秦軍左翼大将として左翼を任され、奮戦して戦況を拮抗させました。
十五日目には危機に陥っていた王翦のもとへ駆けつけ、馬南慈(ばなんじ)・傅抵(ふてい)から王翦を守るなど、八面六臂の活躍を見せます。
凱旋後の論功行賞で、信・王賁と共に正式に将軍へ昇進しました。
蒙恬に命を吹き込む声:野島裕史のプロフィールと演技の評判
アニメ『キングダム』で蒙恬を演じているのは、実力派声優の野島裕史さんです。
彼の声が蒙恬のキャラクター像にどのように貢献しているのでしょうか。
野島裕史のプロフィール
アニメ『キングダム』で蒙恬を演じる野島裕史さんは、1973年4月16日生まれ、東京都出身の男性声優です。
現在は青二プロダクションに所属し、活躍されています。
声優の父・野島昭生(のじまあきお)さんの長男として生まれ、弟の野島健児(のじまけんじ)さんも声優として活動しています。
元々は会社員として働いていましたが、弟の健児さんが声優デビューしたことをきっかけに声優業を志し、2000年にアニメ『ブギーポップは笑わない』で声優デビューを果たしました。
2002年にはアニメ『キングゲイナー』で初主演を務め、一躍注目を集める存在となりました。
その後はナレーターも兼業しながら、数多くの人気キャラクターを担当されています。
蒙恬と野島裕史:声質の相乗効果
野島裕史さんは、良い意味で「軽い声質」が特徴の声優として知られています。
この声質は、蒙恬の飄々とした性格と非常にマッチしており、アニメ視聴者からは「野島裕史の声が合っている」「野島さんの声がぴったり」といった声が多数寄せられています。
蒙恬の、肩の力が抜けた自由奔放な雰囲気と、芯の強さを感じさせる野島裕史さんの演技が相まって、より魅力的なキャラクターが作り出されていると考える読者が多いようです。
野島裕史の主な出演作品
蒙恬以外にも、野島裕史さんは数々の人気キャラクターを演じています。
彼の多彩な演技力を知る上で、代表的な出演作をいくつかご紹介しましょう。
・『黒子のバスケ』伊月俊(いづきしゅん)役
誠凛高校バスケットボール部の副主将。
冷静沈着な司令塔で、野島さんのクールな声質がキャラクターに深みを与えています。
・『弱虫ペダル』石垣光太郎(いしがきこうたろう)役
京都伏見高校の元エース。
力強くも繊細な野島さんの声が、彼のキャラクターを際立たせています。
・『イナズマイレブン』豪炎寺修也(ごうえんじしゅうや)役
メインキャラクターの一人。
熱血サッカーアニメの中で、野島さんの声が豪炎寺の情熱的な一面を引き出しています。
・『DEATH NOTE』奈南川零司(ななみがわれいじ)役
「ヨツバ死の会議」に所属するイケメンキャラクター。
野島さんの声が、彼の持つ影のある雰囲気にぴったりです。
・『HUNTER×HUNTER(第2作)』コルト役
キメラアントの兵隊長。
寡黙ながらも深い愛情を持つキャラクターを、野島さんが繊細に演じています。
これらの作品から見ても、野島裕史さんはイケメンキャラクターや、一見クールながらも内に熱いものを秘めたキャラクターを演じることが多く、蒙恬との相性の良さがうかがえます。
蒙恬を実写化するなら?俳優予想
2019年に公開された実写映画『キングダム』は大きな成功を収め、続編も制作されています。
そこで気になるのが、まだ実写化されていない蒙恬を演じるのは誰か、という点です。
ネット上では様々な俳優の名前が挙がっていますが、特に有力視されているのは以下の俳優たちです。
・横浜流星
2009年から活動している若手イケメン俳優。
「良い意味で軽そうな雰囲気を纏う俳優」という声もあり、蒙恬の飄々とした雰囲気に合うと考える人が多いようです。
・菅田将暉
2009年から活動している俳優兼歌手。
「かっこよさ・チャラさ・カリスマの全てを兼ね備えている」という評価があり、蒙恬の持つ多面的な魅力を表現できるという期待が寄せられています。
彼らが蒙恬を演じることになれば、作品に新たな魅力を加えてくれることでしょう。
まとめ:蒙恬の魅力は尽きない
漫画『キングダム』に登場する蒙恬は、その端麗な容姿、飄々とした性格、そして底知れぬ軍才で多くの読者を惹きつけています。
祖父や父とは異なる頭脳派でありながら、いざという時には命を懸けて戦場を駆け巡る姿は、まさに秦の未来を担う将軍にふさわしいと言えるでしょう。
アニメで蒙恬に命を吹き込む野島裕史さんの演技もまた、彼のキャラクターをより一層魅力的なものにしています。
信、王賁、蒙恬という次世代の将軍たちの活躍から、これからも目が離せません。
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