ハンターハンターといえば、1巻の始めの著者コメントで既に伏線が貼られており、これについては無事に回収されている。
これから10巻20巻とだしていけるようにがんばるつもりです。だからもう弱音吐きません。逃げません。切れません。と思います。多分。
伏線というより、休載の予防線を貼っていただけのようにも見えるが、1巻の始めに書かれていたというのは、やはり冨樫先生は天才である。
後になってから、「あーあれは伏線だったのか」と分かることは多い。ハンターハンターは小ネタ・裏設定も豊富なのでそれらについてもまとめていこう。
未回収の伏線については下の記事にまとめたので参考にして欲しい。
回収された伏線
ジンがレオリオに殴られた意味
ジンがレオリオに殴られたのは、選挙を有利にするためだと思われていた。しかし、ジンがレオリオに殴られた目的は、レオリオの能力を得ることにあったようだ。
ジンは打撃系の攻撃を一度食らうと、その攻撃を真似することができる。
ジンがレオリオの攻撃を喰らったせいで、パリストンが選挙に勝ってしまったという見方もできるだろう。しかし、たとえ攻撃を避けたとしてもパリストンの当選は変わらなかった。
だからあのときジンは、レオリオの能力を得るために素直に殴られたのである。
この一連の出来事がきっかけになって、レオリオは会長の一歩手前まで選挙を勝ち進めたため、チードルはジンが協力してくれたのだと勘違いしてしまった。
ちなみに、ジンが殴られたシーンを良く見てみると、ジンはレオリオの攻撃を完全に見切っている。ジンほどの人物があの攻撃を避けられなかったということはないだろう。
「レオリオに会えたのが一番の収穫」だというジンの発言の真相は、
将来が有望な人物に会えたこと
能力を喰らうことができたこと
にあった。今まで一体どれほどの物理攻撃をジンはわざと喰らってきたのだろうか。
巨大な木の正体
8巻の46ページに、巨大な大木が描かれている。これが後に世界樹であることが分かった。
暗黒大陸の存在が明かされる10年以上も前からネタを仕込んでいるのはさすがである。
予言の詩に出てきた「東」の意味
ヨークシン編で、クロロはネオンに占ってもらい、予言の詩には「向かうなら東がいい」というメッセージが記された。
その後、クラピカの鎖によって念能力を封じられたクロロは、除念師を探すことになるのだが、この除念師がいる方角が「東」であった。
裏話
1999年の旧アニメでは、この予言詩の「向かうなら東がいい」というセリフを「向かうなら束(たば)がいい」と言っている。
アニメが原作に追いつき、ジャンプ連載直後の誤植がそのまま使われたために起きたことである。なお、単行本では「東」に修正された。
グリードアイランドのニッグの正体
ゴンがグリードアイランドで一番始めに出会ったのは、「ニッグ」という人物であった。(16巻99ページ)
ニッグのスペルは「NIGG」であり、これがジンのスペル「GING」のアナグラムであることが後になって明かされた。(18巻156ページ)
念能力に関する設定
設定のみが明かされ、時間が経ったあとに登場した念について見ていこう。ヨークシンでフィンクスはゴンたちに対して、強まる念があることを教えていた。(13巻80ページ)
それからかなりの歳月が流れ、キメラアント編の「ゴン vs ピトー戦」でついにその設定が活かされた。(29巻137ページ)ピトー亡き後、テレプシコーラはさらに強大となった念をまとってゴンに襲いかかったのである。
13巻から29巻。その間に何度も長期の休載を挟んだため、現実世界で実に10年近い歳月を得ての回収であった。
強制的に念を目覚めさせる方法
念を強制的に起こす方法は、悪意のある者が行えば危険があるとウイングは語っている。(6巻72ページ)
洗礼を受けた者たちは天空闘技場編にも出てきたが、念による攻撃によって念が使えるようになったという具体的なシーンは無かった。
その後キメラアント編にて、ゴンに殴られたラモットが念に目覚めるという形でこの設定は活かされた。(19巻136ページ)
さらに、授与式という形でキメラアントの選別がこの方法で行われた。この選別によってキメラアントはかなりの数を減らした。
戦闘以外の分野で念を使える者の存在
念を使えるのは武術に長けた者だけではなく、どの分野にも念は使えるという設定があった。(10巻44ページ)
例えば絵や音楽、骨董品などを作る芸術家の中にも、ずば抜けた才能の持ち主は念を使っている場合が多いのだ。
のちに、キメラアント編で軍儀の世界王者であるコムギが、王との対局時に念能力を使う描写が描かれた。(24巻156ページ)
軍儀の隠された意味
軍儀の「儀」と「蟻」という文字から「義」を取り除くと、「人」と「虫」になる。
軍儀と蟻は、人間とキメラアントを表している。人間とは軍儀の世界王者のコムギ、キメラアントとは蟻の王メルエムのことである。
本来なら、競技の性質を考えると軍「議」というようにごんべんを使うはずだが、人間と蟻を対比するためにあえて「儀」という文字を使ったと考えられる
話数とプレート
44話にヒソカが回想で登場する。これはハンター試験のときのヒソカのプレートナンバー44とかけている。
ハンターハンター29巻(初版)の目次ページ
ゴンvsピトー戦が描かれた29巻(初版)は目次ページが「UNTER×HUNTER」になっている。
増刷版では修正されているため、出版サイドのミスだと思われる。読み方はアンターハンター?
ハンターハンターには風の谷のナウシカとの共通点がある
クルタ族の緋の眼は、ナウシカの王蟲をモデルにしていたことが著者の冨樫先生の口から明かされている。
興奮すると眼が赤くなる
怒りで我を忘れてしまう
など、クラピカと王蟲には共通点がある。そのほかハンターハンターには「風の谷のナウシカ」をリスペクトしている箇所がいくつもある。
例えば、パリストンがキメラアントを協会や世界中にばら撒こうとしているのは、ペジテが風の谷を虫に襲わせたことと共通している。
ゾルディック家の兄弟の名前
ゾルディック家の5人兄弟の名前はしりとりになっている。
イルミ → ミルキ → キルア → アルカ → カルト
ちなみに、名前の真ん中の文字は全員「ル」である。
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