
甲斐谷忍氏の漫画を原作とする『ライアーゲーム』は、その類まれな心理戦で、ドラマから映画まで、数多くのファンを魅了してきました。
タイトルの通り、嘘と裏切りが渦巻くゲームの数々が描かれていますが、実写版のシリーズは、ドラマから映画へと展開するにつれ、視聴する順番が少し複雑になっています。
特に、映画版では主演が戸田恵梨香から多部未華子へと交代するという、異例の展開もあり、多くのファンの間で話題になりました。
この記事では、多数あるライアーゲームのドラマ・映画の順番をわかりやすく整理し、なぜ主演が交代したのか、その理由を深く掘り下げていきます。
この人気シリーズをこれから視聴しようと考えている方はもちろん、すでに視聴済みの方も、新たな発見があるかもしれません。
ライアーゲーム実写シリーズの概要
『ライアーゲーム』は、人気漫画誌の「ヤングジャンプ」にて連載が始まりました。
その緻密な心理戦が展開されるストーリーは、多くの読者を熱狂させ、2007年にはフジテレビ系列でテレビドラマ化されました。
主演に戸田恵梨香と松田翔太を迎え、原作の持つスリリングな世界観を忠実に再現したこのドラマは、深夜枠にもかかわらず異例の高視聴率を記録し、その人気を不動のものとしました。
ドラマ版はシーズン1からシーズン2へと続き、ゲームの内容も連動して描かれることで、視聴者はゲームの結末から目が離せなくなっていきました。
ドラマが成功すると、その人気から劇場版として映画化されることも多く、ライアーゲームも例外ではありませんでした。
映画版では、テレビドラマでは描ききれなかったゲームの「決勝戦」や、新しいキャラクターを主人公にした「新章」が描かれ、さらに多くのファンを獲得しました。
ライアーゲーム映画シリーズの順番
ライアーゲームには、ドラマシリーズからスピンオフ、そして映画版まで、たくさんの作品が存在します。
これから視聴する人が、どの順番で見ればよいか迷うのも当然でしょう。
時系列に沿って見たい場合、ライアーゲームのドラマ・映画は以下の順番で視聴するのがおすすめです。
ドラマ版シーズン1 → ドラマ版シーズン2 → 映画版「ザ・ファイナルステージ」→ 映画版「再生」
この順番で視聴することで、神崎直と秋山深一の物語の結末から、新しい主人公の物語へと、スムーズにストーリーを追うことができます。
映画シリーズ第一作:ザ・ファイナルステージ
ライアーゲームの映画シリーズで、記念すべき第一作目が公開されたのは、2010年3月6日でした。
テレビドラマシリーズのシーズン1が放送されたのが2007年4月~6月なので、ドラマからおよそ3年後の公開となります。
この映画では、テレビドラマ版のシリーズでは描かれなかったライアーゲームの決勝戦の模様が描かれています。
主演はテレビドラマシリーズから引き続き戸田恵梨香が務め、もう一人の主人公である秋山深一も松田翔太が演じています。
この映画は、ドラマシリーズを視聴してきたファンにとって、待ち望んだ完結編となりました。
映画シリーズ第二作:再生
映画シリーズ第二作目は、「再生」というタイトルで2012年3月に劇場公開されました。
この作品では、長らく主人公を演じ続けてきた戸田恵梨香が降板し、多部未華子に主演が交代しています。
「再生」というタイトルが示す通り、これまでのシリーズとは一新された出演者と、新しい主人公を迎え、新たなライアーゲームが描かれています。
人気キャラクターの秋山深一を演じる松田翔太以外のキャストはほとんど変更されており、これまでのシリーズとは別の角度から描かれたストーリーとして楽しむことができます。
この「再生」は、ライアーゲームという作品が、神崎直と秋山深一という特定のキャラクターの物語だけでなく、「ライアーゲーム」というシステムそのものを描く作品であることを示唆していると考えるファンも多いです。
シリーズを通してのキャスト変更
ライアーゲームの映画シリーズは、松田翔太が演じる秋山深一以外のキャストが大きく変更されています。
これは、単なるスケジュールの問題だけでなく、ライアーゲームの運営側が、新たなプレイヤーとゲームをテーマに、シリーズを「再生」させようとした意図が垣間見えます。
新旧のキャストが、それぞれの魅力で作品を盛り上げており、どちらの作品も違った面白さを持っていると言えるでしょう。
ライアーゲーム映画出演キャスト一覧
ライアーゲームの映画作品は二つあり、それぞれで多くのキャストが出演しています。
秋山深一役の松田翔太以外はほとんどキャストが変更になっているため、それぞれの映画を彩った主要キャストを一覧にしてまとめます。
戸田恵梨香が演じた神崎直
ライアーゲームのドラマ版と映画版第一作目の「ザ・ファイナルステージ」で主演を務めたのが戸田恵梨香です。
馬鹿正直で、すぐに人を信じてしまう女子大生という、ライアーゲームという作品においては異質な主人公を好演しました。
神崎直の純粋さは、多くの騙し合いが行われる中で、視聴者の心を癒す存在として機能しており、そのキャラクター性も相まって、戸田恵梨香はライアーゲームを代表する顔となりました。
この作品は、戸田恵梨香のキャリアの中でも特にヒットした作品の一つと言えるでしょう。
松田翔太が演じた秋山深一
ライアーゲームで主人公を助けるという役どころの秋山深一を演じたのは松田翔太です。
クールでミステリアス、そしてどんなゲームの裏も読み解いてしまう天才的な頭脳を持つこのキャラクターは、シリーズの中でも特に人気の高いキャラクターです。
松田翔太演じる秋山深一は、ライアーゲームの中でも重要な役どころであり、神崎直の「信頼」という純粋な力を、天才的な「知性」で支えるという、まさにライアーゲームのテーマを体現していました。
ライアーゲームの全シリーズにわたって出演し、その存在感を示しました。
鈴木浩介が演じた福永ユウジ
鈴木浩介が演じる福永ユウジは、ドラマ版と映画版「ザ・ファイナルステージ」に登場します。
特徴的なマッシュルームカットから、通称「キノコ」と呼ばれていました。
最初は直を徹底的に騙し、利用しようとするキャラクターでしたが、ゲームが進むにつれて直の純粋さに影響され、協力者となっていきました。
福永ユウジのユニークなキャラクターは、ライアーゲームの硬質な世界観に独特のユーモアをもたらし、この出演をきっかけに鈴木浩介の知名度は大きく上がりました。
鈴木一真が演じたヨコヤノリヒコ
ライアーゲームシリーズで重要なキャラクターの一人に、鈴木一真が演じるヨコヤノリヒコがいます。
ドラマシリーズでは、直と秋山深一と対決する最強の敵の一人として登場しました。
その冷徹な性格と、圧倒的な財力を背景にした支配的な戦略は、多くの視聴者に恐怖を与えました。
映画版ではプレイヤーとしては出演していませんが、ライアーゲームの裏側で暗躍する存在として、その影響力は健在でした。
鈴木一真も、このライアーゲームシリーズへの出演で人気を集めた俳優の一人です。
多部未華子が演じた篠宮優
映画版第二作目「再生」で主演を務めたのが多部未華子です。
多部未華子演じる篠宮優は、これまでの主人公である神崎直とは異なり、より現実的で、複雑な感情を持つ女子大生として描かれています。
多部未華子は、騙し合いの心理戦に巻き込まれる普通の人間としての葛藤を繊細に演じ、視聴者が新たな主人公に感情移入するきっかけを作りました。
彼女の演技力は、ライアーゲームという作品に新しい風を吹き込みました。
濱田マリが演じた坂巻マイ
個性派女優の濱田マリは、映画版ライアーゲームの両方に出演しているキャストです。
「ザ・ファイナルステージ」では、エデンの園ゲームで赤をそろえたプレイヤーの一人として、裏切り者ではないことを証明し、ライアーゲーム再生の椅子取りゲームにも参加することになります。
彼女の個性的な演技は、ライアーゲームの重厚な雰囲気を和らげ、作品に彩りを与えていました。
要潤が演じた赤城コウタ
ライアーゲーム再生で、気が短く喧嘩っ早い見習いシェフの赤城コウタを演じたのは要潤です。
彼の演じる赤城コウタは、感情的になりやすく、秋山深一の緻密な戦略を理解できずに反発するという、人間の未熟さを象徴するキャラクターでした。
要潤は、この難しい役どころを好演し、ライアーゲームという心理戦の中に、感情という別の要素を持ち込むことに成功しました。
小池栄子が演じた月乃エミ
多部未華子演じる主人公と同じ秋山チームとしてゲームに参加する月乃エミ役を演じたのが小池栄子です。
彼女は元グラビアアイドルでありながら、高い演技力に定評があります。
ライアーゲーム再生では、主人公をだましていたスパイ役という、難しい役どころを好演しました。
小池栄子の演技は、秋山深一の戦略の裏側に隠された、さらに深い裏切りを際立たせていました。
ライアーゲーム映画版のあらすじと公開順
映画版ライアーゲームには、「ザ・ファイナルステージ」と「再生」の二作品があり、それぞれのあらすじを公開順番でご紹介します。
キャストが一新された二作目ですが、ストーリーがつながっている部分もあるため、公開順番で視聴するのが良いでしょう。
「ザ・ファイナルステージ」のあらすじ
この物語は、ライアーゲームの準決勝で棄権していた主人公神崎直のもとに、ファイナルステージへの招待状が届くところから始まります。
直は出場を拒んだものの、「このままだと秋山が負けてしまう。彼を助けられるのは君だけだ」という言葉に騙されてしまい、ファイナルステージへと出場することになります。
ファイナルステージで開催されるゲームは「エデンの園」ゲームでした。
このゲームは、プレイヤー全員が「真実の赤」というリンゴを投票しさえすれば、全員が1億円を手にすることができるというシンプルなものでした。
しかし、最初の投票から裏切り者が7名もいるという結果となり、直は負債を抱えてしまいます。
秋山深一は、裏切り者Xの正体を突き止めるため、緻密な心理戦を仕掛けていきます。
最終的に秋山深一はXの正体を突き止めますが、そんなXをも助けようとする直の純粋な行動が、他のプレイヤーの心を動かし、全員で赤いリンゴを投票することになります。
結果、出資者たちはゲームに敗北し、ライアーゲームはついに崩壊しました。
「再生」のあらすじ
「再生」は、これまでの物語から一新され、新しい主人公の篠宮優が登場します。
大学を卒業後、ライアーゲームへの招待状と1億円を受け取った優は、大学の講師である秋山深一に助けを求め、一緒にライアーゲームに参加することになります。
今回行われるゲームは、参加者よりも少ない数のイスを取り合う「イス取りゲーム」でした。
優はなんとかイスを確保しますが、他のプレイヤーに奪われてしまいます。
しかし、他のプレイヤーからイスを譲ってもらうことができ、その代わりに優勝者のメダルを渡すことになります。
プレイヤーは、秋山深一チーム、張本チーム、桐生チームに分かれて戦うことになりますが、張本チームと桐生チームは協力して秋山深一チームをつぶそうと目論みます。
優は秋山深一を信じきれずに裏切ってしまいますが、それは秋山深一と組んで仕掛けた演技でした。
最終的に優は、ゲームに負けてしまったように見せかけることで、桐生を欺き、見事勝利します。
そして、敗退者に優勝者のメダルを分け与えることで、誰もが負債を抱えることなくライアーゲームは終了したのでした。
戸田恵梨香から多部未華子へ主演が交代した理由
ライアーゲームの映画版で、戸田恵梨香から多部未華子へと主演が交代した理由は、いくつかの説があります。
松田翔太との不仲説
戸田恵梨香と松田翔太は、名コンビとして人気を博しましたが、実は不仲説がささやかれていました。
戸田恵梨香が松田翔太に対してメイクの時間が長いなどの不満を口にし、撮影現場の空気を悪くしたとも言われています。
そんな彼女の態度もあってか、松田翔太側からも「共演は遠慮したい」という意向があったため、主演が戸田恵梨香から交代したと噂されています。
しかし、これはあくまで噂であり、真相は定かではありません。
他の出演作の撮影スケジュールの重複
戸田恵梨香の出演作で、ライアーゲームと同じく人気シリーズなのが「SPEC」です。
実はライアーゲーム「再生」の撮影時期が、「SPEC」の撮影と被ってしまった事も、戸田恵梨香の降板理由の一つとして挙げられています。
超売れっ子女優である戸田恵梨香のスケジュールは非常に過密であり、スケジュール的にライアーゲームの撮影オファーを受けられなかったという見方もできます。
「ファイナルステージ」というタイトルの意味
主演交代の最も有力な理由は、ストーリー上の必然性にあると考えられています。
戸田恵梨香版ライアーゲームは、映画シリーズ一作目のタイトルに「ザ・ファイナルステージ」と銘打たれています。
このタイトルが示す通り、神崎直がライアーゲームを崩壊させるという物語は、この作品で一度エンディングを迎えています。
「ファイナル」と銘打っている以上、神崎直のストーリーが続いていくことは考えにくいでしょう。
そのため、ライアーゲームという作品を「再生」させるには、新しい主人公の物語を描く必要があった、というのが最も自然な解釈です。
多部未華子への主演交代は、ライアーゲームが単なるキャラクターの物語ではなく、「ゲームそのもの」を描く作品であることを証明したと言えるでしょう。
ライアーゲーム映画シリーズの評価
ライアーゲームの映画シリーズは、それぞれ異なる魅力を持っており、多くのファンから高い評価を受けています。
「ザ・ファイナルステージ」の評価
「ザ・ファイナルステージ」は、ドラマのシリーズを見ていたファンなら特に評価の高い作品です。
ドラマにも登場した癖の強いキャラクターはそのままに、主人公の直の正直さや、秋山深一の「裏の裏の裏」を読むカッコよさが楽しめる作品となっています。
特に、最後のシーンでライアーゲームを崩壊させた後の秋山深一の笑顔は、多くのファンの心を掴みました。
「再生」の評価
ライアーゲーム「再生」は、後味の良いエンディングが評価されています。
大勢のプレイヤーが参加しているイス取りゲームが展開されますが、ラストで皆が助かるハッピーエンドを迎え、視聴者に爽やかな感動を与えました。
また、秋山深一が新しい主人公の篠宮優を導いていく姿も、多くのファンから支持されました。
主演交代に対するファンの反応
ライアーゲームの映画シリーズではそれぞれヒロインが違いますが、この主演交代に対するファンの反応は様々でした。
戸田恵梨香版が好きだというファンが多い一方、ストーリー的に多部未華子への交代も納得できるという感想も多く見られました。
主人公がどちらにしても、ライアーゲームという作品の根幹にある「緊迫の心理戦」という面白さは変わらない、良作であるという評価で一致しています。
まとめ
ライアーゲームの映画シリーズは、戸田恵梨香演じる神崎直が主人公の「ザ・ファイナルステージ」と、多部未華子演じる篠宮優が主人公の「再生」という、二つの作品で構成されています。
公開順番でも時系列でも「ザ・ファイナルステージ」から「再生」へとつながっているため、視聴するときは順番で見るのがおすすめです。
主演が交代した理由としては、「ファイナルステージ」というタイトルが示す通り、神崎直の物語が一度完結したため、という見方が最も有力です。
この主演交代は、ライアーゲームという作品が、特定のキャラクターの物語だけでなく、ゲームそのものに焦点を当てた、新章の始まりであることを示しました。
この人気シリーズは、キャストが変わっても、人間の心理を巧みに描くという、その根幹の面白さで、今後も多くの人々を魅了し続けることでしょう。
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