山崎賢人と土屋太鳳が主演を務め、世界中で大きな話題となったNetflixの実写ドラマ『今際の国のアリス』。
その映像のクオリティやスケールの大きさから多くの称賛が寄せられる一方で、「つまらない」「ひどい」といった厳しい意見も少なくありませんでした。
なぜ、これほどまでに評価が分かれたのでしょうか。
今回は、実写ドラマ『今際の国のアリス』が酷評されるに至った理由を、多角的な視点から深掘りしていきます。
また、多くの議論を呼んだ最終回の結末についても、詳しく解説します。
今際の国のアリスの実写ドラマとは？
原作漫画は、アニメ化やOVA化など、さまざまなメディア展開をしてきた人気作品です。
実写ドラマ版は、その独特の世界観をどのように表現したのでしょうか。
まずは、実写ドラマの概要とあらすじを振り返ってみましょう。
今際の国のアリスの実写ドラマの概要
実写ドラマ今際の国のアリスは、麻生羽呂による原作漫画をベースに制作されました。
原作漫画は、週刊少年サンデーSと週刊少年サンデーで連載され、多くのファンを魅了しました。
この実写ドラマは、定額制動画配信サービスであるNetflixを通じて、世界190か国に同時配信されるという、異例の規模で展開されました。
シーズン1は2020年12月10日より配信が開始され、その2年後の2022年12月22日には待望のシーズン2が配信されています。
主演の山崎賢人と土屋太鳳に加え、豪華キャストが集結したことでも大きな話題となりました。
日本のコンテンツが世界で通用する可能性を示した作品としても、非常に重要な位置づけにあると言えるでしょう。
今際の国のアリスの実写ドラマのあらすじ
物語は、ゲームばかりして怠惰な日々を送っていたアリス（有栖良平）が、優秀な弟と比較され、息苦しい毎日から逃れるように家を飛び出すところから始まります。
親友のカルベとチョータとともに渋谷でふざけていたところ、複数の車を巻き込む大事故を起こしてしまいます。
警察から逃れるため、ハチ公前改札内のトイレの個室に身を隠した3人は、突如として停電に襲われました。
停電が明けた後、外に出た彼らが目にしたのは、無人と化した東京の街でした。
そこでシブキという女性と出会い、この世界で生き残るためには、命を懸けた「げぇむ」に参加し、クリアしていかなければならないという過酷な現実を知ることになります。
彼らは否応なしに、命を懸けたデスゲームの世界に巻き込まれていくのでした。
今際の国のアリスの実写ドラマがひどいと言われる理由
原作漫画が非常に評価の高い作品であっただけに、実写ドラマへの期待は高まる一方で、厳しい意見も多く寄せられました。
特に「ひどい」「つまらない」といった酷評の背景には、一体どのような理由があったのでしょうか。
ひどいと言われる理由①ストーリーが単調
デスゲームというジャンルは、次に何が起こるのかというドキドキ感や、先の読めない展開が醍醐味です。
しかし、実写ドラマでは、げぇむが終わった後に、げぇむが行われない休憩時間が挟まれることで、緊迫感が途切れてしまうという指摘がありました。
原作では、休む間もなく次々とげぇむが続くことで、絶えず緊迫した空気が保たれていましたが、実写ドラマではこのリズムが変化しています。
これが、ストーリーが単調に感じられ、ドキドキ感が薄れてしまったと考える視聴者もいたようです。
しかし、一方で、げぇむとげぇむの間に人間ドラマを描く時間を設けることで、キャラクターたちの内面に深く踏み込むことができたという見方もできます。
これは、原作とは異なる実写ドラマならではの表現方法だったと言えるでしょう。
ひどいと言われる理由②既視感のある設定
今際の国のアリスの実写ドラマは、既視感のある設定だという声も少なくありませんでした。
デスゲームというジャンルは、過去にも多くの作品が世に送り出されており、どうしても設定や展開が似てしまいがちです。
そのため、他のデスゲーム作品を多く見ている視聴者にとっては、新鮮味に欠け、つまらなさを感じてしまうという意見もありました。
しかし、この設定は、原作漫画が連載を開始した2010年当時は非常に斬新なものでした。
実写ドラマ化された2020年には、すでに多くのフォロワー作品が存在しており、時代の変化によって、既視感のある設定だと感じられてしまったのかもしれません。
原作の連載時期を考慮すると、今際の国のアリスはむしろデスゲームブームの先駆けの一つであったと考えることもできます。
ひどいと言われる理由③キャストの演技
山崎賢人や土屋太鳳、村上虹郎、仲里依紗など、豪華な実力派俳優が集結したことで、キャストの演技にも注目が集まりました。
しかし、「演技が下手」「大げさな演技が気になる」という厳しい声も目立ちました。
特に、漫画原作の実写化では、漫画特有のデフォルメされた表現をどのように演技に落とし込むかが課題となります。
原作のキャラクター像と実写キャストの演技がマッチしていないと感じた視聴者もいたようです。
一方で、アリスを演じた山崎賢人の繊細な演技や、ウサギを演じた土屋太鳳の身体能力を活かした迫力ある演技は、多くの称賛を集めました。
役者としての経験値や、キャラクターとの相性によって、評価が分かれたと言えるでしょう。
ひどいと言われる理由④原作漫画と違う
漫画原作の実写化作品は、常に原作ファンからの厳しい目に晒されます。
今際の国のアリスも例外ではなく、「原作漫画と違う」という理由が、酷評の大きな要因となりました。
特に批判の的となったのは、キャラクター設定の変更です。
原作では、登場人物たちの年齢設定や外見が実写ドラマとは異なっており、長年原作を愛読してきたファンにとっては、別人のように感じられてしまったようです。
また、実写ドラマでは、登場するキャラクターがかなりスリムに描かれていることにも不満の声が上がりました。
しかし、実写化にあたり、原作の全てを忠実に再現することは非常に困難です。
空を飛ぶなど不可能な描写は、CGで表現することができますが、キャラクターの人間性や背景を、限られた尺の中で再構築することは、制作陣にとって大きな挑戦だったはずです。
原作とは異なる展開や設定は、実写ドラマという新しいメディアで作品を再解釈するための、やむを得ない選択だったのかもしれません。
今際の国のアリスの実写ドラマの最終回
『今際の国のアリス』の実写ドラマに対する酷評の中でも、特に議論を呼んだのが、その最終回の結末でした。
多くの視聴者が「ひどい」と感じた最終回は、一体どのような内容だったのでしょうか。
最終回の結末はひどい？
これまでの物語で、アリスたちは命を懸けたげぇむを繰り返し、なんとか生き残ってきました。
しかし、最終回では、隕石の落下によって全員が死亡するという衝撃的な結末を迎えます。
この結末は、それまでの命がけの戦いを否定するような、あっけない幕切れに感じられたようです。
「何のために命を賭けてげぇむをしていたのか」という疑問や、期待を裏切られたという不満が噴出し、実写ドラマの評価をさらに下げる結果となりました。
しかし、この結末は、実は原作の重要なテーマの一つを提示しています。
げぇむの目的は、生き残ることではなく、「生きることそのものに意味を見出すこと」だったのかもしれません。
衝撃的な結末は、視聴者に「生きるとは何か」という問いを投げかけるための、原作に通じる演出だったと考えることもできます。
最終回の結末をネタバレ
アリスたちは、これまで様々なげぇむをクリアし、生き残るために奮闘してきました。
しかし、最終的に彼らを待ち受けていたのは、突如として空から降り注いだ隕石でした。
この隕石によって、アリスたち、そして今際の国にいた全ての人間は死亡してしまいます。
物語は、彼らが死の間際に見た「夢」だったという形で締めくくられます。
この結末は、それまでの壮絶なデスゲームが、実は彼らが現実世界で経験した一瞬の出来事だったということを示唆しています。
最終回の結末がひどいといわれる理由
『今際の国のアリス』の実写ドラマの最終回結末がひどいと言われる最大の理由は、「これまでの努力や犠牲が全て無意味になってしまった」と感じられてしまったことです。
命を賭けて戦い、仲間を失いながらも生き残ってきたアリスたちの苦労が、隕石というあまりにも唐突な要素によって、無に帰してしまったように見えました。
視聴者は、アリスたちが勝ち取った「生きる意味」や「希望」が、あっけなく奪われたことに不満を抱いたようです。
しかし、これは原作漫画における、げぇむの本当の意味を理解していれば、また違った見方ができます。
げぇむのクリアは目的ではなく、げぇむを通して「生きること」を再認識することこそが、この物語の本当のテーマだったと考えることができるでしょう。
視聴者の多くは、ハッピーエンドを期待していただけに、この結末には戸惑いや落胆を隠せなかったのかもしれません。
今際の国のアリスの実写ドラマのシーズン2
多くの議論を呼んだシーズン1の結末でしたが、シーズン2の制作が発表されると、再び大きな期待が寄せられました。
シーズン2は、どのような作品だったのでしょうか。
シーズン2の概要
シーズン1の配信から約2年後の2022年12月22日に、待望のシーズン2が配信されました。
シーズン2も、NetflixTop10on-Globalで初登場1位に輝くなど、世界中で大ヒットを記録しています。
日本の作品としては最高記録となる視聴時間2億時間を突破し、日本の「今日のシリーズTOP10」でも14日連続1位をキープしました。
シーズン2では、シーズン1で解き明かされなかった「この世界は一体何なのか」という謎に迫るストーリーが展開されます。
さらに、より過酷で複雑なげぇむが待ち受けており、アリスとウサギたちの戦いは、新たな局面を迎えることになります。
シーズン2に山下智久が登場
シーズン2のヒットを後押しした大きな要因の一つに、山下智久の登場が挙げられます。
山下智久は、ジャニーズ事務所を退所後、ハリウッド映画や海外ドラマに出演するなど、世界的な俳優として活躍しています。
高級宝飾品ブランド「ブルガリ」のアンバサダーを務めるなど、その活動は多岐にわたります。
今際の国のアリスシーズン2では、キューマ役として登場し、その高い演技力と肉体美を披露しました。
特に、全裸で演技に挑むという大胆な演出は、多くの視聴者に衝撃を与え、話題となりました。
山下智久が演じたキューマは、原作ファンからも「再現度が高い」と絶賛され、作品の評価を高めることに貢献しました。
彼の出演は、日本の作品が世界に通用する可能性を改めて証明したと言えるでしょう。
今際の国のアリスの実写ドラマに関する感想や評価
賛否両論を呼んだ実写ドラマですが、多くの視聴者がその魅力に引き込まれたことも事実です。
SNS上の様々な意見を分析することで、作品の魅力をより深く理解することができます。
面白いという感想や評価
「圧倒された」「引き込まれた」という感想は非常に多く見られます。
特に、日本のドラマとは思えないほどの高クオリティなCGや、大規模なロケによって再現された無人の渋谷の街並みは、多くの視聴者を驚かせました。
「デスゲーム系の中でもトップの面白さ」という意見もあり、展開が読めないストーリーにワクワク感を覚えた視聴者も多かったようです。
また、アリスを支えるウサギや、そのほか個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマも、視聴者の心を掴んだ要因の一つでした。
つまらないという感想や評価
一方で、「つまらない」という厳しい意見も根強く残っています。
特に、原作漫画に思い入れのあるファンからは、オリジナル要素やキャラクター設定の変更に対する不満が多く寄せられました。
「山Pの裸しか良いところがなかった」という辛辣な意見もあり、原作とのギャップにがっかりしたという声が多数見られます。
また、黒幕の正体がバレバレで、サスペンスとしての面白さが半減してしまったという指摘もありました。
これは、原作ファンと、実写ドラマから入った新規視聴者との間で、作品に対する期待値が異なっていたことが原因かもしれません。
まとめ
実写ドラマ『今際の国のアリス』は、「ひどい」「つまらない」という酷評と、「面白い」という絶賛が入り混じる、賛否両論の作品でした。
酷評の理由には、ストーリーの単調さや既視感、キャストの演技、そして原作との違いなど、様々な要因がありました。
しかし、その一方で、Netflixのグローバルランキングで1位を獲得するなど、世界的な成功を収めたことも事実です。
この成功は、CGを駆使した高い映像クオリティや、世界的に活躍する山下智久の起用など、日本の制作陣が世界に通用するコンテンツを生み出せることを証明しました。
賛否両論の評価は、作品が持つ独特の世界観や、原作と実写の表現方法の違いによって生じたものだと考えることができます。
『今際の国のアリス』は、日本の実写作品が世界へ羽ばたくための、重要な一歩となった作品と言えるでしょう。
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