【わたモテ】真のヒロイン?田村ゆりが愛される5つの理由とメンヘラ化の軌跡

漫画

【わたモテ】真のヒロイン?田村ゆりが愛される5つの理由とメンヘラ化の軌跡

 

ウェブコミックから始まり、今や多くのファンに愛されている人気作『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』。

初期の主人公・黒木智子、通称もこっちの痛々しい「ぼっち」な日常を描いたギャグ漫画から、次第に友情や人間関係を深く掘り下げる群像劇へと変貌を遂げてきました。

その中でも、特に多くの読者から熱い支持を集め、「メンヘラかわいい」と評される人気キャラクターがいます。

それが、今回ご紹介する田村ゆり、通称ゆりちゃんです。

彼女は、もこっちと同じくコミュ障で陰キャな一面を持つ一方で、一度心を開いた相手には強い愛情を注ぎ、その思いが独占欲や嫉妬へと変わっていく様は、多くの読者の心を掴んで離しません。

本記事では、ゆりちゃんの初登場から現在に至るまでの変化を追いながら、なぜ彼女がこれほどまでに愛されるキャラクターになったのかを徹底的に掘り下げていきます。

もこっちという存在が、いかにして彼女の心を解き放ち、新たな一面を引き出していったのか、その成長と葛藤の軌跡を一緒にたどっていきましょう。

 

ゆりちゃんはどんなキャラクター?

ゆりちゃんの第一印象は、まさに「陰キャ」そのものです。

常にイヤフォンをつけ、周囲との間に見えない壁を作り、感情をほとんど表に出しません。

口数も少なく、薄いリアクションしか返さないため、もこっちからは「表情筋10gぐらいしかない」と評されていました。

友達は幼馴染である田中真子、通称まこっちただ一人で、もこっちに負けず劣らずの友達の少なさです。

しかし、彼女のキャラクターは物語が進むにつれて大きく変化していきます。

根底には寂しがり屋な一面や、一度心を開いた相手には深い愛情を注ぐ純粋な心が隠されており、そのギャップが彼女の最大の魅力となっています。

 

陰キャの象徴として初登場:修学旅行編での変化

ゆりちゃんが初めて登場したのは、修学旅行の班決めのシーンでした。

唯一の友達であるまこっちと同じ班になれず、もこっちや吉田茉咲、内笑美莉といった「余り物」のメンバーで班を組むことになります。

この時の彼女は、まこっちと喧嘩をしたこともあり、非常に投げやりな態度で、班長になったもこっちの提案にも「別になんでもいいよ…」と突き放すような返事をします。

修学旅行初日のコミュ障ぶり

修学旅行が始まっても、ゆりちゃんは部屋に引きこもり、イヤフォンで周囲をシャットアウトしていました。

これは、慣れない環境や人間関係に対する防衛本能と考えることができます。

まこっちと喧嘩していることもあり、精神的に不安定な状態だった彼女は、もこっちや吉田さんとの交流を避けていました。

真子との関係と精神的な回復

しかし、もこっちたちの部屋にまこっちが仲直りしにやってきたことで、状況は一変します。

ゆりちゃんが感情を出すのは、この時点ではまこっちの前だけであり、彼女にとってまこっちの存在がいかに大きかったかがわかります。

二人だけで話をした後、彼女の態度には明らかに変化が見られました。

まこっちと仲直りできたことで、精神的な安定を取り戻した彼女は、新しい人間関係を築く準備ができたのでしょう。

変化の兆しと新たな友情の始まり

修学旅行2日目以降、ゆりちゃんはもこっちや吉田さんと会話をするようになり、このメンバーで修学旅行を楽しもうという積極的な姿勢を見せ始めます。

もこっちと吉田さんがもめているのを見かねて、間に入って仲直りを促すなど、彼女に秘められた心遣いの一面が明らかになります。

そして、修学旅行最終日には、もこっちを探すために行動するなど、もこっちとの友情を深めていきました。

この修学旅行での経験が、ゆりちゃんを単なる「陰キャ」から、より多面的で魅力的なキャラクターへと成長させる大きなきっかけとなったのです。

 

物語が進むにつれ深まるゆりちゃんの魅力

修学旅行後、ゆりちゃんのもこっちへの態度は、さらに積極的になります。

学校で一人で昼食をとろうとするもこっちを、躊躇なく「よかったら一緒に食べる?」と誘うなど、彼女の中でのもこっちの存在が特別なものになっていることがわかります。

もこっちとの急速な距離感の変化

もこっちの人間性を素早く理解し、「もう黒木さんのこと分かってるし別に変に思わない」と告げるゆりちゃん。

この発言は、彼女がもこっちに対して心の壁を全く感じていないことを示しています。

お互いの不器用さや共通の「普通」が通用しない部分を理解し合っているからこそ、この二人の距離感は急速に縮まっていきました。

バレンタインでの貴重な笑顔

バレンタインデーには、もこっちと一緒に手作りチョコを作り、ゆりちゃんからもこっちへチョコを渡すシーンが描かれます。

このときに見せた、彼女の自然な笑顔は、多くの読者が初めて目にしたものでした。

普段は感情をあまり表に出さない彼女が、心から楽しんでいる様子は、彼女の純粋さを際立たせ、読者に強い印象を残しました。

寂しがり屋な一面とクラス替えへの不安

2年生の終わり、クラスの打ち上げに参加したゆりちゃんは、もこっちや吉田さん、まこっちといる時間が大切なものになっていることを自覚します。

「…もし3年で別クラスになったら4人でご飯食べるの最後かもね」と寂しそうな表情を見せる彼女は、数少ない友達を心から大切に思っている、非常に寂しがり屋な一面を露呈させました。

作中屈指の名シーン:駅のホームでの別れ

打ち上げの帰り、駅のホームでゆりちゃんだけが乗る電車が来たとき、彼女は寂しさを隠すことなく、3人に向かって手を振ります。

これは、ゆりちゃんがもこっちたちに心を許し、本当の自分を見せられるようになった証拠であり、作中屈指の感動的なシーンとして多くの読者に記憶されています。

奇跡のクラス替えがもたらした安堵

そして迎えた3年生のクラス替え。

もこっち、まこっち、吉田さん、そしてゆりちゃんの名前が、同じクラスに並んでいることが判明します。

この出来すぎた結果に、ゆりちゃんは安堵から笑みをこぼします。

この奇跡的なクラス分けは、彼女が今後も大好きなもこっちたちと一緒にいられるという保証であり、読者にとっても、彼女の幸せを心から願う気持ちを強めることになりました。

 

3年生での「メンヘラ化」と恋心

3年生になり、理想的なクラスになったことで、ゆりちゃんのもこっちに対する愛情はさらに加速していきます。

それは、もはや友情だけではなく、まるで恋心のような独占欲へと変わっていきました。

もこっち愛の加速と「ゆりドン」事件

もこっちが他の友達と約束したことを知ったゆりちゃんは、動揺を隠せません。

まこっちとカフェにいるとき、もこっちたちがいるのを見つけると、無理やり同じテーブルに座り、もこっちを独占しようとします。

この行動をまこっちから「なんか南さんみたいだったよ」と、大嫌いなキバ子に例えられたゆりちゃんは、思わずまこっちに手を出してしまいます。

これが、読者の間で大きな話題となった「ゆりドン」事件です。

もこっちが他の人と親しくしていることに対する嫉妬が、彼女のメンヘラ化を加速させていきました。

呼び名への強いこだわりと嫉妬

もこっちがネモと「ネモ」「クロ」とあだ名で呼び合う姿を見たゆりちゃんは、呼び名に対する強いこだわりを見せ始めます。

自分だけもこっちから名前で呼ばれないことに激しく嫉妬し、もこっちに「ねぇ」と呼びかけられただけで静かにキレるなど、その感情表現は非常にストレートになっていきました。

この「呼び名問題」は、ゆりちゃんがもこっちとの関係を、特別なものにしたいと強く願っていることの表れです。

「ゆりちゃん」「智子」呼びの達成

ゆりちゃんの強い思いは、もこっちにも伝わります。

二人で電車に乗っているとき、もこっちは勇気を出して「ゆりちゃん」と呼びかけ、彼女は驚きと感動が入り混じった絶妙な表情を見せます。

さらに、ゆりちゃんは皆の前でもこっちを初めて「智子」と呼びます。

しかし、もこっちが恥ずかしさから「田村さん」と返したことで、ゆりちゃんはショックを受け、先に帰ってしまいます。

このエピソードは、まるで少女漫画のワンシーンのようであり、読者の心を強く揺さぶりました。

最終的には、もこっちが謝罪し、「ゆりちゃん」「智子」と呼び合う仲になることができました。

これは、ゆりちゃんが望んだ「もこっちとの特別な関係」を築く上での、大きな一歩となったのです。

 

ゆりちゃんの魅力が詰まった名シーン集

物語が進むにつれて、ゆりちゃんのユニークな魅力がさらに際立つシーンが増えていきます。

ここでは、彼女の個性が光る印象的なシーンをいくつかご紹介します。

もこっちとのダーツ体験

球技大会の練習でダーツをすることになったもこっちとゆりちゃん。

ダーツ初挑戦のゆりちゃんは、無表情のままフルパワーでダーツを投げ、もこっちから「近距離パワー型精密動作性E」「ザコモンスター殺せるくらいの投擲」と評されます。

彼女の不器用さと、もこっちとの微妙なやり取りが、読者の笑いを誘います。

ネモへのライバル意識

ゆりちゃんは、もこっちと仲が良いネモを勝手にライバル視しています。

もこっちとダーツをしたことをわざわざネモに報告し、ドヤ顔をする彼女の姿は、多くの読者が「可愛い」と感じるポイントです。

もこっちへの愛情を隠さず、素直に嫉妬する様子は、彼女の人間味をより深く感じさせます。

不器用さが露呈したピザの切り方

打ち上げの際、隣に座るもこっちのためにピザを切り分けるゆりちゃん。

しかし、その切り方は非常にグロテスクで、彼女の不器用さが露呈します。

どうすればそんな切り方になるのか、読者は思わず笑ってしまいますが、これもまた、彼女の愛すべき一面と言えるでしょう。

陽キャと交わる海でのダイブ

もこっち、ネモ、あーちゃんとの海での勉強会。

写真を撮ろうとした瞬間に、全員が海にダイブしてしまうシーンは、普段は陽キャと距離を置くゆりちゃんが、もこっちたちと一緒にいることを楽しんでいる証拠です。

表情はいつも通りですが、彼女が少しずつ心を開いていることがわかります。

絶妙な角度の「見下し」顔

もこっちとLINEビデオ通話で一緒に勉強するシーン。

スマホを使っているため、ゆりちゃんの目線が下になり、もこっちを見下すような絶妙な角度の顔になります。

もこっちのセリフに対する冷たい返答も相まって、彼女らしい独特な雰囲気を醸し出しています。

鼻歌を聞かれて赤面する一面

同じくビデオ通話中、もこっちが席を外したと思い、無意識に鼻歌を歌うゆりちゃん。

もこっちに聞かれていたと気づくと、真っ赤になって机を叩く彼女の姿は、読者に大きな衝撃を与えました。

普段は見せない「初照れ」の表情と、不器用な暴力性が同時に描かれた、非常に貴重なシーンです。

意外な共通点?朝食チョイス

夏合宿での朝食シーン。

ビュッフェでゆりちゃんが選んだメニューが、なんと漫画『グラップラー刃牙』の主人公・刃牙の試合前の食事と全く同じだったことが判明します。

もこっちがそれに気づき、「グラップラー刃牙1話の試合前の食事」と例えるシーンは、読者の笑いを誘いました。

全く自覚のないゆりちゃんと、鋭いツッコミを入れるもこっちのやり取りが、二人の関係性の面白さを物語っています。

 

まとめ

田村ゆりは、当初はただの陰キャとして描かれていましたが、もこっちとの出会いを通じて、その内面に秘められた多くの魅力が引き出されていきました。

友情から芽生えた、もはや恋にも似た深い愛情は、彼女の「メンヘラ化」という形で表現され、多くの読者を魅了しました。

不器用で寂しがり屋、しかし一度心を開けばとことん相手を大切にするゆりちゃん。

彼女の成長と葛藤の物語は、多くの読者が共感し、応援したくなるものです。

大好きなもこっちと同じ大学に行くことができるのか、そして彼女の愛情は今後どのような形で描かれていくのか、今後の「わたモテ」の展開から目が離せません。

コメント