2020年よりNetflixで配信が始まり、世界90ヶ国で視聴数ランキングTOP10入りを果たすなど、世界的な人気を得たドラマ「今際の国のアリス」シリーズ。
その待望の続編、ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3が2025年9月25日(木)から配信スタートしました。
これまでのシーズン1とシーズン2では全18巻の原作漫画をベースとした物語が描かれましたが、シーズン3はそこから一転し、漫画では描かれなかった完全オリジナルのストーリーが展開されます。
この記事では、ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3の物語について、結末までの重大なネタバレを含みながら、その深遠なテーマと緻密なゲーム構造を徹底解説し、視聴者の間で飛び交う様々な考察や感想を記していきます。
なお、本作は16歳以上向けの作品であり、劇中には自殺、DV、薬物、地震、津波に関する描写があります。以下の内容はシーズン3の内容に関するネタバレを多く含むため、必ずNetflixで本編を視聴してから読み進めていただくようご注意ください。
- ドラマ【今際の国のアリス3】の全体像
- ドラマ【今際の国のアリス3】ネタバレ解説
- 舞台はシーズン2の4年後：アリスとウサギの現世での状況
- アリスの現在の姿：大学院に通いカウンセリングの会社の実習を受けている
- 原作続編『RETRY』との相違点：漫画ではウサギと結婚しスクールカウンセラーになっていた
- 新キャラクターの登場：賀来賢人演じる新キャラ・松山隆二（リュウジ）
- リュウジの行動：ウサギを再び今際の国に導き、アリスを誘い出す
- 今際の国の正体（シーズン2の振り返り）：隕石落下に巻き込まれて生死の境を彷徨った人々が経験した世界
- バンダの今際の国：シーズン3におけるゲームフィールドの特性
- ゲームの形式：参加者が挑戦できるゲームは決まっており、一方通行のトーナメント形式
- バンダの狙い：前回のチャンピオンであるアリスを今際の国の国民にすること
- バンダ運営ステージの特徴：全てひらがなの幼稚な表記が少ない点
- ヤバの存在：バンダと同じく国民になったヤバは別のステージを運営
- コンセプトの類似性：デスゲームにカムバックするコンセプトは『イカゲーム』と重なる部分も
- ウサギとアリスの再訪：妊娠の発覚と臨死状態への旅立ち
- ウサギの未練：死んだ父への未練を口にする
- 今際の国への導き：リュウジに薬を使われ生死の境を彷徨う
- アリスの決断：アンの助力を得て、薬の力で自ら臨死状態となりウサギを連れ戻す
- アンの再登場：三吉彩花が演じるアンがアリスにウサギを助けるチャンスをもたらす
- アンの生還の経緯：シーズン2のラストでクイナが寄り添い生き延びることができた
- 初実写化の「おみくじ」とゲームの構造
- ゲームの概要：神社が舞台の「おみくじ」と研究施設の「ゾンビ狩り」の二本立て
- 「おみくじ」の位置付け：原作漫画でアリスが最初に挑んだゲーム（ドラマシーズン1ではカット）
- 「おみくじ」の参加者：アリスを含め計22人が参加した神社が舞台の「GAME」
- 「おみくじ」のルールと制裁：引いた運勢に応じた難易度で数字が答えになるクイズ
- 制裁の仕組み：答えの誤差の分だけ火の矢が飛んでくる冷徹なルール
- ゲームの構成：「計測→関係へ」主題がスライドする構成
- アリスの記憶の回復：炎を見て前回のげぇむの記憶を取り戻す
- 最終的な制裁：最後に1億本の火矢が飛んでくるド派手でシネマティックな描写
- 「おみくじ」のルール詳細：原作の「♣3」と内容の比較
- おみくじの制限：引けるのは1人1回までだが、全員で10回引けばよい
- 解答時間：おみくじに「問題」が用意されている場合の解答時間は1分
- ゲーム中の逃亡：境内から逃げた参加者はレーザーで貫かれる
- 火矢の回避：ヒントの糸口が異なる点
- クイズの例：「世界の人口は何億人？」というアリスのターンのお題
- アリスの回答と考察：79億人と解答し1億のズレを生んだ行為への疑問
- まとめ
ドラマ【今際の国のアリス3】の全体像
配信開始と世界的評価：2025年9月25日(木) から待望のシーズン3がスタート
ドラマ「今際の国のアリス」は、麻生羽呂の同名漫画を実写化したシリーズで、その世界的評価の高さは、Netflixにおける驚異的な視聴実績が証明しています。
待望のシーズン3が2025年9月25日(木) から配信スタートしたことは、世界中のファンにとって大きな喜びとなりました。
原作との関係性：漫画では描かれなかった完全オリジナルのストーリー展開
シーズン1とシーズン2で全18巻の原作をほぼ網羅したことで、シーズン3は漫画では描かれなかった完全オリジナルのストーリーとして展開されました。
これにより、物語の行方は原作ファンにとっても予測不可能なものとなり、ドラマ独自の解釈や世界観がより深く追求されることとなりました。
ベースとなった原作：シーズン1とシーズン2で全18巻をベースとした物語を描写
これまでのシーズンでは、アリスとウサギが出会う過程から、最後のフェイスカードゲームまで、全18巻の原作漫画を忠実にベースとした物語が描かれていました。
視聴ランキング：世界90ヶ国でNetflixの視聴数ランキングTOP10入り
本作の世界90ヶ国でNetflixの視聴数ランキングTOP10入りという実績は、日本の実写ドラマが世界に通用するエンターテイメントコンテンツであることを証明しています。
その人気を背景に、シーズン3ではさらに大きな予算がつき、よりシネマティックな映像が実現したと考察されています。
視聴への注意喚起：結末に関する重大なネタバレと16歳以上向け作品
本作は、結末に関する重大なネタバレを含む内容を扱うため、視聴者には細心の注意が促されています。
また、16歳以上向け作品というレーティングも、その過激で哲学的なテーマを物語っています。
劇中の描写：自殺、DV、薬物、地震、津波に関する描写
自殺、DV、薬物、地震、津波といった重いテーマが劇中に含まれていることは、今際の国が現実社会の闇を映し出す鏡のような存在であることを示唆しています。
ドラマ【今際の国のアリス3】ネタバレ解説
舞台はシーズン2の4年後：アリスとウサギの現世での状況
ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3は、シーズン2で現世に帰ってきた有栖良平と宇佐木柚葉の4年後の姿から描かれます。
二人は現世での生活を送り、人生の再構築を進めています。
アリスの現在の姿：大学院に通いカウンセリングの会社の実習を受けている
アリスは、大学院に通いカウンセリングの会社の実習を受けているという姿が描かれました。
これは、「今際の国」での極限状態の経験を、現実の社会で活かそうとしていることを示唆していると考えることができます。
原作続編『RETRY』との相違点：漫画ではウサギと結婚しスクールカウンセラーになっていた
原作漫画の本編完結後、連載された続編『今際の国のアリス RETRY』では、アリスはウサギと結婚してスクールカウンセラーになっていたことが描かれていました。
ドラマ版ではその一歩手前で、まだ夢を追いかける途中という設定になっており、「RETRY」に至るまでのドラマ独自の過程が描かれていると考察されます。
新キャラクターの登場：賀来賢人演じる新キャラ・松山隆二（リュウジ）
二人の前に現れるのが、賀来賢人が演じる新キャラでありドラマオリジナルキャラの松山隆二です。
リュウジは、死の世界について研究していたという設定であり、その存在が物語を再び「今際の国」へと導くトリガーとなります。
リュウジの行動：ウサギを再び今際の国に導き、アリスを誘い出す
リュウジは、シーズン2で登場したバンダの誘いに乗り、ウサギを再び今際の国に導き、そうすることでアリスを今際の国へと誘い出したことが明らかになります。
彼の行動の動機は、「死の受容」と「生への執着」という、人間が持つ根源的な問いと深く関わっていると見られています。
今際の国の正体（シーズン2の振り返り）：隕石落下に巻き込まれて生死の境を彷徨った人々が経験した世界
シーズン2のラストでは、“今際の国”は、隕石落下に巻き込まれて生死の境を彷徨った人々が共に経験した今際（死に際）の世界であったことが明かされています。
そこで死んだ人々は現世に帰れず、生き延びた人々は現実への生還を果たしました。
バンダの今際の国：シーズン3におけるゲームフィールドの特性
ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3における“今際の国”は、シーズン2までのオープンワールド的な世界とは異なり、参加者が挑戦できるゲームは決まっており、ゲームをクリアすると次の会場へと案内されるという、トーナメント形式になっています。
ゲームの形式：参加者が挑戦できるゲームは決まっており、一方通行のトーナメント形式
作中では、ゲームが一方通行のトーナメント形式になっていることが指摘されており、これは「後戻りできない」という死に際の心理状態を反映しているという見方もあります。
バンダの狙い：前回のチャンピオンであるアリスを今際の国の国民にすること
今回のゲームの運営者であるバンダの狙いは、前回のゲームをクリアに導いたアリスを今際の国の国民にすることでした。
「前回のチャンピオンがデスゲームにカムバックする」というコンセプトは、韓国ドラマ『イカゲーム』の展開と重なる部分もあると指摘されています。
バンダ運営ステージの特徴：全てひらがなの幼稚な表記が少ない点
バンダが運営する今際の国の特徴として、全てひらがなの幼稚な表記があまり登場しないという点があります。
これまでのゲームよりも派手な演出が多いという点も、バンダの好みが反映されているのかもしれません。
ヤバの存在：バンダと同じく国民になったヤバは別のステージを運営
バンダと同じく国民になったヤバが「俺のステージでも骨のある奴がいない」と発言していることから、ヤバはまた別のステージを運営しているものと考察できます。
国民となった者たちによる「デスゲームの分業化」が進んでいる状況が示唆されています。
コンセプトの類似性：デスゲームにカムバックするコンセプトは『イカゲーム』と重なる部分も
デスゲームにカムバックするコンセプトは、世界的ヒット作『イカゲーム』にも見られる展開であり、人気シリーズとしてのスケールアップと視聴者の期待に応える構成を意識したものだと考察されます。
ウサギとアリスの再訪：妊娠の発覚と臨死状態への旅立ち
ウサギは、死の世界について研究していたリュウジに誘われ、死んだ父への未練を口にすると、リュウジに薬を使われ生死の境を彷徨うことに。
すなわち、今際の国へと導かれたのです。
ウサギの未練：死んだ父への未練を口にする
ウサギが死んだ父への未練を口にしたことが、リュウジの誘いに乗るきっかけとなってしまいました。
「未練」こそが、再び今際の国へと引き戻す力になっていると考えることができます。
今際の国への導き：リュウジに薬を使われ生死の境を彷徨う
リュウジに薬を使われ生死の境を彷徨うことで、ウサギは今際の国へ引き戻されます。
さらにウサギの妊娠も発覚するという、「命の重み」が加わる展開となります。
アリスの決断：アンの助力を得て、薬の力で自ら臨死状態となりウサギを連れ戻す
ウサギの妊娠を知ったアリスは、前回生き延びたアンの助力を得て、薬の力で自ら臨死状態となりウサギを連れ戻すために今際の国へと旅立ったのです。
この「自ら選ぶ死の旅」こそが、アリスの愛と覚悟を示すものです。
アンの再登場：三吉彩花が演じるアンがアリスにウサギを助けるチャンスをもたらす
三吉彩花が演じるアンは、嬉しい再登場を果たし、アリスにウサギを助けるチャンスをもたらしました。
アンの生還の経緯：シーズン2のラストでクイナが寄り添い生き延びることができた
シーズン2では死んだかに思われたアンですが、最後の最後にクイナが寄り添う形で生き延びることができていました。
仲間との絆が、彼女を生還へと導いたことが示唆されています。
初実写化の「おみくじ」とゲームの構造
ゲームの概要：神社が舞台の「おみくじ」と研究施設の「ゾンビ狩り」の二本立て
ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3では、主に5つ（+2）の「げぇむ」が描かれます。
第2話は、神社の〈おみくじ〉と研究施設の〈ゾンビ狩り〉という、まったく性質の異なる2ゲームで構成されるのが特徴です。
「おみくじ」の位置付け：原作漫画でアリスが最初に挑んだゲーム（ドラマシーズン1ではカット）
最初のゲームは「おみくじ」で、これは原作漫画でアリスがカルベ、チョータ、シブキと共に最初に挑んだゲームです。
ドラマ版シーズン1ではビルを舞台にした「生きるか死ぬか」に差し替えられていましたが、このタイミングで初の実写化が叶い、「シーズン3まで取っておいた甲斐がある」という読者の声も多く見られました。
「おみくじ」の参加者：アリスを含め計22人が参加した神社が舞台の「GAME」
アリスを含め計22人が参加した、神社が舞台の「GAME」が「おみくじ」です。
「おみくじ」のルールと制裁：引いた運勢に応じた難易度で数字が答えになるクイズ
ルールはシンプルで苛烈です。
引いた運勢に応じた難易度で数字が答えになるクイズが出され、答えの誤差の分だけ火の矢が飛んでくるという冷徹なルールです。
制裁の仕組み：答えの誤差の分だけ火の矢が飛んでくる冷徹なルール
この「誤差＝制裁」の設計が巧妙で、「ピタリ」よりも“誤差を最小化せよ”と迫る問いに、プレイヤーの思考の質と動きの質が同時に炙り出されます。
ゲームの構成：「計測→関係へ」主題がスライドする構成
第2話は、前半で“運”と“数理”がプレイヤーを選別する〈おみくじ〉で「数字で生を測る」緊張を最大化し、後半で“信頼”と“裏切り”が陣営を塗り替えていく〈ゾンビ狩り〉で「人間関係で生を設計する」難しさへシフトする、秀逸な構成になっています。
アリスの記憶の回復：炎を見て前回のげぇむの記憶を取り戻す
アリスはここで炎を見て、前回のげぇむの記憶を取り戻しています。
これは、「今際の国」がアリスの記憶を再び呼び覚ます装置としても機能していることを示唆しています。
最終的な制裁：最後に1億本の火矢が飛んでくるド派手でシネマティックな描写
最後に1億本の火矢が飛んでくるシーンはド派手でシネマティックであり、「空がオレンジに染まるカットは誤差の累積＝終末色として強烈」という感想も多く見られました。
「おみくじ」のルール詳細：原作の「♣3」と内容の比較
「おみくじ」は、原作の「♣3」と内容は同じですが、異なる点も存在します。
おみくじの制限：引けるのは1人1回までだが、全員で10回引けばよい
原作では一人一回でしたが、ドラマではおみくじを引けるのは1人1回までだが、全員で10回引けばよいというルールです。
解答時間：おみくじに「問題」が用意されている場合の解答時間は1分
「問題」が用意されている場合の解答時間は1分であり、プレイヤーは「答えを出すまでの1分」で、思考の質と動きの質を同時に問われます。
ゲーム中の逃亡：境内から逃げた参加者はレーザーで貫かれる
「GAME」途中で境内から逃げた参加者は、レーザーで貫かれるというルールは、「げぇむ」からの脱出は許されないという絶対的な制約を示しています。
火矢の回避：ヒントの糸口が異なる点
火矢を回避するヒントの糸口が異なる点も、ドラマ独自の解釈が加えられた部分です。
クイズの例：「世界の人口は何億人？」というアリスのターンのお題
第10回、いよいよアリスが引いたお題は“世界人口”でした。
アリスの回答と考察：79億人と解答し1億のズレを生んだ行為への疑問
アリスの回答は正解から1億のズレを生み、一部の視聴者からは「シーズン2までキレキレだった彼とは思えない」という疑問の声も上がりました。
しかし、漫画版だとありえる展開であり、「構成の都合上しょうがなかった」という擁護や、「正攻法（正答）と脱線法（脱出経路）の二層解が仕込まれている」という考察も見られます。
まとめ
ドラマ「今際の国のアリス」シーズン3は、漫画原作から離れた完全オリジナルストーリーとして、アリスとウサギの4年後の姿と、「今際の国」のさらなる深層を描き出しました。
特に初実写化の「おみくじ」が提示した数字による冷徹な制裁と、「ゾンビ狩り」が引き起こした人間関係の崩壊は、「生」と「死」の境界で揺れ動く人間の心理を鋭く抉っています。
そして、バンダやジョーカーといった国民側の思惑が絡み合うトーナメント形式のゲームは、アリスに「再びチャンピオンとして生きる覚悟」を問いかけました。
アリスとウサギは、記憶を失ってもなお、本能的に惹かれ合うという、失われてもなお残る「魂の軌跡」を見せつけましたが、ジョーカーの「大勢の人間がここにやってくる」という予言は、この「今際の国」が単なるデスゲームではない、普遍的な問いかけであることを示しています。
この物語は、「あなたは、生きる理由を、自分で見つけられるか？」という、視聴者自身への問いを突きつける、深遠な作品であると言えるでしょう。
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