
石田スイ先生が生み出した人気漫画『東京喰種』の世界観を舞台にしたゲーム、『東京喰種JAIL(ジェイル)』をご存知でしょうか。
2015年にバンダイナムコエンターテインメントから発売されたPS Vita専用ソフトで、主人公として登場するのがオリジナルキャラクターの凛央、通称リオです。
このゲームのストーリーは、本編とは異なる「if」の世界を描きながらも、作中に登場するリオと、続編『東京喰種:re』に登場する謎の喰種、死堪(シコラエ)との間に、深い繋がりがあるのではないかと、当時から多くのファンが考察していました。
そして、コミックスの終盤で、その疑惑は確信へと変わります。
この記事では、ゲーム『東京喰種JAIL』の主人公リオに焦点を当て、彼の正体が死堪であるとされる根拠、そして原作者が仕込んだ緻密な伏線の数々を、徹底的に掘り下げて解説していきます。
ゲーム『東京喰種JAIL』とは?その概要と設定
まず、リオというキャラクターを理解するために、彼の登場したゲーム『東京喰種JAIL』がどのような作品であったかを確認しましょう。
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PS Vita専用ソフト『東京喰種JAIL』の基本情報
『東京喰種JAIL』は、2015年10月1日に発売されました。
ジャンルはアドベンチャーRPGで、プレイヤーは主人公リオを操作し、カネキをはじめとする原作キャラクターと協力しながら、「JAIL事件」の真相を追うことになります。
主題歌には、アニメ『東京喰種√A』のオープニングテーマ「無能」を担当したÖsterreich(オストライヒ)の「贅沢な骨」が起用され、作品の世界観を深く表現していました。
何よりもこのゲームが特異だったのは、原作者である石田スイがシナリオや設定にも深く携わり、本編では描かれなかった「もう一つの結末」を提示した点にあります。
主人公リオと『JAIL事件』の謎
ゲームの物語は、リオという喰種が、かつてCCG捜査官を大量殺害したとされる凶悪な喰種「JAIL」の容疑者の一人として、兄とともに23区の喰種収容所コクリアに囚われるところから始まります。
リオが『JAIL』容疑者としてコクリアに収容された経緯
リオが容疑者となったのは、JAIL事件の目撃者が非常に少なかったことと、CCG捜査官のキジマ式がリオの存在に目を付けたためです。
リオは自分に戦闘経験がないこと、そして無実であることを主張しますが、キジマはリオこそが、かつて自身の顔や右足に傷を負わせ、多くの部下を殺害した「JAIL」だと信じて疑いませんでした。
CCGキジマ捜査官の執拗な追跡とリオの無実の主張
リオの兄もまた、弟の無実を訴え続けますが、ある日、アオギリの樹のコクリア襲撃に乗じて、リオだけが逃亡に成功します。
キジマに追われる身となったリオは、四方に助けられ、あんていくに身を寄せます。
リオは、囚われた兄を解放し、自らの無実を証明するため、カネキとともに真の「JAIL」の正体を追い始めることになります。
リオが自らの運命に立ち向かう姿勢は、当時の金木研とも重なる部分があり、読者やプレイヤーは強く感情移入したことでしょう。
『JAIL』の正体とリオの覚醒
リオが真犯人ではないと信じて捜査を進める中で、彼自身にまつわる衝撃的な真実が明らかになります。
『JAIL』の特徴:赫子使用時の格子状の痣
JAIL事件の目印とされていたのは、赫子使用時に目元に浮かび上がる「格子状の痣」だけでした。
リオは、この少ない手掛かりをもとに情報を集めます。
あんていくで働きながら情報を集めるリオは、目元に痣のような刺青のあるルチ、格子状のメイクをしているロウ、目の下に縫い跡があるキンコといった、JAILの特徴に近い喰種たちに接触しますが、真のJAILには繋がりませんでした。
リオの記憶喪失と兄の献身的な庇護
リオがコクリアに囚われる前、キジマらCCG捜査官に追われた兄を助けようとした際に、リオは赫子を出してCCG捜査官を大量殺戮していました。
リオはその時の記憶を失っていましたが、一部始終を見ていた兄は、リオが凶悪な喰種として認識されることを恐れ、弟の力を使わせないよう、また真実を隠すことで、リオを守り続けていたのです。
兄はリオこそがキジマの言う「JAIL」だと分かっていながらも、リオの身を案じ、「弟はJAILじゃない」と主張し続けていたという、献身的な愛情が描かれています。
自身が『JAIL』だと判明する衝撃の真実
リオは、キジマとの再会により、自身が「JAIL」であったという真実を告げられます。
兄の赫包から作られたクインケ『ロッテンフォロウ』
さらにキジマは、リオの兄の赫包から作り出されたチェーンソー型のクインケ「ロッテンフォロウ」をリオの目の前に突きつけます。
この極限の状況と、兄の犠牲を知ったことで、リオは暴走状態に陥り、赫眼が濃くなり、目元に格子状の「痣」が発現します。
この瞬間、キジマの睨んだ通り、リオ自身こそが、リオが憎み捜し出そうとしていた喰種「JAIL」だったということが確定しました。
リオの目元に浮かんだ格子状の『痣』
リオの目元に浮かんだ格子状の「痣」は、まさに「JAIL」の最大の特徴です。
この「痣」は、後述する死堪にも共通する特徴であり、リオの正体が死堪であることの重要な伏線となりました。
多くの読者が、リオの無実を信じたい気持ちと、真実が確定した瞬間の衝撃との間で、複雑な感情を抱いたことでしょう。
リオの赫子と強大な力
リオが「JAIL」と呼ばれるにふさわしい凶悪な喰種であったことは、その赫子の設定からも明らかです。
リオが操る複数の赫子:四種全赫子の伏線
ゲーム『東京喰種JAIL』のリオは、なんと喰種の持つ4つの赫子(甲赫、羽赫、鱗赫、尾赫)全てを使うことができます。
ゲーム内では、ストーリーを進めるごとに使用できる赫子が増えていくという設定でした。
一人で複数の赫子を操るというこの設定は、本編でも非常に珍しい能力であり、後に死堪が複数の赫子を使うことで、リオと死堪の関連性を示す大きな伏線の一つとなりました。
ゲーム内でのリオのレートと実力
リオは、元々非常に強力な赫子を持つ喰種であり、ゲームのプレイ内容によっては、最終的に隻眼の梟と並ぶSSSレートに到達するルートも用意されていました。
このことから、リオは『東京喰種』の作品世界においても、トップクラスの実力を持っていたとされています。
リオとカネキ:表裏一体の「if」の物語
『東京喰種JAIL』の物語は、リオが主人公となることで、原作の金木研のたどった運命とは異なる「if」の物語を描き出しました。
トゥルーエンド:リオの死とカネキの生存ルート
ゲームのシナリオでは、リオかカネキのどちらかが死んでしまうルートが多いのですが、トゥルーエンドでは、リオが自らの死をもってカネキを止めます。
この結果、カネキは原作の梟討伐作戦に参加せず生存し、トーカ、ニシキ、四方、元反アオギリメンバーらと共に喫茶店「re:」の開店準備を進めることになります。
リオの死が引き起こしたこの「if」の世界線では、梟討伐作戦で居なくなるはずだった亜門と滝澤が生還し、什造や篠原も原作ほど酷い傷を負わずに済みました。
さらに、キジマが死亡したことで、月山家殲滅戦が行われず、月山が精神を病むこともありませんでした。
原作者が語るリオの役割:「カネキの代わりに死ぬ」存在
原作者の石田スイは、リオというキャラクターを「カネキの結末を変える為には同じ結末を迎える人物が必要」であり、「カネキの代わりにルートV14で死ぬ」ために生まれたキャラクターだと発言しています。
リオは、救われない物語の中で葛藤するカネキに代わって、死をもって結末を変える役割を担う、ゲーム内の「救世主」のような存在だったと言えるでしょう。
ただし、唯一「to:reエンド」と呼ばれるルートでは、リオは「:re」で働き、「彼(カネキ)」が来店するという、両者が生存する結末も存在しています。
リオを追うCCG捜査官キジマの因縁
リオの物語を語る上で欠かせないのが、彼を執拗に追うCCG捜査官キジマの存在です。
キジマの過去と『JAIL』事件による重傷
キジマ式は、リオが容疑者となった「JAIL事件」で顔や右足に重傷を負い、その痛々しいツギハギの見た目になりました。
この事件で部下を大量に失ったキジマにとって、リオの追跡は個人的な復讐の意味合いも強かったと考えられます。
拷問のプロ「削ぎ師キジマ」の異名
キジマは元々コクリアの尋問官であり、拷問のスキルを身につけていました。
「削ぎ師キジマ」という通り名が示す通り、チェーンソー型クインケで相手の身体を削いでいくという残忍な拷問方法を得意としていました。
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キジマの最期と『ロッテンフォロウ』の因果
本編の『東京喰種:re』では、キジマはリオの兄の赫包から作られたクインケ「ロッテンフォロウ」に頭上から裂かれて死亡するという最期を迎えます。
『東京喰種JAIL』でリオを苦しめた、兄の赫包から作られたクインケが、キジマ自身の最期の鍵となったという因果応報のような結末は、石田スイ作品に張り巡らされた伏線の深さを象徴しています。
単行本『東京喰種JAIL』に仕込まれた死堪への伏線
ゲーム本編の内容に加え、原作者石田スイが携わったシナリオブックである単行本『東京喰種JAIL』には、リオが死堪に変貌した世界線を示唆するより直接的な伏線が仕込まれていました。
シナリオブックとしての単行本『東京喰種JAIL』
単行本『東京喰種JAIL』は、ゲームに入りきらなかったエピソードや設定ラフ画、約550ページに及ぶシナリオなどが収録されており、ゲームをプレイしていない読者にとっても、リオの物語を深く理解するための重要な資料となっています。
単行本のエピソードに見るリオのもう一つの結末
作者のあとがきのさらに後に、ゲーム内には存在しないエピソードが収録されています。
これが、リオが死堪となる「闇のルート」への分岐点を示唆しています。
脱走時の文章に隠された「死」と「堪」の文字
単行本のエピソードには、リオがコクリア脱走時の文章の中に、「死」と「堪」という意味深な文字が意図的に含まれていました。
この文字の存在は、リオの正体が死堪であることの最も直接的な伏線として、当時のファンを騒然とさせました。
四方ではないエトによるリオの救出と変貌
また、この単行本のエピソードでは、リオはゲーム本編のトゥルーエンドのように四方ではなく、アオギリの樹幹部であるエトによって助け出されています。
この救出者が異なるという分岐点が、リオの運命を大きく変えたと考えられます。
エトは、カネキの二番目の半喰種化の際にも関わっており、リオもまた、エトに助け出された後、叶と同様に拷問を受けた末に、精神が崩壊し、凶悪な喰種である死堪へと変貌を遂げ、アオギリの樹のメンバーになったと考察されています。
裏表紙のイラストと死堪を匂わせる共通点
単行本『東京喰種JAIL』の裏表紙には、ゲーム本編とは直接関係のないはずの死堪を思わせるイラストが描かれていました。
これもまた、リオの正体は死堪であるという作者からの隠されたメッセージとして機能していました。
リオの見た目にもあった死堪への伏線
リオの見た目にも、死堪に通じる伏線が張り巡らされています。
リオは普段から縞模様の服を好んで着用していますが、これは死堪が着用している全身縞模様の服装と共通しています。
さらに、リオが戦闘の際に使用する甲赫、羽赫、鱗赫、尾赫という4つの赫子ごとにマスクが変わるという設定も、リオが後に全種赫子を操る死堪となることを示唆していると言えるでしょう。
『東京喰種:re』に登場する死堪の正体
ここからは、リオの正体とされる死堪が『東京喰種:re』でどのようなキャラクターとして登場したのかを詳しく見ていきます。
死堪の登場とアオギリの樹での活動
死堪は、23区の喰種収容所コクリアに囚われていたレートA+の喰種として登場します。
コクリアから脱出後、アオギリの樹の一員となり、ヤモリの座を継いだナキ率いる白スーツの集団に席を置いていました。
初登場は、月山家の執事叶がクインクス班の抹殺を依頼した際、建物裏に隠れていた才子の前に現れた場面です。
死堪は才子の腕を捕食しますが、謎のローブの大男(亜門鋼太朗)に弾き飛ばされてその場を立ち去ります。
死堪の赫子の特徴と格子状の『痣』
死堪は、戦闘の際に羽赫、鱗赫、尾赫という少なくとも3つの赫子を操ることが判明しており、これはリオの複数の赫子を操る能力と重なります。
そして、赫子を出す時には、リオと同じく目元に格子状の『痣』が浮かび上がります。
この「格子状の痣」の存在は、死堪がかつてリオであったことの最も強力な視覚的伏線でした。
死堪の見た目:縞模様の服装と独特の顔つき
死堪は、格子状のハーフマスクと全身縞模様という服装を好んでいました。
これは、リオが好んで着ていた縞模様の服と一致しており、リオの正体への伏線の一つです。
また、右眼は白く濁り、左眼は大きめの黒で斜視になっており、髪はボサボサに伸ばしっぱなしの黒髪という、強烈なビジュアルで描かれていました。
死堪の奇妙な言動とその背景にある考察
初登場時の死堪は、「メチャキュートやねえ メチャおまんじゅうやねえ」「もちもちもちもちもちもちもちもちもちもち・・・」といった独特な言葉遣いをしていました。
それ以降も、語尾に主に記号を使ったり、特定のフォントで表示されるなど、常軌を逸した喋り方が特徴的でした。
これは、単行本のエピソードでリオがエトに助けられ、叶と同様に拷問や洗脳を受けた影響ではないかと考察されています。
純粋で兄思いだったリオが、苛烈な拷問により精神を破壊され、死堪という存在に変貌したと考えると、その悲劇性に胸を打たれる読者も少なくありません。
リオ=死堪説を裏付ける決定的証拠
リオと死堪の関連性は、多くの伏線によって示唆されていましたが、物語の終盤で、ついに決定的な証拠が提示されます。
リオと死堪の決定的な共通点
リオと死堪の間には、以下の3つの決定的な共通点がありました。
縞模様の服装と格子状の『痣』
リオは縞模様のハーフパンツを、死堪は縞模様のトップスを着用しており、服装の好みが一致しています。
そして、最も重要なのは、両者とも赫子使用時に目元に格子状の痣が浮かぶという、極めて珍しい特徴を共有していた点です。
複数の赫子を操る能力
リオは4種全て、死堪は少なくとも3種の赫子を出せるという、複数の赫子を操る能力も、他の喰種には見られない共通点でした。
旧多による決定的な一言
これらの共通点と単行本の伏線を組み合わせることで、リオが死堪に変貌したという説は濃厚でしたが、決定打となったのは、本編での旧多二福の一言でした。
『東京喰種:re』134話での「ロマ、リオ」発言
『東京喰種:re』134話「いざしらず」(コミックス14巻収録)にて、旧多、ロマ、死堪が、黒磐、瓜江と対峙している局長室のシーンで、旧多がロマと死堪に対し、「僕は局長だ 面倒ごとを持ち込んで 僕に 迷惑かけたら駄目でしょうが ロマ、リオ 2人とも殺せ」と発言します。
ここで旧多が死堪を「リオ」と呼んだことにより、今まで『東京喰種:re』の本編に登場していなかったリオという名前が、死堪の真名として確定しました。
この旧多の一言で、「リオはやはり死堪だったのか」という長年の考察が裏付けられ、物語の伏線の回収が見事に果たされたのです。
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まとめ
ゲーム『東京喰種JAIL』の主人公リオの正体が、『東京喰種:re』に登場する謎の喰種、死堪であったことが、物語の終盤で確定しました。
リオは、原作者石田スイによって、「カネキの結末を変えるための代替となる存在」として生み出され、ゲーム内ではカネキを救う「if」の英雄となるルートと、本編に繋がる死堪へと変貌する「闇」のルートという、二つの運命を背負わされていました。
目元の格子状の痣、複数の赫子、縞模様の服装、そして旧多の呼称など、リオと死堪の間には緻密な伏線が張り巡らされており、物語の奥深さを感じさせます。
リオが死をもってカネキを救った世界が正しかったのか、それとも拷問を受け、死堪という凶悪な喰種に変貌したこの世界が正しいのか、正解はありません。
しかし、ゲーム『東京喰種JAIL』をプレイすること、または単行本『東京喰種JAIL』を読み返すことで、本編をより深く、多角的に楽しむことができるのは間違いありません。
まだ未体験の方は、この機会に「if」の物語に触れてみるのも面白いかもしれませんね。
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