
大人気ファンタジー漫画・アニメ『七つの大罪』の物語を語る上で、リオネス王国聖騎士長ヘンドリクセンの存在は避けて通れません。
物語の序盤から、主人公メリオダス率いる七つの大罪と激しく対立したヘンドリクセンは、アニメ第一期のラストで自ら魔神化するという衝撃的な行動に出ます。
なぜ彼は魔神の力を求めたのか。
そして、魔神化してまでも戦いを挑んだ彼の真の目的とは何だったのでしょうか。
本記事では、ヘンドリクセンの魔人化とメリオダスとの激闘、そして彼の行動の裏に隠された魔人フラウドリンの悲劇的な策略について、詳細なネタバレを含めて徹底的に考察していきます。
彼のアンビバレンツ(両義性)な性格が、どのように『七つの大罪』という物語全体に影響を与えたのかを深掘りしましょう。
- 「七つの大罪」とは?
- 【ネタバレ注意】アニメ「七つの大罪」第一期のクライマックス
- エリザベスの覚醒と「癒やしの超魔力」
- ヘンドリクセンの目的とフラウドリンの影
- 「七つの大罪」メリオダス vs 魔人化ヘンドリクセン
- メリオダスの策略と究極の一撃「リベンジ・カウンター」
- 聖騎士長ヘンドリクセンの二面性と魔力
- アニメ「七つの大罪」のラスト:戦の終わりと希望
- 奇跡の復活:ホークの安否
- 「七つの大罪」におけるヘンドリクセンの深層心理
- ヘンドリクセンの内面:アンビバレンツ(両義性)の葛藤
- フラウドリンの洗脳と魔神族復活計画
- ヘンドリクセンの魔人化の真実
- フラウドリンの正体とダナフォール消滅の悲劇
- フラウドリンによるヘンドリクセンとドレファスの支配
- 魔人に人生を操作された悲しき運命
- まとめ
「七つの大罪」とは?
『七つの大罪』は、色々な個性をもったキャラクターが敵味方入り乱れて大迫力のバトルを展開する、正統派の騎士道物語です。
騎士道物語の舞台と設定
物語の舞台は、ブリタニアの大地。
巨人から妖精、不死者、魔法使いなど、あらゆる生物たちが登場する中世のロマンスと怪物たちが跋扈する世界観が特徴です。
原作「アーサー王と円卓の騎士」との関係
元々の原作は、「アーサー王と円卓の騎士」ですが、『七つの大罪』の設定された舞台は、その「アーサー王と円卓の騎士」の前日譚にあたります。
伝説上の人物「アーサー王」のモデルと中世のロマンス
「アーサー王伝説」自体が中世時代に流行した物語であり、そのモデルになった実在のアーサー王は、6世紀はじめにブリトン人を率いて敵であるサクソン人を退治した人物だそうです。
中世時代に物語化されたアーサー王の伝説は、21世紀の現在でもゲーム・小説・アニメ・漫画などあらゆるメディアに登場しているほどの超有名人であり、まさに伝説上の人物でもあります。
漫画「七つの大罪」が描く正統的「アーサー王物語」
漫画『七つの大罪』は、そんな「アーサー王伝説」を下敷きにしながら、超人的強さを誇る騎士団の一つ「七つの大罪」を主人公に据えることで、中世時代のロマンスを漫画的に物語った正統的な「アーサー王物語」なのです。
【ネタバレ注意】アニメ「七つの大罪」第一期のクライマックス
物語の最初期、ヘンドリクセンはドレファスとともに、リオネス王国の聖騎士長として七つの大罪の前に立ちはだかります。
そして、第一期のラストでは、物語の最大の山場が訪れます。
聖騎士長ヘンドリクセンの魔人化
「七つの大罪」第一期のラストでは、ついにヘンドリクセンが魔人化を果たします。
彼は、魔神族の赤色と灰色(アッシュ)の二人の魔人族の血を受け入れるという、禁忌の行為に手を出したのです。
魔人化ヘンドリクセンの圧倒的な強さ
魔人化したヘンドリクセンの強さは、「七つの大罪」と聖騎士団の連合軍が力を合わせても敵わないほどの圧倒的なものでした。
彼は、メリオダスを「敵として生かしておくと大変なことになる」と判断し、徹底的な排除を試みます。
メリオダスへの必殺の一撃とホークの身代わり
ヘンドリクセンは瀕死の状態に追い込まれたメリオダスに引導を渡そうとして必殺の一撃を放ちます。
しかし、その時、マスコット的存在のホークが、メリオダスや味方を守るために身代わりになり、命を落としてしまうのです。
ホークの死に対するメリオダスの怒り
ホークの死に対して、メリオダスは怒りに震えます。
メリオダスが抱える「怒り」は、彼の真の力を覚醒させる引き金となることが、この後も物語の中で繰り返し描かれるテーマとなっていきます。
エリザベスの覚醒と「癒やしの超魔力」
絶望的な状況の中、物語のヒロインであるエリザベスに、秘められた力が目覚めます。
「森の賢者(ドルイド)」と「女神の使徒」の力の目覚め
ホークの犠牲を目の当たりにしたその時、エリザベスに秘められていた「森の賢者(ドルイド)」と「女神の使徒」の力が目覚め、覚醒したエリザベスは「癒しの超魔力」を発現させます。
絶望の中での「誰も傷つけたくない」という奇跡
エリザベスは、魔人化したヘンドリクセンの圧倒的強さを前にして、絶望の中にいた仲間たちを守りたい、「誰も傷つけたくない」という奇跡を望む気持ちが、力として発現したのです。
この力は、彼女が女神族の転生であることを示唆しており、物語全体で極めて重要な伏線となっています。
癒しの超魔力による傷ついた味方の回復
覚醒したエリザベスは、その癒しの力によって傷ついた味方を癒します。
そして、エリザベスはヘンドリクセンを説得して、戦いを止めようと試みるのです。
一度失われた命は蘇らせられないという現実
しかし、エリザベスの力をもってしても、一度失われた命であるホークを蘇らせることはできませんでした。
この現実は、絶望に突き落とされたエリザベスの心に、深い悲しみと自責の念を残します。
ヘンドリクセンの目的とフラウドリンの影
エリザベスの説得に対し、ヘンドリクセンは自身の行動の目的を語りますが、その裏には恐るべき魔人の影がありました。
フラウドリンが語る魔人族復活と四種族への報復
ヘンドリクセンに憑りついている魔人フラウドリンは、「魔人族の復活」と、古の戦いで魔神族を封印してくれた「四種族への報復」を求めていることを語ります。
ヘンドリクセンの魔人化は、彼自身の思想だけでなく、このフラウドリンの強大な意志に操られていた結果でもあったのです。
「女神の使徒の血」を欲する理由
さらにヘンドリクセンは、魔人の復活の為に「女神の使徒の血を欲している」ことをエリザベスに告げます。
これは、エリザベスが魔神族の敵対種族である女神族の末裔であるという、物語の根幹に関わる重要な事実でした。
恐怖に飲まれながら立ち向かうギルサンダー
絶望に突き落とされたエリザベスを守るため、ギルサンダーは敢然とヘンドリクセンという敵に立ち向かおうとしますが、恐怖に飲まれ体が震えてしまいます。
しかし、恐怖に打ち勝ち、戦う意志を持つ聖騎士たちの姿は、読者にとって感動的なシーンでした。
苦境の中で勝鬨の声を上げるメリオダス
そんな苦境の中で、「七つの大罪」を率いるメリオダスは、諦めることなく勝鬨の声を上げるのでした。
メリオダスの不屈の精神が、絶望に打ちひしがれた仲間たちに再び戦う意志を与えたのです。
「七つの大罪」メリオダス vs 魔人化ヘンドリクセン
ヘンドリクセンの圧倒的な強さに対し、メリオダスは自身の最強の技を繰り出します。
メリオダスの基本能力「カウンター」の性質
「七つの大罪」のメリオダスの基本的能力は”カウンター”です。
これは、敵の攻撃を受け、それを何倍にも増幅して跳ね返すという、絶対後攻のスキルです。
絶対後攻のスキルが成り立つ生来の強さ
この絶対後攻のスキルは、メリオダスの生来の強さがあるからこそ成り立ちます。
尋常ではない防御力とタフネスを持つメリオダスだからこそ、敵の攻撃に耐え、反撃に転じることができるのです。
殺生を禁じる誓約と真の力のセーブ
メリオダスは魔神族であるため、自らに害をなす敵に対しても強すぎる自らの力をセーブして戦い、なおかつ殺生を禁じる誓約を立てていました。
しかし、魔人化ヘンドリクセンを倒すためには、その誓約を破ることが必要とされました。
魔力を解除して使用する必殺技「フルカウンター」
メリオダスは、魔力を解除して使用する“フルカウンター”を繰り出します。
この一撃でヘンドリクセンを倒すことはできましたが、メリオダスはさらに真の力に覚醒していく道をたどることになりました。
メリオダスの策略と究極の一撃「リベンジ・カウンター」
魔人化ヘンドリクセンとの戦いの真のクライマックスは、メリオダスが繰り出した究極のカウンターでした。
敵味方どちらからもダメージを受ける作戦
魔人化したヘンドリクセンを倒すため、メリオダスは自らの魔力を解き、七つの大罪と聖騎士団は、メリオダスをも巻き込んだ攻撃を続けます。
メリオダスは魔力を解いた状態でダメージを受けることで、ダメージを蓄積させていくという、圧倒的な不利な状況に見える戦いでした。
しかし、ネタバレをすると、敵味方どちらからもダメージを受けることもメリオダスの策略だったのです。
瀕死の中で一撃に圧縮する「リベンジ・カウンター」の原理
メリオダスは、受けたダメージを蓄積させ、一撃に圧縮して解放する究極の技「リベンジ・カウンター」を放つことができます。
この技は、瀕死の状況の中で、自身の魔力を最大限に高めることで発動できる最後の一撃でした。
ヘンドリクセンを閉じ込めたグリアモールの機転
瀕死のなかで最後の一撃である「リベンジ・カウンター」をヘンドリクセンに放とうとするメリオダスですが、ヘンドリクセンは逃げようとします。
そんなヘンドリクセンを、聖騎士団の一人であるグリアモールが、自身の能力である「完全な独房(パーフェクト・シェル)」によって閉じ込め、動きを封じます。
聖騎士団グリアモールの「完全な独房(パーフェクト・シェル)」
グリアモールの「完全な独房(パーフェクト・シェル)」は、強靭な魔法の壁で敵を閉じ込める能力です。
このグリアモールの機転によって、ヘンドリクセンは一手遅れてしまいます。
かつての敵が団結した瞬間
魔人化したヘンドリクセンを倒すために、かつて敵だった戦士たちが一丸となって戦っているのです。
このシーンは、聖騎士団と七つの大罪の共闘という、物語の大きな転換点を示す感動的な場面でした。
メリオダスの「リベンジ・カウンター」がヘンドリクセンに炸裂
グリアモールの機転によって逃げ道を失ったヘンドリクセンは、メリオダスの「リベンジ・カウンター」を受け、ついに敗北を喫するのです。
「リベンジ・カウンター」の命名者:ゴウセル
ちなみに、「リベンジ・カウンター」の命名は、ゴウセルによるものです。
ゴウセルは、変幻自在なキャラクターで、ネタバレになりますが魔神ゴウセルの作り出した人形でもあるのです。
聖騎士長ヘンドリクセンの二面性と魔力
敗北したヘンドリクセンですが、彼の持つ能力と、その背景にある彼の性格を考察することで、彼が単なる悪役ではないことが分かります。
ヘンドリクセンの二つの能力「腐食(アシッド)」
魔人化した末に敗北を喫したヘンドリクセンですが、彼の能力は二つあります。
一つは魔力の「腐食(アシッド)」です。
「腐食(アシッド)」が生まれた背景とドルイドとの関係
「腐食(アシッド)」は、元々「森の賢者(ドルイド)」だったヘンドリクセンが、死体が自然ならざる魂に乗り移ることを嫌いすぎるため生まれた能力です。
彼の生真面目さが、皮肉にもこの腐食という負の魔力を生み出しました。
魔人族に効力のある「浄化(パージ)」
もう一つは「浄化(パージ)」です。
「浄化(パージ)」は「森の賢者(ドルイド)」の秘術の一つで、限定的ですが魔人族に効力があります。
敗北後に使用するようになる「浄化(パージ)」と二面性
「浄化(パージ)」は、ネタバレになりますが、ヘンドリクセンがメリオダスとの戦いに敗れた後、生き残った後に使用するようになる魔力です。
この「腐食」と「浄化」という、正反対の能力を持つことは、二面性を持つヘンドリクセンならではの能力であり、彼の複雑な内面を象徴しています。
アニメ「七つの大罪」のラスト:戦の終わりと希望
激しい戦いが終わり、リオネス王国には穏やかな日常が戻ります。
バルトラ王とマーリンによる「大儀」という最大の褒美
戦いが終わったあと、病気の治療をしていたバルトラ王と魔術師マーリンによって、メリオダスと「七つの大罪」のメンバーは、「大儀」という最大の褒美の言葉を受けとります。
彼らの活躍が、リオネス王国に平和をもたらしたのです。
聖騎士団への王国の復興と民の救済の指示
一方、聖騎士団は、バルトラ王によって王国の復興と民の救済の指示を受けます。
聖騎士団は、悪役としての役割を終え、本来の使命へと立ち返ります。
エリザベスが抱える自責の念
エリザベスは、今回「七つの大罪」を探し出し、力を借りることが出来たことのもエリザベスの行動の結果であるとおことをバルトラ王に褒められましたが、彼女は自分が「七つの大罪」の力を借りたことで結果的にホークが犠牲になったことを、自分のせいであると責めていました。
ホークの犠牲に対するゴウゼルの独特な慰め
気落ちをするエリザベスたちを慰めるため、ゴウゼルは「ホークが身を挺して、団長を守ったから、我々はここにいる」ということを独特な言い回しで伝えました。
これは、感情を持たないとされるゴウゼルが、仲間への思いやりを見せた貴重なシーンでした。
怒りをぶつけるバンとマーリンの間を取り持つ役割
ホークの死に怒りをぶつけるバンでしたが、マーリンが間を取り持ちます。
マーリンは、冷静沈着な判断力で、常に物語の円滑な進行に貢献する役割を担っています。
奇跡の復活:ホークの安否
悲しみに暮れる「七つの大罪」たちでしたが、彼らに衝撃的な事実が明かされます。
悲しみに暮れる七つの大罪たち
ホークの死に、メリオダスはもちろん、バンをはじめとする「七つの大罪」のメンバーは、深い悲しみに暮れていました。
予期せぬホークの復活とその理由
しかし、実はホークは復活していたのです。
ホークは自分でも何故生きているのかわかっていませんでしたが、この奇跡は、エリザベスの行動が王国を救ったという事実に、希望の光を添えました。
ホークが小さくなった謎
ホークの師匠によると、小さくなった理由は「謎」だそうです。
このホークの不思議な体質は、ネタバレになりますが、彼の正体が魔神王との関係を持つという、物語の根幹に関わる伏線として、のちの物語で解き明かされていきます。
「七つの大罪」におけるヘンドリクセンの深層心理
ヘンドリクセンの行動は、矛盾が多すぎる点が特徴的です。
ここからは、実際のヘンドリクセンの性格と、彼に憑りついていた魔人フラウドリンがどのように影響を与えていたかを考えることよって、『七つの大罪』の物語の面白さがより見えてきます。
ヘンドリクセンの容貌と基本プロフィール
「七つの大罪」に登場するヘンドリクセンは、リオネス王国の聖騎士長の一人です。
容貌は外見上は中年男性であり、銀の短髪と調えられた顎鬚が生えているのが特徴です。
思慮深い性格と無二の友人ドレファス
ヘンドリクセンの性格は思慮深く、同じ聖騎士長のドレファスは、同じ責務を負った無二の友人です。
彼らは、親友として互いに尊敬し合っていました。
先代聖騎士長ザラトラス殺害の共謀
しかし、ドレファスとヘンドリクセンは共謀して先代の聖騎士長であるザラトラスを殺害しています。
この恐ろしい行動の裏には、ヘンドリクセンを操っていたフラウドリンの存在がありました。
メリオダスへの濡れ衣と圧倒的な強さへの憧れ
また、彼らは「七つの大罪」のメリオダスに濡れ衣を着せるという悪知恵を働かせています。
しかし一方では、ヘンドリクセンは「七つの大罪」のメリオダスたちの持つ圧倒的な強さへの憧れを抱くといったアンビバレンツ(両義性)な性格の持ち主でもあります。
ヘンドリクセンの内面:アンビバレンツ(両義性)の葛藤
ヘンドリクセンの行動の根源には、彼の二つの思想の葛藤がありました。
「平和な世に自分たちは必要なのか」という生真面目さ
ヘンドリクセンの思索癖は、自らの聖騎士長という立場を乗り越えてしまい「平和な世に、自分たちは必要なのか」という疑心暗鬼の念に溺れてしまう生真面目さをも際立たせています。
平和な世界での自分の存在意義を問い続ける、真面目すぎるがゆえの苦悩でした。
「戦と闘争心が国に繁栄をもたらす」という邪悪な強者の思想
一方で、彼の内面には「平和は人々を堕落させる悪しき習慣であり、戦と闘争心が人々を輝かせ国に繁栄をもたらす」といった邪悪さを持ち合わせた強者の思想がありました。
聖騎士長ヘンドリクセンの内面は、この二つの思想の狭間で揺れ動いていたのです。
フラウドリンの洗脳と魔神族復活計画
ヘンドリクセンに邪悪な思想を植え付け、彼の人生を狂わせたのは、魔人フラウドリンによる洗脳でした。
十数年前に植え付けられた邪悪な思想
後者の「平和は人々を堕落させる悪しき習慣~」という思想は、十数年前にダナフォール調査の際にフラウドリンに憑りつかれ、洗脳されたときに植え付けられたものでした。
洗脳によって呼び覚まされた戦いへの強い欲望
洗脳によって、ヘンドリクセンの中にあった戦いに対する強い欲望は呼び覚まされ、古の戦いのときに封印された魔神族の復活を行うまでの暴挙を行わせます。
魔神族の血を受け入れた「新世代の聖騎士」の誕生
さらに、「七つの大罪」に対抗するため、ヘンドリクセンは魔神族の血を受け入れさせた新世代の聖騎士を生み出すことになります。
リオネス王国奪還事件と強さへのねじ曲がった意志
結果的にヘンドリクセンは、リオネス王国奪還と自分の濡れ衣を晴らそうとするメリオダス率いる「七つの大罪」の前に立ちはだかることになります。
この現象だけをみると、聖戦を起こさせたのはヘンドリクセンの持つ強さへの意志がねじ曲がった形で生まれたものと考えられます。
ヘンドリクセンの魔人化の真実
ヘンドリクセンが魔人化したのは、彼自身の強い欲望が原因でもありましたが、その根源にはフラウドリンの策略がありました。
赤色と灰色(アッシュ)の二人の魔人族の血の受容
ヘンドリクセンが魔人化したのは、赤色と灰色(アッシュ)の二人の魔人族の血を受け入れたからです。
メリオダスたちの圧倒的な強さへの憧れが原因
そして魔人族の研究を始めたのは、メリオダス率いる「七つの大罪」の圧倒的な強さに対する強い憧れからでした。
メリオダスたちに出会わなければ魔人化はなかったのか
もしヘンドリクセンがメリオダスたちに出会わなければ、魔人族の血を受け入れることもなく魔人化することもなかったのではないでしょうか。
彼の生真面目さと憧れが、悲劇的な結末へと繋がったと考える読者も多いです。
フラウドリンの正体とダナフォール消滅の悲劇
ヘンドリクセンを操った魔人フラウドリンは、物語の根幹に関わる悲劇の元凶でした。
フラウドリンの正体はドレファスの内面に巣食う魔人
ネタバレになりますが、フラウドリンの正体は、ヘンドリクセンの無二の友人であったドレファスの内面に巣食っている魔人なのです。
漫画「七つの大罪」におけるリオネス王国奪回事件を起こしたのは、フラウドリンが原因とも考えられます。
メリオダスの恋人リズ殺害
さらにネタバレになりますが、魔人フラウドリンは、メリオダスがダナフォール王国で聖騎士長を務めていた時、メリオダスの恋人リズを殺害しています。
唯一心を開ける存在だったリズを殺されたメリオダスは、フラウドリンに対して強い憤怒を覚えてしまいます。
憤怒により能力を解放しダナフォール王国を消滅させたメリオダス
その結果、メリオダスは自分の能力をコントロールできなくなり解放させてしまい、ダナフォール王国を消滅させてしまいます。
メリオダスはこの経験が強いトラウマとなるのです。
フラウドリンによるヘンドリクセンとドレファスの支配
メリオダスの憤怒から生き延びたフラウドリンは、国王の指示で消滅したダナフォール王国の跡地の調査に来ていたヘンドリクセンとドレファスの体を乗っ取ろうとします。
フラウドリンが最初に乗っ取ろうとしたドレファス
フラウドリンが最初に乗っ取ろうとしてのはドレファスの体でしたが、強靭な精神力を持ったドレファスの全てを乗っ取ることはできませんでした。
ドレファスの強靭な精神力とフラウドリンの策略
そこでフラウドリンはドレファスを利用してヘンドリクセンの洗脳を始めるのです。
ヘンドリクセンを殺害することでフラウドリンを殺すこともできましたが、ドレファスはヘンドリクセンを助けるため自分の体を差し出したのです。
ザラトラス殺害の真相と洗脳された二人の聖騎士長
結果としてドレファスとヘンドリクセンの二人は体を乗っ取られたまま、先代聖騎士長のザラトラスを亡き者にすることになりました。
さらに洗脳したヘンドリクセンを使い、魔人族の復活まで始めます。
全てはフラウドリンによる、策略の結果とも言えます。
魔人に人生を操作された悲しき運命
ヘンドリクセンが魔人化したのも、魔人フラウドリンが精神に巣食っていたからだと考えると納得です。
魔人復活の儀式時の精神状態
魔人復活の儀式を行っていた時、既に魔人ヘンドリクセンが精神に巣食っていたのです。
ダナフォール跡地調査の時から十年の年月が経過しており、あたかも登山する人間が高所の空気に慣れるため少しづつ体を慣らすかのようでもあり、また強い毒薬に対抗するため毒を少しづつ服用することで体内に毒の耐性をつけるかのようです。
魔人ヘンドリクセンの精神に巣食うフラウドリン
しかし、魔人族の復活もヘンドリクセンによる意思ではなく、フラウドリンによる洗脳によって、フラウドリン自身が魔人としての力を蓄えていただけでした。
フラウドリンに操られ続ける敗北後の行動
魔人化したヘンドリクセンはメリオダスに敗れた後も、フラウドリンに誘導されるがままに「十戒」を復活させるというように、フラウドリンに操られ続けます。
まとめ
ヘンドリクセンは、魔人に人生を操作される悲しみに満ちた一生をたどった、ある意味で悲運のキャラクターでした。
リオネス王国奪回編が起きたこと自体、フラウドリンによって起きたことになります。
彼の生真面目さと強者への憧れという純粋な感情が、悪意を持った魔人によって利用されてしまったという事実は、読者に深い同情と、物語の複雑な構造を印象づけました。
いかがでしたでしょうか。
今回は、聖騎士長ヘンドリクセンの魔人化について、物語の背景と深層心理を紐解くことで、より明確にヘンドリクセンのキャラクターを考察しました。



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