
『ワンパンマン』の怪人協会編終盤、大怪蟲ムカデ仙人と共に突如として現れた巨大怪人、エビル海洋水。
その圧倒的なスケールと、従来の枠組みを超えた「災害レベル不明」という表記は、多くの読者に衝撃と疑問を抱かせました。
エビル海洋水の災害レベルは結局どのくらいなのか、その正体はエビル天然水の強化体なのか、そしてどのような最期を迎えたのか、気になる点は尽きません。
この記事では、エビル海洋水の公式な災害レベル、その正体や能力、さらには衝撃的な死亡シーンまで、作中の描写や関連情報を基に徹底的に解説し、その驚異的な強さに迫ります。
【結論】エビル海洋水の災害レベルと実質的な強さ
エビル海洋水の強さは、作中最強クラスの怪人がひしめく中でも異質です。
まずは、その公式な評価と、実質的な戦闘能力について解説します。
公式が「不明」と表記した理由と「カミ」の関与
エビル海洋水の災害レベルは、作中において公式に「不明」と表記されています。
これは、Z市ゴーストタウンを丸ごと飲み込むほどの規格外の規模であり、従来の災害レベル「竜」の枠組みでは測定不能だったためと考えられます。
あまりにも巨大で広範囲に影響を及ぼす存在であるため、一つの生命体として災害レベルを定めることが困難だったという見方もあります。
さらに、後述する謎の存在「カミ」が関与している可能性も、この「不明」という評価の一因となっていると考える読者も多いです。
神の力を得た怪人は、従来の基準を超越した存在になるため、分類自体ができないのかもしれません。
元となった災害レベル「竜」のエビル天然水
エビル海洋水の母体とされるエビル天然水の災害レベルは「竜」です。
エビル天然水は液体という特性から物理攻撃がほぼ効かず、高圧の水鉄砲はS級ヒーロー並の実力者であるアマイマスクの体すら貫通するほどの威力を持っていました。
アトミック侍や童帝といったS級ヒーローたちを苦戦させたことからも、災害レベル竜の中でも非常に厄介な存在であったことがわかります。
エビル天然水は、S級ヒーローの超合金クロビカリとは相性が悪く得意の水鉄砲でも傷一つ付けられませんでしたが、その規模と特性がもたらす脅威は本物でした。
考察:実質的な強さは「竜」最上位クラスか
災害レベル「竜」のエビル天然水が、海という膨大な水分を取り込んで進化したのがエビル海洋水です。
その規模と破壊力はエビル天然水の比ではなく、小さな町を吹き飛ばす「海大砲」を放つなど、その強さは計り知れません。
このことから、エビル海洋水の実質的な強さは、災害レベル「竜」の中でも最上位、あるいはそれを超える「竜以上」に匹敵すると考察されます。
サイタマや覚醒したタツマキ、ブラストといった規格外の存在でなければ、S級ヒーローが束になっても対抗は極めて困難だったと考えるのが妥当でしょう。
特に、広大な範囲にダメージを与える攻撃は、従来のヒーローの常識を遥かに超えていました。
エビル海洋水の正体と「カミ」による進化
エビル海洋水の出現は、単なる強敵の登場というだけでなく、物語の根幹に関わる「神」の存在を示唆する重要な展開でした。
その正体と、ムカデ仙人との関係性について考察します。
エビル海洋水とエビル天然水は同一の存在か?
作中では、エビル海洋水がエビル天然水と同一であると明確には語られていません。
しかし、イアイアンが「こいつがもし海を取り込んでしまったら……!?」と危惧していたことや、ガロウに粉砕されたエビル天然水が海に逃げ込んだ可能性など、多くの伏線が張られていました。
エビル天然水は地下水を取り込んで肥大化する性質があったため、海と融合してエビル海洋水へと進化したと見るのが自然な流れです。
また、怪人協会掃討作戦後、弱体化した姿が豚神に捕食された際、それが手のひらサイズのスライム状になったエビル天然水として再登場しています。
この描写から、エビル海洋水はエビル天然水が海と融合し、さらに強化された同一の存在である可能性が極めて高いと考えられます。
謎の存在「カミ」から力を与えられた可能性
エビル海洋水は、大怪蟲ムカデ仙人と共に「神に仇なす忌むべき拳を滅すべく我らは遣わされた」と語っています。
これは、怪人王オロチの力の源でもあり、タツマキにも接触を試みた謎の存在「カミ」から、何らかの力を与えられた、あるいは直接遣わされたことを示唆しています。
ガロウに一度は粉砕されたエビル天然水が、海を取り込んだとはいえ、これほどまでに強大な存在として復活できたのは、「カミ」の介入があったからだと考えるのが自然です。
「カミ」の関与が、エビル海洋水の災害レベルが「竜」から「不明」へ引き上げられた最大の要因であるという見方もあります。
「母なる海の化身」が持つ意味とムカデ仙人との関係性
エビル海洋水は自らを「母なる海の化身」と称し、共に出現した大怪蟲ムカデ仙人は「父なる大地の化身」と名乗りました。
この対になる呼称から、両者は「カミ」によってセットで生み出された、あるいは力を与えられた特別な怪人であることがわかります。
また、無感情なはずのエビル海洋水がムカデ仙人と協力し、会話までできていることから、両者は「カミ」を通して何らかの意志疎通や命令系統を持っていると考えられます。
地球の自然そのものを体現するような二体が、ヒーローたちの前に絶望として立ちはだかったことは、怪人協会編のクライマックスを象徴する展開でした。
エビル海洋水の登場と衝撃的な結末
圧倒的な強さを誇ったエビル海洋水ですが、その登場から退場までは非常に短く、サイタマとの遭遇によって呆気ない結末を迎えることになります。
初登場は漫画155撃目(201話)「神罰」
エビル海洋水がその巨大な姿を現したのは、となりのヤングジャンプで連載されている村田雄介版「ワンパンマン」の155撃目(201話)「神罰」です。
その直前の154撃目(199話)のラストで、海中から巨大な目が覗く伏線が描かれており、読者の期待と不安を煽りました。
ガロウが白金精子を倒した直後という、まさに絶望的なタイミングで大怪蟲ムカデ仙人と共に出現し、ヒーローたちを再び窮地に追い込みます。
ガロウを襲うもサイタマの「マジ殴り」で一瞬で敗北
登場後、エビル海洋水は超特大の水鉄砲「海大砲」でガロウを吹き飛ばすという、災害レベル「不明」にふさわしい活躍を見せます。
しかし、その直後、海の上を駆けるサイタマの必殺マジシリーズ「マジ殴り」が直撃しました。
この一撃はエビル海洋水だけでなく、海そのものを真っ二つに割るほどのすさまじい威力であり、エビル海洋水はなすすべなく木端微塵に吹き飛ばされ、一瞬で敗北してしまいます。
大怪蟲ムカデ仙人が、エビル海洋水が地殻変動により死亡したと勘違いするほど、サイタマの一撃は規格外でした。
マジ殴りでも死ななかった驚異の生命力と核の残存
サイタマの「マジ殴り」によって完全に消滅したかと思われたエビル海洋水ですが、実は核が残り、生き延びていました。
怪人協会との戦いが終わった後、現場に現れた豚神の前に、手のひらサイズのスライム状になったエビル天然水として再登場します。
あれほどの「マジ殴り」を受けても核が残り、再生できるという点は、エビル天然水系統の驚異的な生命力を物語っており、この特性こそが彼らの最大の強みであり、厄介さであると分析できます。
衝撃の結末!最後はS級ヒーロー豚神に捕食され消化される
サイタマの一撃を耐え抜いたものの、大幅に弱体化していたエビル天然水は、最後はS級ヒーローの豚神に丸呑みにされてしまいます。
体内から水鉄砲で抵抗を試みますが、豚神の特殊な消化能力には敵わず、完全に消化されて死亡するという、あまりにも呆気ない結末を迎えました。
あれほどの脅威も、弱った状態ではS級ヒーローの豚神にとっては捕食対象でしかなかったという、ワンパンマンらしいユーモラスかつ衝撃的な結末でした。
エビル海洋水の具体的な強さと能力分析
エビル海洋水が持つ能力と、それがもたらす脅威について、より具体的に解説します。
Z市を丸呑みにする圧倒的なスケールと規模
エビル海洋水の最大の強さは、その圧倒的なスケールです。
Z市のゴーストタウンを丸呑みにしてしまうほどの巨大な海そのものであり、核となる目玉だけでも超原子力空母「ゴッツオッキー」を優に超える大きさを誇ります。
その存在自体が広範囲に及ぶ大災害と言えるでしょう。
多くのヒーローにとって、その巨体そのものが処理できない問題であり、戦闘が広範囲の都市破壊に直結する絶望的な相手でした。
町を吹き飛ばす超特大水鉄砲「海大砲」の威力
エビル海洋水は、体内の海水を圧縮して放つ超特大の水鉄砲「海大砲」を攻撃手段とします。
この一撃は、小さな町であれば一息で吹き飛ぶほどの規模と威力を持ち、強靭な肉体を持つ怪人化ガロウでさえ吹き飛ばされました。
広範囲を薙ぎ払うこの攻撃は、一瞬にして都市を水没させ、多くの犠牲者を生み出す可能性がある、非常に脅威的な攻撃です。
その威力は、エビル天然水が放つ水鉄砲とは比べ物になりません。
物理攻撃が効かない特性と水分量に依存する唯一の弱点
エビル天然水から引き継いだ特性として、液体であるため物理的な攻撃がほとんど効果を成しません。
刀剣や打撃といった通常の攻撃では、その核を破壊するのは不可能に近いでしょう。
しかし、弱点も存在します。
その強さは取り込んだ水分の量に大きく依存するため、サイタマの一撃で大部分を失い弱体化された際は、豚神に消化されてしまいました。
規模が強さに直結する点が、エビル海洋水の強みであり、同時に体内の水分量を失うと急速に弱体化するという弱点でもあるのです。
他の強敵怪人との比較:強さの序列考察
エビル海洋水は「災害レベル不明」ですが、他の規格外の強敵怪人と比較すると、その序列はどの位置に来るのでしょうか。
読者の間で議論される強さの序列について考察します。
共に登場したムカデ仙人とどちらが強いのか?
エビル海洋水と大怪蟲ムカデ仙人は、「カミ」によって遣わされた同格の存在として描かれています。
広範囲の制圧を得意とするエビル海洋水と、圧倒的な物理破壊力を持つムカデ仙人では役割が異なるため、単純な強さの比較は困難です。
ムカデ仙人がガロウと金属バットの連携を相手にしたのに対し、エビル海洋水はサイタマと遭遇したため、その真価を発揮する機会がありませんでした。
どちらも災害レベル「竜」を遥かに超える「竜以上」クラスの実力を持つ、最高幹部クラスの怪人であることは間違いないでしょう。
怪人王オロチやオロチサイコスと戦ったらどうなる?
怪人協会の王オロチや、サイコスと融合したオロチサイコスもまた、「竜」を超える強大な怪人です。
特に「カミ」の力を得たオロチサイコスは、地球の表面を削り取るほどの超能力を放ち、その火力は作中でもトップクラスです。
規模ではエビル海洋水も引けを取りませんが、攻撃の密度や破壊力の質、そして知性を考えると、オロチサイコスの方がやや上回るかもしれません。
しかし、エビル海洋水の液体特性による防御力は厄介であり、長期戦になればオロチサイコスといえども容易には討伐できないと推測されます。
全宇宙の覇者ボロスには及ばない?強さの序列を推測
暗黒盗賊団ダークマターの頭領であるボロスは、作中でサイタマを本気にさせた数少ない強敵であり、災害レベルは「竜以上」とされています。
ボロスは、地球の表面を消し飛ばす「崩星咆哮砲」という切り札を持ち、その攻撃力は惑星規模です。
これと比較すると、エビル海洋水の攻撃力は見劣りするでしょう。
ワンパンマンの世界における強さの序列では、ボロスや宇宙的恐怖モードのガロウといった頂点クラスの怪人には及ばないと考えるのが妥当です。
エビル海洋水は「海そのもの」という点で規格外ですが、ボロスやガロウは「宇宙的な戦闘力」を持っているため、強さの質が異なります。
まとめ
エビル海洋水は、エビル天然水が海を取り込み、さらに「カミ」の力を得て進化したと考えられる、災害レベル「不明」の超巨大怪人でした。
その存在はZ市を丸呑みにするほどの圧倒的な規模であり、実質的な強さは災害レベル竜の中でも最上位クラスと見られます。
しかし、サイタマの「マジ殴り」によって海ごと割られ、一撃で敗北するという、その規格外の強さとは裏腹の呆気ない最期を迎えました。
マジ殴りを受けても核は残り、完全には消滅しなかった驚異的な生命力を持ちながら、最終的には弱体化したところをS級ヒーロー豚神に捕食され死亡するという、ワンパンマンの世界観を象徴する結末となりました。
エビル海洋水は、ムカデ仙人と共に「カミ」の存在を強く示唆し、怪人協会編の物語に大きな爪痕を残した重要な怪人だったと言えるでしょう。
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