【ジョジョの奇妙な冒険】ボストン・テリアの誇り!イギーの犬種、スタンド、そしてヴァニラ・アイス戦の感動的な最期

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【ジョジョの奇妙な冒険】ボストン・テリアの誇り!イギーの犬種、スタンド、そしてヴァニラ・アイス戦の感動的な最期

 

荒木飛呂彦による不朽の名作「ジョジョの奇妙な冒険」は、世代を超えて多くの読者に愛され続けているバトルファンタジー漫画です。

その中でも、特に人気が高いのが第3部「スターダストクルセイダース」で描かれた空条承太郎を始めとする一行の、エジプトへの壮大な旅路です。

そして、この旅の後半から一行に加わり、その独特なキャラクター性で読者の心をつかんだのが、犬のスタンド使いイギーです。

イギーは、ボストン・テリアという可愛らしい犬種でありながら、人間顔負けの知能と誇りを持ち、最終的には自己犠牲という形で仲間との「絆」を証明しました。

この記事では、イギーの魅力の秘密に迫るべく、その犬種やスタンド能力、そして多くの読者の涙を誘った最後の名シーンまで、詳しく掘り下げてご紹介します。

なぜイギーは「ノラの帝王」と呼ばれたのか、そして、なぜ「人間はマヌケな生き物」と見下していたイギーが、最後に命を懸けてポルナレフを助けたのか、その誇り高き生き様を解説していきましょう。

 

【ジョジョの奇妙な冒険】第3部の癒しと誇り!犬のスタンド使いイギーの魅力と壮絶な最期

まずは、イギーの登場する第3部を含む「ジョジョの奇妙な冒険」の概要から解説します。

 

「人間賛歌」の物語:ジョジョの奇妙な冒険の概要

「ジョジョの奇妙な冒険」は、1986年から「週刊少年ジャンプ」で連載を開始し、現在は「ウルトラジャンプ」に移籍して連載が続いている長期連載作品です。

その根幹にあるテーマは「人間賛歌」であり、過酷な運命に立ち向かう人々の絆や勇気、そして誇りを描いたバトルファンタジーです。

この物語は、ジョナサン・ジョースターから始まるジョースター一族の血統が、時代や場所を変えながら、邪悪な存在と戦い続けるという壮大な構成になっています。

 

長きにわたる連載の歴史とジョースター家の冒険

物語は現在、第1部から第9部まで分かれており、各部で主人公と舞台が異なりますが、すべてジョースター一族の血の繋がりを軸に展開しています。

第1部「ファントムブラッド」では、主人公ジョナサンが、石仮面の力で吸血鬼となったディオと戦う物語が描かれています。

ジョナサンは、ディオを倒すために特殊な呼吸法から生み出す太陽エネルギー「波紋」を習得し、最後の闘いでディオと心中を決意しますが、ディオはジョナサンの肉体を乗っ取り、第3部で「DIO」として復活します。

第3部「スターダストクルセイダース」は、このDIOを倒すため、ジョナサンの血を引く空条承太郎とその仲間たちがエジプトを目指す物語です。

 

「波紋」と「スタンド」:ジョジョの奇妙な冒険の能力解説

ジョジョの奇妙な冒険を語る上で欠かせないのが、登場人物が使う特殊能力です。

物語初期の第1部と第2部では、吸血鬼を撃破するために人間が編み出した技法である太陽エネルギー「波紋」が主要な力として使われていました。

波紋は、特殊な呼吸法によって体内に太陽エネルギーを生み出す技法で、生命力を向上させ、負傷した肉体を治癒することも可能です。

しかし、第3部からは、この波紋が具現化したような「スタンド」が登場し、主要な能力となります。

スタンドは、人間の生命エネルギーと精神エネルギーが融合し、具現化した「超能力」のようなものです。

スタンドには、「スタンド使いにしか見えない」「スタンドが傷つくとマスター(本体)も傷つく」「スタンドはマスターの指示にしか従わない」といったルールがあり、この設定がバトルに独自の緊張感をもたらしています。

 

第3部主人公「空条承太郎」のスタンドと旅立ち

第3部の主人公である空条承太郎は、第2部の主人公ジョセフ・ジョースターの孫にあたります。

DIOの復活に伴い、ジョースター家の血統に流れる者たちが次々とスタンド能力に目覚め、承太郎もその一人となりました。

承太郎のスタンドは「スタープラチナ」で、「最強」と謳われるほどのパワーとスピード、精密動作性を持ち、後にDIOの「ザ・ワールド」と同じく「時間を止める」能力に目覚めます。

承太郎は、DIOの復活によって体調を崩した母ホリィを救うため、祖父ジョセフや、仲間のモハメド・アブドゥル、花京院典明、ジャン=ピエール・ポルナレフと共に、DIOの潜むエジプトを目指す過酷な旅に出るのです。

 

誇り高きノラの帝王!犬のスタンド使いイギーを徹底解剖

この第3部「スターダストクルセイダース」の物語中盤、エジプトに上陸してから承太郎一行に合流したのが、犬のスタンド使いイギーです。

一見するとただの小型犬ですが、その内面は人間の数倍も賢く、一筋縄ではいかないキャラクターとして描かれています。

 

イギーの犬種は「ボストン・テリア」:その特徴と知能の高さ

イギーの犬種は、ボストン・テリアというアメリカ原産種の小型犬です。

ボストン・テリアは、アメリカで最も古い歴史を持つ犬種の一つとして知られており、その起源が明確に記されている珍しい純血種です。

イギーも由緒正しき血統書付きで生まれましたが、その高い知能ゆえに「人間はマヌケな生き物」と見下し、家出を決行します。

家出したイギーは、ニューヨークの裏社会で頭角を現し、「ノラの帝王」として君臨しました。

スピードワゴン財団によって、DIOとの決戦を前に承太郎一行の「助っ人」としてエジプトへ送られてきたのです。

戦闘時にもその賢さを活かし、承太郎やDIOといった人間の言葉を理解するだけでなく、状況を分析して行動できるため、犬種の中では間違いなく「最強」と呼ぶにふさわしい存在感を放っていました。

 

人間を「マヌケ」と認識したイギーの家出と参戦経緯

イギーが家出を決意した背景には、自身の知能の高さと、人間社会への嫌悪感があります。

彼は、自分の美しく高貴な顔立ちを弄んだり、「可愛い」という理由だけで甘やかす人間を嫌い、自由を求めてノラ犬となりました。

ジョースター一行への参加も、正義感や友情といった感情からではなく、スピードワゴン財団から「美味しい食べ物」と「快適な寝床」という金銭的な(?)報酬で釣られた結果でした。

当初は仲間たちとも協調性がなく、特にポルナレフとは犬猿の仲で、彼の髪を「ガム」と間違えて噛むなど、コミカルな衝突を繰り返していました。

しかし、物語が進むにつれて、「犬好きの子供は見殺しにはできねーぜ!」と口にするなど、彼の中に秘められた正義感や、仲間を助けようとする誇り高い精神が徐々に現れてきます。

この「人間嫌いのノラ犬が、過酷な旅を通して仲間との絆に目覚める」という変化こそが、イギーというキャラクターが読者に愛される理由の一つと考える読者も多いです。

 

イギーのスタンド「愚者(ザ・フール)」の能力と欠点

イギーのスタンドは「愚者(ザ・フール)」で、タロットカードの「THE FOOL(愚者)」に由来し、天才や自由を暗示する名前が付けられています。

ザ・フールのヴィジョンは、ボストン・テリアであるイギー本体を模したような犬の形で、インディアンのような羽飾りを付けた姿をしています。

その能力は、「砂を操る」というもので、砂漠のエジプトでは非常に強力な能力となりました。

イギーは、周囲の砂を集めてスタンドを具現化させ、自身をザ・フールの中に隠してイギーに擬態させたり、砂のシェルターを作り出して身を護ったりと、防御・奇襲・移動に活用します。

特に防御面では優秀で、砂の中に隠れて身を守る戦法は、DIOの部下であるンドゥールの「ゲブ神」とも互角以上の戦いを展開しました。

しかし、ザ・フールは俊敏な動きができないという欠点があり、精密な操作を伴う攻撃やスピード戦には不向きでした。

この「最強の防御」を持つスタンド能力が、イギーを「ノラの帝王」として君臨させた大きな要因と言えるでしょう。

 

命を懸けた友情:イギーの壮絶な戦いと感動の最期

イギーは当初、「自分の身の安全と自由」を最優先していましたが、旅の中で仲間との「絆」を感じ、最終的には自己の命を犠牲にして仲間を救うという、真の「人間賛歌」を体現する結末を迎えました。

 

ヴァニラ・アイスとの死闘:イギーとポルナレフの絆

イギーの最期の舞台となったのは、DIOの右腕であるヴァニラ・アイスとの戦いです。

ヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」は、すべてを異空間に飲み込み消滅させるという凶悪な能力を持ち、承太郎一行を次々と追い詰めます。

この戦いの中で、イギーはヴァニラ・アイスの猛攻に晒され、すでに瀕死の状態でした。

イギーとポルナレフは、道中では犬猿の仲でしたが、共に死線を潜り抜ける中で、お互いを信頼し合う「友情」のようなものが芽生えていました。

ヴァニラ・アイス戦の直前、ポルナレフはイギーに「助け合いはなしだ」と告げていましたが、これは「お互い一人でも戦えると信頼しているからこそ」の発言であり、その信頼はヴァニラ・アイスの攻撃によって裏付けられます。

 

「犬好きの子供は見殺しにはできねーぜ!」:イギーの名言と覚悟

イギーがヴァニラ・アイスを相手に命を懸けたのは、すでに瀕死の状態で動けなくなっていたポルナレフが、クリームの攻撃によって死の危機に瀕していたときでした。

ポルナレフの忠告を聞かず、「もうスタンドを出す力も残っていなかった」イギーは、ヴァニラ・アイスが最後に姿を現した一瞬の隙を狙います。

イギーは最後の力を振り絞り、自分の砂のスタンドでポルナレフを上に押し上げ、クリームの攻撃から救い出しました。

この時のイギーの心の中のセリフが、「やれやれ…犬好きの子供は見殺しには……できねーぜ!」です。

これは、かつて見ず知らずの犬好きの少年を助けた際に口にしたセリフであり、「人間のマヌケさ」を嫌悪していたイギーが、最終的に「人間」のために命を懸けたという感動的な覚悟を示しています。

ポルナレフの命を救った直後、イギーは力尽きてしまいますが、その死はポルナレフの心に「決して忘れられない絆」として深く刻み込まれました。

このシーンは、第3部の名シーンとして必ず挙げられるものであり、「誇り高きノラの帝王」のイギーらしい最期であったと、多くの読者が賛辞を送っています。

 

イギーを支えた仲間たち:アブドゥルとポルナレフとの関係性

イギーが命を懸けて守ったポルナレフ、そしてイギーとポルナレフを助けたアブドゥルは、イギーの人生において最も関わりの深い人物となりました。

 

アブドゥルの自己犠牲:イギーとポルナレフを守った名シーン

ヴァニラ・アイス戦で、イギーとポルナレフを最初に守ったのは、モハメド・アブドゥルでした。

アブドゥルは、元々占い師でしたが、DIOに肉の芽を植え付けられそうになった経験から、ジョースター一行に加わった知的な戦略家です。

ヴァニラ・アイスの「目に見えない攻撃」を感じ取ったアブドゥルは、とっさにイギーとポルナレフを押し飛ばし、自分の身を犠牲にしてヴァニラ・アイスの異空間へ飲み込まれ消滅してしまいました。

アブドゥルは、ジョジョ一行の中でヴァニラ・アイスの最初の犠牲者となってしまいますが、「自分の命より仲間たちの命を優先した」その行動は、まさに「人間賛歌」を体現するかっこいい最後でした。

イギーとポルナレフがヴァニラ・アイスに勝利できたのは、このアブドゥルの自己犠牲があってこそであり、アブドゥル、イギー、ポルナレフの3人の絆が、この戦いを勝利へと導いたと言えるでしょう。

 

イギーの親友:ポルナレフとの友情の形

イギーとジャン=ピエール・ポルナレフは、当初は犬猿の仲として描かれていました。

ポルナレフは、そのお調子者な性格から、イギーに何度もいたずらされ、特に髪の毛をガムと間違えられたことは、読者にとっても印象的なコミカルシーンの一つです。

しかし、過酷な旅路と死闘を共にするにつれ、お互いを「親友」とまではいかなくとも、「お互い信頼し合える大切な仲間」として認識するようになります。

ポルナレフは、イギーの死後、その魂を空中で感じ取り、涙ながらに感謝の言葉を口にしました。

イギーとポルナレフは、異なる種族でありながら、「信頼」という名の絆で結ばれ、その関係性は第3部の「友情」を語る上で欠かせない要素となっています。

 

イギーは第3部の主要キャラ:物語におけるその存在意義

イギーは、承太郎やポルナレフのように常に目立つ行動をとっていたわけではありませんが、その存在なくして第3部のDIOとの決戦は語れないほど、重要な役割を果たしました。

DIOの館にたどり着くまでのナビゲーターとしての役割や、館に潜む最後の敵の一人であるペット・ショップとの戦いなど、イギーの知能とスタンド能力がなければ、承太郎一行は道中で全滅していた可能性が高いです。

特に、ペット・ショップとの戦いでは、「ザ・フール」の能力を最大限に活かした頭脳的な戦闘を展開し、片足と鼻を失いながらも勝利を収めるという、壮絶な戦いぶりを見せました。

また、イギーの存在は、承太郎一行のシリアスな旅路の中で、「癒し」と「ユーモア」をもたらす貴重な役割も担っていました。

イギーの死は、読者にとって大きな悲しみを与えましたが、その死によってポルナレフがヴァニラ・アイスを撃破できたという事実は、イギーの存在が第3部の主要キャラクターとして、物語の結末にまで影響を与えたことを証明しています。

イギーは、「ピンチだからこそ、前にもう一歩踏み出す勇気と覚悟が必要」という、ジョジョの根底にあるテーマを、犬という視点から体現して見せた、誇り高きキャラクターであったと言えるでしょう。

 

まとめ

「ジョジョの奇妙な冒険」第3部「スターダストクルセイダース」に登場する犬のスタンド使いイギーは、そのボストン・テリアという可愛らしい外見とは裏腹に、人間顔負けの知能と「ノラの帝王」としての誇りを持った、異色の主要キャラクターでした。

「人間はマヌケ」と嘯き、自分の安全を第一に考えていたイギーが、旅の中でアブドゥルやポルナレフといった仲間と出会い、最終的には自己犠牲という形で彼らを救うという真の「人間賛歌」を体現しました。

彼のスタンド「愚者(ザ・フール)」は、砂を操る強力な能力で一行を何度も救い、ヴァニラ・アイスとの最後の戦いでは、ポルナレフの心に「決して忘れられない絆」を残して力尽きました。

イギーの生き様は、「犬といっても侮れない」、いや、「犬だからこそ」強い誇りと優しさを持っていたことを、私たち読者に再認識させてくれるものでした。

多くの読者が、イギーのコミカルな言動と壮絶な最期のギャップに心を打たれ、今なおイギーを「最強の犬」、そして「誇り高き仲間」として記憶し続けているのです。

 

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