クローバー王国の魔法騎士団団長の中で、最年少にして異彩を放つのがリル・ボワモルティエです。
水色の幻鹿団の団長を務めるリルは、無邪気な少年の外見からは想像もできない「絵画魔法」という万能な能力を持ち、物語の節目で圧倒的な実力を見せつけてきました。
登場した当初は団長たちのムードメーカー的存在として描かれていましたが、ロイヤルナイツ試験やエルフの転生といった激戦を通じて、その底知れぬポテンシャルが明らかになります。
絵を描くことをこよなく愛するリルですが、その根底には幼少期に魔力の暴走から救ってくれた執事ヴァルターへの深い感謝があります。
さらに、エルフとの戦いの最中に出会ったチャーミーの大人の姿に一方的な恋心を抱くなど、その人間的な魅力も尽きません。
本記事では、リル・ボワモルティエの規格外の強さと絵画魔法の詳細、精神的な支柱であるヴァルターとの感動的な関係、そして恋の行方を含めた全貌を掘り下げて解説します。
【ブラッククローバー】最年少団長リル・ボワモルティエの全貌
リル・ボワモルティエのプロフィールと人物像
リル・ボワモルティエは、クローバー王国の魔法騎士団の中で最年少の団長です。
| 本名 | リル・ボワモルティエ |
| 年齢 | 19歳 |
| 身長 | 165cm |
| 等級 | 大魔法騎士 |
| 魔法属性 | 絵画 |
| 所属 | 水色の幻鹿団長 |
| 出身地 | 不明（かなり裕福な貴族と見られる） |
| 誕生日 | 3月16日 |
| 血液型 | AB型 |
| 好きなもの | 絵を描くこと、じいやが淹れるお茶とワッフル |
| CV | 花江夏樹 |
外見は絵筆のように髪を逆立たせた、無邪気で純真な少年の姿をしています。
性格はフランクで気さく、年齢が近いアスタとも初対面ながら意気投合し、友好的に接していました。
団長会議など緊迫した場面でも、モノマネをして場を和ませようとするムードメーカー的な存在ですが、団長たちからの受けはイマイチで、ヤミのモノマネをした際は本人から激怒されるなど、少し間抜けな様子も描かれています。
純粋で裏のない性格と、高い才能を持つギャップが、リルの大きな魅力と言えるでしょう。
「水色の幻鹿」団長としての立場と役割
リルが団長を務める水色の幻鹿団は、クローバー王国の九つの魔法騎士団の一つです。
最年少で団長に上り詰めたリルは、その実力と潜在能力の高さから、騎士団を率いるにふさわしい人物とされています。
しかし、ロイヤルナイツ試験の開催時には、水色の幻鹿団の星の取得数が最下位になっていたことにショックを受け、自ら「謎の魔導士X」として試験に参加を決意するなど、団の評価を気にする一面も見せています。
団長たちの中では最年少であるがゆえに、クセの強い団長たちに揉まれながらも、その天真爛漫さで場を和ませる役割を担っています。
後半の物語では、その万能の魔法を生かし、仲間の援護役として活躍する場面が増えていき、「水色の幻鹿」団長としての役割も変化しています。
団長最年少！天才リル・ボワモルティエの強さと「絵画魔法」
リルの強さの根源は、彼が操る魔法属性の「絵画」にあります。
この魔法は、その万能性ゆえに、他の団長たちの単一の属性魔法を凌駕する可能性を秘めています。
属性の縛りがない万能の「絵画魔法」
絵画魔法は、魔力を絵に変えて操る能力であり、筆で描いた絵を魔法として具現化するという特性を持ちます。
この特性により、リルは炎、氷、雷、水、毒など、様々な属性の魔法を再現することができます。
つまり、「属性という縛りが存在しない」という最強の強みがあり、相手の弱点属性を突く複合魔法や、精霊魔法に匹敵するほどの威力を誇る巨大な生物を具現化することも可能です。
描くものが奇妙な生物であることが多いものの、その発想力と具現化能力はアスタやユノとはまた別の意味での「天才」と言えるでしょう。
リルの強さを証明した魔法の数々
リルの絵画魔法は、単なる攻撃や防御に留まらず、多岐にわたる応用力を見せています。
「レストリクシオンの泉」は、魔法の筆で描いた泉に相手を引きずり込み、団長クラスをも容易に捕らえる強力な拘束魔法です。
「炎と氷の双嵐（ドュータンペット）」は、炎と氷という相反する属性を同時に発動する複合魔法であり、相手の魔法発動の後に繰り出すことで弱点属性を突くなど、戦術的な応用も可能です。
「四ツ頸のリンドヴルム」は、火・水・雷・毒の四つの属性を放つ大蛇を出現させ、「幻竜ヴィーヴルの叫び」は巨大なドラゴンが口からレーザーを放つなど、その具現化する魔法は圧巻です。
さらに、ゾラの罠魔法にインスパイアされて作られたとされる「神の戯れ」は、雷を操る神のような男性を出現させるなど、リルの尽きない創作意欲を示しています。
後半には、「黄昏のヴァルハラ」という戦乙女舞う宮殿を出現させ、仲間の魔力を上げ、数分間の無敵状態にするという援護魔法も披露しています。
ロイヤルナイツ試験で見せた圧倒的実力と敗北
リルがその圧倒的な強さを初めて本格的に披露したのが、「魔晶石破壊バトルトーナメント」と称されたロイヤルナイツ試験です。
謎の魔導士Xとして参加したリルは、異なる騎士団のメンバー3人でチームを組み魔晶石の破壊を競うこのトーナメントで、圧倒的な力で勝ち進みました。
その戦闘シーンは、リルの万能の絵画魔法がいかに強力であるかを読者に強く印象付けました。
しかし、決勝でユノと対戦した際、リルは戦いに熱中するあまり、自分の魔力で誤って自陣の魔晶石を破壊してしまい、まさかの敗北を喫しています。
この敗北は、リルの実力が不足していたからではなく、「本人のやる気がないと強さが出ないタイプか」という読者の感想にもあるように、彼の天真爛漫さと、芸術家的な気質がもたらした結果と言えるでしょう。
このエピソードは、リルがアスタやユノとは別の意味で「天才」であり、その才能が必ずしも騎士としての規範に収まらないことを示しています。
リル・ボワモルティエの過去と執事ヴァルターとの関係
リルの無邪気さの裏には、彼の人生を決定づけた幼少期の出来事と、執事ヴァルターの深い愛情が存在します。
暴走する魔力：ヴァルターに救われた過去
リルは魔導書を手にした当初、創作意欲の赴くままに絵を描き続け、その強力な魔力を暴走させていました。
魔力を制御できずに周囲に被害を及ぼしたリルは、家族からさえ「人の理解を越えた怪物」と呼ばれ、心を閉ざしてしまいます。
誰もリルの魔法を止めることができない中、付き人であった執事ヴァルターは、リルの暴走した魔法により傷を負いながらも、リルに平手打ちをします。
この行為は、「自分を理解してもらうためには相手のことを理解しましょう」というヴァルターの諭しと共に、リルに「他人の痛み」を初めて教え、心を開かせる契機となりました。
ヴァルターの愛とユニークな教育法がなければ、リルは孤独な怪物として荒れてしまい、白夜の魔眼に協力していた可能性も考えられるという見方もあります。
魔法騎士団入団の動機：ヴァルターに最高の絵を見せるため
他人の痛みを知ったリルは、ヴァルターに諭され、魔法を思いっきり振るえる「キャンバス」として魔法騎士団への入団を決意します。
リルの行動の根底には、「今はじいやに…一番に最高の一枚を見てもらいたい…じいやが僕を人間にしてくれたから!!」という、ヴァルターへの強い感謝と尊敬の念があります。
その結果、リルは周囲の魔導士たちに創作意欲を刺激され、努力を重ねて最年少団長にまで上り詰めたのです。
ヴァルターはリルにとって、単なる執事ではなく、才能を開花させ、人間として成長させた精神的な師であり、父親のような存在と言えるでしょう。
エルフ化（リラ）とチャーミーとの戦闘
白夜の魔眼の転生魔法により、リルは一時的にアスタたちの敵として立ちはだかります。
転生魔法によるエルフ「リラ」への意識乗っ取り
リルは転生魔法の発動により、エルフの一人「リラ」に意識を乗っ取られ、ライアに加勢する形でメレオレオナやアスタたちと対峙しました。
エルフに転生されたリルは、膨大な魔力を得てさらに強さを増し、アスタとミモザを完全に圧倒し、「デタラメな強さ」と読者に絶望を感じさせました。
しかし、転生したリラは元々「落書魔法」の使い手であり、「絵画魔法」を「僕の昔の落書魔法より色々描ける」と評していたことから、他のエルフ転生者とは異なり、リルの魔法を十全に使いこなせていなかったという見方もできます。
もしリルがエルフ化しても意識を保っていたら、その魔力と万能の魔法で、さらに手がつけられない最強の敵になっていた可能性は高いと考えられます。
チャーミーの覚醒：ドワーフ形態と「食魔法」による撃破
リラの圧倒的な強さの前に、アスタとミモザが手も足も出ない状況を打開したのは、黒の暴牛団のチャーミーでした。
絵がうまく描けず苛立っていたリラに対し、チャーミーはご飯を与えようと好意を見せますが、ご飯を粗末にされたチャーミーは激怒し、戦闘に突入します。
リラの攻撃で意識を失ったチャーミーは、その後、羊の顔に亀裂が入り、羊の中から狼が現れるという変化を起こします。
これにより、チャーミーがドワーフと人間の混血であることが判明し、ドワーフ形態に覚醒したチャーミーは、「食魔法 大喰らいの晩餐会」でリラが具現化した怪物を全て食べ尽くしました。
魔法を食い尽くされ、パワーアップしたチャーミーの「ただのパンチ」によってリラは吹き飛ばされ、リルの意識は救出されました。
この戦闘は、万能の絵画魔法が持つ「具現化されたもの」を食べるという食魔法との相性の悪さ、そしてチャーミーの覚醒した強さを印象付ける名シーンとなりました。
リルの恋心：チャーミー（大人ver.）への一方的な片思い
エルフ化から救ってくれたチャーミーに、リルは一目惚れしてしまいます。
この恋心が、リルのその後の行動を大きく左右します。
自分を救ってくれた女性に相応しい男になろうと、ハート王国での精霊守による修行に自らを推薦し、より一層修行に励むこととなるのです。
しかし、リルは憧れの女性が普段のチンチクリンのチャーミーであることを全く知らず、アスタが指摘しても信じようとしません。
せっかくチャーミーがドワーフ形態に変身した時に限ってリルがその場に居合わせていないなど、ヤミとシャーロット以上に前途多難な恋模様が描かれており、読者の間では「この恋の行方が楽しみ」という声が多いです。
団長限定のクリスタル争奪チーム戦に参加を拒否したのも、この恋心が引っかかったためとされています。
リル・ボワモルティエを演じた声優：花江夏樹
リル・ボワモルティエの個性豊かなキャラクターを作り上げたのは、人気声優の花江夏樹です。
声優・花江夏樹のプロフィールと出演作品
| 名前 | 花江夏樹（はなえなつき） |
| 生年月日 | 1991年6月26日 |
| 出生地 | 神奈川県 |
| 所属事務所 | アクロス エンタテインメント |
| 声優デビュー | 2011年（アニメ『ゴールデン☆キッズ』俊太役） |
| 主な出演作品 | 『東京喰種トーキョーグール』（金木研 役）、『四月は君の嘘』（有馬公生 役）、『凪のあすから』（先島光 役）など |
花江夏樹は、歌を仕事にしたいと考えていた時にアニメを観て声優を志し、養成所に通わずに現在の事務所のオーディションに合格したという異色の経歴の持ち主です。
2014年に『東京喰種トーキョーグール』の金木研役などを演じて大ブレイクし、現在も多くの人気作品で主人公やメインキャラクターを担当する、今最も熱い声優の一人です。
リル役で見せた無邪気さとハイレベルな演技
花江夏樹は、リルの無邪気でコミカルな部分と、戦闘の際に見せる天才ゆえのハイテンションさをハイレベルに演じ分けています。
特に、団長会議でのモノマネや、チャーミーに対する恋心を表現するコミカルな演技は、リルのキャラクターの魅力を存分に引き出しています。
シリアスな役からコミカルな役までこなす花江の演技力が、リルという複雑な側面を持つ天才少年団長に生命を吹き込んだと言えるでしょう。
まとめ
リル・ボワモルティエは、最年少ながら水色の幻鹿団の団長を務める天才魔導士です。
属性の縛りを超えた「絵画魔法」という万能の能力を持ち、ロイヤルナイツ試験やエルフとの戦いで圧倒的な実力を証明しました。
彼の天真爛漫な性格は、幼い頃に魔力の暴走から救ってくれた執事ヴァルターの深い愛情に裏打ちされており、ヴァルターへの感謝がリルの原動力となっています。
エルフ化の際に覚醒したチャーミーに恋をして修行に励むなど、今後のリルの成長と恋の行方から目が離せません。
リルは、その万能の魔法で、物語の後半では仲間の力を引き出す援護役としての重要性を増しており、アスタたちと共にクローバー王国を守る上で不可欠な存在と言えるでしょう。
以下の関連記事も是非ご覧ください！
コメント