
クローバー王国の魔法騎士団の頂点に立つ「金色の夜明け団」を率いるウィリアム・ヴァンジャンス。
次期魔法帝の最有力候補と目され、その実力と高潔な振る舞いで騎士団からの信頼も厚い人物です。
しかし、物語の序盤から彼には常に、王国の平和を脅かす巨大なテロ組織「白夜の魔眼」の「黒幕」ではないかという疑惑がつきまとっていました。
その疑惑は、彼の正体が「白夜の魔眼」の頭首リヒトと同一の肉体を共有するパトリであると判明した際に、現実となって読者に大きな衝撃を与えます。
本記事では、高潔な団長としての顔と、裏切り者としての側面を持つウィリアムの正体に迫ります。
出生の秘密や顔の痣がもたらした悲劇の過去、恩人ユリウスと友人パトリとの間で揺れ動いた葛藤、そして彼の強力な「世界樹魔法」の詳細、さらには声優の魅力までを徹底的に掘り下げて解説します。
【ブラッククローバー】トップの地位と裏腹の「黒幕」の正体!ウィリアム・ヴァンジャンスの過去・魔法・パトリとの関係を徹底考察
ウィリアム・ヴァンジャンスのプロフィールと人物像
ウィリアム・ヴァンジャンスは、クローバー王国の魔法騎士団の中でも最強と名高い「金色の夜明け団」の団長を務める人物です。
常に仮面を着用しているため、その素顔は長らく謎に包まれていました。
| 年齢 | 26歳 |
| 身長 | 172cm |
| 等級 | 大魔法騎士 |
| 魔法属性 | 世界樹魔法 |
| 所属 | 金色の夜明け団長 |
| 好きなもの | (記載なし) |
| CV | 小野大輔 |
ウィリアムは、騎士団からの評価が非常に高く、その実力は魔法帝ユリウスも認めるほどで、次期魔法帝の最有力候補とされていました。
その統率力と高潔な人格は、団員たちからも絶大な信頼を集めており、団を最強の座に導いた功績は疑いようがありません。
しかし、物語を知る読者は、彼の高潔さの裏に隠された悲劇と深い葛藤を知っています。
彼の矛盾した行動の全ては、彼の壮絶な過去と、肉体を共有するパトリという存在に起因しているのです。
ブラッククローバーのウィリアムの正体は?黒幕説も紹介
ウィリアムの正体に関する疑惑は、物語を通じて最も重要な謎の一つでした。
その全貌は、彼の出生の秘密と、エルフの魂パトリとの共存に辿り着きます。
正体①仮面をつけている理由:生まれつきの痣と悲惨な過去
ウィリアムが長年仮面をつけていた理由は、当初ヤミから「正体を隠すため」と疑われていましたが、実際は全く異なりました。
彼が仮面で隠していたのは、生まれつき顔の右半分にあった大きな「痣」です。
彼は貴族の隠し子として生まれ、その出生の経緯と、魔法でも治せない痣のせいで、周囲から「呪われた子供」として気味悪がられ、壮絶な虐待を受けて育ちました。
貴族の養子として迎え入れられた後も、周囲からの冷たい仕打ちは続き、ウィリアムの心は深く傷ついていました。
そんなウィリアムを救い、魔法騎士団にスカウトしたのが当時一団員だったユリウスです。
ユリウスから手作りの仮面を贈られたウィリアムは、初めて自分を受け入れてくれた恩人に深い忠誠心を誓います。
彼にとって仮面は、過去の傷を隠すためであり、同時にユリウスからの救済の象徴でもあったのです。
正体②肉体を共有するエルフ「パトリ」の存在
ウィリアムの正体を語る上で避けて通れないのは、彼の肉体に転生していたエルフの魂、パトリの存在です。
パトリは、かつて人間に裏切られて滅ぼされたエルフの中で、長リヒトを最も尊敬していた少年でした。
約500年前の悲劇の後、パトリの魂はウィリアムの肉体に転生し、16歳の時に覚醒します。
これによりウィリアムは、一つの体に二つの魂が共存する二重人格のような状態となりました。
パトリが表に出てくる時は、ウィリアムの顔の痣が消えてエルフの長リヒトにそっくりな顔となり、自ら「リヒト」と名乗って「白夜の魔眼」を率いていました。
つまり、王国を襲ったテロ組織の「頭首」は、金色の夜明け団の団長ウィリアムと肉体を共有するパトリであったというのが真実です。
正体③友人と恩人を裏切れなかった葛藤
長年にわたる共存の中で、ウィリアムとパトリは、立場や種族を超えた「友人」となっていました。
パトリの目的は、エルフの悲願である復讐と転生の完成であり、ウィリアムの恩人であるユリウスを殺害することを含むものでした。
ウィリアムは、自分を救ってくれたユリウスを裏切ることも、唯一心を通わせた友人パトリの願いを妨げることもできず、深い葛藤に苦しみます。
この矛盾した思いから、ウィリアムはパトリに協力しながらも、金色の夜明け団の団長としての職務は真っ当するという行動を取らざるを得なかったのです。
エルフ編の終盤、ウィリアムはどちらにつくかを決めることができず、最終的にパトリに体を明け渡してユリウスと戦わせ、その後の展開を二人に託すという苦渋の決断を下しました。
この「何も選べない」という優しさが、結果として「王国を裏切った黒幕」という重い罪をウィリアムに負わせることになります。
正体④エルフ転生の完成と「覚めない眠り」
ウィリアムの体を借りたパトリは、ユリウスとの激闘に勝利し、魔石を全て集めることでエルフの転生を完成させました。
この結果、ウィリアムは精神を表に出すことができなくなり、パトリに体を貸したまま長い眠りにつくこととなります。
ユリウスは死を迎えたと思いきや、長年溜めてきた時間魔法を利用して若返り、復活を果たします。
エルフ編の結末では、パトリの魂は本物のリヒトの体に呼び戻され、ウィリアムとパトリは肉体から解放されました。
ウィリアムは王国に膨大な被害をもたらした黒幕であるにもかかわらず、復活したユリウスの寛大な懐の深さにより罪を赦され、金色の夜明け団の団長の座に留まることを許されます。
これは、ウィリアムが根源的に邪悪な人物ではなく、二つの魂の間で苦しんだことをユリウスが理解していたからに他なりません。
正体⑤黒幕説を補強した「ヴァンジャンス」の名前と怪しい行動
ウィリアムが黒幕であると判明する以前から、読者の間では様々な黒幕説が考察されていました。
最も象徴的な考察の一つが、彼の姓「ヴァンジャンス」です。
「ヴァンジャンス」はフランス語で「復讐」を意味し、「白夜の魔眼」の目的がエルフの復讐であることと共通していました。
「闇魔法」を使うヤミ・スケヒロのように、名前が魔法属性や役割と一致するキャラクターが多いため、この姓が強烈な疑惑を生んだのです。
さらに、本編で見られた彼の不可解な行動も黒幕説を補強しました。
通常は出席するはずの先行叙勲式にウィリアムが欠席していたことや、「金色の夜明け団」の団員が団長は「忙しい身」としか説明しなかったことは、彼が裏で「白夜の魔眼」の活動に関与しているのではないかと疑念を抱かせました。
ヤミが団長たちに向かって「光魔法なんて使わないもんな?」と意味深なセリフを投げかけた場面も、読者にウィリアムへの疑念を抱かせる決定打の一つとなりました。
これらの伏線と考察が、正体判明時の衝撃をより大きくしたと言えるでしょう。
ブラッククローバーのウィリアムの魔法や強さ
ウィリアムの実力は、魔法帝ユリウスが認めるほどのものであり、最強の魔法騎士団を率いる団長としての格を持っています。
彼が操る「世界樹魔法」は、広大な範囲を覆う圧倒的なスケールの魔法です。
世界樹魔法の圧倒的スケール:ミスティルテインの大樹
ウィリアムが使用する「世界樹魔法」は、巨大な樹木を創生して操る魔法です。
初めて披露された「魔樹降臨」は、空に巨大な根を出現させる魔法で、魔法騎士団の採用試験では根から箒を作り出すなど、応用範囲の広さを見せました。
その最大の魔法と言えるのが「世界樹魔法 ミスティルテインの大樹」です。
この魔法は、街中に巨大な根を張り巡らせることで、他人から魔力を奪い、吸収する技です。
ダイヤモンド王国に襲撃された際に使用されたこの魔法は、広大な範囲の敵の魔力を吸収して戦線を維持するなど、戦闘での圧倒的な優位性を確立します。
世界樹魔法の根は、ウィリアムの意思に従い、防御から拘束、そして攻撃に至るまで、様々な形で戦況を左右することが可能です。
彼の真の強さは、その魔法の持つ圧倒的な魔力量と、広範囲に影響を及ぼす戦場支配能力にあると言えるでしょう。
パトリとの共存による魔法の強化
ウィリアムの世界樹魔法の強力さは、彼の純粋な魔力量によるものだけではありません。
肉体を共有していたパトリの存在が、ウィリアムの魔法を一時的に強化していたという考察もあります。
パトリが表に出ている際に使用していた光魔法は、世界樹魔法とは異なる属性ではあるものの、一つの肉体に強力な魂が二つ共存していたことは、ウィリアムの潜在的な魔力の底上げに繋がっていたと考えるのは自然な流れです。
実際、エルフ転生騒動後のウィリアムの魔法描写に注目している読者は多く、今後の活躍によって、彼の真の実力がより明確に示されることが期待されています。
彼がスペード王国の悪魔ゼノンと対峙した際、ゼノンが「ヴァンジャンス団長相手では最初から手抜きモードで闘うなんてことはできない」と判断して動いたという描写は、ウィリアムの実力が相当に高いことを裏付けています。
ブラッククローバーのウィリアムの声優
ウィリアム・ヴァンジャンスの二面性を巧みに演じきったのは、人気実力派声優の小野大輔です。
小野大輔のプロフィールと主な出演作品
| 名前 | 小野大輔(おのだいすけ) |
| 生年月日 | 1978年5月4日 |
| 出身地 | 高知県 |
| 声優デビュー | 2001年 |
| 主な受賞歴 | 2008年 声優アワード サブキャラクター男優賞、2015年 主演男優賞・パーソナリティ賞 |
| 主な出演作品 | 『黒執事』(セバスチャン・ミカエリス 役)、『進撃の巨人』(エルヴィン・スミス 役)、『涼宮ハルヒの憂鬱』(古泉一樹 役)など |
小野大輔は、元々テレビ番組の製作を目指していましたが、ラジオドラマに出演したのをきっかけに声優を志すようになりました。
彼は、低音から高音まで幅広い声域と演技力を持つ実力派で、多くの人気作品でメインキャラクターを担当しています。
2007年に歌手デビューを果たすなど、声優としてだけでなく、多方面で活躍しています。
ウィリアム役で見せた「光と闇」の演技
小野大輔がウィリアム役で見せた演技の魅力は、その「光と闇」の二面性の表現に集約されます。
金色の夜明け団の団長としてのウィリアムは、落ち着いたトーンと威厳に満ちた声で、高潔な人格を見事に表現していました。
一方、パトリが表に出ている時は、憎悪と悲しみに満ちた、激しくも切ない感情を表現し、一つの肉体に宿る二つの魂の葛藤を声だけで描き出しました。
特に、ユリウスに正体を明かす場面での苦悩に満ちた演技は、読者や視聴者の心を深く揺さぶり、ウィリアムというキャラクターの悲劇性を際立たせました。
まとめ
ウィリアム・ヴァンジャンスは、最強の金色の夜明け団の団長として、そして裏で「白夜の魔眼」の活動を許した黒幕として、物語の核を担った重要なキャラクターです。
彼の二重の正体は、顔の痣による壮絶な過去と、肉体を共有して友人となったエルフの魂パトリの存在に起因しています。
恩人ユリウスと友人パトリのどちらも裏切れないという優しさが、彼を悲劇の黒幕へと導いたと言えるでしょう。
エルフ編終結後、ユリウスに赦されたウィリアムは、現在も団長を務め、今後の彼の動向や、「世界樹魔法」を使った戦闘シーンに多くの読者が期待を寄せています。
元エルフのパトリとは、肉体から離れた後も、良き友人関係を築いていくことが示唆されており、彼の未来に注目です。
以下の関連記事も是非ご覧ください!

















コメント