2015年より小説家になろうで連載されているファンタジー小説。原作、棚架ユウ先生の ネット小説大賞受賞作がコミカライズされています。
最近、一大ブームとなっている転生物、普通の生活をしていたらある日、気付いたら異世界ファンタジーの世界にいた。という王道ストーリーで物語は始まります。
沢山の転生物が世に出ている中、転生先も多様化しています。魔獣だったり勇者だったりしますが、今回の「転生したら剣でした」はタイトルの通り転生したら剣になっています。
あらすじ
一話では、奴隷として扱われ「名無し」と呼ばれるフランが酷い目に合っているシーンから始まります。奴隷であるフランにさらなる悲劇が襲います。フランを乗せた馬車が魔獣に襲われ「剣でもあれば」とフランが辿り着いたところに剣があります。強力な剣の力を得てフランは魔獣を一撃で倒してしまいます。
装備すると、この剣、最初から大量のスキルを持っています。この剣、インテリジェンス・ウエポンこと「師匠」は可愛そうな前世を過ごしていましたが、気づいたら剣になっています。
師匠は、剣として目覚めてから「念動」というスキルで動けるようになっています。
更に師匠のもう一つの凄いところは喋るだけでなくモンスターを倒しモンスターの中にある魔石を割ると成長するというところで、冒険者から使われるだけでなく自分でスキルを上げているのでフランに出会った時点でチート級の実力を持っていたのです。
この二人の出会い、1話目でフランがモンスターに襲われてひょっこり現れる剣を先に出してそこから2話目で剣の生い立ちを書くことですんなり物語に入っていけるようになっています。
フランと出会う前の師匠は20日目でA級魔境「魔狼の平原」周辺のモンスターを全滅させてしまうほど実力をあげます。
ボス級のモンスターをも倒した師匠は俺TUEEE!!しまくっているんですが、師匠のお陰で後々、生態系に異変が起きているとギルドでも少し問題になっていたりします。
ただ俺TUEEE!!は長くは続きません、有頂天になっていた師匠に更に悲劇が襲います。
地平に降り立ち探索しようと地面に刺さったところは、魔力を吸い取る場所でした。
魔力を原動力としている師匠はその場から動けなくなります。最初は淡い期待を抱いていていた師匠ですが、誰も近くを通らないことに気づき悲鳴を上げています。
そこに現れたのがモフミミが可愛いフランでした。フランによると獣人族は体を鍛え強さを極めると進化するらしくそれは獣人族にとってとても誇らしいことなんだそうです。ただ彼女の一族、黒猫族は過去においてなぜか進化できるものが一人もいなかったらしく両親も進化の糸口をつかめぬまま奴隷商人につかまり奴隷となっていました。
この可愛そうな過去に共感した師匠はフランを立派に進化させることを誓います。
師匠には「スキル共有」というスキルや数々のチートな能力が備わっています。なので、最初から無双できるかと思っていたらそうでもなくさらに強力なモンスターや冒険者、武器が現れます。ちなみにこの時点での師匠の攻撃力は392で魔法伝導率はAです。
世界観はRPGの世界にそのまま入り込んだような世界で、ゴブリンや竜、魔法などといったありふれたものは一通りでてきます。
こういった作品が好きな人にはすんなり受け入れられる作品ですが、RPGや漫画をあまり読まない人が読むには抵抗があるのかなとも思います。
転生したのが剣という意外は王道中の王道といった転生物のストーリーで、強力なモンスターをスキルで攻略していきます。
雑魚モンスターを倒して経験値を稼ぐシーンもあったりと奴隷で力のないフラン、戦闘中にも強くなるサクセスストーリーもこの作品の魅力です。
「転生したら剣でした」の世界でも冒険者モンスターともに、このようにSからGでランク分けされています。物語中に主人公のランクが上がっていったりモンスターの強さが分かりやすく示されたりと冒険物にはもはやかかせないランク付け
ユニークなスキル
次元収納
「物」となったものなら水でも収納でできるというスグレモノスキル、倒したモンスターを素材として売るために収納したり沼の水を枯らして魚系モンスターを倒すなどユニークな使い方もできる。
分割思考
ドッペル・スネイクから吸収したスキル、同時に複数の演算や詠唱ができる。人間が使うと頭痛を起こすという無機物の剣だからこそ多用できるスキル
スキルテイカー
狙った技を奪うスキル、剣術を奪うと剣術ができなくなるなどこの世界においてはチート級のおそろしいスキルだが、取得段階では50パーセントの確率でしか奪えない上
同じ相手には一日に一度しか使えない。カンストすると100パーセントとなる。
このスキルの便利なところはスキルを使われたと相手にほぼ認識されずに使えるところ
師匠の生い立ちの謎
魔狼の平原では、大昔フェンリルというS級魔獣がいたという伝説があり、今でもその魔力が中心部に残っているらしく中心に行けば行くほど魔獣が弱くなるという不思議なエリアなんだそうです。
師匠が転生した際、黒い竜のような影が現れるんですが、師匠がこの魔狼の平原に転生したことと地形に魔力を残し、影響を与えるほどの魔力を持ったモンスター師匠の転生となにか関係がありそうな気がします。
「俺」は何のためにこの世界に転生したのか、今後明かされるのか気になるところです。
まとめ
最近、異世界モノが気に入って色々読んでいるのですが、「転生したら剣でした」は、剣に転生という以外、転生というありふれた設定で最初は弱い主人公が少しずつ成長していくという王道中の王道ストーリーです。
捻りは全くない、どこかで見たような気がする話ですが、その分安定感のある面白さがあります。
斬新さを出すために剣に転生したんでしょうが、転生したのが人間であるフランで喋る剣と出会うでも良かったような?
猫耳少女剣士であるフランは可愛い顔に似合わず、えげつない部分があるのですが、生い立ちが影響してるとか、現代日本と較べて生命が軽い世界ということで、理解できる部分があります。
転生者である剣がネットゲームに詳しくファンタジー世界に詳しいということで無垢なフランと違い、解説者として上手くハマっているところもお気に入りです。
スキルやランクなどファンタジーやRPGの世界ではありふれた設定も多用しているのでこの手の作品が好きな人にはゲームの世界に入り込んだような感覚で入り込みやすいかもしれません。絵が綺麗で丁寧、小説版では表現しきれない漫画版ならではの演出は非場に魅力的に仕上がっていて最高なコミカライズに仕上がっていると思います。
キャラクター紹介
インテリジェンス・ウエポン
今作の主人公、30歳童貞オタクっぽい口調でお調子者
転生して剣となる。RPGやファンタジーの世界の事情にも詳しく効率よくスキルアップしていく、弟子のフランが貴族をギルドで切ろうとした際に止めるなどこの世界でもマナーも異世界住人より心得ている。
フラン
黒猫族の冒険者、捕まっていたが「師匠」と出会い黒猫族の悲願である”進化”を求めて戦う
ギルドマスター
スライム萌のちょっと拗らせているギルドマスター
アマンダ
ハーフエルフでアレッサギルドのエースでランクAの冒険者、ランクにふさわしい能力を持ちがながら鬼子母神のアマンダという異名を持ち「子供の守護者」
という称号を持っている子供好き
ドナドロンド
鬼人族のギルド試験管、威圧というスキルを持っていて初心者冒険者は目にしただけで逃げ出してしまうというほど威圧的
オーギュスト・アルサンド
アレッサ騎士団の副団長、貴族でオルメス伯の息子、虚言の理という嘘を見抜き、自分の嘘は見抜かれにくくするスキルを持つ
ガルス
ドワーフ族の鍛冶屋、武器を鑑定するスキルを数多く所有しており中でも”神眼”というスキルは”鑑定遮断”をも許さない
上級悪魔
B級モンスター、暗黒魔術という得体のしれないスキルを持っている。現時点ではフランより圧倒的に上の実力の持ち主
ギュラン
青猫族「千人斬りのギュラン」と呼ばれ、ルーズ戦役の英雄黒猫族の敵、黒猫族を売ったりしている。
「幻輝石の魔剣」という剣を持っている
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