【東京喰種 √A】原作とは別展開!もう一つの結末を辿ったアニメのあらすじと魅力を徹底解説

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【東京喰種 √A】原作とは別展開!もう一つの結末を辿ったアニメのあらすじと魅力を徹底解説

 

石田スイ原作のダークファンタジー漫画『東京喰種トーキョーグール』。

そのテレビアニメ第1期に続き、2015年に放送された第2期アニメが『東京喰種 √A(ルートエー)』です。

この『東京喰種 √A』は、タイトルに「ルートA」とある通り、原作漫画とは異なる、アニメオリジナルの展開を辿る「もう一つの結末」を描いた作品として、当時大きな話題を呼びました。

特に、主人公カネキ研が原作とは真逆の選択をするという衝撃的な導入は、原作ファン、アニメファン双方に大きなインパクトを与えました。

本作のキャッチコピー「悲劇、2周目。」が示す通り、カネキがもし別の道を歩んでいたら、どのような結末が待っていたのか、という壮大な「if」の物語を体現しています。

この記事では、『東京喰種 √A』がどのようなアニメだったのか、原作との違いはどこにあったのかを、全話あらすじを追いながら徹底的に調査し、その魅力と「悲劇、2周目。」というキャッチコピーに秘められた意味を深く掘り下げて解説していきます。

原作の設定を活かしつつ、アニメならではの新たな解釈とドラマを追求した、その奥深さを探っていきましょう。

 

  1. 東京喰種とは:人の肉を喰らう「喰種」が潜む世界
    1. テレビアニメ第1期:平凡な大学生カネキが半喰種になるまで
    2. 喰種と人間の間で苦悩するカネキの葛藤
  2. 【東京喰種 √A】テレビアニメの主要登場人物
    1. 主人公:金木 研(カネキケン)
    2. あんていくの喰種たち:霧嶋董香(キリシマトーカ)と仲間
    3. 異才の喰種たち:月山 習(ツキヤマシュウ)と西尾 錦(ニシオニシキ)
    4. あんていくの要:芳村店長と笛口雛実(フエグチヒナミ)
    5. アオギリの樹:霧嶋絢都(キリシマアヤト)
    6. CCG捜査官:亜門鋼太朗(アモンコウタロウ)と鈴屋什造(スズヤジュウゾウ)
    7. カネキの親友:永近英良(ナガチカヒデヨシ)
    8. √Aからの新キャラクター:真戸 暁(マドアキラ)
  3. 【東京喰種 √A】あらすじ1(1〜3話):アオギリの樹への加入という大きな分岐点
    1. 第1話「新洸」:ヤモリ捕食後の戦闘とカネキの決断
    2. 第2話「舞花」:カネキ、あんていくを離れアオギリの樹へ
    3. 第3話「吊人」:カネキの行動と残されたトーカたちの心情
  4. 【東京喰種 √A】あらすじ2(4〜6話):コクリア襲撃と激化する戦況
    1. 第4話「深層」:コクリアとSSレート喰種ドナート・ポルポラ
    2. 第5話「裂目」:什造と半喰種クロナ・ナシロ、アヤトと父のクインケ
    3. 第6話「千路」:半赫者化へ向かうカネキの危険性
  5. 【東京喰種 √A】あらすじ3(7〜9話):芳村店長の過去と梟討伐作戦
    1. 第7話「透過」:共喰いと店長からの呼びかけ
    2. 第8話「旧九」:功善としての芳村店長の過去
    3. 第9話「街望」:CCGの遺書とあんていくメンバーの決意
  6. 【東京喰種 √A】あらすじ4(10〜12話):悲劇の結末とカネキの選択
    1. 第10話「終雨」:あんていく勢とCCGの死闘
    2. 第11話「溢花」:隻眼の梟の出現とアオギリの参戦
    3. 第12話「研」最終回:カネキの選択とルートAの終幕
  7. 【東京喰種 √A】原作ファンを惹きつけた謎のビジュアル
    1. キービジュアル:カネキが抱いているのは誰か?
  8. 【東京喰種 √A】の「悲劇2周目」の意味とは
    1. ルートAが表現したカネキが選ばなかった「もう一つの世界」
  9. 原作「東京喰種」とルートAの主な違い
    1. 最大の相違点:カネキがアオギリの樹に加入
    2. 戦闘シーンの変更:アヤトとの戦闘の結末
    3. アニメオリジナル要素:コクリアでのアヤトと篠原特等の対決
  10. ルートAが持つアニメならではの良さと評価
    1. 原作との違いによる賛否両論
    2. 『東京喰種:re』への導入としての役割
  11. まとめ
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東京喰種とは:人の肉を喰らう「喰種」が潜む世界

『東京喰種』の世界は、人間の姿をしながらも、人の肉を喰らうことでしか生きられない存在「喰種(グール)」が東京に潜んでいるという設定から始まります。

彼らは社会に紛れ込み、人間を襲うため、その脅威に人々は常に恐れていました。

喰種を駆逐するために組織されたのが、CCG(喰種対策局)と呼ばれる捜査官集団であり、喰種と人間との終わりの見えない戦いが、物語の根幹をなしています。

 

テレビアニメ第1期:平凡な大学生カネキが半喰種になるまで

物語は、読書好きのごく平凡な大学生カネキ研(カネキケン)から始まります。

親友のヒデこと永近英良と訪れた喫茶店「あんていく」で、カネキは、自分の好きな作家、高槻泉の小説を愛読する女性、神代リゼと出会います。

リゼに好意を抱いたカネキは、彼女とデートをしますが、その途中でリゼが喰種であったことが発覚し、襲われ瀕死の状態に陥ります。

直後に起こった鉄骨落下事故によりリゼは死亡しますが、カネキは一命を取り留めました。

重傷のため臓器移植が必要となり、医師の判断で死亡したリゼの臓器が移植されますが、これがカネキの人生を大きく変えることになります。

目を覚ましたカネキは、喰種の臓器を移植されたことで、人間でありながら人を喰らうことしかできない「半喰種」となってしまうのです。

読者の中には、もしあの時カネキがリゼに出会わなければ、あるいは鉄骨が落ちてこなければ、と、この運命の分岐点について深く考察する声も多く見られました。

 

喰種と人間の間で苦悩するカネキの葛藤

半喰種となったカネキは、人を喰べなければ生きていくことができないという本能と、人を喰べたくないという人間の理性の間で、激しい苦しみや葛藤を抱きます。

自身の「居場所」を失ったカネキは、喫茶店あんていくの芳村店長をはじめとする喰種たちとの出会いの中で、喰種としての生き方を学びます。

カネキは、自身が人間と喰種、双方の痛みを理解できる唯一無二の存在であることを自覚していきますが、その苦悩は深まるばかりでした。

テレビアニメ第1期の終盤、カネキはアオギリの樹の幹部ヤモリの苛烈な拷問を受け、その苦しみから逃れるために、ついに自分の中の喰種を受け入れることを決意します。

髪の色が白く変色し、力を手に入れたカネキは、この覚醒をもって人間性を犠牲にする道へと一歩踏み出すことになります。

 

【東京喰種 √A】テレビアニメの主要登場人物

『東京喰種 √A』の物語は、原作の設定をベースにしながらも、カネキの選択によって各キャラクターの運命や行動にも変化が見られます。

 

主人公:金木 研(カネキケン)

属性半喰種
所属上井大学(後にアオギリの樹)
赫子鱗赫
特筆事項読書好き、ヤモリの拷問で覚醒、自己犠牲的な理想主義者

√Aにおけるカネキは、ヤモリの拷問を経て「力こそが全て」という価値観に傾倒し、自分の大切なものを守るために、原作とは異なりアオギリの樹に自ら加入するという選択をします。

彼は、母親譲りの優しい性格を持ちながら、自己犠牲を厭わない「理想主義」を掲げていますが、その理想が極端な形で現れたのが√Aでの行動である、と考察するファンも多く見られます。

自ら人間の命を奪うことはしないという信念を持ちながらも、半喰種としての力に溺れ、共喰いを繰り返すようになる姿は、「悲劇、2周目。」という言葉を象徴しています。

 

あんていくの喰種たち:霧嶋董香(キリシマトーカ)と仲間

属性喰種(羽赫)
所属喫茶店あんていく、高校生
特筆事項「ラビット」、弟の絢都を心配している

トーカは、20区に所属する喰種で、高校に通いながらあんていくでアルバイトをしています。

幼い頃に両親をCCG捜査官に殺害された過去を持つため、人間への強い憎しみを抱いていましたが、人間社会で親友の小坂依子を心の拠り所として生きています。

カネキがアオギリに加入したことで、トーカは深い悲しみと怒りを感じ、その現実から目を背けるように大学受験の勉強に打ち込みます。

カネキとは、半喰種としての生き方を巡って時に衝突しますが、彼を案じる気持ちは√Aでも強く描かれています。

 

異才の喰種たち:月山 習(ツキヤマシュウ)と西尾 錦(ニシオニシキ)

月山は、大企業である月山財閥の御曹司でありながら、異常なまでの「食へのこだわり」を示す喰種で、「美食家(グルメ)」と呼称されます。

会話の節々にフランス語やイタリア語を混ぜる独特な語り口が特徴で、その存在は物語のスパイスとして機能しています。

ニシキは、カネキたちと同じ上井大学に通う先輩喰種であり、最初は粗暴な面がありましたが、人間の西野貴未を深く愛し、月山との一件を通じてカネキの支えとなっていく情に厚い喰種です。

 

あんていくの要:芳村店長と笛口雛実(フエグチヒナミ)

芳村店長は、20区のリーダー的存在で、あんていくを営んでいます。

人を直接殺さず、自殺した人間を密かに回収し、自力で食事の出来ない喰種に分け与えるなど、穏健派の代表のような存在です。

半喰種となったカネキには、喰種としての生き方を諭した師であり、√Aでは彼の過去が明らかになり、その壮絶な人生が物語に重厚感を与えます。

雛実は、カネキから読み書きを教わったことで絆が生まれ、両親の赫子を受け継いだ潜在能力の高い少女です。

カネキやトーカたちを慕っていましたが、√Aでのカネキの行動に心を痛めます。

 

アオギリの樹:霧嶋絢都(キリシマアヤト)

属性喰種(羽赫)
所属アオギリの樹幹部
特筆事項「黒ラビット」、トーカの弟

トーカの弟である絢都は、人間社会への絶望からアオギリの樹に加入し、人間を屈服させ喰種の世界を築こうとする集団の幹部を務めています。

CCGからは「黒ラビット」と呼ばれており、√Aではカネキが加入したことで、行動を共にすることが多くなり、彼の内心が深く描かれる場面も増えます。

 

CCG捜査官:亜門鋼太朗(アモンコウタロウ)と鈴屋什造(スズヤジュウゾウ)

亜門はCCG本局の上等捜査官で、人間側の主人公的な立場です。

喰種に対しても対話を求めるという珍しい信念を持ち、カネキとの対峙を通して、喰種への認識を深めていきます。

真戸呉緒の殉職に責任を感じ、喰種駆逐に邁進しますが、√Aでは新しいパートナーの暁と共に、極限の戦場に身を投じます。

什造は、幼少期の虐待により精神面や痛覚に問題を抱える異質な二等捜査官ですが、驚異的な運動能力を持ち、篠原特等とパートナーを組んでいます。

その純粋さゆえの残酷さ、予測不能な行動が、戦場における恐怖の対象として描かれています。

 

カネキの親友:永近英良(ナガチカヒデヨシ)

属性人間
所属上井大学(後にCCG協力者)
特筆事項カネキの唯一の親友、鋭い洞察力

ヒデはカネキの唯一の友人であり、活発で明るい性格でカネキを引っ張る存在でした。

彼は、カネキの小さな変化や、トーカの復讐の一件など、周囲の微かな違和感にも気づく鋭い洞察力を持っていました。

カネキが半喰種となったことにも、早い段階で気づいていた節を見せており、√Aの終盤で最も感動的なシーンを生み出し、物語の鍵を握る重要な役割を担います。

彼の「友達思い」の姿勢は、多くの読者や視聴者の心を打ちました。

 

√Aからの新キャラクター:真戸 暁(マドアキラ)

属性人間
所属CCG本局
階級二等捜査官
特筆事項アカデミー首席、亜門のパートナー、クインケへの強い関心

暁は、CCG本局所属の二等捜査官で、√Aから登場します。

アカデミーを首席で卒業したエリートであり、亜門のパートナーとなります。

両親を喰種に殺された過去を持ち、効率を重視し、亜門にも厳しい言葉を投げかけるなど、非常に理知的な性格の持ち主です。

父の影響によりクインケに強い興味・関心を持っており、戦場では冷静沈着な判断力を見せます。

 

【東京喰種 √A】あらすじ1(1〜3話):アオギリの樹への加入という大きな分岐点

『東京喰種 √A』のあらすじは、原作の展開を知るファンにとって、第1話から衝撃の連続でした。

カネキが原作とは異なる選択をしたことで、物語は大きく舵を切ることになります。

 

第1話「新洸」:ヤモリ捕食後の戦闘とカネキの決断

テレビアニメ第1期の終盤、アオギリの樹に捕らえられていたカネキがヤモリを捕食し、覚醒したところから√Aの第1話は始まります。

アオギリの樹のアジトでは、CCG(喰種対策局)、アオギリ、そしてカネキを救出しに来たあんていくのメンバーが入り乱れ、激しい戦闘が繰り広げられていました。

CCG側の篠原・黒磐特等捜査官らは隻眼の梟と戦い苦戦を強いられ、あんていくの主力メンバーである四方、月山、ウタはアオギリのノロと戦闘します。

同時刻、トーカは弟の絢都と対峙しますが、人間の食べ物を摂取し続けているため、本来の力を発揮できず、絢都の力の前に追い込まれます。

最後のトドメを刺されるその時、覚醒し髪が白くなったカネキが絢都の前に立ちはだかり、トーカを救い、絢都を圧倒します。

 

第2話「舞花」:カネキ、あんていくを離れアオギリの樹へ

絢都を追い詰めたカネキでしたが、ノロに絢都を連れ去られ、戦闘は一旦終結します。

CCG側の戦闘もひと段落した矢先、カネキはトーカに「あんていく」には戻らず、アオギリの樹に入ることを伝え、そのまま去っていきました。

原作では、カネキはあんていくの仲間を守るため、アオギリと敵対する勢力として行動していたため、このカネキの選択は、原作の結末を知っているファンにとって最大の衝撃であり、√Aの物語の「悲劇」を決定づける見所となりました。

カネキに別れを告げられたトーカは、その現実から逃げるように、大学受験の勉強に打ち込み始めます。

一方、CCG側では、隻眼の梟と対峙した黒磐が、過去との対戦と比べて感じた違和感を篠原に打ち明けています。

 

第3話「吊人」:カネキの行動と残されたトーカたちの心情

アオギリの樹に加入したカネキは、絢都と共に、戦力強化のためCCGの護送車を襲撃します。

このニュースをテレビで見たトーカと雛実は、カネキが関わっていることを察し、心を痛めます。

カネキの行動は、トーカと雛実の関係にも影響を与え、気まずくなってしまった雛実は、トーカに迷惑をかけないようにと、カネキが愛読していた本の著者、高槻泉のサイン会に1人で出かけていきます。

この行動は、雛実の成長を示すとともに、カネキとの絆の深さを改めて感じさせるシーンでした。

一方、トーカはニシキの誘いで志望校の上井大学の見学に訪れ、そこでカネキの親友・永近と再会します。

 

【東京喰種 √A】あらすじ2(4〜6話):コクリア襲撃と激化する戦況

カネキがアオギリに加入したことで、喰種とCCGとの戦いは激化し、喰種の収容所が戦場となります。

 

第4話「深層」:コクリアとSSレート喰種ドナート・ポルポラ

亜門と真戸暁は、生きたまま喰種を捕獲する収容所「コクリア」を訪れます。

この施設に収容されているSSレートの喰種、ドナート・ポルポラは、かつて孤児院で亜門の父親代わりのような存在でした。

亜門は彼から隻眼の梟に関する情報を引き出そうとしますが、その最中にアオギリの樹による大規模なコクリア襲撃が発生します。

この襲撃には、カネキや絢都も参加しており、CCG側は予期せぬ戦いに対応を迫られます。

 

第5話「裂目」:什造と半喰種クロナ・ナシロ、アヤトと父のクインケ

コクリア襲撃の中、CCG喰種捜査官となっている什造は、かつて共にCCGの施設で暮らしていた双子の安久クロナ・ナシロと対峙します。

クロナとナシロは、嘉納の元でカネキと同様に半喰種とされており、「家族」のような関係であった三人の再会は、悲劇的な展開を迎えます。

また、襲撃に参加していた絢都は、自分の父親である「アラタ」をクインケとして装備する篠原特等と戦闘を開始します。

実の父親の赫包から作られたクインケを持つ捜査官と息子の対決という、アニメオリジナルならではのドラマが描かれました。

この親子対決の構図は、CCGの非情さと、喰種の抱える悲劇を象徴しています。

 

第6話「千路」:半赫者化へ向かうカネキの危険性

コクリア襲撃後、カネキと対戦した篠原特等は、共喰いを繰り返し「半赫者(はんかくじゃ)」となったカネキを極めて危険な存在と認識し、亜門にその危険性を伝えます。

カネキが力を求めるあまり、人間の理性を失い、喰種の力に飲まれていく様子は、覚醒前のカネキを知る者にとっては、非常に痛ましいものでした。

この半赫者化は、カネキが「悪」の道を進んでいることを示唆しており、彼の運命が悲劇へと加速していくことを予感させます。

 

【東京喰種 √A】あらすじ3(7〜9話):芳村店長の過去と梟討伐作戦

物語は、芳村店長の過去の秘密が明らかになり、そして最大の決戦である「梟討伐作戦」へと向かっていきます。

 

第7話「透過」:共喰いと店長からの呼びかけ

共喰いを繰り返し、赫者に近づくにつれ、カネキは喰種の力に飲まれていきます。

そんなカネキを心配する芳村店長は、カネキと話し、あんていくに戻ってくるようにと伝えます。

店長の言葉には、カネキをこれ以上悲劇の道へ進ませたくないという親心が込められていました。

一方、月山とカフェを訪れていた雛実は、カネキが愛読していた小説の著者、高槻泉と再会を果たします。

高槻泉という人物の存在は、この時点でも多くの謎に包まれており、彼女が物語にどのような影響を与えるのか、という点で、視聴者の関心を集めていました。

 

第8話「旧九」:功善としての芳村店長の過去

芳村は、カネキに自身の過去を語り始めます。

芳村はかつて功善(クゼン)という名の喰種として、人も喰種も見境いなく殺し続けた非情な喰種でした。

その実力を買われ、ある組織に加入しますが、通っていた喫茶店で一人の人間の女性と出会ったことで、彼の運命は大きく変わります。

彼の過去は、カネキがたどっている道と重なる部分が多く、カネキの未来にも大きな示唆を与えたと言えるでしょう。

店長もまた、人間と喰種の間で苦悩し、大切なものを守るために戦ったという事実は、カネキの行動を理解する上での重要な手がかりとなります。

 

第9話「街望」:CCGの遺書とあんていくメンバーの決意

CCGは、対象がいるとする喫茶店あんていくへの「梟討伐作戦」に踏み出します。

作戦に参加するCCG捜査官たちは、遺書を準備し、それぞれが作戦までの間に「死」を見つめるという、CCG側の覚悟の重さが描かれます。

この描写は、CCG捜査官もまた、命を懸けて戦う人間であることを強調し、善悪の単純な二元論を打ち破る、本作のテーマを深く表現していました。

作戦の情報を知ったカネキやトーカたちは、芳村たちに加勢しようと、各々が戦場へと向かう決意を固めます。

危機が迫る中、芳村、入見、古間の3名は、ゆっくりと珈琲を味わうという静かなシーンは、彼らの悲壮な覚悟と、運命の受容を表しており、多くの視聴者の胸を打ちました。

 

【東京喰種 √A】あらすじ4(10〜12話):悲劇の結末とカネキの選択

物語は、激しい戦闘と、カネキの最終的な選択を描き、終幕を迎えます。

この終盤の展開は、カネキが何を「選択」したのか、という点で、視聴者に深い解釈を委ねる形となりました。

 

第10話「終雨」:あんていく勢とCCGの死闘

とうとう梟討伐作戦が決行されます。

あんていくの古間と入見は、自身の部下を引き連れてCCGの前に立ちはだかります。

古間はCCG田中丸特等と、入見は因縁の鉢川準特等と戦闘を開始し、激しい死闘が繰り広げられます。

入見は押していましたが、逃げ遅れた老人をかばい負傷し、死を覚悟する場面が描かれます。

入見のこの行動は、喰種であっても優しさや犠牲の精神を持っているという、人間と喰種の境界線を曖昧にする描写でした。

そして、芳村店長は篠原・黒磐両特等と相見えることになり、その圧倒的な力を見せつけます。

 

第11話「溢花」:隻眼の梟の出現とアオギリの参戦

CCGが梟を討伐したと歓喜に沸く中、黒磐が以前感じた違和感が的中し、もう一人の隻眼の梟が出現します。

この二重の梟の存在は、物語最大の謎の一つであり、視聴者にさらなる衝撃を与えました。

そして、梟出現と同時刻、カネキが加入したアオギリの樹がCCGとの戦いに参戦し、CCGは次第に形勢が不利になっていきます。

一方、芳村を救おうとしていたカネキは、戦場で亜門と対峙することになります。

亜門はカネキとの対話を求める姿勢を崩さず、二人の戦いは、喰種と人間の理解という、この作品の根源的なテーマを体現していました。

 

第12話「研」最終回:カネキの選択とルートAの終幕

最終話で、カネキは温かい木漏れ日が差し込むあんていくのフロアにいる、懐かしい幻影を見ます。

ヒデや芳村、トーカをはじめとしたあんていくの面々がいて、ヒデが片思いの子は誰かと尋ねてくる、平凡で幸せだった頃の光景です。

しかし、気がつくとそこは、真っ暗な崩壊寸前のあんていくの店内でした。

そこでカネキに話しかける人物がいましたが、その人物こそがヒデでした。

ヒデは、カネキが半喰種であることに気づきながらも、カネキを心配し、彼を助けようとしていたのです。

ヒデは、カネキが一つの答えを選択するきっかけを与え、カネキは誰かを抱きかかえながら、雪の中を歩くという象徴的な描写をもって、√Aの物語は幕を閉じます。

このラストシーンは、原作にはないアニメオリジナルの悲劇であり、多くのファンに感動と深い余韻を残しました。

 

【東京喰種 √A】原作ファンを惹きつけた謎のビジュアル

『東京喰種 √A』の放送前から、原作ファン、アニメファンを最も惹きつけたのは、その謎めいたキービジュアルでした。

 

キービジュアル:カネキが抱いているのは誰か?

テレビアニメ『東京喰種 √A』のキービジュアルには、カネキが布に包まれた人物、もしくは喰種を抱きかかえている姿が描かれていました。

カネキの瞳には深い悲しみが宿っており、この描写は原作にはなく、原作との違いを象徴するインパクトの強いビジュアルでした。

この「カネキが抱いているのは誰なのか?」という謎は、最大の考察ポイントとなり、放送前から様々な憶測を呼びました。

最終回を見れば、多くの視聴者が、カネキが抱いていた人物が誰であったかを理解したことでしょう。

このビジュアルは、√Aが描こうとした「if」の悲劇の結末を、最も端的に表現していたと言えます。

 

【東京喰種 √A】の「悲劇2周目」の意味とは

『東京喰種 √A』の公式サイトに表示されていた「悲劇、2周目。」というキャッチコピーは、この作品のテーマを最も端的に表していました。

 

ルートAが表現したカネキが選ばなかった「もう一つの世界」

「○周目」という表現は、ゲームなどで一度クリアした後にまたやり直すことを意味するため、「悲劇、2周目。」は、カネキが原作では選ばなかった「もう一つの世界」、すなわち「if」のルートを表現していると捉えるのが妥当です。

原作の結末を知っているファンにとっては、カネキがアオギリに加入したことで、どのような悲劇が繰り返されるのか、あるいは回避されるのかという、新たな視点で物語を楽しむことができました。

カネキが「あんていく」という居場所を自ら捨て、力を求める道を選んだことが、新たな悲劇を生むという見方がある一方で、彼がその道を選んだからこそ、原作とは異なる形で、誰かを救うことに繋がったと考察する読者も多く見られました。

カネキの選択がもたらした「もう一つの悲劇」は、原作の物語をより深く、多角的に理解するための鏡のような役割を果たしています。

 

原作「東京喰種」とルートAの主な違い

『東京喰種 √A』は、原作者石田スイの意向により、原作とは異なるアニメオリジナルの展開をあえて大きく打ち出すことで、作品の世界観を多角的に楽しませようという意図がありました。

そのため、原作との設定の違いが多く見受けられます。

 

最大の相違点:カネキがアオギリの樹に加入

原作と√Aの最も大きな違いは、やはりカネキの行動です。

原作では、カネキはアオギリの樹という、自分の周囲の人々を傷つける勢力を「摘む」ことを目的とし、敵対する勢力として万丈や雛実らと組んでいました。

しかし、√Aでは、同じくアオギリの樹を摘むことを目的としながらも、より強大な力を求め、自らアオギリの樹に加入するという、原作とは真逆の選択をします。

この選択は、カネキの「大切な人を守るためには、悪に染まることも厭わない」という極端な決意の表れであり、√Aの全展開を決定づけることになります。

 

戦闘シーンの変更:アヤトとの戦闘の結末

原作と√Aでは、戦闘シーンにも変更点が見られます。

例えば、第1話のあらすじでも紹介したカネキと絢都の戦闘は、原作では絢都がカネキに半殺しにされるほど圧倒的な力で敗北していましたが、√Aでは途中でノロに回収される形で終了しました。

これは、カネキがアオギリに加入するという設定に合わせ、絢都との関係性を調整した結果だと考えることができます。

絢都とカネキが、アオギリの樹の「仲間」として行動を共にすることで、二人の間の緊張関係が、原作とは異なる形で描かれることになりました。

 

アニメオリジナル要素:コクリアでのアヤトと篠原特等の対決

コクリアでの戦闘シーンにも、アニメオリジナルの展開が追加されました。

原作と違い、コクリアでの篠原特等と絢都の戦闘が追加され、絢都の父親である「アラタ」の赫包から作られたクインケを持つ捜査官と息子の対決という、アニメオリジナルならではのドラマが描かれました。

この親子対決の構図は、CCGの非情さや、喰種の抱える悲劇を深く描き出し、√Aの物語のテーマ性を際立たせていました。

これらの変更点から、『東京喰種 √A』は、原作の重要な要素を踏まえつつも、カネキの「if」の選択から派生する、新たな人間模様やドラマを追求した作品であると評価できます。

 

ルートAが持つアニメならではの良さと評価

『東京喰種 √A』は、原作との違いが多かったため、原作を読んでいたファンからは、ストーリーの重要な部分がカットされていたり、変更されていたりすることに、違和感や指摘を受ける要素もありました。

 

原作との違いによる賛否両論

カネキがアオギリに加入するという展開は、原作ファンにとっては衝撃的であり、賛否両論が巻き起こりました。

しかし、このオリジナル展開があったからこそ、原作の結末を知っているファンも、予測不能な展開に引き込まれるという、アニメならではの緊張感を味わうことができました。

原作の重要な伏線や設定が一部省略された点については、批判的な意見も見られましたが、一方で、カネキの「孤独な戦い」が強調され、ダークな雰囲気がより色濃く描かれた点については、肯定的な評価も多く見られました。

テレビアニメから『東京喰種』の世界に入った視聴者からは、好評な意見も多い作品となりました。

 

『東京喰種:re』への導入としての役割

『東京喰種 √A』のラストは、原作を読んでいてもいなくても問題なく、次作『東京喰種:re』へと繋がる導入として機能していました。

カネキの「if」の選択が、最終的にどのような結末を迎えるのかという、新たな問いを視聴者に投げかけることで、『:re』への期待感を高める役割を果たしたと言えるでしょう。

原作よりもトーカやあんていくの面々の絡みが多く見られたり、各キャラクターの感情や背景が掘り下げられたりと、原作との違いによる√Aならではの良さも存在しています。

原作との違いをさらってみると、新たな発見をすることも出来て、満足する作品なので、一度ご覧になってはいかがでしょうか。

カネキが選んだ「もう一つの道」の結末を、ご自身の目で確かめてみることをおすすめします。

 

まとめ

『東京喰種 √A』は、原作者石田スイ自らが携わり、主人公カネキの「if」の選択を描いた、アニメオリジナルの展開が魅力の作品です。

「悲劇、2周目。」というキャッチコピーが示す通り、原作とは異なるカネキの道を描くことで、喰種と人間の間で苦悩する彼の新たな一面や、周囲の人間関係の変化を深く描き出しました。

カネキがアオギリに加入するという衝撃的な選択は、物語に深い悲劇性をもたらしましたが、同時に、彼の「大切なものを守りたい」という純粋な願いの裏返しでもありました。

キービジュアルの謎や、最終回の象徴的な描写は、視聴者に深い考察の余地を与え、作品への没入感を高めています。

『東京喰種 √A』は、原作の物語をより深く、多角的に理解するための重要なピースであり、今なお多くのファンに語り継がれている、価値あるアニメ作品だと言えるでしょう。

原作とは異なる結末を辿った「もう一つの悲劇」を体験することで、きっと新たな感動と発見があるはずです。

 

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