「アラウンドクォーター」とは？ 25歳前後の「大人の階段」とリアルな恋愛模様
漫画アプリ「comico」で圧倒的な支持を集め、2023年には実写ドラマ化もされた緒之の恋愛群像劇『around1/4（アラウンドクォーター）』は、多くの読者の心を掴んで離しません。
この作品が描くのは、まさに「アラウンドクォーター」、つまり25歳前後という人生の節目を迎えた男女が直面する、リアルで切実な悩みと葛藤、そして恋の物語です。
「25歳」という年齢は、社会人としてのキャリアが本格化し、周囲では結婚や出産といったライフイベントが目立ち始める時期と重なります。
子供ではないけれど、まだ完璧な大人でもない、そんな曖昧な立ち位置にいるからこそ、多くの人が先の見えない不安や焦りを感じやすいのではないでしょうか。
『around1/4』は、そんな「25歳の壁」にぶつかる登場人物たちが、傷つき、間違いを繰り返しながらも、自分なりの答えを見つけていく過程を丁寧に描いています。
読者からは「リアルすぎる」「共感しかない」といった声が多数寄せられており、現代を生きる若者たちの心情を巧みに捉えていることが伺えます。
本記事では、この魅力的な作品の原作漫画のあらすじ、主要登場人物、そして実写ドラマの豪華キャストについて、深掘りしてご紹介いたします。
彼らが織りなすビタースウィートな恋物語と、その背景にある「25歳のリアル」を、ぜひ一緒に探求していきましょう。
原作漫画『around1/4（アラウンドクォーター）』の概要
まず、『around1/4』の基本的な作品情報を見ていきましょう。
| 作品名 | around1/4（アラウンドクォーター） |
| 原作者 | 緒之 |
| ジャンル | 恋愛漫画 |
| 出版社 | comico |
| 発表期間 | 2016年7月20日〜2017年6月14日 |
| 話数 | 全54話＋番外編1話（電子書籍版は全5巻） |
本作は、2016年から2017年にかけて漫画アプリcomicoで連載された緒之による恋愛漫画です。フルカラーで描かれる心理描写や、登場人物たちの細やかな表情の変化が、読者に強い感情移入を促し、瞬く間に人気を獲得しました。
特に「面白い」「リアルな恋愛漫画」という感想が多く、多くの読者が自身の経験と重ね合わせて物語を楽しんだと考えられます。
『around1/4（アラウンドクォーター）』の見どころ：なぜ25歳は「壁」にぶつかるのか
『around1/4（アラウンドクォーター）』が多くの人々を惹きつける最大の要因は、25歳前後という、まさに人生の岐路に立つ男女の「生々しい悩み」を丁寧に描き出している点にあります。
登場キャラクターたちは、誰もが経験しうるようなリアルな問題に直面しています。例えば、長年付き合った彼氏に突然振られ、自分の価値観が揺らぐ女性、周囲の結婚や出産の報に焦りを感じながらも、自身の恋愛観に自信を持てない女性。
また、仕事での出世に伸び悩み、年下の彼女に置いていかれるような感覚に苛まれる男性、あるいは自分の性的指向やアイデンティティに葛藤を抱える男性など、その悩みは多岐にわたります。
これらの悩みは、まさに「25歳の壁」と呼ばれる現象を象徴していると言えるでしょう。この時期は、学生時代の友人たちがそれぞれの道へ進み始め、社会人としての責任も増し、将来に対する漠然とした不安が募りやすいものです。
「もう子供じゃない、でもまだ大人にもなりきれない」という、大人と子供の境界線で揺れ動く登場人物たちの姿は、多くの読者にとって強い共感を呼ぶのではないでしょうか。
彼らが抱える秘密や、人には言えない葛藤は、読者自身の心の中にも潜む「誰にも見せたくない部分」を映し出す鏡のようでもあります。
作中では、彼らがどのようにしてこれらの悩みに向き合い、傷つきながらも一歩ずつ成長していくのかが、最大の「見どころ」として描かれています。それぞれの登場人物が選ぶ道、そしてその過程で得られる気づきは、私たち自身の人生を考える上でのヒントを与えてくれるかもしれません。
彼らが織りなす人間模様は、時にコミカルに、時に切なく、そして深く心に響く形で展開され、読者は登場人物たちと共に笑い、泣き、そして考える体験ができるでしょう。
『around1/4（アラウンドクォーター）』ネタバレあらすじ：25歳たちの「恋の分岐点」
ここからは、原作漫画『around1/4（アラウンドクォーター）』の具体的なあらすじを、主要登場人物ごとに深掘りしてご紹介します。彼らがどのように「25歳の壁」にぶつかり、恋と人生の「分岐点」を乗り越えていくのか、その軌跡を追っていきましょう。
早苗の物語：8年間の恋の終焉と新たな始まり
物語の冒頭でスポットが当たるのは、デザイナーとして働く平田早苗です。彼女は高校生の頃から8年間も付き合っていた彼氏、健太から、あまりにも身勝手な理由で突然別れを告げられてしまいます。
「他の人とも遊びたい」という健太の言葉は、早苗の心を深く傷つけ、長年培ってきた恋愛観を根底から揺るがしました。
失意の早苗は、学生時代にアルバイトをしていた居酒屋「Dining呑気」の仲間たち、明日美、康祐、直己、一真との集まりでその鬱憤を晴らします。
その帰り道、早苗は苦手意識を持っていたアルバイト仲間の一人、新田康祐と偶然二人きりになります。
しかし、康祐と話すうちに、彼の意外な一面を知り、次第に苦手意識は薄れていきます。
康祐との交流を通して、早苗は今まで知らなかった世界に触れていきます。8年間一途に一人の男性を愛してきた早苗にとって、康祐との出会いは、まさに新しい価値観との遭遇だったと言えるでしょう。
そしてある夜、早苗は「アホなことをしてみたい」という衝動に駆られ、康祐と身体の関係を持ってしまいます。
しかし、関係を持った後、早苗は康祐に「自分が変わりたいから、康祐を利用した」「友達関係に戻ろう」と提案します。
早苗に好意を抱いていた康祐は、複雑な思いを抱えながらもその提案を受け入れますが、早苗は気まずさから康祐を避けるようになってしまいます。
康祐は早苗に避けられ続けることに耐えきれなくなり、早苗を呼び出して話し合いの場を設けます。
そこで康祐は、早苗への真剣な想いを伝え、「付き合いたい」と告白。二人は正式に交際を始めることになります。
早苗の物語は、長年の安定した関係を失ったことで、自分自身と向き合い、新たな一歩を踏み出す25歳の女性の揺れ動く心情をリアルに描いています。
多くの読者が、早苗の抱える「セックスへのコンプレックス」や、新しい関係への戸惑いに共感したのではないでしょうか。
明日美の物語：理想と現実の狭間で揺れる不倫愛
早苗たちのアルバイト仲間の一人、橋本明日美は、クールな雰囲気の事務員です。彼女は「いい出会い」を常に探し求めていました。
ある日の通勤中、生理痛で倒れそうになった明日美を助けてくれたのは、看護師として働く宮田正でした。
正の優しさに好意を抱く明日美でしたが、彼は既婚者であることが判明します。
しかし、正への気持ちを抑えきれなかった明日美は、彼と不倫関係に陥ってしまいます。
不倫という禁断の関係に足を踏み入れた明日美は、ある日、かつてのアルバイト先で働く年下の洋一に愚痴をこぼします。
洋一から「しんどいなら、不倫なんてやめてしまえばいい」という正論を突きつけられた明日美は、25歳までに好きな人を見つけて不倫をやめることを決意します。
しかし、帰宅すると家には明日美を心配して訪れた正の姿があり、明日美はその決意をいとも簡単に打ち砕かれてしまいます。
その頃、正の妻は、夫と明日美の不倫関係に気づいていました。水面下で証拠を集めていた妻は、ついに明日美の元を訪れることになります。
明日美の物語は、理想の恋愛を追い求める中で、現実の厳しさや倫理的な葛藤に直面する女性の姿を描いています。
「自分なりに精一杯やった」と語る明日美の姿は、不倫という過ちを犯しながらも、自分の感情に正直であろうとする彼女の人間性を映し出していると考える読者も多いでしょう。
このエピソードは、恋愛における「正しさ」とは何か、そして「自分にとっての幸せ」とは何かを深く問いかける内容となっています。
直己の物語：揺れ動くアイデンティティと新たな感情
横山直己は、サパークラブで勤務する25歳の男性です。
ある日、仕事で大量のお酒を飲まされ、グロッキーな状態になった直己に声をかけたのは、同僚の目黒瞬でした。
瞬は親が所有するタワーマンションに一人暮らししており、サパークラブの近くに住んでいるため、「家に泊まっていけば？」と直己を誘います。
直己は瞬に感謝し、そのまま彼の家に泊まることにします。
疲れていた直己はすぐに眠りにつきますが、夜中に物音で目を覚まします。
すると、目の前には瞬と見知らぬ女性が身体を重ねる姿がありました。
動揺する直己でしたが、瞬たちは驚くことなく、平然としています。
瞬の奔放で自由な姿を見た直己は、これまで感じたことのない感情を抱き、次第に瞬に魅了されていきます。
直己の物語は、自分の性的指向や、人間関係における「自由」とは何かを模索する25歳の男性の葛藤を描いています。
特に、瞬との出会いをきっかけに、直己が自身の内面に深く向き合っていく姿は、多くの読者に「アイデンティティの探求」というテーマを考えさせるのではないでしょうか。
男性同士の友情や、そこから発展するかもしれない新たな感情、そして社会的な規範との間で揺れ動く直己の心情は、多様な愛の形を認め合う現代において、特に注目すべきポイントと言えるでしょう。
一真の物語：キャリアと恋のジレンマ
宮下一真は、美容師として働く24歳の男性です。
彼は専門学校時代から付き合っている美容師の彼女、美和と同棲していました。
美和がスタイリストに出世する一方で、一真は未だアシスタントのまま。
一真は美和のスタイリストとしての愚痴を聞きながらも、「自分よりも出世して置いていかないでほしい」という複雑な感情を抱いていました。
仕事での焦りや、恋人への嫉妬といった感情は、キャリアと恋愛のバランスに悩む20代の若者にとって、非常に身近な問題として映るでしょう。
そんなある日、一真はカットモデルとして勧誘した沢口のヘアカットをすることになります。
このことがきっかけで二人は仲良くなり、一真は沢口に好意を抱くようになっていきます。
一真の気持ちは、長年の恋人である美和と、新しく惹かれ始めた沢口の間で揺れ動くことになります。
一真の物語は、仕事での成功と恋愛の幸福、その両方を追い求める中で生じるジレンマを鮮やかに描いています。
特に、恋人の成功を素直に喜べない自身の未熟さや、新たな出会いに心を惹かれることへの罪悪感など、一真が抱えるリアルな心情は、多くの読者が共感できるポイントではないでしょうか。
彼の選択が、キャリアと恋愛、それぞれの未来にどのような影響を与えるのか、読者は固唾を飲んで見守ることになります。
『around1/4（アラウンドクォーター）』登場人物・キャラ一覧
ここでは、『around1/4（アラウンドクォーター）』に登場する主要キャラクターたちの詳細なプロフィールをご紹介します。彼らの個性や背景を知ることで、物語をさらに深く楽しむことができるでしょう。
登場人物① 早苗
| 名前 | 平田早苗（ひらた さなえ） |
| 年齢 | 24歳 |
| 職業 | デザイナー |
| 特徴 | ブラウンのロングヘア、ぱっつん前髪、色白の美人。8年間付き合った彼氏に突然振られる。学生時代は「居酒屋Dining呑気」でアルバイトをしていた。 |
| 人物像 | 長年一途に恋をしてきたが、別れを経験し、自分を変えたいと願う。セックスに積極的になれないことにコンプレックスを抱いている。 |
早苗は、8年間の交際期間に終止符が打たれたことで、自身の恋愛観や価値観を見つめ直すことになるキャラクターです。
「セックスの良さがわからないままだった」と吐露する姿は、性に対するコンプレックスを抱える現代の若者のリアルな一面を映し出していると言えるでしょう。
彼女の物語は、傷つきながらも新しい自分を探し、前向きに恋愛に向き合おうとする姿が描かれ、多くの読者の共感を呼びました。
登場人物② 明日美
| 名前 | 橋本明日美（はしもと あすみ） |
| 年齢 | 24歳 |
| 職業 | 事務員 |
| 特徴 | 黒のボブヘア、クールな雰囲気。学生時代は早苗と同じく「居酒屋Dining呑気」でアルバイトをしていた。 |
| 人物像 | 理想の恋愛を追い求める中で、既婚者との不倫関係に陥る。能動的で危なっかしい一面を持つが、どこか目が離せない魅力がある。 |
明日美は、優しさに惹かれて既婚者である正と関係を持ってしまうキャラクターです。
不倫という禁断の関係に悩みながらも、自分の感情に抗えない姿は、恋愛における倫理観と感情の狭間で揺れ動く人間の弱さを象徴していると言えるでしょう。
「25歳って、もう大人でしょう。自分で起こした問題くらい、自分でけじめをつけて」という正の妻の言葉は、明日美だけでなく、読者にも深く問いかけるものがあります。
登場人物③ 康祐
| 名前 | 新田康祐（にった こうすけ） |
| 年齢 | 25歳（ドラマ設定） |
| 職業 | ベンチャー企業の広告代理店営業（ドラマ設定） |
| 特徴 | 黒のショートヘア、爽やかな雰囲気。学生時代は早苗たちと同じ「居酒屋Dining呑気」でアルバイトをしていた。 |
| 人物像 | 人付き合いが良く一見チャラそうに見えるが、好きな相手には一途な一面を持つ。25歳の惑いの真っただ中にいる。 |
康祐は、早苗の新しい恋愛相手となるキャラクターです。
当初はチャラい印象を持たれていましたが、早苗との関係を通じて、彼の真面目で一途な部分が明らかになります。
人から思われる印象と本当の自分とのギャップに悩む姿は、多くの20代が経験する「社会的な自分」と「本当の自分」の葛藤を表現していると考える読者も多いでしょう。
登場人物④ 直己
| 名前 | 横山直己（よこやま なおき） |
| 年齢 | 26歳（ドラマ設定） |
| 職業 | サパークラブ店員 |
| 特徴 | 明るいブラウンのショートヘア、ピアスを開けている。学生時代は早苗たちと同じ「居酒屋Dining呑気」でアルバイトをしていた。 |
| 人物像 | 人のペースに振り回されることを嫌い、自由に生きたいと願う。サパークラブの同僚・瞬との出会いをきっかけに、自身の感情に変化が生じる。 |
直己は、自分のアイデンティティや恋愛の形に葛藤を抱えるキャラクターです。
自由を愛するがゆえに、他者との深い関係に戸惑いを感じる一面も持っています。
特に、瞬との出会いによって、自身の内面にある新たな感情と向き合う姿は、読者に深い共感を呼び、「切ない」という感想も多く見受けられます。
登場人物⑤ 一真
| 名前 | 宮下一真（みやした かずま） |
| 年齢 | 24歳（ドラマ設定） |
| 職業 | アシスタント美容師 |
| 特徴 | 早苗たちと同じ「居酒屋Dining呑気」のアルバイト仲間。 |
| 人物像 | 同棲中の彼女・美和がスタイリストに昇格する一方で、自身はアシスタントのままで焦りを感じている。仕事と恋愛の板挟みになり、新たな出会いに心を揺らす。 |
一真は、キャリアと恋愛の板挟みになるキャラクターです。
恋人の成功を素直に喜べず、自身の現状に焦りを感じる姿は、20代半ばの若者が抱えがちな「劣等感」や「将来への不安」をリアルに表現していると言えるでしょう。
彼が美和と沢口の間で揺れ動く心情は、多くの読者にとって、自身の経験と重なる部分が多いのではないでしょうか。
『around1/4（アラウンドクォーター）』の実写ドラマキャスト
漫画で人気を博した『around1/4（アラウンドクォーター）』は、2023年7月9日から9月24日まで、朝日放送テレビの「ドラマL」枠で実写ドラマ化されました。
主演はEXILE / FANTASTICSの佐藤大樹が務め、豪華な若手俳優陣が「アラウンドクォーター」世代の悩める男女を熱演し、ドラマも大きな人気を獲得しました。
ここでは、主要キャラクターを演じたキャストの皆さんをご紹介します。
新田康祐役／佐藤大樹
| 名前 | 佐藤大樹（さとう たいき） |
| 生年月日 | 1995年1月25日 |
| 出身地 | 埼玉県 |
| 所属グループ | EXILE、FANTASTICS from EXILE TRIBE |
| 主な出演作 | ドラマ「シュガーレス」（田中ヒラオリ役）、ドラマ「仮面ティーチャー」（中川順也役）、ドラマ「ワイルド・ヒーローズ」（里島透（メロス）役）、ドラマ「恐怖新聞」（松田勇介役）、ドラマ「liar」（市川一哉役）、ドラマ「理想ノカレシ」（村瀬光琉/神宮寺望役）、ドラマ「瓜を破る〜一線越えた、その先には」（鍵谷千里役）、映画「ママレード・ボーイ」（須王銀太役）、映画「小説の神様 君としか描けない物語」（千谷一也役） |
ドラマで新田康祐を演じたのは、EXILE、FANTASTICSのメンバーとして活躍する佐藤大樹です。
彼は1995年生まれの埼玉県出身で、ダンサーとしてのキャリアをスタートさせ、2014年にEXILEに加入しました。
その後、FANTASTICSのメンバーとしても活動の幅を広げ、俳優としても数々の作品に出演しています。
佐藤大樹自身も「康祐は普段の自分に一番近い」とコメントしており、彼の等身大の演技が、康祐というキャラクターに深みを与えたと考える視聴者も多いのではないでしょうか。
平田早苗役／美山加恋
| 名前 | 美山加恋（みやま かれん） |
| 生年月日 | 1996年12月12日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 所属事務所 | ホリプロ |
| 主な出演作 | ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」（小柳凛役）、ドラマ「ちびまる子ちゃん」（穂波たまえ役）、ドラマ「ラーメン大好き小泉さん」（大澤悠役）、ドラマ「受付のジョー」（熊本淑子役）、ドラマ「花嫁未満エスケープ」（堀田マミ役）、映画「いま、会いにゆきます」（アヤ役）、映画「あやかし神楽」（神谷スズカ役）、映画「劇場版 零〜ゼロ〜」（菊之辺イツキ役）、映画「僕らのごはんは明日で待ってる」（鈴原えみり役） |
平田早苗役を演じたのは、女優兼声優として幅広く活躍する美山加恋です。
2002年に子役として芸能界デビューを果たし、その演技力で「天才子役」として注目を集めました。
美山加恋は、早苗が抱える繊細な心情や、8年間の恋を終えた後の戸惑いを丁寧に表現し、多くの視聴者から高い評価を得ました。
彼女の演技は、「演技に惚れる」といった感想が寄せられるほど、早苗というキャラクターに説得力をもたらしたと言えるでしょう。
橋本明日美役／工藤遥
| 名前 | 工藤遥（くどう はるか） |
| 生年月日 | 1999年10月27日 |
| 出身地 | 埼玉県 |
| 所属事務所 | ジャストプロ |
| 主な出演作 | ドラマ「あせとせっけん」（一瀬こりす役）、ドラマ「ブラザー・トラップ」（藤宮遥役）、ドラマ「なれの果ての僕ら」（石井礼夏役）、ドラマ「夫を社会的に抹殺する5つの方法Season2」（清水香奈子役）、ドラマ「白暮のクロニクル」（鈴川なえ役）、映画「スーパー戦隊シリーズ」（早見初美花/ルパンイエロー役）、映画「461個のおべんとう」（柏木礼奈役）、映画「君は放課後インソムニア」（曲早矢役）、映画「仮面ライダーギーツ4人のエースと黒狐」（メロ役） |
橋本明日美役を演じたのは、元モーニング娘。のメンバーで、現在は女優として活躍する工藤遥です。
2010年にハロプロエッグに加入し、2011年にモーニング娘。に加入。
2017年のグループ卒業後、女優業に専念し、数々のドラマや映画に出演しています。
工藤遥は、明日美が持つ能動的で危うい魅力、そして不倫という複雑な感情を抱えながらも、自身の弱さと向き合う姿を繊細に演じきり、視聴者から「この子から目を離してはいけない」という印象を与えたのではないでしょうか。
横山直己役／松岡広大
| 名前 | 松岡広大（まつおか こうだい） |
| 生年月日 | 1997年8月9日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 所属事務所 | アミューズ |
| 主な出演作 | ドラマ「兄友」（加賀樹役）、ドラマ「西萩窪 三ツ星洋酒堂」（竹本和馬役）、ドラマ「ムチャブリ！わたしが社長になるなんて」（萩尾慧役）、ドラマ「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」（猫屋敷守役）、ドラマ「らんまん」（槙野百喜役）、映画「雪女」（雨宮幹生役）、映画「引っ越し大名！」（綾瀬主水役）、映画「いなくなれ、群青」（佐々岡役）、映画「沈黙の艦隊」（入江覚士役） |
横山直己役を演じたのは、2009年に芸能界デビューを果たした俳優の松岡広大です。
彼は直己が抱えるアイデンティティの葛藤や、瞬との出会いによって生まれる新たな感情を、時に繊細に、時に情熱的に表現しました。
特に、瞬との関係性における彼の演技は、「本気のやつ」と評されるほど、多くの視聴者の心に深く刺さったようです。
直己の物語は、恋愛の形にとらわれない感情の揺れ動きを描き、多様な愛の可能性を示唆していると考える読者も多いでしょう。
宮下一真役／曽田陵介
| 名前 | 曽田陵介（そた りょうすけ） |
| 生年月日 | 1997年10月24日 |
| 出身地 | 島根県 |
| 所属事務所 | MR8 |
| 主な出演作 | ドラマ「おしゃ家ソムリエおしゃ子！2」（バズ・リー役）、ドラマ「村井の恋」（平井真理役）、ドラマ「不幸くんはキスするしかない！」（福原幸多役）、ドラマ「サワコ〜それは、果てなき復讐」（音川健介役）、ドラマ「unknown」（五十嵐大五郎役）、ドラマ「アオハライド（WOWOW）」（菊池冬馬役）、映画「ホリミヤ」（井浦秀役）、映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」（山田太郎役）、映画「交換ウソ日記」（米田晴人役） |
宮下一真役を演じたのは、スカウトをきっかけに芸能界入りし、2020年にはドラマ初主演も果たした俳優兼モデルの曽田陵介です。
彼は、一真が抱えるキャリアへの焦りや、恋人への複雑な感情、そして新たな出会いへの心の揺れ動きを、瑞々しく表現しました。
曽田陵介自身も「アラクオ真っ最中」と語っており、その等身大の演技が、視聴者に「一真、頑張れ！」という応援の気持ちを抱かせたのではないでしょうか。
『around1/4（アラウンドクォーター）』に関する感想や評価：リアルさが生む共感
『around1/4（アラウンドクォーター）』は、漫画・ドラマともに、その「リアルさ」が多くの読者や視聴者から絶賛されています。
特に、インターネット上では、「リアルな恋愛漫画」「それぞれの悩みがリアルで魅了される」といった感想が数多く見受けられます。
単なる恋愛ストーリーに留まらず、25歳前後という多感な時期に誰もが経験しうるような、仕事、友情、そしてアイデンティティに関する葛藤が、登場人物たちの個々の物語を通して描かれている点が、多くの人々の心に響いているようです。
漫画版については、「オムニバス形式になっていて読みやすい」「それぞれの恋愛や悩みを描きながらも、友人なのでストーリーがつながっているところも好き」といった声が多く聞かれます。
複数の視点から物語が展開されることで、読者は様々なキャラクターに感情移入し、それぞれの人生を追体験するような感覚を味わえるのでしょう。
また、「悩みを友人に秘密にしているところもリアルで共感できる」「わかると共感してすぐに全巻読んでしまった」といった感想からは、登場人物たちが抱える「人には言えない秘密」や「心の壁」が、読者の共感を呼び、作品への没入感を深めていることがわかります。
なぜ『around1/4』は「25歳」に刺さるのか？
この作品が特に20代後半の層に強く「刺さる」理由は、描かれている悩みが極めて現代的で普遍的であるからです。
25歳という年齢は、社会人になって数年が経ち、仕事で壁にぶつかり始める時期であり、プライベートでは結婚や出産、キャリアの選択など、人生の大きな決断を意識せざるを得ない時期です。
早苗の「8年間の恋の終焉」は、長い付き合いの末の別れがもたらす自己肯定感の揺らぎを、明日美の「不倫愛」は、理想の恋愛を追い求める上での倫理的な葛藤を、それぞれ象徴しています。
また、直己の「アイデンティティの模索」や、一真の「キャリアと恋のジレンマ」は、従来の価値観にとらわれない現代の若者が抱える、より複雑で多様な悩みを反映しています。
この作品は、こうした「大人の階段」を上る途中で誰もが一度は感じるであろう「迷子感」や「不完全さ」を隠さずに描き出すことで、読者に対し「悩んでいるのは自分だけじゃない」という強い安心感と共感を与えているのです。
まとめ：『around1/4』は現代の「アブノーマル恋愛ファンタジー」
『around1/4（アラウンドクォーター）』は、単なる恋愛漫画の枠を超え、25歳前後の男女が直面する人生のリアルな葛藤と成長を描いた群像劇です。
主人公たちが抱える悩みや秘密は、決してキラキラしたものではありません。長年の彼氏に振られたり、既婚者に惹かれたり、仕事と恋の間で揺れたり、自身のアイデンティティに戸惑ったりと、その姿は生々しく、読者の心に深く突き刺さります。
早苗、明日美、康祐、直己、一真といった個性豊かなキャラクターたちが、時にぶつかり、時に支え合いながら、不器用にも「自分らしさ」や「幸せの形」を見つけようともがく姿は、私たち自身の「アラウンドクォーター」時代を鮮やかに映し出しています。
実写ドラマ版では、佐藤大樹、美山加恋をはじめとする実力派俳優陣が、その複雑な心情を見事に表現し、作品の魅力をさらに高めました。
この作品の最大のメッセージは、「25歳で完璧な大人にならなくていい」ということかもしれません。誰もが未熟で、間違いを犯しながらも、一歩ずつ人生を歩んでいく。
『around1/4（アラウンドクォーター）』は、そんな現代の「大人未満」の私たちに、共感と勇気、そして多様な愛の形を教えてくれる、傑作恋愛群像劇と言えるでしょう。
以下のネタバレあらすじ記事も是非ご覧ください！
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