
1998年から『週刊少年ジャンプ』で連載を開始した冨樫義博の『ハンターハンター』。度重なる休載で知られる一方、その物語は読者を惹きつけて離しません。
現在の最新刊は38巻と、同時期に連載が始まった『ONE PIECE』と比べるとその少なさは際立っています。
しかし、その緻密な世界観、奥深い心理描写、そして予測不能なストーリー展開は、多くのファンを魅了し続け、連載再開の度に大きな話題となります。
今回は、連載再開を記念して、物語の序盤からキメラ=アント編までの主要なエピソードを振り返り、その魅力を再確認しましょう。
ハンター試験編

©冨樫義博/集英社
物語は、主人公ゴン=フリークスが、伝説のハンターである父ジンに会うため、故郷のクジラ島を旅立つところから始まります。
ハンターになるには、命がけの過酷な試験を突破しなければなりません。
この試験で、ゴンは3人の重要な仲間と出会います。
それぞれ異なる目的を持つ4人が、互いに助け合い、友情を育んでいく様子が描かれます。
この試験編は、単なる冒険の導入に留まらず、キャラクターの個性と関係性を深く掘り下げる重要なパートです。
キルアが家族に反発し、自分の道を歩み始めるきっかけとなるなど、その後の物語の基盤が築かれます。
登場キャラクター
ゴン

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ハンターハンターの主人公、第287期ハンター試験合格者。明るい性格で好奇心旺盛、底知れない才能の持ち主
カイト

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ジンの弟子で生物調査専門のハンター
ジンに課せられた最終試験・ジンを探し当てる旅の途中でくじら島に立ち寄り幼少期のゴンと出会います。
ミト

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ゴンの母親代わりジンの従妹でゴンの叔従母(いとこおば)です。
クラピカ

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ハンターハンターのレギュラー的存在、幻影旅団によって滅亡した「クルタ族」の最後の生き残り。
仲間たちの目を取り戻すため、幻影旅団へ復讐するためハンターとなる。
レオリオ

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同じくハンターハンターのレギュラー的存在、ゴンとクラピカとは違ったタイプで基本的に気性は単純で俗物。金・酒・女に目がなく、普段は偽悪的な態度をとることが多い
なんだかんだメインキャラの中では一番まともなのかもしれません
キルア

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直情的でひらめき型のゴンと比べ、冷静沈着で頭の回転が早くクラピカと似たような雰囲気もあります。
イルミ

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ゾルディック家、5人兄弟の長男でキルアの兄にあたる目的のためなら手段は選ばないタイプで、ゼノとは違い標的以外の人間も平気で利用する。
ヒソカ

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目的もよくわかんない戦闘狂、ゴンとキルアと戦うのを楽しみにしている一面も見られる。
ククルーマウンテン編

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ハンター試験後、ゴンはキルアを救うため、彼の故郷であるゾルディック家へ向かいます。
ゾルディック家は、外界から隔絶された山中に住む暗殺者の家系です。
厳重な警備と、試しの門、そして恐ろしい番犬や執事たちがゴンたちの行く手を阻みます。
このエピソードは、キルアが家族の価値観、特に兄イルミの支配から脱却し、ゴンとの友情を選ぶ決意を固める物語です。
家族の束縛から抜け出そうとするキルアの葛藤と、彼を信じ、助けようとするゴンの純粋な想いが胸を打ちます。

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こんな凄い前評判のゾルディック一家、キルアへとたどり着くまでに試しの門という重たい門、巨大な番犬、恐ろしく強い執事など数々の困難が待ち受けています。
しかし祖父ゼノ、父シルバの計らいで、無事キルアはゾルディック家を脱出することができました。
天空闘技場編

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キルアを救出したゴンとキルアは、さらなる強さを求め、闘技場「天空闘技場」に挑みます。
ここでは、プロハンターが使用する能力「念」の存在が明らかになります。
念とは、生命のエネルギーを操る特殊能力のことで、この能力の有無がキャラクターの強さを決定づけることになります。
二人は、心源流の師範代であるウィングから念の基礎を学び、それぞれの才能を開花させていきます。
この修行を通じて、ゴンは「ジャジャン拳」の原型となる技を、キルアは電気を操る能力の片鱗を見せるようになります。
念の概念が導入されたことで、バトルシーンはより複雑で戦略的なものへと進化し、物語の面白さを一層引き上げました。

©冨樫義博/集英社
ここで念という能力に初めて触れて、ウィングという師匠に出会いゴンとキルアも念能力を会得していきます。
登場キャラクター
ウイング

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心源流拳法師範代。裏ハンター試験試験官。 ビスケの弟子で、ズシの師匠、ゴンやキルアにも念を教える。
ズシ

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ウイングの弟子、ウイングはズシの才能を非常に高く評価しており10万人に1人の才能だと語っている。
体術に関してはまだまだだとキルアが語りますが、その耐久力はキルアが「しまった」と思うほどの力でも起き上がるほどでした。
ヨークシン編

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ゴンたちは、父ジンの手掛かりを得るため、世界最大級のオークション都市ヨークシンへ向かいます。
そこで彼らが遭遇したのは、クラピカが一族の仇と狙う犯罪者集団「幻影旅団(クモ)」でした。
このエピソードは、クラピカの復讐劇が中心となり、彼の「絶対時間(エンペラータイム)」や「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」といった強力な念能力が初披露されます。
旅団の団長であるクロロ=ルシルフルは、ゼノとシルバというゾルディック家の親子二人がかりでも決着がつかないほどの圧倒的な強さを誇ります。
この編では、クラピカの覚悟と、幻影旅団との手に汗握る駆け引きが描かれ、人間関係の複雑さや、善悪の境界線の曖昧さが浮き彫りになります。
登場キャラクター
クロロ=ルシルフル(幻影旅団団長)

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幻影旅団の団長、数々の能力を使いその実力は念能力者の中でもトップクラス。頭脳明晰で感情を表に出さず、冷徹さを持ち合わせています。
キルアの祖父と父、ゼノとシルバが2人ががかりで戦うほどの実力
ウヴォーギン(幻影旅団)

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団員一の力の持ち主、団員ナンバー11。旅団結成時からのメンバーの一人でクルタ族にも関わりのある人物。
【ハンターハンター】幻影旅団メンバー一覧!その全貌と人気の秘密に迫る!謎多き「蜘蛛」の正体とは?
グリーンアイランド編
ヨークシンでの激闘を終えたゴンとキルアは、ジンの手掛かりであるハンター専用ゲーム「グリードアイランド(G.I)」に挑みます。
このゲームは、プレイヤーをゲーム内に閉じ込める特殊な能力を持ち、クリアには念能力が必須です。
このゲームの製作者こそ、ゴンの父ジンでした。
彼は、ゲームをクリアすることでゴンが自分にたどり着くことを期待していたのです。
ゴンとキルアは、ウィングの師匠であるビスケの指導のもと、さらに念能力を磨き、ゲームをクリアするべく様々なプレイヤーと対戦します。
この編では、ゴンが「放出系」と「強化系」を組み合わせた「ジャジャン拳」を完成させ、キルアも独自の能力を開花させます。

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グリーンアイランドを製作したのはゴンの父ジン・フリークスを中心とした11人の念能力者。
ジン(GIN)の名前にちなんでGで始まる単語を探した結果「GREED」になり、
その後11人のイニシャルを繋ぎあわせて「GREED ISLAND」
G…ジン・フリークス
R…レイザー
EE…エレナとイータ(双子の姉妹)
D…ドゥーン(ただし彼の本名は「WDWUNE」だったが、ジンの一存で「DWUN」に改名)
L…リスト

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ビスケは、ジンがいずれ自分の後を追ってくるであろうゴンを強くするためにこのゲームを作ったのだと推測しているが、真意は不明。
自分の息子がハンターになり、グリーンアイランドをプレイして10年以上だれもクリアできないゲームをクリアして自分に会いに来ることまで予想してるジンってすごい^^
登場キャラクター
ゲンスル―

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爽やかでインテリっぽい見た目とは裏腹にボマーと呼ばれる不正行為をするプレイヤー
レイザー

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ジンの知り合い、ドッチボールというボールを介してのバトルだったが、ゴン、キルア、ヒソカの三人でようやく受け止めれるほどの強力な球を放つことから戦いでも相当な実力者と思われます。
キメラ=アント編

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物語は、未知の危険生物「キメラ=アント」の出現により、最大の転換点を迎えます。
摂食交配という特殊な生態を持つキメラ=アントは、人間を捕食することで進化を遂げ、強大な個体を生み出します。
キメラ=アントの王メルエムと、ハンター協会の会長ネテロの最終決戦は、シリーズ屈指のバトルとして名高く、武力だけでは測れない、人間と蟻の哲学的な対立が描かれました。
このエピソードは、ゴンが親友カイトを救うため、自らの力を極限まで引き出す「ゴンさん」へと変貌し、物語に深い悲劇性を刻み込みました。

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頂上決戦、王とネテロの戦いはキメラアントの王の勝ちで終わりましたが、ネテロ会長もタダでは負けませんでした。
人間の持つ底すらない悪意とあるように、強力な兵器、薔薇を使います。
力と力の争いはこれ以降この戦い以上の戦いは今のところないように思えます。
登場キャラクター
メルエム

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蟻の王、その実力はネテロ会長をも凌駕するほど、軍議など多彩な才能を発揮する。
アイザック=ネテロ

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ハンター協会及び審査委員会の会長。心源流拳法師範。
ゼノが生まれた頃からずーっと老人という、年齢不詳の爺さん。20年ほど前から約百歳と本人は言っている。 人間側では最も強いであろう人物
【ハンターハンター】キメラアント編の全貌を徹底解説!感動の結末とキャラクターたちの運命
会長選挙・アルカ編

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キメラ=アント編での激闘の末、瀕死の重傷を負ったゴンを救うため、キルアはゾルディック家が隠す秘密の存在「アルカ」の力に頼ります。
アルカに憑りついた「ナニカ」の恐るべき能力によって、ゴンは奇跡的に復活を遂げます。
一方、ネテロ会長亡き後の後継者争いでは、様々な思惑が絡み合い、最終的にジンが勝利を収めます。
そして、ゴンはついに父ジンとの再会を果たします。
このエピソードは、ゴンとキルアそれぞれの家族との決着、そして新たな冒険への序章を描く、心温まる再会の物語でもありました。

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一方、命を掛けた力、俗にいうゴンさんを発揮して呪いが掛かったゴンの呪いを解くべく、妹(弟)のアルカの力を借りるためゾルディック家へと里帰りしていたキルア
アルカにはナニカと呼ばれる正体不明の存在が憑いており、シルバは我が子でありながら異なる世界から来た「モノ」として扱っていた。
父の許しを得てアルカと再会したキルアはアルカを連れてゾルディック家を出る。
選挙の方ではまさかの有力候補に浮上してしまったレオリオが最後まで現副会長パリストンと投票数を争うことになりましたが
結局ナニカの手によってゴンが復活したためレオリオの動機が消滅し自動的にパリストンが勝利するという形に終わります。
登場キャラクター
パリストン

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元ハンター協会副会長でトリプル(三ツ星)ハンター。
十二支んの元メンバーであり、コードネームは子。
何かとよく光っている背広の青年。
アルカ

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可愛い見た目とは裏腹に、キルアの父シルバをも恐れさせる能力を持つ。
アルカの「おねだり」を3つ聞くと、1つ「お願い」を叶えてもらえる。アルカが叶えてくれる「お願い」には限界がなく、(恐らく)何でも実現する。
【ハンターハンター】ゴンの復活に隠された会長選挙編のすべてを徹底考察!パリストンはなぜ会長を即辞任したのか?レオリオの演説
暗黒大陸編

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物語は、人類未踏の地「暗黒大陸」へと舞台を移します。
この大陸は、キメラ=アントやゾルディック家を恐怖に陥れた「ナニカ」の故郷であり、人間が持ち帰った「五大厄災」と呼ばれる危険な生物や病気が存在します。
ジンは暗黒大陸への渡航を計画し、一方カキン帝国も同様の計画を推進します。
この編では、ジンやビヨンド=ネテロといった強者たちが、暗黒大陸の謎に迫る様子が描かれます。
そして、クラピカは再び幻影旅団と対峙することになり、物語は新たな展開を迎えます。
登場キャラクター
ビヨンド

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暗黒大陸探検隊の総責任者。
前ハンター協会会長のアイザック=ネテロ(以下ネテロ)の息子を名乗る男。顔に大きな×十字の傷痕があり、古代中国の武将のような身なりをしている。
【ハンターハンター】深淵なる「暗黒大陸編」の全貌!主要キャラ、五大厄災、そして紐解かれる謎に迫る
まとめ
『ハンターハンター』は、キャラクターの複雑な心理描写、緻密なバトル戦略、そして圧倒的なスケールで描かれる世界観が魅力です。
休載が多いからこそ、再開の度に読者は物語の続きを心待ちにし、熱狂的なファンを生み出しています。
これから物語がどこへ向かうのか、暗黒大陸の全貌は明らかになるのか、そしてゴンとキルアは再び旅をするのか。
今後の展開に期待しつつ、もう一度、彼らの壮大な冒険を振り返ってみるのも良いかもしれません。
その他バトル系漫画も紹介していますので是非ご覧ください




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