今回はイブニング(講談社)にて連載中のサバイバル漫画「創世のタイガ」を紹介したいと思います。作者の森慎二先生が書いていた作品は自ら志願し島流しに合い最低限の物資はあるものの島でのリアルなサバイバル生活が描かれました。
今作では志願者ではないものの現代の生活へ不満を持っている少年が主人公が原始の時代へとタイムスリップします。ありきたりな異世界転生モノとは違って、魔法など存在しないリアルな世界です。
あらすじ
今作の主人公タイガは大学卒業を迎え”なにもない自分”を悲観していました。タイガは大学の文化人類学のゼミ仲間とオーストラリアへきていました。そこでガイドブックにもない謎の洞窟を見つけ中でマンモスを狩猟しているような壁画を見つけます。
壁画に夢中になっていると落盤が起こります。なんとか外へ出るとそこは異形の生物が住む過去の時代だったのです。
様々な古代生物が暮らす中、タイガたちは水を飲んだり睡眠を取ったりといういつもなら当たり前に出来ていることすら命がけだと知ります。
そんな狩猟生活を通してタイガは生きていることを実感するのでした。
この新しい世界で、タイガたちは生き抜くために、大学で学んだ現人類学の知識を活かし、石器を作り、狩りを始めます。
多くの肉食生物を目の当たりにした彼らの前に更なる脅威が襲います。タイガたちが転生した時代はネアンデルタール人とホモサピエンスが争っている真っ最中の時代だったのです。
タイガはホモ・サピエンスの女性ティアリを助け、彼女の集落で生活を共にすることになりますが、そこで新たな試練が彼らを襲います。
ネアンデルタール人との戦い、マンモス狩り、そして異なる歴史を持つ敵との遭遇。
タイガたちは次々と訪れる困難に立ち向かいながら、原始時代での生活に適応し、戦士として成長していきます。タイガはこの過酷な環境の中で、生きる意味と家族や仲間を守る強い意志を見出し、新たな歴史を刻んでいくのです。
キャラクター一覧
タイガ
なにもない自分へ生きている実感を持てずに悲観する少年でしたが、原始の時代へタイムスリップしてからは仲間たちの中で最も順応して勇敢に戦う
アラタ
彼女にフラれて落ち込んでいたタイガを卒業旅行に誘った。非常に博識で準主人公といってもいいほど
リク
長身でがっしりした体格、アウトドアが趣味のため、方位磁石・ステンレス製の水筒・小型のノコギリなどを持っていた。
チヒロ
動物が大好きで動物の知識が豊富、この時代へも素早く順応しており仲間たちからは”大モノ”と呼ばれる
リカコ
人類学でもタイムスリップしてきたこの時代を専攻していた。
レン
原始の時代に順応できずにいる。狩猟生活にも非協力的な面が見られる。
ユカ
原始の時代に適応できずにいる。この時代で頼りがいのある男へと成長したタイガに好意を寄せる。
ティアリ
ホモサピエンスの少女、ネアンデルタール人に襲われていたところをタイガに助けられホモサピエンスの仲間との橋渡し役となる。
まとめ
タイガたちがやってきた時代はホモサピエンスとネアンデルタール人が戦っている真っ最中です。人間同士の戦いを目の当たりにし戦いに備えるため準備をする一行、亀の甲羅で作った盾や弓など、生活用品として物を運ぶ台車など、人類の歴史からはまだまだ先に登場するものを作って見せたりします。
ジャンプで連載中のDr.STONEは科学の力を駆使しどんどん技術を発展させていきますが、創世のタイガでは車輪一個、槍の先一個作るのにも苦労するシーンが見られてよりリアルなタイムスリップ模様が描かれています。
キャラクター紹介にもありますが、彼らは人類学を専攻して学んでおり動物だったりサバイバルだったりそれぞれこの時代に選ばれて飛ばされたのではないかと疑問に感じているシーンがあります。
僕はサバイバル漫画が好きなんですが、「Dr.STONE」「エデンの檻」「サバイバル~少年Sの記録~」なんかがこの作品に似ているなと感じました。
もっとも似ているのはやはり前作のです。焼きまわし感がすごい
現実世界からいきなり、非日常世界へ飛ばされそこからどう生き抜いていくのか非日常生活に馴染んでいくまでの描かれ方がワクワクします。
『創世のタイガ』は、ただのサバイバル漫画ではなく、人間の本能と成長、そして生きることの意味を問いかける作品です。タイムスリップという非現実的な設定を通じて、現代人が忘れかけていた生の実感や、人間としての強さを再発見する旅を描いています。そして、タイガの成長物語は、読者にも自分自身の生き方を見つめ直す機会を与えてくれるでしょう。
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