今回は、SFアクションのワールドトリガーという漫画を紹介していきたいと思います。
葦原大介による作品、ワールドトリガーは2013年から週刊少年ジャンプで連載されていた作品でしばらく作者の体調不良により休載していましたが2019年1月号より『ジャンプスクエア』に移籍し、連載を再開しています。
あらすじ
ある日、三門市に異世界へのゲートが開き「近界人(ネイバー)」と呼ばれる異次元からの侵略者が現れます。
こちら側の世界とは異なるネイバーになすすべもないまま、壊滅は時間の問題と思われたその時、界境防衛機関の「ボーダー」が現れ三門市を守ります。
ボーダーはネイバーの持つ技術を解析して使っており彼らはわずかな期間で防衛基地を作り上げネイバーに対する防衛体制を整えます。
それから4年、異世界へのゲートは開いたままなもののボーダーの活躍によって均衡を保った状態の三門市、三雲修の通う学校へ外国から来たという空閑遊真が転校してきます。
更に兄と友達がさらわれた千佳が現れ千佳は二人を探すため遠征隊に入りたいと言い出しますが、遠征隊へ入るにはボーダーのA級隊員にならなければならずオサムとユーマは千佳の手伝いをするためボーダーとなり3人でチームを組みA級隊員を目指します。
ワールドトリガーの魅力
練りに練られた設定
ワールドトリガーの魅力とは、その説明だけで3巻使ってしまったというほど細かく設定された武器や個々の能力の特性とそれを生かした戦術にあります。
ユーマとオサムの部隊一つ取っても、A級の強さを誇るユーマですが、序盤はほとんど役に立たないオサムと膨大なトリオンを持ちながら人を撃つことができない千佳というデコボコぶりです。
点取り屋のユーマですが、オサムと千佳が補助役程度なので、どうしてもユーマ 一人と敵数人というパターンが多くなってしまいます。
模擬戦では地形を選択したりすることができるのでガンナーの射線が通らなかったり実際の戦争のように、戦術を駆使して戦わないといけないという設定はかなり練られていると思います。
他の漫画だとインフレが激しいので同じ相手と二度戦って先を読みたいと読者を引き付けるのはなかなか難しいと思いますが、ワールドトリガーだと登場キャラも一緒に成長していくので再登場時でも「今回はどうなるんだろう?」と期待感がハンパじゃないです。
少年漫画には読者世代の少年が主人公として描かれることが多いです。周りも少年が多かったり、単純に憧れやすかったり感情移入しやすいという理由があるように思います。
漫画内でなぜ少年が多いかなど理由まで説明されることはないですが、ワールドトリガーではドラゴンボールで言うところの気、幽遊白書、ブリーチでは霊力、シャーマンキングでは巫力のようなトリオンという生体エネルギーが登場します。
トリオンは成人になると成長を止め後は鍛えて維持するしかないという風にしっかり説明されています。
敵を倒して終わりではない
少年漫画でよくあるのは絶対的悪を倒して終わりという戦いですが、この漫画にはそれぞれ思惑や考え方はあるものの驚くほど悪が登場しません。
主人公が属するボーダーは防衛組織ですので戦いには国のルールだったりボーダーのルールだったりとしがらみがあります。
ボーダー内でも危険なネイバーばかりではないという派とネイバーは危険な者ばかりだという派とで平和主義派の3つの派閥があり、時にはネイバーだけでなくボーダー同士で戦うこともあります。
単純に敵を倒してしまうと後に政治的に不利になる場合があったり、敵を倒すと返り討ちに合う場合もあるブラックトリガーという禁忌のトリガーもあります。
アフトクラトル編では、味方にも多くの犠牲が出ますがその後、記者会見が行われ「被害は抑えることはできなかったのか?」など問い詰められる場面もあります。
オサムの成長
ワールドトリガーでは主人公、空閑よりオサムの方が人気があります。
序盤は学校の不良にいじめられているオサムですが、空閑や迅と出会い戦いに巻き込まれていきます。ダイの大冒険のポップを思い出しますね
オサムは派手な武器を使うわけでも、凄いサイドエフェクトやブラックトリガーを持っているわけでも、膨大なトリオンを持っているでもないんですが、弱いけど真面目で努力家、派手な技を使うボーダーが多い中読者に一番近い存在なのではないでしょうか
少ないトリオンを駆使して戦う姿はまさにワールドトリガーらしい戦い方です。
「近界人(ネイバー)」の目的とは?
ネイバーの世界は日々戦争が行われており、トリオンを奪うことを目的として三門市へやってきています。
トリオン能力の高い人間は生け捕りに、トリオン能力の低い人間はトリオン器官だけ取っていくそうして集めたトリオンと兵隊を元の世界の兵器として使っています。
ネイバーにも様々な国があり、さらわれていった人の待遇はさらわれた国によって変わる。
あらすじ
解説 導入編
序盤、アフトクラトル編までは三門市に存在するボーダーの存在やネイバーの存在、彼らが使う武器などの説明で始まります。
ボーダーへ入隊し対人戦もあります。アフトクラトル編までの布石としてネイバーの脅威に晒されたり、ボーダー内でもごたごたしたりします。
アフトクラトル編
今のところ、ワールドトリガーで一番熱いのはこのアフトクラトル編です。ボーダー組織のほとんどのボーダーがこの戦闘に参加しており本部まで攻め込まれます。
実力が明らかにされていなかった忍田本部長、迅と並ぶとまで言われた天羽月彦などボーダーの勢力を駆使して敵であるアフトクラトルの人型ネイバー討伐へ当たります。
ランク戦
アフトクラトル編以降はランク戦が多くなります。アフトクラトル編では頼りになる味方だったボーダーたちが倒すべき敵になります。
ブラックトリガーを使うとランク戦には参加できないため空閑も普通のトリガーを使って戦うことになるんですが、チーム戦のためオサムと千佳も参加しており空閑単独なら肩を並べていたA級やB級が強敵と化します。
キャラクター紹介
空閑 遊真
15歳 中学生 ?月?日生まれ 血液型 不明 身長141cm
近界人、A級の実力を持っている。父親とあちこちの国をまわっており11歳のころに父親が居なくなってから遺言である「日本へ行け、知り合いがボーダーという組織にいるはずだ」という言葉を守り日本へ来た。
空閑 有吾
ユーマの父であり忍田本部長、林藤支部長の先輩にあたり、城戸司令の同輩
4年半前にボーダーの存在が公になる前から活動していた。言わば旧ボーダーの創設に関わったボーダー最初期のメンバーの一人
三雲 修
序盤はボーダーだけど弱い、後に玉狛第二の頭脳となる
雨取 千佳
13歳 中学生 2月21日生まれ A型 身長140cm
膨大なトリオンを持っているが模擬戦で人を撃てないという致命的な欠点を持っている。
ヒュース
16歳 身長171cm
アフトクラトルから玄界へ侵攻してきたが、仲間から置き去りにされる。その後、アフトクラトルへ帰るまでの間だけという条件で空閑の部隊へ参加する。
宇佐美 栞
17歳 4月27日生まれ 血液型O型 160cm
玉狛支部のオペレーター
林藤 匠
34歳 11月2日生まれ 血液型 AB型 身長179cm
玉狛支部の支部長
林藤 陽太郎
5歳 9月22日生まれ AB型 身長98cm
嵐山 准
19歳 7月29日生まれ O型 身長179cm
嵐山隊のリーダー
木虎 藍
15歳 嵐山隊のメンバー
迅 悠一
S級隊員の実力派エリート 趣味は暗躍 目の前の人間の少し先の未来が見えるというサイドエフェクトの持ち主
三輪 秀二
17歳 10月2日生まれ 血液型 A型 身長174cm
三輪隊隊長 オールラウンダー
風間 蒼也
21歳 9月24日生まれ A型 身長 158cm
A級3位 風間隊隊長「No.2アタッカー」
太刀川 慶
20歳 8月29日生まれ A型 身長 180cm
A級一位 太刀川隊隊長 「No.1アタッカー」
城戸 正宗
ボーダー本部司令
忍田 真史
33歳 10月16日生まれ A型 181cm
ボーダー本部長、ボーダー本部においてノーマルトリガー最強の男
最上 宗一
ユーマの父のライバルで迅の師匠、現在は迅のブラックトリガーと化している。
天羽月彦
S級隊員 迅 悠一と並ぶもう一人のブラックトリガー使い、素行に問題はあるが、単純な戦闘力では迅をも凌ぐ
トリオン兵
ネイパーが作った兵隊人形
登場人物に関しては以下の記事をご覧ください
用語紹介
トリガー
ネイパーが生み出したテクノロジー、トリオンの力で動いており、主に武器として使われている。アタッカー、ガンナー、スナイパーと分けられそれぞれのポディションにあったトリガーを使用する。
両手で同時に2つ使用でき小さなチップに合計8つまでセットできる。
アタッカー用トリガー
スコーピオン
スピード型のアタッカーが使う軽量ブレード
いつでもブレードを出し入れ自由で重さもほぼ0、手以外のとこからも出し入れでき、トリオンの調節によってブレードの長さや形を変えることができる代わりに耐久力が低いので受け太刀などをすると結構簡単に折れるため守りに入ると弱い攻撃専用のトリガー
孤月
一番人気の万能ブレード「スコーピオン」と違い自由に出し入れできない、重さもそこそこあって形や長さも変えられないが、高いレベルでバランスの取れた攻撃力、耐久力総合力では間違いなくトップの傑作トリガー
トリオンを消費して専用オプションを使うことで瞬間的に攻撃を拡張できる。
レイガスト
他の二本に比べ重い、ブレード部分を自由に変形でき攻撃力を捨てて耐久力を上げる。
「盾モード」を使用できる。またトリオンを噴出して刃の動きを加速する専用オプション「スラスター」がある
ガンナー用トリガー
アステロイド
特別な効果はないが、その分威力が高い通常弾
メテオラ
爆発して広い範囲を攻撃できる炸裂弾
バイパー
弾道を設定して好きなコースを飛ばせる変化弾
ハウンド
目標を追尾する誘導弾
スナイパー用トリガー
イーグレット
射程と弾速の性能が高く、威力もなかなか。バランスがいいのでランク戦ではこのトリガーが一番多く使われている万能型。
ライト二ング
軽くて速射性能もまずまず。弾速が非常に速く目標に命中させやすい。その分、威力が低く、盾などに防がれやすい。手数で勝負
アイビス
一撃の威力を重視した重量級のライフル。対人戦ではオーバーパワー気味なので、主に対トリオン兵用として使われている。
オプショントリガー
バックワーム
装着中はレーダーに映らなくなるマント、使用中はトリオンを徐々に消費する。
カメレオン
トリオンを消費して姿を消す隠密トリガー
スタアメーカー(ガンナー・シューター用)
弾丸が命中した場所に目印を付けることができる。
対ステルス戦闘などで有効
黒トリガー(ブラックトリガー)
優れたトリオン能力を持った使い手が己の力を世に残すため己の全てと全トリオンを注ぎ込んで作った特別なトリガー、黒トリガーには作った人間の人格や感性が強く反映されるため、使用者と相性が合わなければ起動しないという難点があるが、その性能は通常のトリガーとは桁違い
風刃
ブレードから出ている光の帯分は目に見えている範囲に斬撃を飛ばすことができる。
光の帯がなくなるとリロードモードに入り隙ができる。
泥の王(ボルボロス)
液体、気体、刃状の固体にトリオン体を変化させることができる。
卵の冠(アレクトール)
星の杖(オルガノン)
窓の影(スピラスキア)
トリオン
トリガーの動力源である生体エネルギー、トリオン器官と言われる見えない内臓で作られている。人間ならば誰しも心臓の横に持っている。人によって性能の優劣がある。
トリオン期間の優劣は使った武器の強さに直結する。
トリオン体
トリオンを使用している間、使用者の肉体はトリオンで作られた戦闘用ボディと入れ替えられる。このボディはトリオンによる攻撃以外はほとんどダメージを受けず、また運動能力も生身の体より大幅に強化される。
トリオン体での戦闘に生身の筋力は関係ないが、トリオン体の操縦は生身の体を動かす時の「感覚」が元になっている。
生身の体で動ける感覚を掴めばトリオン体ではその何倍も動けるようになる。
サイドエフェクト
高いトリオン能力を持つ人間は稀に脳や感覚器官に影響を及ぼして、超感覚を発現する場合がある。
それらの超感覚を総称して「サイドエフェクト」という
意味は副作用
炎を出したり空を飛んだりといった超常的なものではなくあくまで人間の能力の延長上
例
- 目を閉じている間だけ100メートル先まで耳が聴こえる
- 目の前の人間の少し先の未来が見える
- 目の前の人間の嘘を見抜ける
- 敵が近付くのを感知できる
- 一眠りするだけで学んだことをほぼ100%反映できる
緊急脱出(ペイルアウト)
ボーダーの正隊員トリガーは、トリオン体が破壊されると自動的に基地へ送還されるようになってる。
ユーマが使った印の一覧
弾(バウンド)
物体を弾いて跳ね飛ばすことができる。自分でも他人でも飛ばせる。生身の人間が使うと加速度に耐えられない
重ね掛けもでき非常に危険
強(ブースト)
トリオンの働きを強化することができる。攻撃に使えば攻撃力強化。トリオン体に使えば腕力強化。威力、パワーが欲しい時にはとりあえず使っておけばOKな万能印
盾(シールド)
攻撃を防ぐバリアを張ることができる。バリアは固定した状態の方が防御力が高く、手持ちで動かすと性能が下がる。重ねがけするとバリアの防御範囲が広がる。防御力アップには「強」印との併用が有効いhhじゅh
鎖(チェイン)
トリオンの鎖で対象を捕らえる。二つ以上の「鎖」印を鎖でつなぐことができるほか、地面や壁に印を仕掛けて、触れた相手を鎖で拘束する罠のような使い方もできる。重ねがけで鎖の耐久度と鎖の射程がアップする。
錨(アンカー)
三輪の攻撃からコピーした。トリオンを重しに変えて対象の機動力を奪う。「射」印と併用しない場合は直接触れる必要がある。
射(ボルト)
三輪の攻撃からコピーした。トリオンを飛ばして射程攻撃する。他の印と併用すれば印の効果を離れた相手に及ぼすことができる。重ねかけで射程か弾数を増やすことができる。
組織紹介
ボーダー
ネイバーから地球を守るために組織された。指揮系統は、直属の上官のみが命令できるようになっている。
ボーダーは3つの派閥に分かれており
城戸派「ネイバーは絶対許さないぞ主義派」
忍田派「街の平和が第一だよね主義」
玉狛支部「ネイバーにもいいやついるからなかよくしようぜ主義」というようになっている。
戦闘員には精鋭30名のA級、主力100名のB級、400名以上の訓練生C級と階級がある。
クラスアップには同じクラスの中で模擬戦に勝って良い成績を残した者が上位のクラスへ行ける。
B級隊員にならないと戦闘へ参加できない、どのようにしてB級に昇格するかというと訓練生のトリガーには各自が選んだ戦闘用トリガーが一つだけ入っており左手には1000と表示される。この数字を4000まで上げることでB級へと昇格できる。
ポイントを上げる方法は2つあり、合同訓練でいい結果を残すかランク戦でポイントを奪い合うか
防衛隊員は戦う距離によって3つのポディションに分かれており、アタッカー、ガンナー、スナイパーと近距離から長距離まである。
「模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる」
玉狛支部
ボーダー支部の一つ、林藤が支部長を務め、迅が所属する支部で、ネイバーにもいいやつがいると理解している。
防衛隊員は少ないものの、S級の迅以外は全員A級
近界人(ネイバー)
ゲートの向こう側にいるのはユーマと同じような人間
その他バトル系漫画も紹介していますので是非ご覧ください
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