【クローズEXPLODE】映画版がひどい?「クローズZERO」の物語の一ヶ月後

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【クローズEXPLODE】映画版がひどい?「クローズZERO」の物語の一ヶ月後
©高橋ヒロシ/秋田書店

THE TRUTH OF CROWS EXPLODE: Why Did Fans Hate It? The Reality of Kaburagi Kazeo

映画『クローズEXPLODE』徹底解析!酷評の裏に隠された設定の乖離と新主人公の葛藤

 

不良漫画の金字塔『クローズ』に新たな物語が!『クローズEXPLODE』とは?

高橋ヒロシが描く不良漫画『クローズ』は、長きにわたり多くのファンから絶大な支持を集めてきた金字塔です。

その世界観は、映画『クローズZERO』シリーズでさらに広がりを見せ、原作を知らない層にまでその名を轟かせました。

今回、その映画版から派生した新しい物語『クローズEXPLODE』が登場し、シリーズのファンは期待に胸を膨らませました。

『クローズEXPLODE』は、映画『クローズZERO II』の物語から約1ヶ月後を舞台にしています。

滝谷源治や芹沢多摩雄らが卒業し、新年度を迎えた鈴蘭男子高等学校に、一人の転校生がやってくるところから物語は始まります。

その名は鏑木旋風雄。

原作の主人公である坊屋春道や、『WORST』の主人公である月島花も転校生として登場し、鈴蘭に大きな変化をもたらしました。

そのため、今回の転校生である鏑木旋風雄もまた、鈴蘭の勢力図を大きく塗り替える存在になるのではないかと、僕を含め多くのファンが注目しました。

この記事では、新シリーズ『クローズEXPLODE』のあらすじを深掘りしながら、主人公である鏑木旋風雄の人物像や、彼が背負う葛藤について考察していきます。

また、シリーズファンが気になるであろう「過去のキャラクターは登場するのか」といった疑問にも触れていきます。

 

あらすじ:『クローズZERO』から1ヶ月後、鈴蘭に現れた新たな「バケモノ」

物語の舞台は、喧嘩最強の男たちを輩出してきたことで知られる鈴蘭男子高等学校。

鈴蘭の不良たちは、世間から「カラス」と呼ばれており、彼らの関心はただ一つ、「鈴蘭のテッペンを取ること」です。

しかし、多くの猛者がひしめき合う鈴蘭には、未だにテッペンに立つ者が現れていませんでした。

そんな鈴蘭に、新たな転校生として鏑木旋風雄がやってきます。

旋風雄は、転校前にある事件を起こしたという噂を持つ男です。

圧倒的な喧嘩の強さを持ちながらも、本人は頂点争いに一切の興味を示しません。

新年度が始まり、鈴蘭の不良たちが群雄割拠する中、旋風雄は鈴蘭最小のグループを率いる小岐須健一、岩田五郎、桃山春樹の3人から声をかけられます。

リーダーの小岐須は、旋風雄の実力を見抜き、彼を自分たちのグループに引き入れ、共に鈴蘭のテッペンを取ろうと考えました。

しかし、旋風雄には喧嘩をしない理由がありました。

その背景には、ボクサーであった父の死が深く関係していました。

父を喧嘩で亡くした過去が、旋風雄を暴力から遠ざけていたのです。

喧嘩から足を洗おうとする旋風雄でしたが、新年度早々、鈴蘭に恒例の「喧嘩偏差値」が貼り出され、彼は新参者ながら5位にランクインしてしまいます。

このランキングによって、旋風雄は否応なく鈴蘭の抗争に巻き込まれていくことになります。

 

鏑木旋風雄の人物像と坊屋春道との共通点

『クローズEXPLODE』の主人公、鏑木旋風雄は、圧倒的な強さを持ちながら、普段は飄々としており、喧嘩を好まないという点において、原作の主人公である坊屋春道に近い属性を持っています。

しかし、旋風雄には春道にはない特有の暗い影があります。

彼は過去のトラウマから、もう二度と喧嘩をしないと心に決めていました。

この「喧嘩をしない理由」を抱えた転校生が、暴力こそが言語である鈴蘭でどのように生きていくのか、という点が物語の大きな焦点となります。

僕の視点で見れば、春道が「最強を証明する必要がないから喧嘩をしない」のに対し、旋風雄は「暴力そのものを拒絶しようとして喧嘩をしない」という明確な差があります。

 

鈴蘭の「喧嘩偏差値」と抗争の勃発

『クローズ』シリーズでは、主人公が転校してきたことで物語が動き出すパターンが伝統です。

鏑木旋風雄の転校も例外ではありません。

鈴蘭に貼り出された「喧嘩偏差値」は、不良たちの序列を可視化する劇中の重要なギミックです。

旋風雄が新参者ながら5位にランクインしたことで、彼の存在は瞬く間に鈴蘭中に知れ渡りました。

このランキングをきっかけに、旋風雄は次々と挑まれる喧嘩を避けられなくなり、彼の「喧嘩をしない」という決意は試されることになります。

 

『クローズEXPLODE』は完全な新シリーズとして楽しむべき

『クローズEXPLODE』は、映画『クローズZERO』シリーズの1ヶ月後を描いた作品です。

このため、「前作のキャラクターは登場するのか」という点は誰もが気にするところでしょう。

実際、劇中には片桐拳や林田恵(リンダマン)といったお馴染みの顔ぶれが登場します。

しかし、物語の主軸は完全に次世代へと移っています。

『クローズEXPLODE』は、滝谷源治たちの残光を追うのではなく、鏑木旋風雄という新しい主人公が、強羅徹や加賀美遼平といった新たなライバルたちと織りなす物語です。

過去のシリーズの延長線上としてだけではなく、一つの独立した群像劇として捉える必要があります。

 

1年生戦争の系譜?『クローズEXPLODE』で描かれる熾烈な抗争

『クローズ』シリーズの恒例行事といえば「1年生戦争」です。

本作でも、加賀美遼平という怪物が1年生として入学し、鈴蘭に旋風を巻き起こします。

物語の冒頭から激しい喧嘩が繰り広げられ、そこには理屈を超えた暴力の応酬があります。

鈴蘭の不良たちは、テッペンを取るという明確な野望を抱き、牙を剥き合います。

そんな殺伐とした環境下で、不戦を貫こうとする旋風雄の異質さが際立つのです。

 

物語の舞台『鈴蘭高校』を深掘り

鈴蘭男子高等学校は、不良漫画界において最も異質な存在感を放つ場所です。

「カラスの学校」と呼ばれ、県内屈指の不良が集まるこの地には、校則や教師の権威は存在しません。

しかし、そこには「力」だけが正義とされる独自の哲学が根付いています。

誰が頂点に立つのか。

その一点に全てを懸ける男たちの生き様が、鈴蘭の歴史を作ってきました。

『クローズEXPLODE』では、この伝統ある舞台に鏑木旋風雄というアンチテーゼ的な主人公が放り込まれたことで、物語が展開します。

 

『クローズEXPLODE』の登場人物たち:鈴蘭の群雄割拠

本作には魅力的なキャラクターが多数登場します。

旋風雄を慕う小岐須健一、圧倒的な力で鈴蘭の頂点に最も近いとされる強羅徹、そして冷酷な狂気を孕んだ1年生・加賀美遼平。

彼らが複雑に絡み合い、鈴蘭の勢力図を形成しています。

特に強羅徹を演じた柳楽優弥の存在感は、前作の芹沢多摩雄に比肩するほどの迫力を持っていました。

 

『クローズZERO』の熱狂から一転、映画【クローズEXPLODE】はなぜ酷評されたのか?

2007年の『クローズZERO』は、三池崇史監督によるド迫力のアクションと、小栗旬や山田孝之の熱演で不良映画の金字塔を打ち立てました。

しかし、2014年に公開された『クローズEXPLODE』は、前作のファンから「酷評」という厳しい洗礼を受けることになります。

「史上最悪の主人公」「不発に終わった物語」といった声が上がった背景には、何があったのでしょうか。

僕の視点から、その決定的な要因を徹底的に考察していきます。

 

監督・キャストの一新が生んだ期待と不安

本作では三池崇史監督に代わり、豊田利晃監督がメガホンを取りました。

キャストも東出昌大を筆頭に大幅刷新。

この交代が、前作の「動」の熱量を求めていたファンにとって、大きな違和感となりました。

豊田監督特有のスタイリッシュで閉塞感のある演出は、これまでの『クローズ』にない魅力でしたが、それが「ヤンキー映画」としての爽快感を削いでしまった感は否めません。

片桐拳やリンダマンの続投というファンサービスもありましたが、メインの温度差を埋めるには至りませんでした。

 

酷評の理由①:主人公に共感できない

最大の要因は、主人公・鏑木旋風雄のキャラクター造形にあります。

滝谷源治が「頂点」という目標に向かって猪突猛進したのに対し、旋風雄は終始「だりい」「喧嘩はしない」と拒絶の姿勢を貫きます。

この内省的な性格が、カタルシスを求める観客のフラストレーションを蓄積させました。

また、彼が最終的に立ち上がる動機についても、描写不足との指摘が多く見られました。

自分を慕ってくれた小岐須健一が黒咲工業の強羅らにリンチされ、重傷を負わされたこと。

この事件が旋風雄を「不戦」から「決戦」へと駆り立てるのですが、その感情の爆発が物語の終盤まで遅すぎたのです。

 

酷評の理由②:不発に終わった物語とアクション

前作のような軍団同士の激突というよりも、個人の葛藤や複数のエピソードが散発的に描かれたことが、物語の熱量を分散させました。

黒咲工業との確執、ヤクザの陰謀、OBとの繋がりなど、要素を詰め込みすぎた結果、どの対立構造も中途半端に映ってしまいました。

アクション面でも、三池監督のような漫画的な誇張を排したリアル志向の立ち回りが、派手さを期待した層には物足りなく感じられたようです。

 

酷評の理由③:脚本の投げやりな展開

キャラクターの言動に一貫性が欠けるシーンも散見されました。

特に加賀美遼平の狂気と、それに対する旋風雄の対応が噛み合わず、物語の着地点が見えにくいという批判が目立ちました。

また、旋風雄が単独行動を好みながらも、なぜか周囲が自然と彼を支える展開に、ご都合主義を感じた視聴者も多かったはずです。

 

それでも評価された点もあった

酷評一色ではありません。

強羅徹を演じた柳楽優弥や、永山絢斗、早乙女太一といった若手俳優たちのギラついた演技は白眉でした。

彼らが醸し出す「出口のない若者の閉塞感」は、豊田監督の作風と合致し、独自の美しさを放っていました。

Dragon Ashによる「Blow Your Mind」の旋律も、鈴蘭の退廃的な空気感を見事に表現していました。

 

『クローズ』の黒歴史か、新たな試みか?

『クローズEXPLODE』は、商業的な成功を収めたブランドの看板を背負いながら、あえて「アンチ・サクセスストーリー」を描こうとした意欲作でした。

しかし、結果としてファンが求める「クローズ像」との致命的な乖離を生んでしまいました。

タイトル通りに「爆発」することなく終わってしまった物語は、シリーズの歴史において特異な立ち位置を占めています。

 

まとめ:鏑木旋風雄の鈴蘭生活に注目

映画『クローズEXPLODE』は、シリーズの伝統を継承しつつも、新たな主人公の葛藤を描いた野心的な作品です。

父の死を背負い、不戦を願う旋風雄が、逃れられない暴力の渦中で何を見出すのか。

かつての熱狂とは異なる、冷たく燃えるような鈴蘭の姿。

シリーズを愛する者として、この物語が示した「新たな鈴蘭の可能性」を、僕たちは今一度客観的に見つめ直す必要があるのかもしれません。

 

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