『BLEACH』には、瀞霊廷の西門「白道門」の門番を務める兕丹坊(じだんぼう)というユニークなキャラクターが登場します。
その巨体と斧を振るう姿はまさに豪傑そのものですが、見た目とは裏腹に、非常に情に厚く心優しい性格で、多くのファンから「かわいい」と親しまれています。
この記事では、兕丹坊の圧倒的な強さや、知られざる斬魄刀(?)の謎、そして日番谷冬獅郎との間に築かれた意外な友情、さらに印象的な登場シーンまで、彼の魅力に深く迫っていきます。
兕丹坊(じだんぼう)の基本情報と魅力的な人物像
プロフィール:身長988cm、体重999kgの門番
兕丹坊は2001年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』で連載された漫画『BLEACH』に登場するキャラクターです。
尸魂界の四大瀞霊門の一つ、西門「白道門」の番人を務める彼は、尸魂界全土から選び抜かれた豪傑中の豪傑です。
その身長は988cm、体重は999kgという驚異的な巨体を誇ります。
巨体に似合わず動きは軽く、厚いタラコ唇が特徴的な顔立ちをしています。
この顔立ちは、護廷十三隊七番隊第四席を務める弟の一貫坂慈楼坊(いっかんざか じろうぼう)と瓜二つです。
兕丹坊が白道門の門番に就いてから300年間、一度も門を破られたことがないという実績は、彼の並外れた実力を物語っています。
項目 | 詳細 |
---|---|
誕生日 | 1月10日 |
身長 | 988cm |
体重 | 999kg |
CV | 長嶝高士 |
担当 | 瀞霊廷西門「白道門」門番 |
武器 | 巨大な斧(二本) |
家族 | 弟:一貫坂慈楼坊(護廷十三隊七番隊第四席) |
特徴 | 訛り声、巨体、怪力、地獄耳 |
心優しき門番:タイマンを好み、説教もする性格
兕丹坊は、その怖い見た目とは裏腹に、情に厚く穏やかな性格をしています。
そのため、尸魂界の住人や周囲の死神たちからとても慕われています。
彼は「タイマン」を好み、目の前の一人以外の敵には攻撃しないという独自のルールを持っています。
他の敵が攻撃してきたら、斧で地形を変えて敵を傷つけることなく攻撃してこれないようにした上で、しっかりと説教をするほどです。
この徹底した「一人ずつ」というルールは、後に日番谷冬獅郎から教わった「都会のルール」の一つとして、彼の中に深く根付いていくことになります。
また、意外と地獄耳であることも、彼のユニークな特徴の一つです。
黒崎一護との初めての戦いでは、自身の斧が折れてしまったショックで泣き出してしまうなど、その見た目からは想像もできないような可愛らしい一面も持っています。
戦闘で完敗したり、敵から少し優しくされただけで、あっけなく白道門の通行を許可し、門を開けてしまうという、門番としてはあるまじき行動をすることもありましたが、市丸ギンに指摘されて以降は改善されました。
兄弟の絆:弟・一貫坂慈楼坊との関係性
兕丹坊には、護廷十三隊七番隊第四席を務める弟の一貫坂慈楼坊(いっかんざか じろうぼう)がいます。
弟も兕丹坊と同じような巨体と似た外見をしていますが、性格は真逆です。
一貫坂慈楼坊は、勝つためには手段を選ばない卑怯な性格で、女性ばかりを狙うなど、正々堂々とした戦いを好みません。
石田雨竜は彼の卑怯な考えを最初から見抜き、「常に女性から狙うなんて無様な真似、そうそうできることじゃない」と皮肉を言っています。
性格は真逆ですが、兕丹坊と一貫坂慈楼坊は仲の良い兄弟として描かれています。
一貫坂慈楼坊は「鎌鼬(かまいたち)」の異名を持つ最強の飛び道具使いでもありますが、石田雨竜との戦いで霊力を司る急所を撃ち抜かれ敗北、死神として戻ることはできなくなりました。
この弟の存在からも、兕丹坊のフルネームも「一貫坂兕丹坊」である可能性が高いと考えられています。
兕丹坊の強さと謎多き武器「斧」
兕丹坊は死神ですが、他の死神たちが斬魄刀を使うのに対し、彼は巨大な二本の斧を武器としています。
この斧が斬魄刀なのかどうかは作中では明かされていませんが、その威力は絶大です。
圧倒的な怪力と戦闘能力
兕丹坊は、その巨大な二本の斧を使い、たった一振りで30もの虚(ホロウ)を打ち倒してしまうほどの怪力を誇ります。
300年間「白道門」の番人を任されていることからも、彼が尸魂界でも屈指の実力者であることがわかります。
黒崎一護にはあっさりと敗れてしまいましたが、その際に「何十年ぶりに斧を受け止められた」と発言しており、彼がいかに負け知らずの強者であったかが分かります。
この発言からも、普段の兕丹坊がいかに強力な存在であるかが伝わってきますね。
謎に包まれた「斧」の正体:斬魄刀なのか?
兕丹坊の武器である巨大な二本の斧が、彼の斬魄刀なのかどうかは『BLEACH』作中では明かされていません。
斬魄刀の名前や始解、卍解といった情報も一切不明です。
しかし、たとえこの斧が斬魄刀でなかったとしても、300年間も門番を務め上げた実績を考えれば、その武器は非常に強力なものであることは間違いありません。
ファンの中には、彼の斧こそが彼の斬魄刀の真の姿であり、始解や卍解といった概念を超えた原始的な力を持つのではないか、と考察する声もあります。
必殺技:「十本兕丹打祭」と「万歳兕丹打祭」
兕丹坊の巨大な二本の斧には、「十本兕丹打祭(じゅっぽんじだんだまつり)」と「万歳兕丹打祭(ばんざいじだんだまつり)」という必殺技があります。
「十本兕丹打祭」は、その名の通り斧を10回連続で振り下ろす技ですが、兕丹坊がうまく数えられていないため、実質10回以上攻撃していると考えられています。
しかし、黒崎一護には全ての攻撃を防がれてしまいました。
「万歳兕丹打祭」は、二本の斧を両手で振り下ろす必殺技ですが、黒崎一護に斧を破壊されたことで未遂に終わってしまいました。
もしこれらの技が完全に繰り出されていたら、その威力は計り知れないものだったでしょう。
兕丹坊と日番谷冬獅郎:意外な友情の物語
『BLEACH』のキャラクターの中でも、兕丹坊と日番谷冬獅郎(ひつがや とうしろう)の二人の関係は、多くのファンに愛されています。
二人の絆のきっかけとなったのは、日番谷冬獅郎が兕丹坊に教えた「都会のルール」でした。
クールな天才少年隊長・日番谷冬獅郎
日番谷冬獅郎は、護廷十三隊十番隊隊長を務める死神で、潤林安出身です。
小柄な少年のような外見で、他の死神たちとは異なり、物事を冷静に判断できるクールな性格が特徴です。
主にツッコミ役として描かれることが多いですが、五番隊副隊長の雛森桃とは幼馴染で、幼い頃は流魂街に住む祖母の元で姉弟のように育ちました。
「氷輪丸(ひょうりんまる)」という氷雪系最強の斬魄刀を持ち、卍解は「大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)」です。
史上最年少で護廷十三隊の隊長にまで上り詰めた彼は、周囲からは「神童」と呼ばれています。
「都会のルール」が繋いだ友情
尸魂界の四大瀞霊門「白道門」の番人である兕丹坊は、尸魂界に来たばかりの幼い日番谷冬獅郎から「都会のルール」というものを教わりました。
そのルールとは以下の三点です。
1. 外から帰ってきたら手を洗う
2. 床に落ちた物は食べない
3. 決闘は一人ずつ
この「都会のルール」を教えてもらった兕丹坊は、この三つのことを忠実に守り続けます。
特に「決闘は一人ずつ」というルールは、彼の戦闘スタイルにも影響を与え、黒崎一護との戦いでも守り通しました。
この「都会のルール」をきっかけに、二人の間には強い信頼関係が築かれ、仲の良い友人のような関係へと発展していきました。
たとえ日番谷冬獅郎が幼い頃に教えたことであっても、兕丹坊がそれを忠実に守り続ける姿は、二人の絆の深さを物語っています。
番外編での心温まる交流
日番谷冬獅郎が兕丹坊に「都会のルール」を教えたのは、日番谷冬獅郎がまだ幼い頃の出来事ですが、年月が経った今でも、二人の関係は良好です。
アニメの番外編などでは、休日に日番谷冬獅郎が兕丹坊に会いに行くことを楽しみにしている様子が描かれるなど、二人の仲の良さがうかがえます。
この意外な組み合わせの友情は、多くのファンに癒やしを与えています。
兕丹坊の印象的な登場シーンと活躍
登場回数が少ない兕丹坊ですが、その存在感は抜群で、いくつかのシーンで強く印象を残しています。
尸魂界篇での初登場と黒崎一護との激突
兕丹坊が初めて登場したのは、『BLEACH』尸魂界篇の第21話「突入!死神の世界」です。
この篇は、拐われた朽木ルキアを奪還するため、黒崎一護をはじめとする仲間たちが死神たちと戦いを繰り広げるストーリーです。
尸魂界は、霊力を持つ死神たちが住む瀞霊廷と、その周りにある死者の魂が住む流魂街に分かれています。
東西南北にそれぞれ設置されている四大瀞霊門(青流門、白道門、朱窪門、黒隆門)のいずれかからしか尸魂界には入れず、各門には尸魂界中から選び抜かれた番人が警護しています。
兕丹坊は、この四大瀞霊門の一つ、「白道門」の番人を務めています。
黒崎一護たちが流魂街へ向かう途中で「白道門」にたどり着き、門番である兕丹坊と戦うことになります。
兕丹坊は尸魂界への侵入を阻止するため、斧を一振りし地面をめくれあがらせて壁を作ります。
井上織姫たちは動揺しますが、修行を積み、スタミナと度胸がついた黒崎一護は動揺せず、戦いに勝つ自信を持っていました。
戦いの前に、兕丹坊は日番谷冬獅郎から教わった「都会のルール」の中の「決闘は一人ずつ」という教えを黒崎一護に守るよう促します。
ここから1対1の戦いが始まりますが、黒崎一護は兕丹坊の攻撃を全て受け止めます。
これに火がついた兕丹坊は必殺技を繰り出しますが、黒崎一護には攻撃が効きません。
その後、黒崎一護はたったの一振りで兕丹坊を吹き飛ばし、兕丹坊は勝負に敗れます。
門番を務めていた兕丹坊が300年ぶりに敗北した瞬間でした。
黒崎一護に守られた心温まる場面
黒崎一護との戦いで斧を壊されてしまい、落ち込んでいた兕丹坊に、黒崎一護は謝罪します。
この黒崎一護の言葉に対し、兕丹坊は「なんて器のでかいできた男なんだ」と感動し、黒崎一護を戦いが強いだけでなく、器の大きさもある男として尊敬します。
そして、日番谷冬獅郎から教わった「負けた門番は潔く門を開けなければならない」という教えに従い、白道門を潔く開き、黒崎一護たちに尸魂界へ向かうことを許可しました。
しかし、その直後、市丸ギンに左腕を斬り落とされ(アニメでは腕に大きく傷を付けられる形に変更)、門の外に黒崎一護もろとも追い出されてしまいます。
市丸ギンは「門番は門開ける為に居てんのとちゃうやろ」「負けた門番が門なんか開けへんよ?解ってへんねんな…門番が”負ける”言うんは”死ぬ”言う意味やぞ」と冷酷に言い放ちました。
この左腕は井上織姫に治療され、療養後、尸魂界篇終盤で戦線に復帰します。
黒崎一護戦で斧を折られたためか、以降、斧を使うことはなくなりましたが、藍染惣右介の謀反が判明した後は、彼に洗脳され理性を失っていた他の門番を殴って気絶させるなど、要所で活躍を見せました。
最終章・千年血戦篇での再登場
最終章・千年血戦篇では、星十字騎士団のジジに操られ、理性を失い無言で技術開発局を襲撃します。
この時、斧を使わず素手で攻撃している姿は、まるでヤミー・リヤルゴのような迫力でした。
誰に操られているか不明でしたが、後に久保帯人先生の公式Q&Aにより、ジジに操られていたと判明しました。
兕丹坊の声優は長嶝高士!
『BLEACH』のアニメは2004年に放送が開始され、2012年まで放送されました。
兕丹坊の声を担当したのは長嶝高士
『BLEACH』のアニメで兕丹坊役を演じているのは、声優の長嶝高士(ながさこ たかし)です。
長嶝高士は2004年から兕丹坊役を演じており、『BLEACH』では兕丹坊役以外にも、フィーバー、有昭田鉢玄、デブ魂魄役なども演じています。
長嶝高士のプロフィールと主な出演作品
長嶝高士は1964年2月24日生まれ、アーツビジョン所属の男性声優です。
高校時代から芝居に興味を持ち、その頃から演技の勉強をされています。
渋みのある穏やかな声質が特徴的で、その声質を生かし、主に中年・壮年・老年の男性キャラクターの声を担当することが多いです。
ゲーム作品にも出演することが多く、悪役を務めることもあります。
長嶝高士の性格は穏やかで天然なところがあると言われており、バブル期を経験して以来、「いい家に住んでいればモテる」という当時の風潮を真に受け、大きな家を購入するなどのエピソードもあります。
それ以来、家の敷地面積を拡大し続けているというユニークな一面も持っています。
『BLEACH』兕丹坊役以外での主な出演作品には、『星のカービィ』のパーム大臣、レン村長、キュリオ氏役、『ドラゴンボール改』のドドリア役、『キン肉マンII世』のザ☆農村マン役、『ONE PIECE』のジョズ、アラディン役などがあり、幅広いジャンルの作品で活躍しています。
もしも兕丹坊が〇〇だったら?:現代社会での姿を考察
『BLEACH』の兕丹坊がもしも現代社会に存在したら、どのような人物になるのかを想像してみましょう。
弟篇
兕丹坊がもし弟だったら、兄と一緒に出かけるのが好きなタイプかもしれません。
作中では、日番谷冬獅郎と休日に会っているシーンが描かれています。
実際には兕丹坊は兄ですが、弟の一貫坂慈楼坊とは兄弟仲が良好なことから、兕丹坊が弟であった場合も兄弟仲は良く、兄のことが好きな弟であると想像できます。
後輩篇
兕丹坊がもし後輩だったら、作中で尸魂界の住人からかなり慕われていることを考えると、先輩から可愛がられる後輩になるでしょう。
普段から優しい性格をしているため、先輩たちから愛される存在になるはずです。
部活の先輩篇
兕丹坊がもし部活の先輩だったら、部活動のルールをしっかりと守る先輩になるでしょう。
なぜなら、兕丹坊は作中で「都会のルール」を忠実に守っている姿勢が描かれているからです。
ルールを忠実に守ることを後輩にも教えるため、最初は少し「うるさいな」と思われるかもしれませんが、優しい言い方で伝えてくれるはずなので、後輩たちもついてきてくれると想像できます。
情に厚く心優しい尸魂界の門番・兕丹坊
兕丹坊は、その大きな体格や見た目とは裏腹に、情に厚く、穏やかで優しい性格をしています。
瀞霊廷の四大瀞霊門の番人として、300年間一度たりとも侵入者を許さない強さを持ちながらも、日番谷冬獅郎から教わった「都会のルール」を守り通し、戦いで勝負に負けたときには潔く門を開けなければならないという信念を持っています。
黒崎一護との戦いでは、その信念の通り、敗北したため潔く門を通ることを許可しました。
情に厚く優しい兕丹坊の魅力は、『BLEACH』第21話「突入!死神の世界」で存分に描かれていますので、ぜひ見てみてください。
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