
国民的漫画『こち亀』とは?ギネス認定の金字塔!
「こち亀」の愛称で親しまれている『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、1976年(昭和51年)から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まり、2016年(平成28年)に最終話を迎えるまで、実に40年もの長きにわたり一度の休載もなく連載されました。
その功績は、「単一マンガシリーズで最も発行巻数が多い」としてギネス世界記録にも認定されています。
連載終了時には世間から惜しまれる声が非常に多く上がりましたが、作品が残してくれた記録や情景は、今も亀有周辺に色濃く感じることができます。
長期連載を続けていると、編集部内で打ち切りの対象となることも珍しくありませんが、こち亀は40年間一度もそうした議論の対象になることなく連載を終えました。
これは、人気連載ランキングの上位に常に名を連ねるような派手さはないものの、常に安定した人気を集めていたからこそ達成できた快挙と言えるでしょう。
国民的アニメとしてもお馴染みのこの作品は、多くの人々の心に深く刻まれています。
『こち亀』を陰で支える名物キャラクター、本田速人とは?
こち亀には、主人公の両津勘吉をはじめ、非常に個性豊かなキャラクターが数多く存在します。
その中でも、いつも両津に悪だくみに加担させられてしまう、白バイ隊員の名物キャラクター、本田速人の人物像を深掘りしていきます。
普段は優しく、どこか気弱なオーラを纏っている本田ですが、その裏には意外な生い立ちと性格、そして秘めたる情熱が隠されています。
こち亀の個性豊かなキャラクターたちの中で、彼がどれほどの存在感を示していたのか、改めて見ていきましょう。
本田速人の生い立ちと家族構成
本田の家族構成は、原作とアニメで設定に大きな違いはありません。
実家は東京都荒川区の南千住にあり、「本田輪業」というバイク屋さんを営んでいます。
父は改造、母はエリカという名前で、妹に伊歩(いぶ)、弟に門樹(かどき)がいます。
妹の伊歩は結婚しており、苗字は川崎になっています。
夫は川崎瀬刃(ぜふぁー)という人物です。
警察官になる前、本田は暴走族「関東連合」(アニメ版では関東男連合)の初代総長を務めていました。
その頃には九州決戦や大阪決戦で1人で暴走族1000人を潰し、数百台ものバイクを破壊したという伝説も持っています。
警察官になった後も、暴走族の間では「レジェンド・オブ・ダークネス」として語り継がれ、慕われているカリスマ的存在です。
本田は家族の中でも特に妹の伊歩を溺愛しており、その伊歩の結婚話を聞いた際には、ショックのあまり自暴自棄になり、「関東連合」を復活させてしまうほどでした。
妹の伊歩も兄を止めさせようと努力しますがうまくいかず、ついには彼との別れを決意します。
そのことを聞いた本田が伊歩に向かって言った言葉は、彼の妹への深い愛情を表しており、多くの読者の心に響いたことでしょう(コミックス123巻にその様子が描かれています)。
この時も両津が関わっており、伊歩に兄の説得を頼まれていましたが、あの無神経な両津には妹の思いを本田に上手く届けることができなかったようです。
本田の生年月日は、コミックスでは2月29日、アニメでは9月16日と異なっています。
年齢不詳とされていますが、主人公の両津との年齢差は10歳という設定です。
多様な趣味を持つ一面
本田の趣味は、妹の影響も大きく、スイーツや少女漫画が好きな一面もあります。
また、料理が得意という家庭的な一面も持ち合わせています。
他にもギターの演奏ができたり、バイクの腕も一流で、全国白バイ競技会で優勝するという偉業を達成していたりします。
普段の穏やかな姿からは想像できない、多才な一面が彼の魅力をさらに引き立てています。
原作での初登場シーン
こち亀の中で、白バイ警官本田速人の初登場は意外にも少し遅く、コミックス14巻での登場になります。
登場回は「バイクの男・本田!」というタイトルで、週刊少年ジャンプで1979年(昭和54年)4月に掲載されました。
コミックスでは14巻に収録されています。
両津がパトロールをしていると白バイに乗った本田が登場し、パトロール中にも関わらず本田に同行していくという内容で、彼の今後の活躍を予感させる登場シーンでした。
バイクに乗ると人格が豹変!名物キャラクター本田の二重人格
白バイ隊員の警官本田速人ですが、普段は大人しく少し気弱なイメージがあります。
しかし、一度バイクに乗ってしまうと性格が豹変してしまい、バイクを降りるまで強気で男らしい性格になってしまいます。
画像のように、目つきや雰囲気までも全く変わってしまうので、初めて見た読者は驚いたことでしょう。
本田は性格だけでなく口調まで変わってしまい、自分のことを普段は「僕」と言っていますが、バイクに乗ると「俺」と言うようになります。
更に、こち亀の主人公の両津を呼ぶときにも、普段は「先輩」と呼びますが、バイクに乗っているときは「両津のダンナ」とよぶようになります。
このことから、本田速人は二重人格ではないか、と考える読者が多いようです。
ただ、原作の初期のあたりでは、バイクを降りていても強気なままだったこともあり、その時は両津に指摘されて初めて気づくこともありました。
逆に、バイクに乗っても性格が変わらなかったりするときもあり、その「豹変」のトリガーには、ある程度の気分や状況も関係しているのかもしれません。
原作では、バイクに乗らなくてもハンドルを持つだけでも性格が変わったり、さらにはプラモデルのバイクを持っただけでも豹変してしまうといった、そのトリガーが拡大していく様子も描かれ、読者に笑いを誘いました。
こち亀の中でも恋愛上手?本田速人の恋模様
こち亀のキャラクターの中では意外にも、数多くの恋を経験している本田ですが、どれも長続きはしていないのが実情です。
普段の気弱な性格のため恋人がなかなかできず(バイクに乗った人格に惚れられたことはありました)、また、バイクに乗った時の狂暴な人格が原因でフラれてしまうこともありました。
一度、本口リカ(モトグチリカ)と付き合うこともありましたが、彼女が本田よりもバイクを選んでしまい、遠くへ旅立ってしまったため自然消滅しています。
その後、乙姫菜々という恋人ができます。
乙姫菜々は白バイ隊に所属していますが、本田が好きな少女漫画家の「愛野神女」(あいのみこ)として執筆しており、本田はそのことを知らずに告白していました。
乙姫菜々はこち亀コミックス94巻が初登場です。
本田と付き合い始めてから乙姫菜々のアパートに頻繁に男が訪れていることを聞いた本田は、そこで初めて乙姫が漫画家であることを知らされます。
お互いの趣味や仕事が深く関わり合う、こち亀らしいユニークな恋愛模様が展開されました。
アニメ版と実写版『こち亀』の本田速人
こち亀は、漫画だけでなくアニメや実写ドラマとしても展開され、多くのファンに親しまれました。
アニメ版『こち亀』の警官本田
こち亀のTVアニメは、1996年(平成8年)6月16日よりスタートし、2004年(平成16年)12月19日までの約8年半、全373話という長寿番組となりました。
このアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の中で、本田速人の声優を務めていたのは家中宏(やなかひろ)さんです。
家中の声によって、普段の優しい本田と、バイクに乗って豹変する本田の声色の違いが見事に表現され、キャラクターにさらなる深みを与えました。
ドラマ版『こち亀』の警官本田
アニメ放送が終了して5年後の2009年8月1日には、テレビドラマとして放送が始まり、同年9月26日までに全8回放送されました。
このテレビドラマの中では、本田速人役を内村光良さんが演じており、その意外なキャスティングに驚いた人もいるかもしれません。
本田が登場したのは第7回「2重人格?純情白バイ警官珍デート!」というタイトルで、保育士の美佐と本田の恋模様がコミカルに描かれました。
現実世界で『こち亀』の世界へ!亀有の聖地巡礼
東京都葛飾区には、こち亀の中で両津勘吉が勤務しているとされている亀有公園前派出所が実在します。
さらに亀有駅の周辺には、こち亀のキャラクターたちの銅像が様々な場所に建ててあり、まさに現実世界でこち亀ワールドに足を踏み入れることができる、世界で唯一のスポットとなっています。
駅前広場やその周辺に点在する銅像は、ファンにとっては見どころの一つです。
やはり訪れる人は多く、遠方から観光に来る人のために近隣の地図も設置されています。
地図にも両津の姿が描かれていることからも、この地域がいかにこち亀にゆかりが深いかが伝わってきます。
これだけ国民から愛されているキャラクターが、現実世界で体験できるというのは、非常に貴重な体験ができるスポットなのではないでしょうか。
銅像からも伝わる名物キャラクター本田の性格
その亀有に点在する銅像の中には、本田速人の銅像もあります。
亀有駅からは少し離れていますが、交通課白バイ隊員という設定に合わせて、国道467号線沿いに建てられています。
主人公の両津に比べると、大きさはそれほど大きくありませんが、しっかりと街を見守っているように感じられます。
銅像からも、普段の優しい本田のイメージが伝わってきて、ファンにとっては嬉しいポイントと言えるでしょう。
まとめ
今回は、『こち亀』に登場する名物キャラクター、本田速人に焦点を当て、彼の人物像や知られざるエピソードを詳しくご紹介しました。
バイクに乗ると豹変する二重人格というユニークな設定だけでなく、妹を溺愛する優しい一面や、警察官になる前の意外な過去、そして数々の恋愛経験など、本田の多面的な魅力が伝わったのではないでしょうか。
連載終了が惜しまれるほど世間から愛された『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。
全200巻という長編コミックスですが、本田速人の活躍に注目して、少しずつでも読み返してみてはいかがでしょうか?
きっと、新たな発見があるはずです。



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