『ワンパンマン』は、そのユニークな設定と爽快なバトル描写で多くのファンを魅了する人気漫画・アニメ作品です。
しかし、一方で「つまらない」「面白くなくなった」といった声が聞かれるのも事実です。
なぜ、これほど人気のある作品に対して、そのような意見が出るのでしょうか。
この記事では、『ワンパンマン』が「つまらない」と言われる主な理由を、原作版との比較や物語の展開、キャラクター描写の観点から深く考察していきます。
作品をより深く理解するために、ぜひ最後までご覧ください。
『ワンパンマン』とは?作品の基本情報とあらすじ
まずは、『ワンパンマン』という作品がどのようなものなのか、その基本情報とあらすじを簡単に振り返りましょう。
「ONE」と村田雄介が紡ぐ二つの『ワンパンマン』
『ワンパンマン』には、大きく分けて二つのバージョンが存在します。
一つは、原作者「ONE」が描いたウェブ漫画である「原作版」です。
原作版は、画力は決して高いとは言えませんが、その斬新な設定とキャラクターの魅力で大きな話題を呼びました。
そしてもう一つが、村田雄介が作画を担当する「リメイク版」です。
「アイシールド21」などで知られる村田雄介が、原作版の面白さに惹かれ、ONEにリメイクを打診したことから実現しました。
リメイク版は「となりのヤングジャンプ」で連載されており、村田雄介の圧倒的な画力によって、迫力あるバトルシーンや緻密な背景描写が描かれ、多くの読者を魅了しています。
無料で楽しめるウェブ漫画として、幅広い層に読まれています。
あらすじ:最強ゆえの虚無感を抱えるヒーロー・サイタマ
物語の主人公は、趣味でヒーロー活動をしている男性、サイタマです。
彼は想像を絶する強さを手に入れてしまい、どんなに凶悪な怪人が現れても、たった一発のパンチで倒してしまいます。
そのあまりの強さゆえに、サイタマは戦いに刺激や手応えを感じられず、「虚無感」を抱えています。
ある日、彼は機械の体を持つ青年・ジェノスと出会い、世の中に「プロヒーロー」という存在がいることを知ります。
「強すぎる」という悩みを抱え、目標を見失っていたサイタマは、とりあえずプロヒーローのトップを目指して活動を開始するのでした。
『ワンパンマン』が「つまらない」と言われる理由・原因
『ワンパンマン』は多くのファンを持つ一方で、「つまらない」と感じる読者がいるのはなぜでしょうか。
その主な理由をいくつか考察します。
つまらない原因①:ワンパターンな展開に飽きる
「ワンパンマンがつまらない」という意見で最も多く聞かれるのが、「ワンパターンで飽きる」という理由です。
どれほど強力な怪人が出現し、サイタマ以外のヒーローたちが苦戦を強いられても、最終的にはサイタマが登場し、たった一発のパンチで怪人を倒してしまう、という展開が繰り返されます。
サイタマの圧倒的な強さこそがこの作品のコンセプトであり魅力でもあるのですが、物語のパターンが固定化しているため、一部の読者からは「展開が読めてしまい、新鮮味がない」と感じられてしまうことがあります。
つまらない原因②:原作版の方が面白いという意見
『ワンパンマン』には原作版とリメイク版があるため、リメイク版を「つまらない」と感じる読者の中には、「原作版の方が面白い」と評価する声も少なくありません。
リメイク版は村田雄介による高い画力で描かれていますが、物語の内容やキャラクターの描写、一部の展開には原作にはないオリジナル要素も含まれています。
原作版の独特な雰囲気や、ONEの描くシュールなギャグ、あるいはシンプルな絵柄だからこそ引き立つ設定の面白さに魅力を感じていたファンにとっては、リメイク版の追加要素や描写の変化が、かえって「原作の良さを損なっている」と感じられることがあるようです。
つまらない原因③:敵キャラクター「ガロウ」への評価
『ワンパンマン』に登場する敵キャラクターの一人であるガロウに対しても、「つまらない」という意見があります。
ガロウは「怪人に憧れる男」としてヒーロー狩りを行う非常に強い格闘家ですが、「普通の強い格闘家」という印象が強く、深海王などのような純粋な「怪人」としての魅力に欠けると感じる読者もいるようです。
怪人でありながらどこか人間らしい部分を持つガロウのキャラクター性が、一部の読者にとっては物足りなく感じられる原因となっているのかもしれません。
つまらない原因④:スーパーファイト編の引き延ばし感
怪人協会編の中で描かれたサブエピソードである「スーパーファイト編」を「面白くない」と感じる読者もいます。
このエピソードは、物語全体の進行から見ると「怪人協会編の引き延ばし」のように感じられ、ストーリーの展開がかなり遅くなったため、テンポの悪さを指摘する声が上がりました。
『ワンパンマン』にスピーディーな展開を期待する読者にとっては、このスーパーファイト編は「つまらないエピソード」として映ってしまったようです。
つまらない原因⑤:主人公の成長が見られない
『ワンパンマン』の主人公サイタマは、物語の最初から既に最強であり、作中で全く成長することがありません。
どんなに強力な怪人が現れても圧倒的な力でねじ伏せてしまうため、一般的なバトル漫画にありがちな「主人公の成長」という要素がありません。
主人公が強敵との戦いを通して成長していく姿に感情移入し、熱くなることを期待する読者にとっては、「サイタマの成長がないのは残念だ」「つまらない」と感じる理由となることがあります。
つまらない原因⑥:脇役の裏話が面白くないという声
サイタマの成長が描かれない代わりに、『ワンパンマン』では脇役キャラクターたちの裏話や成長エピソードが多く描かれています。
しかし、この脇役キャラクターのエピソードを「つまらない」と感じる読者も少なくないようです。
サイタマの活躍シーンよりも脇役のエピソードに多くのページが割かれることで、作品全体の盛り上がりに欠けると感じたり、「主人公の存在感が薄れている」と不満を持つファンもいるようです。
つまらない原因⑦:伏線回収の遅さ
『ワンパンマン』には多くの伏線が張り巡らされていますが、その伏線回収の遅さも「つまらない」と言われる原因の一つです。
特に、「地球がヤバイ」という謎の占いの伏線は、連載初期から提示されているにもかかわらず、具体的な進展が見られないことにヤキモキしている読者が多くいます。
いつ伏線が回収されるのか気になりすぎて、かえってストレスを感じてしまうファンもいるようです。
つまらない原因⑧:怪人による被害描写の少なさ
『ワンパンマン』では、街を壊滅させるような強力な怪人が多数登場します。
しかし、それによって一般市民がどれほどの被害を受けているのか、死亡者はどのくらいいるのかといったリアルな描写が少ないことを指摘する声もあります。
特にリメイク版は画力が非常に高いため、よりリアルな被害描写を求める読者にとっては、その不足が物足りなく感じられることがあるようです。
つまらない原因⑨:サイタマが主人公であることへの疑問
「なぜサイタマが主人公なのか」という疑問を持つ読者もいるようです。
サイタマは圧倒的な強さを持つキャラクターですが、その活躍シーンは意外と少なく、ストーリーの中心はむしろジェノスや他のヒーローたちの葛藤や成長に割かれることが多いです。
そのため、「サイタマが主人公である必要性があるのか」と感じたり、「もっとサイタマの活躍が見たい」と期待するファンにとっては、物足りなさを感じる原因となっている可能性があります。
『ワンパンマン』が「面白い」と言われる理由・魅力
一方で、『ワンパンマン』が多くの読者に「面白い」と評価され、愛されているのにも明確な理由があります。
ここからは、作品の魅力に焦点を当てて考察していきます。
面白い理由①:秀逸な設定と世界観
『ワンパンマン』の最大の魅力の一つは、その秀逸な設定とユニークな世界観です。
「怪人とヒーローが戦う」という一見シンプルな構図の中に、「主人公が最強すぎる」という斬新なひねりが加えられています。
原作がギャグ漫画としてスタートしたこともあり、作品全体にはどこかシュールでユーモラスな雰囲気が漂っています。
シリアスなバトルシーンも多いですが、サイタマが登場すると一気にギャグ要素が増し、その緩急が絶妙な面白さを生み出しています。
村田雄介の圧倒的な画力によって、このユニークな世界観がより魅力的に表現されている点も高く評価されています。
面白い理由②:魅力的なキャラクターの多さ
『ワンパンマン』には、主人公サイタマだけでなく、非常に魅力的なキャラクターが多数登場します。
特にサブキャラクターたちの存在感が抜群で、それぞれが独自の背景や信念を持ち、読者の心を掴んでいます。
「主人公のサイタマよりも人気があるのでは?」と感じるほど、カッコよさや個性的な魅力を持つヒーローや怪人が多く存在しています。
脇役キャラクターたちが作品を彩り、物語に深みを与えている点は、多くのファンから「面白い」と評価される大きな理由です。
面白い理由③:シュールなギャグセンス
原作版がギャグ漫画であるため、リメイク版にもシュールで独特なギャグセンスが随所に散りばめられています。
シリアスなバトル展開の中に突如として挿入されるサイタマの無表情なセリフや行動、あるいはトップヒーローたちの意外な一面が描かれる裏話など、読者の予想を裏切るギャグが満載です。
このシュールなギャグが「面白い」と感じる読者は非常に多く、バトル漫画としての面白さだけでなく、コメディとしての魅力も高く評価されています。
面白い理由④:スッキリ感と感動的なシーン
『ワンパンマン』は基本的にはギャグ漫画として描かれていますが、時に心を揺さぶる感動的なシーンも描かれます。
特に有名なのは、S級ヒーローを差し置いて一般市民を守るために、圧倒的に格上の怪人に立ち向かう「無免ライダー」のシーンです。
勝ち目のない戦いと分かっていながらも、正義のためにボロボロになりながら立ち向かう彼の姿は、多くの読者に「スッキリとした感動」を与えました。
こうしたヒーローの矜持や人間の尊厳が描かれるシーンは、『ワンパンマン』の物語に深みを与え、読者を惹きつけています。
面白い理由⑤:サイタマのインパクトある初登場シーン
主人公サイタマの初登場シーンは、作品に引き込まれる大きなきっかけの一つです。
黄色いスーツに赤いマントという、どこか脱力感のあるヒーロースーツを着用し、「趣味でヒーローをやっている者だ」と名乗りながら怪人が暴れる現場に現れる姿は、強烈なインパクトを与えました。
この登場シーンで、サイタマの圧倒的な強さと、彼の持つ独特のユーモアが同時に提示され、多くの読者が一気に作品の世界に引き込まれていきました。
面白い理由⑥:サイタマとソニックの独特な関係性
サイタマには、一方的に彼をライバルと認識しているキャラクター、「音速のソニック」がいます。
忍者の里出身のソニックは、自分を倒したサイタマをライバル視し、彼を倒すために様々な戦闘方法を考案し、挑み続けます。
しかし、どんなに工夫を凝らした攻撃もサイタマには全く通用せず、その度にコミカルな形で返り討ちに遭います。
このサイタマとソニックの噛み合わないながらも独特な関係性は、多くのファンに愛されており、作品の面白さをより一層深めています。
『ワンパンマン』の未回収伏線と今後の展開への期待
「つまらない」と言われる理由の一つとして挙げられた「伏線回収の遅さ」ですが、裏を返せば、それは物語の深さと今後の展開への期待でもあります。
現在、『ワンパンマン』にはどのような未回収の伏線があるのでしょうか。
未回収伏線①:最強の「神」の存在
『ワンパンマン』の世界には、怪人などの強さを表す「災害レベル」という指標があり、上から「神・竜・鬼・虎・狼」の5段階があります。
この中でも最上位ランクの「神」レベルの存在は、未だ作中に現れていません。
竜レベルの怪人をワンパンチで倒してしまうサイタマが、もし苦戦するとすれば、この「神」レベルの災害だけだと考えられています。
「神」がどのような存在で、どれほどの強さを持っているのか、ファンからの注目と期待が非常に高く、物語のクライマックスを飾る存在となる可能性を秘めています。
未回収伏線②:サイタマの「本気」
主人公サイタマは、作中でまだ一度も本気を出したことがありません。
彼はいつも少しだけ力を込めてパンチをすることで相手を倒しており、サイタマの本気がいつ解放されるのか、多くのファンが心待ちにしています。
「最強のヒーロー」であるサイタマを本気にさせるほど強い怪人がまだ現れていないため、サイタマの本気を出すシーンはまだ先になる可能性が高いです。
災害レベル「神」が登場し、サイタマが初めて本気を出すような戦いが描かれるのではないか、と多くの読者が予想しています。
まとめ:「つまらない」と「面白い」が混在する『ワンパンマン』
『ワンパンマン』が「つまらない」と言われる主な理由としては、主人公の成長が見られないこと、ワンパターンな展開、伏線回収の遅さ、脇役エピソードへの不満などが挙げられます。
しかし、これらの点は、作品の持つ独特の魅力や、あえて王道を外す設定の裏返しでもあります。
一方で、『ワンパンマン』は、その秀逸な設定、魅力的なキャラクターたち、シュールなギャグセンス、そして時折見せる感動的なシーンによって、多くの読者に「面白い」と評価され、熱狂的な支持を得ています。
特に、サイタマの圧倒的な強さから生まれる「スッキリ感」や、他のヒーローたちの人間ドラマは、この作品ならではの魅力と言えるでしょう。
現在も物語は続いており、未回収の伏線や、S級1位ブラストの正体など、今後の展開への期待は高まるばかりです。
「つまらない」という声があるのは、それだけ多くの人に読まれ、様々な見方をされている証拠とも言えます。
今後、『ワンパンマン』がどのような形で物語を進め、読者を驚かせ、楽しませてくれるのか、引き続き注目していきたいですね。
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