
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ、20年の時を超えた「完全新作」劇場版の魅力とは
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズは、2002年のテレビアニメ放送開始以来、多くのファンを魅了し続けてきた金字塔的な作品です。
特に、21世紀最初のガンダムシリーズとして、遺伝子調整された「コーディネイター」と自然に生まれた「ナチュラル」の対立を軸に、戦争の悲劇と人間ドラマを深く描き出しました。
そして2024年1月26日、約20年ぶりとなる完全新作劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が公開され、長年のファンだけでなく、新たな世代の視聴者をも巻き込み、大きな話題を呼びました。
本作は、テレビシリーズ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の直接的な続編として位置づけられており、監督の福田己津央をはじめとするお馴染みのスタッフが再集結し、20年という歳月を経て進化した映像表現で、新たな物語を紡ぎ出しています。
「私の中にあなたはいます。あなたの中に私はいますか?」というキャッチコピーが示すように、登場人物たちの内面的な葛藤や、絆の再確認が物語の大きなテーマとなっています。
本記事では、この「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」をより深く楽しむために、主要キャラクターたちの複雑な相関図から、彼らが搭乗する最新鋭のモビルスーツ、そしてその魂を吹き込む豪華声優陣まで、徹底的に解説してまいります。
公開から時間が経過した現在でも、その感動と興奮は色褪せることなく、多くのファンの間で語り継がれています。
Blu-ray&DVDも2024年12月25日に発売され、自宅で何度でもその壮大な物語を堪能できるようになりました。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」:混迷の世界で「自由」を求める物語
劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の物語は、「デスティニープラン」を巡る戦いが終結したC.E.73年の数年後、C.E.75年を舞台に展開されます。
世界は一見平和を取り戻したかに見えましたが、「小国の紛争」や「ブルーコスモスによるテロ行為」は依然として続き、その火種は各地にくすぶり続けていました。
この事態を沈静化し、世界に真の平和をもたらすべく、大西洋連邦、オーブ、プラントが共同で「世界平和監視機構コンパス」を創設します。
初代総裁にはラクス・クラインが就任し、キラ・ヤマトたちはその一員として、各地の戦闘に介入していくことになります。
ファウンデーション王国との出会い、そして新たな戦火
物語は、ユーラシア連邦からの独立を果たした新興国家「ファウンデーション王国」からの要請によって、新たな局面を迎えます。
コンパスは、ブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案され、キラたちはその要請に応じて行動を開始するのです。
しかし、このファウンデーション王国には、女王アウラ・マハ・ハイバルと宰相オルフェ・ラム・タオが率いる「ブラックナイツ」という特殊部隊が存在し、彼らの真の目的は、世界を支配する「アコード」と呼ばれる存在による新たな秩序の構築でした。
特にオルフェは、かつてギルバート・デュランダルが提唱した「デスティニープラン」の思想を受け継ぎ、人類を導く「上位種」としてのアコードの支配を画策しています。
ブラックナイツは、精神感応能力を持つ「アコード」で構成されており、キラの精神を浸食し、洗脳状態に陥らせることで戦火を拡大させていきます。
この策略により、キラは自身が率いるアークエンジェルまで撃沈され、深い絶望と無力感に苛まれることになります。
多くのファンが、キラの苦悩する姿に心を痛め、「彼が本当に求めていた平和とは何か」を改めて考えさせられたのではないでしょうか。
アスランとシンの活躍、そして「愛」の再確認
絶体絶命のピンチに陥ったコンパスですが、そこで真価を発揮するのが、アスラン・ザラとシン・アスカです。
特にアスランは、キラが戦うことを拒否し、自らを無力だと嘆く中でも、ラクスを救うために行動を起こします。
アスランのズゴックに隠されたインフィニットジャスティスガンダム弐式や、シンのデスティニーガンダムSpec IIといった、ファン待望の機体が登場し、ブラックナイツとの激しい戦いを繰り広げます。
そして、囚われの身となっていたラクスは、キラとの間に言えなかった心からの「愛」を打ち明け、再び彼の隣で共に戦うことを決意します。
この「愛」が、本作の最も重要なテーマの一つであり、福田己津央監督も「誰も愛を語らない時代だからこそ、愛を描いた」と語っています。
最終決戦では、キラのマイティーストライクフリーダムガンダム、アスランのインフィニットジャスティスガンダム弐式、シンのデスティニーガンダムSpec II、ルナマリアのゲルググメナース、ヒルダのギャンシュトロームといった、お馴染みのメンバーがそれぞれの愛機に搭乗し、ブラックナイツとの総力戦に挑みます。
アコードたちの能力によって追い詰められる場面もありましたが、彼らは互いの絆と「愛」を信じ、新たな「自由」を勝ち取るために戦い抜きました。
このクライマックスは、まさに「SEED」シリーズの集大成とも言える熱い展開で、多くのファンが胸を熱くしたことでしょう。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」に登場する主要キャラクターとその軌跡
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの魅力は、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマにあります。
劇場版「FREEDOM」では、テレビシリーズから続く彼らの成長や葛藤が、より深く描かれました。
ここでは、主要なキャラクターたちを、そのプロフィールと搭乗機体、そして物語における役割とともにご紹介します。
キラ・ヤマト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス ヤマト隊隊長 |
| 人種 | コーディネイター (スーパーコーディネイター) |
| 搭乗機体 | ライジングフリーダムガンダム、ストライクフリーダムガンダム弐式、マイティーストライクフリーダムガンダム |
「機動戦士ガンダムSEED」の主人公であるキラ・ヤマトは、遺伝子調整を受けて生まれたコーディネイターです。
当初は中立国オーブで平和な日々を送っていましたが、戦いに巻き込まれ、地球連合軍のアークエンジェルと行動を共にすることになります。
「DESTINY」ではシンと対立しながらも、最終的には和解し、平和のために戦い続けました。
「FREEDOM」では、世界平和監視機構コンパスのヤマト隊隊長として、ライジングフリーダムガンダムに搭乗して活躍します。
しかし、ブラックナイツの策略によって精神を浸食され、一時は戦意を喪失してしまいます。
この苦悩するキラの姿は、彼が背負う「平和への責任」の重さを感じさせるとともに、多くの読者が「完璧ではない彼だからこそ共感できる」と感じたのではないでしょうか。
最終的にはラクスとの「愛」を再確認し、ストライクフリーダムガンダム弐式、そしてプラウドディフェンダーを装備したマイティーストライクフリーダムガンダムに搭乗し、再び世界の命運を賭けた戦いに挑みます。
ラクス・クライン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス 初代総裁 |
| 人種 | コーディネイター (アコード) |
| 搭乗機体 | – |
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのヒロインであるラクス・クラインは、プラントで絶大な人気を誇る歌姫でありながら、その平和への強い信念から、キラやアークエンジェルと共に戦うことを決意した人物です。
「FREEDOM」では、世界平和監視機構コンパスの初代総裁として、平和のために尽力します。
彼女は、オルフェをはじめとするアコードたちと同等の精神感応能力を持つことが示唆されており、実はアコードの一人であるという見方も存在します。
劇中ではオルフェに誘拐され、デスティニープランの実現を迫られますが、キラへの揺るぎない「愛」によってそれを拒絶し、最終的にはキラと共にマイティーストライクフリーダムガンダムに搭乗して戦場に赴きました。
その凛とした強さと、キラを支える献身的な姿は、多くのファンから「理想のヒロイン」として支持を集めています。
アスラン・ザラ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ターミナルに出向中 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | インフィニットジャスティスガンダム弐式、ズゴック |
キラの幼馴染であり、もう一人の主人公とも言えるアスラン・ザラは、プラントの権力者パトリック・ザラを父に持つエリートコーディネイターです。
「SEED」ではクルーゼ隊に所属していましたが、物語の途中でキラと共に戦うことを決意します。
「DESTINY」では、自身の正義を求め、苦悩しながらも戦い続けました。
「FREEDOM」では、メイリン・ホークと共に「ターミナル」に出向しており、コンパスの危機に際して颯爽と駆けつけます。
特に、劇中で見せたズゴックに隠されたインフィニットジャスティスガンダム弐式の登場は、多くのファンに衝撃と歓喜をもたらしました。
その圧倒的な戦闘力と、常に冷静沈着でありながら、仲間のために身を挺する姿は、本作でも健在で、「やはりアスランは最強」と再認識した読者も多いのではないでしょうか。
シン・アスカ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス ヤマト隊 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | イモータルジャスティスガンダム、デスティニーガンダムSpec II |
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の主人公であるシン・アスカは、戦争で家族を失った経験から、戦争を強く憎むようになった人物です。
元々はザフト軍のパイロットとして戦い、キラたちと対立していましたが、物語終盤で和解し、「FREEDOM」ではコンパスに所属しています。
キラを尊敬しつつも、「信頼されていないのではないか」という悩みを抱えていた時期もありましたが、劇場版ではキラを救うために奮闘する姿が描かれ、その成長した姿に胸を熱くしたファンも少なくありません。
イモータルジャスティスガンダムに搭乗して活躍しますが、ブラックナイツの猛攻により機体を大破させられ、その後はデスティニーガンダムSpec IIに乗り換え、アスランと共に戦います。
特に、デスティニーガンダムSpec IIでの戦闘シーンは、その圧倒的な強さと感情豊かな描写で、多くの視聴者を魅了しました。
一部のファンからは、「DESTINY」での鬱憤を晴らすかのような活躍ぶりに「報われた」という声も上がっています。
ルナマリア・ホーク
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ゲルググメナース、ギャンシュトローム (ヒルダ機を一時的に搭乗) |
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のヒロインの一人であるルナマリア・ホークは、ザフト軍のエースパイロットでした。
「FREEDOM」ではコンパスに所属し、ゲルググメナースに搭乗して戦います。
シンとは恋人関係にあり、その関係性の進展もファンの間で注目されていました。
劇中では、一度機体を失った際にヒルダ・ハーケンからギャンシュトロームを譲り受け、戦闘を続行するなど、優れたパイロットとしての能力を発揮しました。
彼女の真面目さと、シンを支える強さは、本作でも光っていました。
カガリ・ユラ・アスハ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | オーブ連合首長国代表首長 |
| 人種 | ナチュラル |
| 搭乗機体 | – (新しい機体の開発を担う) |
オーブ連合首長国の代表首長であるカガリ・ユラ・アスハは、キラとは双子に等しい関係を持つ人物です。
「FREEDOM」では、引き続きオーブの代表として国を守り、新しい機体の開発にも尽力しています。
アスランとはかつて婚約関係にありましたが、劇中ではその関係性に変化が見られました。
一国の長としての責任と、個人としての感情の間で葛藤する彼女の姿は、多くの視聴者に共感を呼びました。
一部のファンからは、「カガリがアスランに『あいつのことを頼む』とメイリンに言ったのは、結婚を諦めた証拠ではないか」という見方もされています。
しかし、「一国のトップとしての責任感ゆえの選択であり、二人の絆が途切れたわけではない」と考える読者も多いようです。
メイリン・ホーク
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ターミナル所属 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | キャバリアーアイフリッド (支援用) |
ルナマリアの妹であるメイリン・ホークは、高度なハッキング技術を持つことで支援を得意とするキャラクターです。
「DESTINY」でアスランに好意を抱き、彼と共にザフトから離反しました。
「FREEDOM」では、アスランと共に「ターミナル」に出向し、キャバリアーアイフリッドに搭乗して情報支援を行います。
アスランと行動を共にすることが多く、その関係性の進展にも注目が集まりました。
特に、カガリがメイリンにアスランのことを託すような言葉をかけたシーンは、今後の二人の関係を暗示しているのではないかと考察する声も聞かれます。
ムウ・ラ・フラガ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | ナチュラル (サイキッカー) |
| 搭乗機体 | アカツキ (ゼウスシルエット装着)、ムラサメ改 |
「エンデュミオンの鷹」の異名を持つムウ・ラ・フラガは、元々は地球連合軍のエースパイロットでしたが、アークエンジェルと共に離反しました。
「DESTINY」ではアカツキに搭乗して活躍し、「FREEDOM」ではアカツキに「ゼウスシルエット」を装着して登場します。
また、彼のパーソナルマークが描かれたムラサメ改にも搭乗し、その高い操縦技術と危機察知能力で、幾度となく危機を救いました。
彼の「不可能を可能にする男」という異名は、本作でも健在で、その活躍に胸を躍らせたファンも多いことでしょう。
マリュー・ラミアス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 新造戦艦ミレニアム艦長 (元アークエンジェル艦長) |
| 人種 | ナチュラル |
| 搭乗艦 | アークエンジェル (撃沈)、ミレニアム |
アークエンジェルの艦長として、幾多の戦いを乗り越えてきたマリュー・ラミアスは、コンパスの創設後もその指揮能力を発揮します。
しかし、ブラックナイツの策略によりアークエンジェルを撃沈され、深い悲しみに包まれます。
その後、アレクセイ・コノエに艦長職を譲られ、新造戦艦ミレニアムの艦長として指揮を執り、最終決戦ではその卓越した判断力で勝利に貢献しました。
彼女の冷静さと、部下を思いやる優しさは、多くのファンから愛され続けています。
その他主要キャラクター
「FREEDOM」では、上記以外にも多くの魅力的なキャラクターが登場し、物語を彩りました。
ここでは、特に注目されたキャラクターたちをご紹介します。
コンパス所属
アグネス・ギーベンラート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ギャンシュトローム |
コンパスに所属するアグネス・ギーベンラートは、ギャンシュトロームに搭乗し、「月光のワルキューレ」の異名を持つパイロットです。
自己中心的で利己的な性格が目立ち、士官学校で劣等生だったシンを見下すような言動もありました。
しかし、彼女の行動の根底には、コーディネイターとしてのプライドや、自らの能力への自信が見え隠れしており、単なる悪役ではない複雑な人物像が描かれています。
最終的には、ブラックナイツ側に寝返る形となりましたが、その選択の背景には、彼女なりの正義や理想があったのかもしれないと考察するファンもいるようです。
アレクセイ・コノエ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 新造戦艦ミレニアム艦長 (一時的) |
| 人種 | ナチュラル |
| 搭乗艦 | ミレニアム |
元教師でありながら、志願して軍に入隊したアレクセイ・コノエは、新造戦艦ミレニアムの艦長を務める人物です。
作中では、政治的な理由からファウンデーション王国への介入が難しい状況の中、マリューたちのハイジャック活動を黙認するなど、柔軟な判断力と正義感を持ち合わせています。
彼の存在は、組織の論理と個人の信念の間で揺れ動く登場人物たちの対比を際立たせていました。
アルバート・ハインライン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ミレニアム技術責任者 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗艦 | ミレニアム |
ミレニアムの技術責任者であるアルバート・ハインラインは、「フリーダムとジャスティスの生みの親の一人」であることが判明しました。
頭のいい人物としか関わろうとしない癖のある性格ですが、同じ天才であるキラとは気が合うようで、彼の技術力と知識はコンパスにとって不可欠なものでした。
彼のような裏方のスペシャリストが、物語の重要な局面で大きな役割を果たすのも「SEED」シリーズの魅力の一つと言えるでしょう。
ヒルダ・ハーケン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ギャンシュトローム |
元ザフト軍人でありながら、ラクスの考えに賛同してコンパスに所属したヒルダ・ハーケンは、ギャンシュトロームに搭乗して戦います。
彼女の忠誠心と、いざという時の判断力は、コンパスの戦力として大いに貢献しました。
ヘルベルト・フォン・ラインハルト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ゲルググメナース |
ヒルダと同様に元ザフト軍人であり、ラクスの考えに賛同してコンパスに所属したヘルベルト・フォン・ラインハルトは、ゲルググメナースに搭乗します。
前作「DESTINY」では、マーズ・シメオンと共にドムトルーパーに搭乗し、3人の連携を見せていました。
マーズ・シメオン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | 世界平和監視機構コンパス |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ゲルググメナース |
ヘルベルトと同じく元ザフト軍人で、ラクスの考えに賛同してコンパスに所属したマーズ・シメオンも、ゲルググメナースに搭乗して戦います。
彼ら3人は、ラクスへの強い信頼と、平和への願いを胸に、戦いへと身を投じました。
オーブ連合首長国所属
トーヤ・マシマ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | カガリの秘書 |
| 人種 | ナチュラル (クローン説あり) |
| 搭乗機体 | – |
カガリの秘書を務める少年トーヤ・マシマは、頭の回転が早く、将来オーブの首長を任せられるように教育を受けています。
マシマの姓を持つことから、過去作に登場した名家の親類縁者と予想されており、またムウ・ラ・フラガと似た容姿を持つため、「ムウのクローンではないか」という説も浮上しました。
劇場版では不審な動きは見せませんでしたが、その知的な存在感は、今後の物語に何らかの形で関わってくる可能性を秘めていると考えるファンも少なくありません。
プラント / ザフト所属
イザーク・ジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ザフト軍情報将校 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | デュエルブリッツガンダム |
物語冒頭でヘリオポリスを襲撃した一人であるイザーク・ジュールは、頭に血が上りやすい性格ですが、ザフト軍の情報将校として活躍します。
キラとの戦いで顔に傷を負った過去があり、当初はキラへの復讐にこだわっていましたが、「FREEDOM」では、反乱軍の鎮圧にディアッカと共に動くなど、その立場と責任感からくる成長が見られました。
デュエルブリッツガンダムに搭乗し、その白を基調としたカラーリングは、彼のパーソナルカラーを象徴しています。
ディアッカ・エルスマン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ザフト軍情報将校 |
| 人種 | コーディネイター |
| 搭乗機体 | ライトニングバスターガンダム |
イザークと同じくヘリオポリス襲撃に参加したディアッカ・エルスマンは、飄々とした性格が特徴的なザフト軍の情報将校です。
「FREEDOM」では、反乱軍のクーデター鎮圧において、イザークと共に重要な役割を果たしました。
ライトニングバスターガンダムに搭乗し、その冷静な判断力と射撃の腕で、戦況を有利に導きます。
彼のユーモアと、いざという時の頼りになる姿は、多くのファンから愛されています。
ファウンデーション王国 / ブラックナイツ所属
アウラ・マハ・ハイバル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ファウンデーション王国女王 |
| 人種 | アコード |
| 搭乗機体 | – |
ファウンデーション王国を統治する女王アウラ・マハ・ハイバルは、幼い外見ながら実年齢は50歳を超えるアコードです。
彼女はデスティニープランを遂行するため、人為的に生み出された「アコード」と呼ばれる上位種のコーディネイターであり、その精神感応能力を用いて他者の心を操ることが可能です。
ブラックナイツを使い自国領に核ミサイルを撃たせ、ラクスを誘拐するなど、その行動は冷酷かつ目的のためなら手段を選ばないものでした。
彼女の行動の根底には、「人類を正しく導く」という歪んだ信念があり、多くのファンがその思想の危険性に警鐘を鳴らしました。
オルフェ・ラム・タオ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ファウンデーション王国宰相、ブラックナイツ総帥 |
| 人種 | アコード |
| 搭乗機体 | ブラックナイトスコードカルラ |
ファウンデーション王国の宰相であり、ブラックナイツを統率するオルフェ・ラム・タオもまた、アコードの一員です。
アウラに強い忠誠心を抱き、デュランダルにも認められるほどの才覚を持つ彼は、世界を支配する野望を抱いています。
ブラックナイトスコードカルラに搭乗し、その高い戦闘能力と知性で、キラたちを追い詰めます。
彼とラクスの間で繰り広げられた精神感応のやり取りは、アコードという存在の深淵を垣間見せるものであり、物語の重要なターニングポイントとなりました。
一部のファンからは、「彼の理想は、ある意味で平和を求めるキラたちと共通する部分もあったのではないか」と、その複雑な人物像に深読みする声も聞かれます。
シュラ・サーペンタイン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ブラックナイツ軍事トップ |
| 人種 | アコード |
| 搭乗機体 | ブラックナイトスコードシヴァ |
ブラックナイツの軍事トップであるシュラ・サーペンタインは、「力こそ正しさ」という信念を抱くアコードです。
自身が最強と認めるアスランを倒すことに執着し、月面上での決戦では、アスランのインフィニットジャスティスガンダム弐式と激しい戦いを繰り広げました。
ブラックナイトスコードシヴァに搭乗し、その剣術の腕は団内でも随一とされています。
彼の「最強へのこだわり」は、アスランの「守るべきもの」という信念と対比をなし、物語に緊張感を与えました。
イングリット・
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役職 | ブラックナイツ |
| 人種 | アコード |
| 搭乗機体 | ブラックナイトスコードルドラ |
ブラックナイツの一員であるイングリット・トラドールは、オルフェに強い忠誠心を抱くアコードです。
オルフェの秘書的な役割も担い、彼の思想を深く理解し、その実現のために行動します。
ブラックナイトスコードルドラに搭乗し、高い戦闘能力を発揮しましたが、彼女の行動の根底にはオルフェへの純粋な愛があり、その一途な思いは、キラとラクスの「愛」と対比的な関係として描かれました。
彼女の悲劇的な結末は、デスティニープランという名の「支配」が、真の愛を歪めてしまう可能性を示唆しています。
その他のブラックナイツメンバー
ブラックナイツには、イングリット以外にも、ブラックナイトスコードルドラに搭乗するリデラード・トラドール、ダニエル・ハルパー、リュー・シェンチアンといったアコードのメンバーが存在します。
彼らは集団で行動し、高い連携能力とアコードとしての精神感応能力で、コンパスのパイロットたちを苦しめました。
特に、シン・アスカのイモータルジャスティスガンダムを撃破するなど、その戦闘能力の高さは、物語の緊迫感を高める重要な要素となりました。
一人ひとりの個性は深く描かれていないものの、「上位種」として人類を導こうとするアコード集団の象徴として、その存在感は際立っていました。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」を彩るモビルスーツ(MS)徹底解説
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのもう一つの魅力は、その洗練されたモビルスーツ(MS)デザインにあります。
劇場版「FREEDOM」では、お馴染みの機体が最新の技術でアップデートされた姿や、物語の鍵を握る新機体が多数登場し、ファンを熱狂させました。
ここでは、主要なMSを、その特徴と物語での役割とともにご紹介します。
コンパス所属MS:新たな自由への翼
世界平和監視機構コンパスに所属するMSは、キラたちの新たな平和への願いを体現した機体群です。
マイティーストライクフリーダムガンダム
ストライクフリーダムガンダム弐式に、オーブで開発された新型装備「プラウドディフェンダー」を合体させた、キラの最終搭乗機です。
プラウドディフェンダーは、翼に搭載された強力なビーム兵器に加え、「インパルスレーザー砲」や「フツノミタマ」(実体剣)といった新武装を備えています。
特に、機体から金色の粒子を放出し、周囲の敵機の行動を一時的に停止させる「収束重核子ビーム砲(ネオ・キサナドゥ)」を内蔵しており、キラの「愛」の感情とシンクロすることで、真の力を発揮します。
この機体の登場は、キラの復活を象徴するものであり、最終決戦における最大のハイライトとなりました。
インフィニットジャスティスガンダム弐式
アスラン・ザラが搭乗するインフィニットジャスティスガンダムの最新改修機です。
ズゴックの内部に隠されて登場するというサプライズは、多くのファンを驚かせました。
機体性能が大幅に向上しており、特に背部のフライトユニット「ファトゥム-01弐式」は、遠隔操作が可能なだけでなく、単体での戦闘能力も強化されています。
シュラ・サーペンタインとの一騎打ちで見せた、その圧倒的な格闘能力と、アスランの冷静な判断力は、最強コーディネイターの呼び声にふさわしいものでした。
デスティニーガンダムSpec II
シン・アスカの愛機デスティニーガンダムの最新改良型です。
イモータルジャスティスガンダムが撃破された後に乗り換えた機体であり、シンが抱える鬱憤と怒りが、その圧倒的な戦闘力として発揮されます。
背部の「光の翼」は健在で、超高速移動と「分身」(ミラージュコロイド技術の応用)を可能にします。
特に、ブラックナイツのパイロットを一瞬で制圧するシーンは、シンの能力とデスティニーのポテンシャルを最大限に引き出したもので、ファンからの評価が非常に高かった機体です。
ライジングフリーダムガンダム
劇場版の序盤でキラ・ヤマトが搭乗する新型MSです。
ストライクフリーダムガンダムの後継機として開発され、可変機構を搭載している点が大きな特徴です。
大気圏内の戦闘や、迅速な移動に適したMA(モビルアーマー)形態に変形可能ですが、ブラックナイツとの初戦では、その力を完全に発揮することができず、撃墜されてしまいます。
この機体の敗北は、キラが直面する困難の大きさを象徴していました。
イモータルジャスティスガンダム
劇場版の序盤でシン・アスカが搭乗する新型MSです。
ライジングフリーダムガンダムと同様に可変機構を備えており、ジャスティス系の特徴である近接戦闘に特化した武装を持っています。
しかし、ブラックナイツとの戦いでは、アコードの連携と能力の前に機体を大破させられ、シンがデスティニーガンダムSpec IIに乗り換えるきっかけとなりました。
ゲルググメナース / ギャンシュトローム
コンパス所属のパイロットたちが主に搭乗する、ザフトの量産機をベースとしたカスタム機です。
ゲルググメナースは、主に遠距離・中距離戦を想定した装備を持ち、ヘルベルト、マーズ、そしてルナマリアが搭乗しました。
一方、ギャンシュトロームは、近接戦闘に特化した機体で、ヒルダとアグネスが搭乗しました。
これらの機体は、最新鋭のブラックナイツMSに対しては苦戦を強いられましたが、パイロットたちの技量と連携によって、物語を支えました。
ファウンデーション王国所属MS:支配を象徴する闇の騎士
ファウンデーション王国の特殊部隊ブラックナイツが搭乗するMSは、その名が示す通り、「闇の騎士」を思わせる漆黒の機体群です。
アコードの能力を最大限に引き出すように設計されており、コンパスのMSを圧倒する性能を持ちます。
ブラックナイトスコードカルラ
オルフェ・ラム・タオが搭乗する、ブラックナイツのフラッグシップ機です。
金色の装甲を持ち、その優雅な外見とは裏腹に、非常に高い戦闘能力を秘めています。
オルフェのアコードとしての精神感応能力を増幅させる機能や、キラのストライクフリーダムガンダム弐式と互角以上の戦いを繰り広げるなど、ラスボス機にふさわしい存在感を見せました。
ブラックナイトスコードシヴァ
シュラ・サーペンタインが搭乗する、近接戦闘に特化したMSです。
「シヴァ」の名が示す通り、破壊的な剣術を駆使し、アスランのインフィニットジャスティスガンダム弐式と激しい剣戟を繰り広げました。
特に、剣から放たれるビームが、アスランの機体を切り裂くシーンは、シュラの「最強」へのこだわりを象徴するものでした。
ブラックナイトスコードルドラ
イングリットをはじめとする複数のアコードが搭乗する量産型MSです。
量産型とはいえ、その性能は非常に高く、集団でコンパスのMSを追い詰めるなど、その戦闘力の高さを見せつけました。
アコードのパイロットたちの精神感応能力によって、高い連携戦闘を可能としています。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」豪華声優陣が魂を吹き込むキャラクターたち
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズを語る上で欠かせないのが、主要キャラクターたちに命を吹き込む豪華声優陣です。
20年の時を経て、お馴染みのキャストが再集結したことは、多くのファンにとって感涙ものでした。
ここでは、主要キャラクターの声優と、彼らが演じるキャラクターの魅力について解説します。
キラ・ヤマト役:保志総一朗
主人公キラ・ヤマトを演じるのは、声優の保志総一朗です。
彼の透明感がありながらも感情豊かな声は、平和を願い苦悩するキラの繊細な内面を見事に表現し、多くのファンを魅了してきました。
劇場版で見せた、絶望から立ち直り、「愛」を力に変えて戦うクライマックスの演技は、まさに圧巻の一言です。
保志さんの演技なくして、キラ・ヤマトというキャラクターの存在は語れないでしょう。
ラクス・クライン役:田中理恵
ヒロインラクス・クラインを演じるのは、声優の田中理恵です。
その優雅で美しい声は、ラクスの歌姫としての魅力と、総裁としての凛とした強さを見事に両立させています。
劇場版での、キラへの深い「愛」を打ち明けるシーンや、アコードとしての能力を発揮する場面での演技は、キャラクターの持つ新たな一面を引き出しました。
田中さんの深みのある演技は、ラクスのキャラクター性をより一層際立たせています。
アスラン・ザラ役:石田彰
アスラン・ザラを演じるのは、声優の石田彰です。
石田さんの持つ、理知的でありながら内に熱いものを秘めた声は、常に冷静沈着でありながら、仲間のために熱くなれるアスランの複雑な人物像を見事に表現しています。
特に、ズゴックからインフィニットジャスティスガンダム弐式が現れるシーンでのセリフは、ファンにとって鳥肌ものの名場面となりました。
彼の声が持つ説得力は、「やはりアスランは最強」というファンの認識を確固たるものにしています。
シン・アスカ役:鈴村健一
シン・アスカを演じるのは、声優の鈴村健一です。
シンが抱える、熱い感情と苛立ち、そして成長を見事に表現した鈴村さんの演技は、多くのファンから「DESTINY」の主人公としての鬱憤を晴らすかのような活躍をさらに盛り上げました。
劇場版で見せた、感情を爆発させる戦闘シーンでの叫び声は、シンの成長とデスティニーガンダムSpec IIの強さを印象づけました。
新キャラクターの声優陣
劇場版で新たに登場したファウンデーション王国とブラックナイツのキャラクターたちにも、実力派の声優陣が起用されました。
アウラ・マハ・ハイバル役:田村ゆかり
女王アウラ・マハ・ハイバルを演じるのは、声優の田村ゆかりです。
幼い外見からは想像もつかない、冷酷さと歪んだ信念を持つ女王の役を、田村さんの持つ可愛らしい声質と、裏腹な冷たいトーンで見事に演じきり、キャラクターに深みを与えました。
オルフェ・ラム・タオ役:下野紘
宰相オルフェ・ラム・タオを演じるのは、声優の下野紘です。
ラクスと同等の精神感応能力を持ち、支配を目論むオルフェの、知性的でありながらも狂気を秘めた人物像を、下野さんの持つ高い演技力で表現しました。
シュラ・サーペンタイン役:中村悠一
ブラックナイツの軍事トップシュラ・サーペンタインを演じるのは、声優の中村悠一です。
アスランのライバルとして立ちはだかる「最強へのこだわり」を持つシュラの役を、中村さんの持つクールで力強い声質で演じ、物語の緊張感を高めました。
アスランとの月面での決戦は、両声優の熱演が光る名勝負となりました。
まとめ:「愛」と「自由」がもたらす未来
劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は、「愛」と「自由」という普遍的なテーマを、コーディネイターとナチュラル、そしてアコードという新たな対立軸を通じて描き出しました。
物語のクライマックスで、キラがラクスとの「愛」を再確認し、絶望を乗り越えて真の「自由」を勝ち取る姿は、20年間このシリーズを愛し続けたファンにとって、最高の結末となりました。
旧作からのお馴染みのキャラクターたちが成長し、新たな機体と共に躍動する姿は、まさに「SEED」シリーズの集大成と言えるでしょう。
本作は、単なるアニメーション作品に留まらず、現代社会が抱える多様性への理解や、平和への願いを強く訴えかけるメッセージ性の高い作品として、今後も長く語り継がれていくことでしょう。
Blu-ray&DVDの発売により、何度でもこの壮大な物語と、キャラクターたちの熱いドラマを堪能できるようになった今、「SEED」の新たな伝説は始まったばかりです。
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