
【青のミブロ】将軍家茂(菊千代)を狙う「血の立志団」との決死圏
安田剛士が描く新選組青春活劇『青のミブロ』第5巻は、物語が始まって以来、最大級の危機から幕を開けます。
ちりぬ におの実家である団子屋「ちりぬ屋」に逃げ込んできた謎の少年・菊千代の正体は、江戸幕府第14代将軍・徳川家茂その人でした。
戦乱の世を再興させようと目論むテロ集団「血の立志団」の首魁・直純は、執拗に将軍の命を狙い、ちりぬ屋を完全に包囲します。
ちりぬ にお、田中太郎、斎藤はじめの少年たちに加え、駆けつけた土方歳三、沖田総司、藤堂平助は、この絶望的な状況を打破すべく、命懸けの将軍護衛作戦を敢行することになります。
徳川家茂(菊千代)
| 正体 | 江戸幕府第14代征夷大将軍 |
| 性格 | 身分にこだわらず、ちりぬ におを「友」として接する器の広さを持つ |
ちりぬ におの覚悟:絶対的強者「直純」への決死の挑み
ちりぬ におが発案した囮作戦によって敵の分断に成功したかに見えましたが、事態は最悪の方向へ転がります。
ちりぬ におと菊千代の前に、血の立志団のリーダー・直純が立ちはだかったのです。
巨大な太刀を振るう直純の実力は、ミブロの幹部連に匹敵する「本物の怪物」であり、入隊したばかりのちりぬ におとの間には、文字通り大人と子供ほどの圧倒的な差がありました。
しかし、ちりぬ におは退きませんでした。それは菊千代が将軍だからではなく、彼が示す「広い心」と「志」に触れ、一人の人間として守りたいと心から願ったからです。
直純
| 立場 | テロ集団「血の立志団」のリーダー |
| 信念 | 戦国時代の弱肉強食を是とし、乱世の復活を望む武人 |
八方破れの死闘:少年の奇策と限界
ちりぬ におは、まともに打ち合っても勝てないことを悟り、我武者羅でなりふり構わぬ戦法を繰り出します。
真剣勝負において奇策を弄することは命取りになりかねませんが、ちりぬ におの捨て身の攻撃は、一瞬だけ直純の動きを止めます。
しかし、直純の圧倒的な武力の前で、ちりぬ におの身体は次第にボロボロになり、ダメージが蓄積していきます。
ちりぬ におを案じて戻ってきた菊千代とともに、絶体絶命の窮地に立たされたその時、ついに「救い主」が現れるのでした。
ちりぬ にお
| 武器 | 強い正義感と、土壇場で発揮される驚異的な度胸 |
| 信念 | 「将軍」ではなく、目の前の「友」を守るために剣を振るう |
【青のミブロ】大人の真価:土方歳三が示す「戦う理由」
万事休すの場面で割って入ったのは、壬生浪士組副長格・土方歳三でした。
少年たちが自分の信念を貫き、持てる力をすべて使い果たして踏ん張った場所を、大人が引き継ぐ。この熱い展開は、本作が単なる少年漫画ではなく、師弟や先輩後輩の絆を重んじる「青春群像劇」であることを象徴しています。
土方歳三vs直純:武士の対話と泥仕合?
ミブロでも一、二を争う実力者である土方歳三は、饒舌に武勇を語る直純に対し、短く的確な言葉で切り返します。
「誰にも信じてもらえない」と孤独を語る直純に対し、土方歳三が自身が戦う理由を淡々と語る姿は、まさに理想の武士像そのものです。
しかし、戦いが進むにつれてシリアスな雰囲気は一変し、互いの意地を張り合う「子供のような喧嘩」に近いやり取りへと発展していきます。
このギャグとシリアスの絶妙なバランスこそが安田剛士作品の真髄であり、読者からは「格好良い土方が見られたと思ったら、最後はやっぱりこうなるのが面白い」という親しみのある反応が多く寄せられています。
土方歳三
| 役職 | 壬生浪士組副長格(のちの新選組鬼の副長) |
| 実力 | 冷徹な判断力と、実戦で培った最強クラスの剣術 |
【青のミブロ】友情の誓いと「はじめ」を巡る衝撃の謎
激闘の末、血の立志団との一時的な決着がつきます。菊千代は二条城へと戻ることになりますが、彼とちりぬ におの間には、身分を超えた深い絆が生まれていました。
「いつかまた、ただの友人として会おう」という言葉を残し去っていく菊千代を見送りながら、ちりぬ におは時代の激流の気配を感じ取ります。
斎藤はじめという「存在」への違和感
事件が一段落し、ミブロは「だんだら羽織」の代金を支払うための金策に奔走します。
豪快に、あるいは姑息に(?)資金を集める隊士たちの姿が描かれる中、読者を震撼させるシーンがラストに待ち受けていました。
斎藤はじめが訪れた先で、ある人物から呼びかけられた名前は、我々が知る「斎藤一」の名前ではありませんでした。
これまで斎藤一をモデルにしたキャラクターだと思われていた「斎藤はじめ」ですが、彼が一体何者なのか、その前提を根底から覆す謎が提示されたのです。
斎藤はじめ
| 現状 | 圧倒的な剣の腕を持つ、壬生浪士組の少年隊士 |
| 謎 | ラストシーンで提示された「本当の名前」の疑惑 |
第5巻のまとめ:激動の新展開へ
『青のミブロ』第5巻は、将軍護衛という歴史的大事件と、身近な仲間の正体にまつわる個人的な謎が美しく交錯した一冊でした。
| 決着 | 直純(血の立志団)を退け、菊千代を守り抜く |
| 成長 | ちりぬ におが「信念のために死線を越える」経験を得る |
| 衝撃 | 斎藤はじめの「本名」を巡る重大な伏線の登場 |
次巻、第6巻からは、血の立志団との決戦が本格化する一方で、斎藤はじめの素性に隠された物語が動き出します。
ちりぬ におは、共に歩んできた仲間の真実をどう受け止めるのか。そして、完成した「だんだら羽織」を身に纏い、ミブロはどのように京都の空を翔けるのか。
青春の輝きと、幕末の暗雲が重なり合う物語の行方から、一瞬たりとも目が離せません。
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