
心優しく非力な王子ボッジが、数々の困難を乗り越え成長していく姿を描いた『王様ランキング』。
原作漫画はウェブでの連載から人気に火がつき、2021年と2023年には二度もテレビアニメ化され、多くのファンを魅了してきました。
「感動して涙した」「キャラクターに感情移入した」といった肯定的な意見が数多く見られる一方で、一部では「ひどい」「つまらない」といった厳しい評価も存在すると言われています。
なぜこのような評価が生まれるのでしょうか。
この記事では、『王様ランキング』のアニメが「ひどい」と言われる理由と、「面白い」と絶賛される理由の両面を深く掘り下げて考察していきます。
さらに、過去に話題となった作者に関するエピソードや炎上騒動についても触れ、作品を取り巻く様々な評価の背景を探っていきましょう。
『王様ランキング』とは?作品の魅力に迫る
まずは、『王様ランキング』がどのような作品なのか、その基本的な情報とあらすじをご紹介します。
『王様ランキング』の概要と作者
『王様ランキング』は、漫画家・十日草輔が手がける冒険ファンタジーです。
十日草輔は、かつて漫画家の夢を一度は諦めサラリーマンになりますが、再び絵を描く情熱を抱き、2016年に脱サラ。
2017年から漫画投稿サービス『マンガハック』で『王様ランキング』の連載を開始しました。
その独特な世界観とストーリーがSNSで話題を呼び、瞬く間に人気が拡散。
2019年には単行本が出版され、累計発行部数は220万部を突破する大ヒットとなりました。
この人気を受けて、2021年には2クール全23話でテレビアニメが放送され、2023年4月からはアニメ第2期となる『王様ランキング 勇気の宝箱』が全10話で放送されています。
ウェブ漫画発の作品としては異例の成功を収めた作品として、注目を集めていますね。
『王様ランキング』のあらすじ
物語の主人公は、巨人の両親から生まれたにもかかわらず、身体が小さく非力なボッス王国の第一王子、ボッジです。
彼は耳が聞こえず、言葉を話すこともできないため、周囲からは「王の器ではない」と軽蔑され、国民からも陰口を叩かれていました。
しかし、ボッジには亡き母との約束がありました。
それは、王様ランキングで7位という偉大な記録を残した父親のような立派な王になるという夢です。
孤独な日々を送っていたボッジの運命は、ある日、暗殺集団「影の一族」の生き残りであるカゲと出会い、友達になったことで大きく動き出します。
カゲという唯一無二の友を得たボッジは、共に厳しい冒険へと旅立ち、様々な出会いや別れを経験しながら、困難に立ち向かう勇気と本当の強さを手に入れていくのです。
彼の成長していく姿は、多くの視聴者の心を揺さぶります。
『王様ランキング』アニメが「ひどい」と言われる理由の考察
『王様ランキング』のアニメは、多くの視聴者から感動や共感を呼んだ一方で、一部では「ひどい」「つまらない」といった意見も聞かれます。
ここでは、そうした厳しい評価が生まれる主な理由について考察していきましょう。
主人公ボッジに共感しにくいと感じる声
アニメが「ひどい」と評価される理由の一つに、主人公ボッジの感情表現や行動に対して、一部の視聴者が共感できないという点が挙げられます。
特に指摘されるのが、母親を殺害したミランジョに対して、ボッジが憎しみや怒りといった負の感情を抱かないことです。
作中でミランジョがダイダに救われ、結ばれた二人の様子をボッジが素直に喜ぶシーンは、視聴者によっては「違和感がある」「感情移入できない」と感じる原因となるようです。
ボッジの純粋すぎるほどの優しさや、非暴力的な姿勢が、一般的に感情移入しやすいとされる復讐心や怒りといった感情と異なるため、共感のずれが生じるのかもしれません。
時系列の分かりにくさ
物語の時系列が分かりにくいという点も、「ひどい」評価に繋がることがあります。
『王様ランキング』では、複数のキャラクターの視点が頻繁に切り替わり、過去と現在が交錯する描写が多く見られます。
原作漫画でも同様の構成がとられており、ストーリーの展開が急に変わることで「時系列が分かりにくい」と感じる読者がいました。
アニメでは物語の構成が整理されている部分もありますが、それでも多くのキャラクターが登場し、それぞれの背景が描かれることで、逆にアニメで初めて触れる視聴者にとっては時系列の把握が難しく感じられるケースもあるようです。
複雑なストーリー構成は作品の深みを生む一方で、物語の流れについていくのが難しいと感じる視聴者にとっては、ネガティブな印象に繋がりかねません。
物語のペースと盛り上がりの有無
「話に盛り上がりがなく退屈」「物語がスローペースで進む」といった意見も、「ひどい」評価の一因として挙げられます。
一般的な少年漫画のように、目まぐるしい展開や激しいバトルが頻繁に訪れるわけではないため、そうしたダイナミックな物語展開を期待する視聴者にとっては、物足りなく感じることがあるようです。
しかし、これは『王様ランキング』がキャラクターの内面や過去、そして彼らの間の関係性を丁寧に描くことに重点を置いているためとも言えるでしょう。
物語のペースがゆったりしているからこそ、それぞれのキャラクターに深く感情移入し、彼らの抱える苦悩や成長をじっくりと味わいたいと考える視聴者には、むしろ合っているという見方もあります。
物語中盤からの失速感
アニメが「ひどい」と評価される理由として、「ストーリーが途中から失速していく」という声も聞かれます。
これは主に原作漫画の読者から挙がる感想で、物語が後半に進むにつれて展開がマンネリ化してきた、と感じる人もいるようです。
そのため、「つまらなくなってきた」という感想を抱く読者も少なくなく、アニメについても同様に感じられてしまう可能性も指摘されています。
物語の初期衝動や新鮮さが薄れることで、期待値が高かっただけに「失速した」と感じてしまうのかもしれません。
『王様ランキング』アニメが「面白い」と絶賛される理由
一部で厳しい評価がある一方で、『王様ランキング』のアニメは「面白い」という声が圧倒的に多く、多くのファンから愛されています。
ここでは、その魅力がどこにあるのかを深掘りしていきましょう。
個性豊かなキャラクターたちの魅力
『王様ランキング』が面白いと言われる最大の理由の一つは、登場する個性豊かなキャラクターたちの魅力にあります。
物語の序盤では、ボッジを軽蔑したり、ひどい扱いをしたりするように見えるキャラクターも少なくありません。
しかし、物語が進むにつれてそれぞれのキャラクターの過去や背景が丁寧に描かれ、彼らが抱える葛藤や秘めた優しさ、信念が明らかになっていきます。
その結果、どのキャラクターも単純な善悪では割り切れない奥行きを持ち、次第に「憎めない」「応援したい」という感情が芽生えてくるのが特徴です。
視聴者は彼らの人間ドラマに深く感情移入し、自然と物語に引き込まれていくようです。
先の読めないストーリー展開
物語の先の読めない展開も、『王様ランキング』の大きな魅力です。
ストーリーが二転三転し、視聴者の予想を裏切る方向へ物語が進んでいくことも多々あります。
「次に何が起こるのか全く予想できない」「いつも新鮮な気持ちで物語を追える」といった感想も多く、その予測不能な展開が視聴者を飽きさせません。
さらに、物語の序盤で張られた伏線が、読者が忘れた頃に回収される演出も巧みで、後から「あの時の描写はこれに繋がっていたのか!」と驚きと納得を与え、作品の奥深さを感じさせます。
心に響く名言と勇気を与えられるメッセージ
『王様ランキング』には、読者に勇気を与えてくれる数々の名言が登場します。
主人公ボッジは耳が聞こえず、身体も小さく非力であるという点で、作中では圧倒的な弱者として描かれています。
しかし、そんなボッジを応援し、鼓舞する言葉の数々が物語に温かさと光をもたらし、時に薄暗く感じる展開を晴らしてくれる力があります。
これらの名言は、ボッジの心を支えるだけでなく、視聴者の心にも深く響き、「読んでいて勇気をもらえる」「自分も頑張ろうと思える」といったポジティブな感想に繋がっています。
困難に立ち向かうボッジの姿と、彼を支える言葉が相まって、多くの人々に感動と希望を与えていると言えるでしょう。
『王様ランキング』作者にまつわるエピソードと炎上騒動の考察
『王様ランキング』は、その作品性だけでなく、作者にまつわるエピソードや過去の炎上騒動でも話題になったことがあります。
ここでは、その背景を考察していきましょう。
作者・十日草輔の「気持ち悪い」エピソード
『王様ランキング』の作者である十日草輔が、一部で「気持ち悪い」と言われることがある、という衝撃的なエピソードがあります。
その原因は、原作漫画の10巻の巻末で明かされた「25年間鍋の蓋を洗っていなかった」という衝撃的な告白です。
この個人的なエピソードは、読者によっては「衛生観念が理解できない」「気持ち悪い」と感じさせてしまう結果となり、「『王様ランキング』の作者は気持ち悪い」という印象に繋がってしまったようです。
しかし、これはあくまで作者のユニークな一面を示すエピソードであり、作品の内容や質とは直接関係がないという見方が一般的です。
『王様ランキング』の炎上理由
『王様ランキング』が過去に炎上した理由の一つに、原作の112話と113話に登場する「ホウマ国」と「ギャグザ国」が、それぞれ「日本と韓国をモデルにしているのではないか」という憶測が広まったことが挙げられます。
実際に日本と韓国の歴史をモデルにしているかどうかの真偽は不明ですが、このような疑念が浮上したことで、一部の読者から批判の声が上がり、炎上騒動に発展しました。
しかし、ウェブ漫画やSNSで話題になる作品には、少なからずアンチコメントや炎上リスクがつきまとうものです。
この件も、作品全体の評価を大きく損なうほどの問題には発展しなかったという見方もあります。
『王様ランキング』が「バズった」理由
『王様ランキング』がこれほどまでに広く「バズった」背景には、『マンガハック』での連載と合わせて活用されたニコニコ静画の存在が大きく影響しています。
ニコニコ静画やTwitterといったSNSを通じて、読者からの口コミが爆発的に広まったことが、その人気の秘密と言えるでしょう。
「感動した」「絵柄は可愛いけど内容は深い」といった評判が瞬く間に拡散され、それまで1日100万PV程度だった『マンガハック』でのPV数が、一時は1日1500万PVにまで急上昇しました。
読者が自発的に作品の魅力を発信したことが、単行本出版やアニメ化への大きな原動力となったのは間違いありません。
『王様ランキング』アニメに対する世間の評価や感想
最後に、『王様ランキング』のアニメに対する具体的な視聴者の評価や感想をX(旧Twitter)での声を中心に見ていきましょう。
「子どもにひどいことをするな。子どもにひどいことをさせるな」というコメントは、特に物語の序盤でボッジが周囲から冷遇されたり、他の子どもたちが辛い目に遭ったりする描写に対して、視聴者が心を痛めている様子を表しています。
ボッジの純粋さゆえに、彼の置かれる過酷な状況がより一層視聴者に響くのかもしれません。
また、「『王様ランキング』のボッジ王子が息子に似すぎてアニメを見るのがつらい」といった感想もありました。
これは、ボッジというキャラクターが持つ普遍的な弱さや、それでも懸命に生きようとする姿が、自分の大切な子どもと重なって見えてしまうことで、親心が刺激され、視聴がつらくなるという心情を吐露しています。
さらに、「『王様ランキング』は内容知ってるけど、前半の周りのボッジへの接し方が酷いの知ってるからアニメを見るのがつらい」という声は、すでに原作を知っているファンでさえも、アニメでその「ひどい扱い」を改めて見せつけられると、やはり心が痛むことを示しています。
これらの感想は、「ひどい」という評価が、必ずしも作品の質が悪いという意味ではなく、キャラクターへの深い感情移入や、物語の過酷な展開に対する視聴者の率直な反応であることを示唆していると言えるでしょう。
『王様ランキング』アニメは様々な評価を持つ作品
『王様ランキング』のアニメには、確かに「ひどい」という評価や感想も一部存在します。
しかし、それは主人公のボッジの感情への共感のずれ、時系列の複雑さ、物語のペースといった要素から生じるものであり、作品の質そのものを否定するものではないという見方ができます。
それ以上に、個性豊かなキャラクターたち、先の読めない物語展開、そして心に響く数々の名言が、多くの視聴者を惹きつけ、「面白い」と絶賛される理由となっています。
『王様ランキング』は、見る人によって様々な感じ方がある、多様な魅力を持つ作品と言えるでしょう。
もし「ひどい」という評価が気になって作品に触れていなかった方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご自身の目で『王様ランキング』のアニメをチェックしてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたなりの「面白い」を発見できるはずです。




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