
『暗殺教室』は、2012年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』に連載された、松井優征先生による大人気漫画です。
「学園もの」のフォーマットを採用しながらも、クライム・サスペンスやブラック・コメディの要素を多分に含んだ大胆なストーリー展開で、連載終了後も高い人気を誇っています。
テレビアニメ化や実写映画化といったメディアミックスも積極的に行われ、その魅力は広く知られています。
この物語には、個性的なキャラクターが数多く登場しますが、中でも特に不気味さと圧倒的な存在感を放ち、主人公である殺せんせーを追い詰める宿敵として登場したのが、白覆面と白装束に身を包んだ謎の人物、シロです。
本記事では、殺せんせーを異形の者にした張本人と言われるシロのプロフィールや初登場シーン、そしてその衝撃的な正体について詳細に解説します。
さらに、テレビアニメ版でシロと彼の正体を演じた声優、そして実写映画版のキャストについても紹介し、謎に包まれた彼の魅力に迫ります。
「暗殺教室」におけるシロの存在とは?
作品の概要とシロの位置づけ
「暗殺教室」は、進学校・椚ヶ丘中学校の落ちこぼれが集まる3年E組に、「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」と宣言した謎の超生物「殺せんせー」が担任として現れるところから始まります。
防衛省は生徒たちに殺せんせーの殺害を依頼し、成功報酬100億円を提示します。
この大胆な設定の物語において、シロは単なる暗殺ターゲットを狙う者ではなく、殺せんせーの過去に深く関わり、彼を異形の者にした張本人として登場します。
彼は、殺せんせーの弱点や攻略法を熟知している、文字通り殺せんせーにとって「宿敵」であり、物語のクライマックスにおける核心的な存在です。
シロのプロフィール:白装束に隠された冷血漢
シロは、常に白い覆面と白装束という特異な出で立ちに身を包んでおり、本名や素顔は長く謎に包まれていました。
彼の最大の目的は、殺せんせーを殺害することです。
彼は白装束の中に、圧力光線を放つ銃や麻酔銃といった高度な武器を仕込んでいます。
普段は落ち着いた物腰で人と話しますが、その本性は傲岸不遜で冷酷・無慈悲なエゴイストだと評されています。
彼は他人を自分の目的達成のための道具としか思っていない冷血漢であり、その不気味な存在感は群を抜いています。
シロの初登場シーンと衝撃の正体「柳沢誇太郎」
転校生・堀部糸成の保護者として登場
シロが初めて3年E組に現れたのは、二人目の転校生である堀部糸成(イトナ)の「保護者」と称して教室を訪れたシーンです。
彼は、イトナのことが気になる「過保護な性格」だと自己紹介しましたが、後の彼の行動によって、それが偽りであったことが明らかになります。
彼はイトナを利用して殺せんせーを暗殺しようと企んでおり、その冷酷な本性を垣間見せました。
また、彼はE組を訪れた際、潮田渚の隣にいた茅野カエデの方を見て、何かを気づいたように目線を逸らすという、後の茅野の正体に繋がる重要な伏線を残しています。
シロの正体は科学者「柳沢誇太郎」
シロの正体は、柳沢誇太郎(やなぎさわこたろう)という名の、バイオ関係企業の息子として生まれた科学者でした。
彼は当時34歳で、「反物質細胞を作製する実験」という、歪んだ野望を持っていました。
この野望はどんどん肥大化し、彼は人間の頃に「死神」と呼ばれていた殺せんせー(元人間)を操り、人体実験を重ねていました。
しかし、計画は逆に殺せんせーに操られて破壊されてしまい、柳沢自身もこの一件で左目を潰されてしまいます。
それ以降、彼は殺せんせーを殺害することを目標としたシロへと変貌しました。
彼の左目には、潰された目を隠すように、圧力光線を放つことのできるスコープ状のガジェットが装着されています。
シロの存在は、殺せんせーが「超生物」になるに至った悲劇的な過去と、元E組担任・雪村あぐり、そしてその妹・茅野カエデ(雪村あかり)の復讐の動機にも繋がる、物語の根幹に関わる重要な真実でした。
アニメ版「暗殺教室」の担当声優
テレビアニメ版「暗殺教室」では、シロと彼の正体である柳沢誇太郎を、それぞれ異なる実力派声優が演じています。
シロの声優は竹内良太
白装束のシロ役を演じたのは、男性声優の竹内良太さんです。
竹内良太さんは1982年9月22日生まれ、兵庫県出身で、2008年に声優デビューしました。
落ち着いた物腰から冷酷な本性までを演じ分け、シロという個性の強いキャラクターに見事な命を吹き込んでいます。
彼の主な出演作品としては、『クロスファイト ビーダマン』のドラヴァイス役、『ハイキュー!!』の牛島若利役、『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』のアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト役など、多くのヒットアニメで主要キャストを演じています。
柳沢誇太郎の声優は真殿光昭
シロの正体である科学者・柳沢誇太郎役を演じたのは、ベテラン声優の真殿光昭さんです。
真殿光昭さんは1964年7月28日生まれで、大阪府生まれの広島県育ち、1989年に声優デビューしました。
声優歴31年のベテランであり、得がたいバイプレイヤーとして高い評価を受けています。
彼の主な出演作品としては、『勇者王ガオガイガー』のピッツァ/ソルダートJ役、『コードギアス 反逆のルルシュ』の扇要役など、数多くのテレビ・映画アニメ作品に出演しています。
真殿さんの演技によって、柳沢誇太郎の持つ歪んだ野望と、殺せんせーへの復讐心が、より深く表現されました。
実写版映画「暗殺教室」のキャスト:成宮寛貴
大ヒットした実写映画版『暗殺教室』では、シロ/柳沢誇太郎役を元俳優の成宮寛貴さんが演じました。
実写版キャスト:成宮寛貴
成宮寛貴さんは2000年に俳優デビューし、テレビドラマ『ごくせん』や『高校教師』、映画『あずみ』などに出演し、若くして悪役などクセの強い役柄をこなす個性派俳優として認知されていました。
2011年には『相棒』の3代目相棒・甲斐亨役に抜擢され、知名度を全国区にしました。
彼の主な出演作品には、初主演作『ヤンキー君とメガネちゃん』の品川大地役や、映画『ドロップ』の信濃川ヒロシ役などがあります。
実写版の『映画 暗殺教室~卒業編~』は、彼の当時の芸能界引退前の最後の出演映画となりました。
彼の出演は、原作ファンだけでなく、映画を観る多くの層に大きな話題を提供しました。
成宮寛貴の芸能界引退について
成宮寛貴さんは2016年に写真週刊誌で薬物の使用を疑われる記事を掲載されましたが、所属事務所は薬物鑑定を行い、使用を否定しました。
しかし、同年12月9日、自分のプライバシーを断りもなく世間に晒されてしまうことへの抗議の意を唱え、同時に芸能界引退を記載した自筆メッセージを公開しました。
彼の突然の引退は芸能界並びにお茶の間に大きな驚きと混乱を巻き起こしました。
引退後は本名の平宮博重としてインスタグラムで近況を報告するとともに、自身の公式サイトを開設して商品プロデュースなどを行っています。
現在も芸能界復帰が噂されることもありますが、本人は否定しています。
読者の感想とシロの存在の評価
「暗殺教室」のシロ/柳沢誇太郎というキャラクターは、読者や視聴者の間で様々な感想や評価を受けています。
伏線の回収役としての評価
原作漫画のファンからは、シロが初登場時に茅野カエデに向けて目線を逸らした何気ないシーンが、後に茅野の正体が明らかになるという重要な伏線になっていたことに驚く声が多く上がっています。
シロは、茅野カエデが抱える復讐の感情を増幅させる触手の秘密を知っており、彼の一挙手一投足が物語の核心に迫るヒントとなっていました。
冷酷な悪役としての評価
シロ/柳沢誇太郎は、その冷酷で傲慢な本性から、悪役としての評価も際立っています。
彼の最期について、一部のファンからは「本当シロの最期?無様で興奮する」といった、エゴイストが無様に迎えた結末に対する当然の報いと捉える感想も見受けられます。
これは、彼が殺せんせーや他の人間に対して行った非人道的な行いや歪んだ野望に対する、読者感情の表れだと言えるでしょう。
悪役としての存在感が強烈であったからこそ、彼の結末が読者に強い印象を残したと言えます。
「暗殺教室」のシロの正体まとめ
学園コメディとクライム・サスペンスが見事に融合した漫画「暗殺教室」において、シロは主人公・殺せんせーの過去と弱点を知る宿敵として、物語を大きく動かした重要なキャラクターでした。
彼の正体は、歪んだ野望を持つ科学者・柳沢誇太郎であり、殺せんせーを異形の存在に変えた張本人でした。
テレビアニメ版では竹内良太さん、柳沢誇太郎役は真殿光昭さん、実写映画版では成宮寛貴さんが演じ、それぞれが強烈な個性を表現しました。
この機会に、ぜひ「暗殺教室」を読み返したり、視聴したりして、その緻密な伏線と、シロの冷酷な魅力に改めて触れてみてはいかがでしょうか。
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