
『ハンターハンター』の物語は、常に私たちの想像を超えてきました。
中でも、最新章である「暗黒大陸編」は、そのスケールと複雑さにおいて、これまでのシリーズを凌駕すると言っても過言ではありません。
膨大な登場人物、緻密に練られた設定、そして張り巡らされた伏線の数々は、ファンの間で大きな話題を呼んでいます。
この謎に満ちた「外の世界」とは一体何なのか、人類はなぜそこを目指すのか。
この記事では、暗黒大陸の全体像から、そこに潜む恐るべき「五大厄災」、そして物語を動かす主要キャラクターたちの思惑までを徹底的に考察していきます。
読者の皆さんの考察や熱い意見も交えながら、この深淵なる物語の魅力を紐解いていきましょう。
「暗黒大陸」とは?:人類の常識を超える「外の世界」
『ハンターハンター』の世界における「暗黒大陸」とは、現在の我々が認識している大陸の遥か外に広がる、「外の世界」を指します。
実は、人類が暮らす現在の既知の世界は、暗黒大陸中央に位置する巨大な湖「メビウス」に浮かぶ小さな島々の集まりに過ぎないと言われています。
人類に紛れて暮らす魔獣たちも、元々は暗黒大陸からやってきたとされており、驚くべきことに、キメラアントもその一種だったことが判明しています。
古文書や遺跡には、人類がこの大陸へ進出しようとする度に甚大な災いが降りかかったと記されており、200年以上前には近代五大陸(V5)によって、暗黒大陸への不可侵条約が締結されるほど、危険な場所と認識されてきました。
その実態:ネテロが「お化け屋敷」と評した異世界
若かりし頃のアイザック=ネテロ会長が実際に暗黒大陸の調査に赴いた際、彼は常識では考えられないほど巨大で異形な生物たち、もはや「怪物」と呼ぶべき存在を目の当たりにし、やむなく調査を断念したと言います。
ネテロ自身が「でかすぎる」「入り口で引き返したお化け屋敷」と評するほど、極めて特異かつ過酷な環境なのです。
キメラアントの他にも、「五大厄災」と呼ばれる、人類の住む世界に侵入すれば人類滅亡レベルの大災害を引き起こしかねない生物や現象が数多く存在しています。
しかし一方で、暗黒大陸は人類にとって非常に有益な資源の宝庫でもあり、その魅力が多くの探求者たちを引きつけてやまない理由となっています。
「門番」と「案内人」:暗黒大陸との接点
暗黒大陸には、人類が足を踏み入れるための特殊な「門番」と「案内人」の存在が確認されています。
「門番」とは、唯一、暗黒大陸と外界とのパイプを持つ魔獣族のこと。
そして「案内人」とは、暗黒大陸を出入りする際に門番が召喚する亜人種であり、彼らの協力なしには暗黒大陸への渡航は不可能とされています。
幻の書物「新世界紀行」:ドン=フリークスの残した足跡
約300年前に発行された「新世界紀行」という本は、出版当時は空想小説として扱われ、狂人の妄想だと思われていた奇書です。
現在では幻の書物とされていますが、ジン=フリークスによると、その正体は300年以上前にたった一人でメビウス(無限海)沿岸を探検した人物の旅行記だと言います。
現在は「東の巻」しか見つかっておらず、ジンは「西の巻」が出ていないのはまだ執筆中であるためだと考えており、「東の巻」に究極の長寿食や万病を治す香草が存在するという記述があることから、著者はそれらで生き延びていると推測しています。
この本の著者は、ゴンの祖先である可能性が示唆されているドン=フリークスであるとジンは語っています。
許可庁の公式見解ではこの本を筆者の空想だとしていますが、実際にはその本を元に世界で最も重要な基準が作られており、V5は場所と目的を予め定めて調査に向かっているという裏の事実も存在します。
人類を脅かす「五大厄災」:希望と引き換えの絶望
不可侵条約締結後、V5は政治的思惑により、非公式にそれぞれ別ルートから案内人の協力を得て暗黒大陸へ渡航し、持ち帰って来たものが「五大厄災」です。
正確には、案内人が戒めのために人類に持ち帰らせたものとされています。
人類にとって有益な資源である「希望(リターン)」を手に入れようとするならば、この五大厄災の被害に遭う可能性があるのです。
五大厄災は全て、キメラアントのBを超えるA(最高)かB+(準最高)の危険度を誇り、その内の「バプ」と「アイ」は人類圏でも存在が確認されていることから、ジンは「人類が滅亡していないのはたまたま」とまで発言しています。
それぞれの厄災が持つ特性とリターン
五大厄災は、それぞれが固有の危険性と、それに見合うほどの「希望」を秘めています。
ガス生命体アイ:アルカの能力のルーツ?
「欲望の共依存」と呼ばれるガス生命体アイは、危険度Aに分類される厄災です。
その名の通りガスのような黒いもや状の形態をしています。
驚くべきことに、ゾルディック家のアルカに憑いている「ナニカ」の正体が、このガス生命体アイであると判明しています。
アイのリターンは「三源水」と呼ばれる、あらゆる液体の元となり得る水であり、どんな液体も生成できると言われています。
過去にミンボ共和国とハンター協会が協力して三源水獲得に向かいましたが、帰還者は錯乱状態になった3名のみという悲惨な結果に終わっています。
人飼いの獣バプ:快楽と命の等価交換
「快楽と命の等価交換」をするとされる「人飼いの獣バプ」は、危険度Aに分類される厄災です。
詳しい能力や外見は明らかになっていませんが、犠牲者はエネルギーを吸い取られ、人形のようにしぼんでしまうようです。
その異名通り、快楽を与える代わりにじわじわと命を奪っていく、恐ろしい厄災と考えられます。
バプのリターンは、ビーズ一粒程度で1日2万kwを発電するという奇跡の鉱石「無尽石」です。
かつてベゲロセ連合国は1000人規模の調査隊を送りましたが、バプによって壊滅し、帰還者はわずか7名でした。
植物兵器ブリオン:謎の古代遺跡の守護者
「謎の古代遺跡を守る正体不明の球体」と呼ばれる「植物兵器ブリオン」は、危険度B+に分類される厄災です。
人間の頭部に謎の球体がついたような見た目をしています。
「正体不明の球体」という異名から、球体が本体で人間に寄生している状態とも考えられています。
サヘルタ合衆国の特殊部隊を壊滅させ、帰還者は2名のみという被害をもたらしています。
ブリオンのリターンは「万病に効く香草」であり、その名の通りあらゆる病気に効果があるとされています。
双尾の蛇ヘルベル:殺意を伝染させる魔物
「殺意を伝染させる魔物」と呼ばれる「双尾の蛇ヘルベル」は、危険度Aに分類される厄災です。
能力については多くが謎に包まれていますが、「殺意を伝染させる」という異名から、意識を操り同士討ちをさせるといった精神攻撃を得意とする可能性も考えられます。
ヘルベルのリターンは、食べた人間の寿命をとんでもなく伸ばす究極の長寿食「ニトロ米」です。
かつてオチマ連邦がニトロ米を求め大部隊を派遣しましたが、ヘルベルによって99%の隊員が死亡するという壊滅的な被害を受けました。
不死の病ゾバエ病:希望を騙る底無しの絶望
「希望を騙る底無しの絶望」と称される「不死の病ゾバエ病」は、危険度B+に分類される厄災です。
感染した者を生きた屍、つまりゾンビのようにしてしまう病原菌だと考えられています。
作中に登場した感染者は、食事をせずに50年近く生きている描写があり、自らの腕を食べるなど、なんともおぞましい姿で描かれています。
ゾバエ病のリターンは「錬金植物メタリオン」であり、詳しい説明はされていませんが、金属を生成する能力を持つ植物だと推測されています。
過去にはビヨンドがクカンユ王国の調査団と採取に向かいましたが、正規ルートを外れたことで集団感染し壊滅状態に陥り、ビヨンドを含む6名が帰還したものの、メタリオンは枯れてしまいました。
暗黒大陸編の物語:会長選挙から王位継承戦へ
『ハンターハンター』の暗黒大陸編は、第32巻から始まる新章です。
ゴンがナニカの力で復活し、会長選挙編が決着し、ジンとの再会というクライマックスを迎えたかに見えましたが、その後に新たにスタートしたのが、この「暗黒大陸編」でした。
物語の始まり:ビヨンド=ネテロの暗黒大陸進出宣言
ハンター協会第12代会長アイザック=ネテロの死後、カキン帝国は突如全世界へ向け、彼の息子を名乗るビヨンド=ネテロを総責任者とした暗黒大陸進出を宣言します。
過去の渡航では、V5が政治的思惑から独自の調査団を秘密裏に送り込んでいましたが、多くの調査団はリターン獲得に失敗し、多大な犠牲者を出していました。
ネテロ自身も、リンネ、ZZIGG(ゾルディック)と共に足を踏み入れたものの、「扉を開けただけで敷居もまたがずに踵を返したお化け屋敷」と評し、それ以上の探索を断念した経緯があります。
約50年前、ビヨンドは専門家の一人としてハンターと共に錬金植物メタリオンの入手を目的としたクカンユ王国の調査隊に同行しましたが、ネテロの忠告を聞かずに未踏のルートに拘った結果、探検は失敗し、多大な犠牲者と新たな厄災(ゾバエ病)を抱えて帰還しました。
この件でネテロは意を決し、V5に働きかけて暗黒大陸を協会の禁忌(タブー)とし、再挑戦を望むビヨンドに対しては、自身が死ぬまでは許可しないとの枷を与えていたのです。
ネテロの殉職と会長選挙の後、ついにビヨンドが暗黒大陸進出を宣言することになります。
V5の対応とハンター協会の任務
カキンの宣言を受けてV5は、平和的に事態を収めるため、カキンを迎え入れて近代六大陸(V6)の新体制を構築します。
その際、カキン国王を新大陸開拓者として正式に歴史に記す代わりに、リターンの分配は6等分とすることを認めさせる方針を決定しました。
そして、V5は暗黒大陸でのビヨンドに対する監視役をハンター協会に依頼します。
ハンター協会へ出頭したビヨンドは、囚われの状態で暗黒大陸へ向かい、拘束を逃れて好き勝手やる、というハンター協会に対する宣戦布告ともとれる行動を見せます。
さらに、ネテロ前会長から十二支んに出された指令は、ビヨンドよりも先に暗黒大陸探検を成功に導き、そして「五大厄災」のいずれかを攻略し、「希望(リターン)」を持ち帰ることが達成条件とされました。
つまり、ハンター協会の暗黒大陸での活動目的は、ビヨンドを制御・拘束しながら彼の仲間を撃退し、尚且つ「厄災」の解決法を見出すことという、非常に困難なものとなっています。
渡航に必要な「許可」「資格」「手段」「契約」の4つのうち、ビヨンドが許可庁との契約に署名したことで、ハンター協会は最初の条件「許可」を得た形です。
カキン帝国の王位継承戦:船上で繰り広げられる死闘
暗黒大陸へ向かう巨大な船内では、カキン帝国の王位継承権を巡る熾烈なバトルロワイヤルが繰り広げられています。
14人の王子たちが、謀略と暴力を武器に、最後に生き残った一人が王になれるという苛烈なルールのもと、戦っています。
継承戦に合わせて王子全員に念獣を与える儀式が行われたため、各王子の護衛や船上に乗り込んだ数多くの念能力者を巻き込んで、王位継承を巡る念を用いた知略戦が展開されることとなります。
この王位継承戦は、第34巻からスタートし、現在も物語の重要な要素として続いています。
暗黒大陸編の主要キャラクターたち:それぞれの思惑
暗黒大陸編では、これまでにないほど多くの新キャラクターが登場し、物語を複雑かつ魅力的にしています。
ここでは、特に注目すべき主要キャラクターたちをピックアップしてご紹介します。
暗黒大陸探検隊:ビヨンド、ジン、パリストンが揃い踏み
暗黒大陸探検隊の総大将は、故アイザック=ネテロ会長の息子、ビヨンド=ネテロです。
彼はかつて、暗黒大陸に上陸し錬金植物メタリオンを入手したものの、「不死の病ゾバエ病」に襲われ植物も枯れてしまい、失敗に終わった過去を持っています。
父ネテロとの条件(父が死ぬまで暗黒大陸への上陸禁止)が解かれた50年後、ついにカキン帝国と手を組み、暗黒大陸へ再挑戦となりました。
また、ハンター協会前副会長のパリストンは十二支んを脱退し、ビヨンドと共に暗黒大陸探検隊に参加しています。
パリストンの目的ははっきりと明かされていませんが、彼の性格から、自分が楽しめそうだから参加したという説が濃厚です。
自分が楽しければ他者の犠牲も厭わない、そんな冷酷な彼の性格をジンは熟知しています。
ジン=フリークスも暗黒大陸への上陸に参加していますが、今回の冒険に参加した理由は「ビヨンドに協力し、パリストンを抑制するため」と語っています。
この三者の関係性が、暗黒大陸編の大きな見どころの一つと言えるでしょう。
ハンター協会:十二支んの新たな任務
近代五大陸からの要請を受け、カキン帝国とビヨンドの監視という最重要極秘任務を請け負ったのは、ハンター協会の精鋭たち、十二支んです。
ネテロ前会長からの指令は、ビヨンドよりも先に暗黒大陸探検を成功に導き、そして「五大厄災」のいずれかを攻略し、「希望(リターン)」を持ち帰ることです。
新しく十二支んとなったクラピカ、レオリオも加わり、船内で始まったカキン帝国の王子たちが王座を目指す戦いに巻き込まれていくことになります。
情報班のクラピカが、自身の宿敵であるツェリードニヒと対峙する可能性も示唆されており、ファンの期待が高まっています。
カキン帝国関係者:王位継承戦を彩る王子たちと護衛
新興国「カキン帝国」の王子は全部で14名いますが、特に注目すべきは第4王子ツェリードニヒでしょう。
彼は残虐でサイコパスな性質を持ち合わせていますが、表では知的でスマートに振舞っています。
人体収集やスナッフが趣味で、クルタ族の最後の「緋の目」を所持していることから、クラピカに標的にされています。
念能力の存在を知りませんでしたが、知ってからは類まれなる才能とスピードで念能力を開花させていきます。
そのポテンシャルから、王座に一番近い男の一人と言われています。
それぞれの王子には個性豊かな警護兵がついており、彼らの念能力や思惑が複雑に絡み合い、船内でのバトルロワイヤルをよりスリリングなものにしています。
ゴンやジンの祖先、ドン=フリークスが物語の鍵を握る?
ドン=フリークスは、ゴンやジンの親族にあたると思われるキャラクターです(詳細は不明)。
彼は300年以上前に暗黒大陸を探索した人物であり、その記録を著した本「新世界紀行」を発行しました。
「新世界紀行」は、既知の世界とあまりに異なる内容であることから公式には空想小説とされているものの、裏では暗黒大陸の貴重な記録として扱われています。
その後ドン=フリークスは消息不明ですが、暗黒大陸に渡ったのが300年以上前の出来事であることから、通常なら当然死んでしまっているはずです。
しかし、「新世界紀行」が「東の巻」しか出ておらず「西の巻」が出ていないのはまだ執筆中であること、そして「不死の病ゾバエ病」にかかれば寿命に関係なく生きている可能性があることから、今も暗黒大陸を探検中である可能性が作中で示唆されています。
「フリークス」という姓がゴンやジンと同じことから、ドン=フリークスは二人に血縁関係があると予測されており、物語の大きな鍵を握る人物として、今後の登場や真相解明が期待されています。
『ハンターハンター』暗黒大陸編に対する世間の評判と、今後の展開への期待
『ハンターハンター』の暗黒大陸編は、ファンの間で様々な評判が飛び交っています。
最も多く見られるのは、やはり連載の遅筆さを嘆く声です。
暗黒大陸編の半ばで連載休止となってから、すでにかなりの時間が経過しており、一刻も早い連載再開が世界中のファンから待望されています。
しかし、その一方で、「難解だが、やはり面白い」という声も多数を占めています。
内容が非常に複雑で、一度読んだだけでは理解しきれないため、何度も読み返すというファンも少なくありません。
それだけ、緻密な設定と深いストーリーが織りなされている証拠と言えるでしょう。
ドン=フリークスとジン、ゴンの血縁関係や、暗黒大陸のさらなる謎、そして王位継承戦の行方など、まだまだ多くの謎が秘められています。
作者の冨樫義博のTwitterアカウント開設など、連載再開を予感させる動きもあり、今後の『ハンターハンター』のストーリー展開と伏線回収に、世界中のファンが大きな期待を寄せています。
皆さんは、暗黒大陸編のどんな謎が一番気になりますか?
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