【今際の国のアリス】実写ドラマは原作とどう違う?キャストの再現度、設定変更の理由を徹底比較

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【今際の国のアリス】実写ドラマは原作とどう違う?キャストの再現度、設定変更の理由を徹底比較

 

無気力な青年アリスが、謎の「今際の国」で命を懸けたデスゲームに挑む物語、今際の国のアリス。

麻生羽呂による原作漫画は、その独創的な世界観と緊迫したストーリーで多くのファンを魅了してきました。

2020年からNetflixで配信された実写ドラマ版は、その完成度の高さから世界中で大ヒットを記録し、日本の実写作品の可能性を改めて世界に示しました。

原作をリスペクトしつつも、実写ならではの表現を取り入れたことで、ドラマ版は新たなファンを獲得することに成功しました。

本記事では、実写ドラマ版と原作漫画の違いを徹底的に比較し、なぜこの作品が世界中で愛されることになったのか、その理由を深く掘り下げていきます。

 

今際の国のアリスとは?

実写ドラマと原作の比較に入る前に、まずは作品の基本情報を確認しておきましょう。

作品が持つ背景を理解することで、より深く比較を楽しむことができます。

 

今際の国のアリスの概要

今際の国のアリスは、漫画家・麻生羽呂によって描かれたサスペンス・ホラー漫画です。

2010年から2016年まで小学館の週刊少年サンデーSなどで連載され、単行本は全18巻で完結しました。

「アリス」と「ウサギ」という名前を持つ主人公たちが、突如として放り込まれた異世界で、生き残るために命を懸けたげぇむに挑む物語が描かれています。

2020年12月には、山﨑賢人と土屋太鳳のダブル主演による実写ドラマがNetflixで配信開始され、瞬く間に世界的な人気コンテンツとなりました。

この成功を受けて、シーズン2も制作され、さらに多くのファンを獲得しています。

 

今際の国のアリスのあらすじ

物語の主人公は、人生に虚しさを感じていた青年アリス(有栖良平)です。

ある日、親友のカルベとチョータと共に渋谷に繰り出すと、突然、街から人が消え、謎の「今際の国」に迷い込んでしまいます。

この世界では、生きるために「びざ」が必要であり、「げぇむ」をクリアすることでしか得ることができません。

彼らは、トランプのスート(♥、♣、♦、♠)と数字で示される様々なげぇむに挑み、生きるか死ぬかの極限状態を生き抜いていきます。

そして、げぇむの先に待つ、この世界の謎に迫っていくのです。

 

今際の国のアリスの実写ドラマと原作漫画を比較

実写ドラマ版『今際の国のアリス』は、原作の世界観を忠実に再現しつつも、映像作品としてより面白くするために、いくつかの設定変更が行われています。

ここでは、その主な違いについて解説していきます。

 

違い①キャラの年齢

原作漫画では、主人公のアリスやその友人たちは高校生として描かれています。

しかし、実写ドラマ版では、アリスは「大学を中退したニート」、カルベは「バーの経営者」、チョータは「会社員」という設定に変更されました。

この変更の理由として、原作に描かれている飲酒シーンなどの倫理的な問題が挙げられることが多いです。

しかし、それだけでなく、大人になったキャラクターたちの「生きる意味」を探すというテーマがより深く描けるようになるという狙いもあったと考えられます。

原作の高校生らしい危うさとは違う、大人ならではの葛藤や無力感が、視聴者の共感を呼んだという見方もあります。

 

違い②キャラの家庭環境

実写ドラマ版では、メインキャラクターの家庭環境にも変更が加えられています。

原作漫画では、アリスの母親についての明確な描写はありませんでしたが、ドラマでは「母親がすでに亡くなっている」という設定になりました。

また、チョータの家庭環境も、原作では「父親の借金」がテーマでしたが、ドラマでは「母親が新興宗教にハマっている」という設定に変更されました。

これらの変更は、キャラクターの内面的な葛藤をより分かりやすく描き出すための工夫だと考えられます。

特に、チョータの宗教の問題は、現実でも共感しやすいテーマであり、彼が今際の国で「信仰」に救いを求める姿をより説得力のあるものにしています。

 

違い③最初の「げぇむ」の内容

原作漫画の最初のげぇむは「おみくじ」と呼ばれる頭脳戦のゲームでした。

「クイズに正解しないと火の矢が飛んでくる」という内容で、アリスの頭脳が最初に試される場面です。

しかし、実写ドラマ版ではこのげぇむは描かれず、代わりに「生き残る部屋」と呼ばれる「しんでたまるか」というげぇむが最初のげぇむとして描かれました。

これは、物語の冒頭で視聴者の心を掴むために、より視覚的にインパクトのあるげぇむを選んだと考えられます。

また、この変更により、アリス、カルベ、チョータの3人が協力して危機を乗り越えるという絆の物語をより強調することに成功しています。

 

今際の国のアリスの実写ドラマのキャストの再現度

実写ドラマ化において最も注目されるのが、原作キャラクターの再現度です。

今際の国のアリスは、豪華キャスト陣の好演により、原作ファンからも高い評価を得ています。

ここでは、主要キャストの再現度を個別に見ていきましょう。

 

有栖良平(アリス)役/山﨑賢人

主人公アリスを演じたのは、俳優の山﨑賢人です。

彼はこれまでに多くの漫画原作の実写化作品に出演しており、「漫画原作のプリンス」とも呼ばれています。

アリスは、出来の良い弟と比べられ、家庭での居場所をなくしているという内向的なキャラクターです。

山﨑賢人が持つ素朴で繊細な雰囲気が、このキャラクターにぴたりとハマったと高く評価されています。

原作とは異なる髪型にも関わらず、彼の演技力によってアリスの内面の葛藤や成長が見事に表現され、多くの視聴者の共感を呼びました。

 

宇佐木柚葉(ウサギ)役/土屋太鳳

ヒロインのウサギを演じたのは、女優の土屋太鳳です。

ウサギはクライマーという設定を持つ、高い身体能力を誇るキャラクターです。

土屋太鳳自身も卓越した運動神経の持ち主であり、激しいアクションシーンをスタントなしでこなしたことで大きな話題となりました。

彼女の肉体美と、げぇむで困難に立ち向かう精神的な強さが、ウサギというキャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

「ウサギは土屋太鳳以外考えられない」という声が多く、その再現度の高さは群を抜いていると言えるでしょう。

 

チョータ役/森永悠希

アリスの友人チョータを演じたのは、俳優の森永悠希です。

原作漫画では、少し不細工な高校生として描かれていましたが、ドラマ版ではイケメン俳優である森永が演じたことで、「イケメンすぎる」という意見も挙がりました。

しかし、彼の繊細な演技は、不安や恐怖を抱えながらも友人たちを大切に思うチョータの内面を深く描き出しました。

特に、カルベとの最後のシーンは、多くの視聴者の涙を誘い、その演技力は高く評価されています。

 

カルベ役/町田啓太

アリスのもう一人の親友カルベを演じたのは、俳優の町田啓太です。

カルベは、正義感が強く、喧嘩っ早いチンピラとして描かれています。

町田啓太が演じたカルベは、原作の持つ強面でワイルドな雰囲気を完璧に再現しており、「原作から飛び出してきたようだ」と絶賛されました。

アリスやチョータを優しく見守り、時に厳しい言葉を投げかける姿は、多くの視聴者の心を掴みました。

 

シブキ役/水崎綾女

アリスが最初に遭遇する滞在者シブキを演じたのは、女優の水崎綾女です。

原作ではキツイ顔立ちの女性として描かれていますが、ドラマ版では少し容姿が違うという意見も挙がりました。

しかし、彼女の演技は、絶望的な状況下で他人を利用しようとするシブキの狡猾さと、心の奥底にある孤独を見事に表現しています。

彼女がアリスたちに与えた影響は、物語の序盤において非常に重要な役割を果たしました。

 

チシヤ役/村上虹郎

医大生チシヤを演じたのは、俳優の村上虹郎です。

原作では狐目を持つ、掴みどころのないキャラクターとして描かれています。

村上虹郎の持つミステリアスな雰囲気と、冷徹な言動がチシヤというキャラクターに完璧にマッチし、「再現度が高い」と評価されています。

特に、彼の常に冷静でどこか突き放したような表情は、視聴者に強い印象を与えました。

 

クイナ役/朝比奈彩

元アパレル店員のクイナを演じたのは、女優の朝比奈彩です。

クイナはトランスジェンダーという複雑な背景を持つキャラクターであり、その内面の葛藤が物語を深くしています。

朝比奈彩は、原作のドレッドヘアやクールな雰囲気を忠実に再現し、そのスタイルの良さから多くの支持を得ました。

また、彼女が演じるクイナの、見た目の美しさだけでなく、げぇむに立ち向かう精神的な強さも、視聴者に深い感銘を与えました。

 

タッタ役/渡辺佑太朗

ムードメーカー的存在のタッタを演じたのは、俳優の渡辺佑太朗です。

元お笑い芸人という経歴を持つタッタは、どんな状況でも明るさを失わないキャラクターとして描かれています。

渡辺佑太朗の持つ親しみやすい雰囲気が、タッタの役柄と見事に合致し、「原作と容姿が似ている」と高く評価されています。

 

ボーシヤ役/金子ノブアキ

「ビーチ」の支配者ボーシヤを演じたのは、俳優の金子ノブアキです。

原作では金髪のキャラクターでしたが、ドラマ版では髪色が変更されました。

しかし、金子ノブアキが持つカリスマ性と狂気的な演技は、ボーシヤという独裁的なキャラクターを完璧に表現しており、その演技力は絶賛されています。

 

アグニ役/青柳翔

武闘派のリーダーアグニを演じたのは、俳優の青柳翔です。

アグニは、坊主で筋肉質という武闘派らしい容姿を持っています。

青柳翔は、その力強い体格と眼差しで、アグニの圧倒的な強さと内に秘めた葛藤を見事に演じ切り、高い再現度を誇りました。

 

ミラ役/仲里依紗

精神科医兼脳科学者のミラを演じたのは、女優の仲里依紗です。

彼女が持つミステリアスな雰囲気と、時に見せる狂気的な表情は、ミラという掴みどころのないキャラクターに完璧にマッチしています。

仲里依紗の巧みな演技は、ミラの思惑を最後まで読ませない緊張感を生み出し、物語の鍵を握る存在感を放っていました。

 

クズリュウ役/阿部力

国際弁護士のクズリュウを演じたのは、俳優の阿部力です。

原作ではインテリな雰囲気が強いキャラクターでしたが、ドラマではワイルドな雰囲気が加わり、より深みのあるキャラクターとして描かれています。

阿部力の演技は、クズリュウの知性と、げぇむに挑む際の冷徹な一面を見事に表現しました。

 

アン役/三吉彩花

警視庁鑑識班に所属するアンを演じたのは、女優の三吉彩花です。

原作とは髪型が変更されていますが、彼女が持つクールな雰囲気と、科学的な思考でげぇむに挑む姿は、アンというキャラクターに完璧に合致しています。

 

ニラギ役/桜田通

ゲームエンジニアのニラギを演じたのは、俳優の桜田通です。

原作漫画では狂気的なキャラクターとして描かれていますが、実写ドラマ版のニラギは、その狂気の中に繊細さも感じさせる多面的なキャラクターとして描かれています。

桜田通の演技は、ニラギというキャラクターに新たな魅力を加え、その再現度についても高い評価を得ています。

 

ラスボス役/栁俊太郎

強面のラスボスを演じたのは、俳優の栁俊太郎です。

原作のゴリゴリのタトゥーは、ドラマでは模様が変更されていますが、その圧倒的な存在感と、武闘派らしい強さが完璧に再現されています。

 

アサヒ役/吉田美月喜

高校生のアサヒを演じたのは、女優の吉田美月喜です。

原作から大きな設定変更はなく、吉田美月喜が持つ可憐な雰囲気が、アサヒというキャラクターにぴったりと合致しています。

 

モモカ役/矢崎希菜

アサヒと共にげぇむに参加したモモカを演じたのは、女優の矢崎希菜です。

彼女も原作から大きな設定変更はなく、その自然な演技が、モモカというキャラクターに説得力を与えました。

 

今際の国のアリスの実写ドラマがひどいといわれる理由

実写ドラマ版『今際の国のアリス』は、世界的な大ヒットを記録しましたが、一部では厳しい意見も挙がっています。

ここでは、そうした「ひどい」と言われる理由について、客観的な視点から考察します。

 

理由①キャストの演技が下手

一部の視聴者からは、「キャストの演技が下手」という厳しい意見も挙がっています。

しかし、この意見はあくまで個人の主観であり、作品全体としては「キャストの演技が上手い」という肯定的な意見が圧倒的に多いです。

特に、主演の山﨑賢人や土屋太鳳の演技は、作品を成功に導いた要因の一つとして高く評価されています。

 

理由②既視感のある設定

『今際の国のアリス』のドラマは、「デスゲーム」というジャンルが近年流行していることから、「他の作品のパクリではないか」という厳しい意見も挙がっています。

しかし、原作漫画が2010年から連載を開始していることを考えると、この作品はむしろ近年のデスゲームブームの先駆けの一つだと考えることもできます。

デスゲームという設定は、普遍的な恐怖やサバイバルへの欲求を描く上で非常に有効な手法であり、多くの作品で用いられるのは自然なことです。

 

理由③原作と違いすぎる

「原作と設定が違いすぎる」という意見も、一部の原作ファンから挙がっています。

しかし、これについては「原作を変えたことで面白くなった」という肯定的な意見も多く、まさに賛否両論を巻き起こしている点と言えます。

実写化において、原作の全てを忠実に再現することは難しく、映像作品としてより面白くするために変更を加えることは、よくあることです。

今際の国のアリスは、この改変が功を奏し、より多くの視聴者に受け入れられた成功例だと言えるでしょう。

 

理由④最終回の内容

最終回の結末についても、「いい意味でどんでん返し」「悪い意味で拍子抜け」という意見が分かれています。

この対立は、視聴者が作品の結末に何を求めていたかによって生まれるものです。

物語の謎が明かされたことで、スッキリしたという人もいれば、さらなる謎を期待していた人にとっては物足りなさを感じたのかもしれません。

 

今際の国のアリスに関する感想や評価

ここまで見てきたように、実写ドラマ版『今際の国のアリス』は、多くの視聴者から様々な感想や評価が寄せられています。

ここでは、その中でも特に多く見られた感想をまとめ、作品が持つ魅力を改めて探っていきましょう。

 

感想:土屋太鳳がかっこいい!

多くの視聴者が口にするのが、ウサギを演じた土屋太鳳への称賛です。

「ウサギの演技がかっこいい」「アクションシーンが凄すぎる」という声は、彼女の役作りへの情熱と、卓越した身体能力が視聴者に伝わった証拠です。

特に、彼女が披露した激しいアクションは、作品の魅力をさらに高めることに貢献しました。

 

感想:キャストの演技が上手い!

漫画原作の実写化作品は、キャストの演技が酷評されることも少なくありません。

しかし、今際の国のアリスについては、「キャストの演技が上手いから作品が面白い」という感想が多く見られました。

これは、豪華な俳優陣が、それぞれのキャラクターの内面を深く理解し、見事に演じきった結果だと言えるでしょう。

 

感想:実写ドラマの続きが見たい!

シーズン2の配信後には、「続きが見たい」「シーズン3を制作してほしい」という声が、世界中のファンから挙がりました。

これは、作品の完成度が高く、視聴者がこの世界にもっと深く浸りたいと願っている証拠です。

物語の結末が、今後の展開を匂わせるものだったことも、こうした期待をさらに高めています。

 

まとめ

本記事では、実写ドラマ版『今際の国のアリス』と原作漫画を徹底的に比較しました。

キャラクターの年齢や家庭環境、げぇむの内容など、いくつかの設定変更はありましたが、これらの変更は作品をより面白くするための工夫だったと考えられます。

また、豪華キャスト陣による高いキャラクターの再現度と、迫力あるアクションシーンは、原作ファンだけでなく、多くの新規視聴者を獲得することに成功しました。

「ひどい」という厳しい意見も、その背景には作品への強い関心や、ジャンルへの深い理解があることを示しています。

今際の国のアリスは、原作と実写ドラマが互いの魅力を引き出し合い、デスゲームというジャンルを新たな次元へと引き上げた稀有な成功例だと言えるでしょう。

 

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