国民的人気漫画『ワンピース』の物語において、世界の安定を保ってきたのが「三大勢力」と呼ばれる強大な力でした。
四皇、海軍、そして王下七武海の三者が互いに牽制し合うことで、世界の均衡はかろうじて保たれていたのです。
しかし、物語が最終章に突入し、その均衡は大きく崩れ、世界は混沌へと向かっています。
この記事では、かつての三大勢力の力関係は本当に均衡していたのか、そして、なぜルフィとバギーが新たな四皇に選ばれたのか、深く考察していきます。
三大勢力のそれぞれの役割や影響力、そして新旧メンバーの強さや懸賞金についても、詳しく解説します。
ワンピースの概要とあらすじ
『ワンピース』は、尾田栄一郎による漫画作品で、1997年から『週刊少年ジャンプ』で連載されています。
海賊王ゴールド・ロジャーが残した「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」を巡り、少年モンキー・D・ルフィが海賊王を目指して冒険に旅立つ物語です。
20年以上の長期連載を経て、単行本は100巻を優に超え、その人気は世界中に広がっています。
ルフィは冒険の中で、個性豊かな仲間たちと出会い、数々の強敵と戦いながら成長していきます。
義理の兄エースを失った「頂上戦争」や、四皇カイドウを倒した「ワノ国編」など、物語は常に読者の予想を超える展開を見せてきました。
ワンピースの三大勢力の実力にはバラつきがある？均衡を考察
『ワンピース』の世界の均衡は、海賊の頂点に君臨する四皇、世界政府の武力である海軍、そして政府公認の海賊である王下七武海の三つ巴の力によって保たれてきました。
五老星は、この均衡が崩れることを最も恐れており、物語の要所でその様子が描かれています。
この三大勢力は、あたかも一つの勢力のように見えますが、その実態は複雑な力関係で成り立っています。
ここでは、三大勢力の実力と力関係、そしてそれぞれの役割と影響力について掘り下げていきます。
三大勢力の実力と力関係
三大勢力は、全体のバランスは保たれているものの、個々の強さには大きなバラつきがありました。
海賊という枠組みで見ると、四皇は王下七武海よりも圧倒的に強力な存在です。
そのため、四皇同士が敵対し、王下七武海は海軍と協力するという構図が成り立っていました。
海軍は、大将クラスが四皇と渡り合える実力を持つとされていますが、総戦力では海賊団に劣らないか、それ以上であると考える読者もいます。
しかし、海軍は四皇だけでなく、新世界で暴れるその他の海賊たちも相手にしなければならないため、戦力を分散せざるを得ません。
そのため、王下七武海という特権を与え、海軍側の戦力として利用していたのです。
この絶妙なバランスが、三大勢力の均衡を保つ鍵となっていました。
三大勢力の役割や影響力
四皇は、新世界を支配する「皇帝」として、普通の海賊が海賊王を目指すことを阻む壁のような存在です。
彼らの懸賞金は40億ベリーを超えることも珍しくなく、その影響力は一国の王をはるかに凌駕します。
新世界を航海する海賊は、「四皇を倒す」「四皇の傘下に入る」「四皇に殺される」の三つの道しかないと言われるほど、四皇は海賊社会の頂点に君臨していました。
一方、王下七武海は、海賊でありながら政府に海賊行為を許可されており、その特権を利用して自由に活動していました。
海軍にとっては、彼らを味方につけることで、四皇に対抗する戦力を確保できるというメリットがありました。
しかし、王下七武海は海軍の意向に従わないことが多く、その危険な存在は常に懸念されていました。
海軍は、世界の秩序を維持する役割を担い、正義を掲げて海賊たちを取り締まります。
総戦力では四皇の海賊団を上回るとも言われていますが、その戦力は世界中に散らばっているため、常に手が足りない状況にありました。
三大勢力①四皇
四皇は、新世界に君臨する4人の大海賊を指します。
「頂上戦争」前は、白ひげ、カイドウ、ビッグ・マム、シャンクスがその座にいました。
ここでは、新旧四皇のメンバーを詳しく見ていきます。
白ひげ
エドワード・ニューゲート、通称白ひげは、「世界最強の海賊」と称され、懸賞金は50億4600万ベリーでした。
「グラグラの実」の能力者で、世界を滅ぼすほどの力を持っていました。
しかし、老齢と持病を抱えており、頂上戦争でエースを救うために戦い、黒ひげ海賊団によって最期を迎えました。
彼は家族を大切にする人情味あふれる海賊で、彼の死は世界の均衡を大きく揺るがすことになりました。
カイドウ
カイドウは、百獣海賊団の総督で、「この世における最強生物」と呼ばれていました。
懸賞金は46億1110万ベリーで、ワノ国を支配していました。
人間離れした強さを持ち、多くの海賊や海軍と戦っても敗北したことがありませんでしたが、ルフィとの激闘の末に敗北しました。
彼の敗北は、世界に大きな衝撃を与え、新四皇の誕生につながりました。
シャンクス
赤髪海賊団の大頭、シャンクスは、懸賞金40億4890万ベリーの四皇です。
ルフィに麦わら帽子を託した人物であり、その行動は常に謎に包まれています。
かつてはロジャー海賊団の船員でしたが、バギーが高熱を出したため、ラフテルへの航海には同行しませんでした。
五老星と対面する場面が描かれたことから、天竜人である「フィガーランド一族」の血を引いているのではないかという考察もあります。
黒ひげ
マーシャル・D・ティーチ、通称黒ひげは、白ひげ海賊団の元メンバーです。
エースを海軍に引き渡し、その功績で王下七武海になりましたが、頂上戦争で白ひげを殺害し、能力を奪って四皇の座につきました。
「ヤミヤミの実」と「グラグラの実」という二つの悪魔の実の能力を操る、規格外の存在です。
懸賞金は39億9600万ベリーで、新四皇の中でも最も危険視されています。
三大勢力②海軍
海軍は、世界政府の武力組織で、正義を掲げて海賊を取り締まっています。
その階級は、元帥、大将、中将、少将と続いており、強力な実力者が多数所属しています。
元帥
海軍のトップに君臨する元帥は、世界の秩序を守る重要な役割を担っています。
物語開始時点では、センゴクが元帥でしたが、頂上戦争後に赤犬が新たな元帥に就任しました。
赤犬は「マグマグの実」の能力者で、ルフィの兄エースを殺害した人物としても知られています。
その実力は四皇と対等に戦えると予想されており、海軍最強の存在と考える読者も少なくありません。
大将
元帥に次ぐ階級である大将は、黄猿、藤虎、緑牛が名を連ねています。
彼らの実力は非常に高く、王下七武海を圧倒するほどですが、四皇には及ばないと見られています。
特に緑牛は、シャンクスの覇気に圧倒される場面があり、大将と四皇の間に明確な差があることが示唆されました。
能力の相性によっては、黄猿が最強という意見も挙がっています。
中将
大将に次ぐ中将は、海軍の屋台骨を支える存在です。
ガープ、スモーカー、モモンガなど、個性豊かな実力者が多数所属しています。
彼らは全員が覇気を会得しており、一般海賊に対する抑止力として機能しています。
中でもルフィの祖父であるガープは、「海軍の英雄」と呼ばれ、かつてロジャーと互角に戦ったとされています。
大将の座を固辞しているため中将のままですが、その実力は現役の大将以上、あるいは四皇クラスであると見られています。
三大勢力③王下七武海
王下七武海は、世界政府公認の7人の海賊を指します。
彼らは政府に協力する代わりに、海賊行為を黙認されるという特権を持っていました。
ジュラキュール・ミホーク
「世界最強の剣士」ミホークは、王下七武海の中でも別格の実力者です。
シャンクスとはかつて幾度も死闘を繰り広げたとされており、その実力は四皇と互角であるという見方も存在します。
彼の懸賞金は35億9000万ベリーで、これは黒ひげに匹敵する金額です。
王下七武海制度が撤廃された後は、クロコダイルと共に「クロスギルド」を設立し、海軍に懸賞金をかけるという驚きの行動に出ました。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ
ドンキホーテ海賊団の船長ドフラミンゴは、元王下七武海でありながら、裏社会で絶大な影響力を持つ人物でした。
「イトイトの実」の能力者で、ドレスローザを乗っ取っていましたが、ルフィに敗れてインペルダウンに収監されました。
彼はカイドウと裏取引をしており、人工悪魔の実「SMILE」を密売していたため、実質的には四皇の傘下のような立場にありました。
ワンピースの最新の四皇は？伏線も考察
ワノ国編での四皇カイドウとビッグ・マムの敗北は、世界の均衡を完全に崩壊させました。
この空白の期間を経て、新たな四皇が誕生し、世界の勢力図は大きく塗り替えられました。
考察①最新の四皇は誰？
ワノ国編の後、新たに四皇の座についたのは、ルフィとバギーです。
これにより、新四皇はルフィ、バギー、シャンクス、黒ひげという顔ぶれになりました。
ルフィと共にカイドウを倒したローとキッドも、ルフィと同額の30億ベリーという高い懸賞金がかけられましたが、四皇の座にはつきませんでした。
この結果は、海軍が単なる強さだけでなく、世界に与える影響力を重視して四皇を決定していることを示唆しています。
考察②25巻の表紙が四皇の伏線だった？
『ワンピース』には、作者の尾田栄一郎が意図的に仕込んだとされる数々の伏線が存在します。
その中でも、特に注目されているのが、コミックス25巻の表紙です。
この表紙には、ルフィ、バギー、シャンクス、黒ひげという、新四皇のメンバーが描かれています。
物語が最終章に突入し、この4人が新四皇の座についたことで、この表紙は作者がかなり早い段階から最終的な四皇の顔ぶれを決定していたことを示す、壮大な伏線だったのではないかという考察が広まりました。
考察③ルフィの四皇入りの理由
ルフィが四皇になった最大の理由は、ワノ国でカイドウを倒したという事実です。
ホールケーキアイランド編で、ビッグ・マム暗殺事件の主犯とされ、「五番目の皇帝」と呼ばれ始めていましたが、カイドウという圧倒的な強敵を打ち破ったことで、その実力が世界に認められました。
また、彼の能力が「ヒトヒトの実 幻獣種モデルニカ」であると判明し、古代から世界政府が消そうとしてきた存在であることが明らかになったことも、海軍が彼を四皇として危険視する理由の一つと考えられます。
考察④バギーの四皇入りの理由
バギーが四皇になったことは、多くの読者を驚かせました。
彼は成り行きで王下七武海になり、元王下七武海であるクロコダイルとミホークを「部下」につけたと海軍に誤解されたことが、四皇入りの最大の理由です。
バギーが率いる「クロスギルド」は、海軍に懸賞金をかけるという前代未聞の行動に出ており、その影響力は計り知れません。
本来であれば、実力ではミホークが四皇に匹敵する存在ですが、バギーがそのトップに立ったことで、彼の運の良さと周囲を巻き込むカリスマ性が、彼を四皇の座に押し上げたと言えるでしょう。
ワンピースの三大勢力に関する感想や評価
三大勢力という設定は、物語に奥行きを与え、読者から多くの感想が寄せられています。
特にバギーの四皇入りについては、「成り上がり方が面白すぎる」「最後に海賊王になるのはバギーではないか」といった声が多数見られました。
また、海軍のガープに関しては、「中将なのに大将以上の強さ」「ロジャーと互角に戦う実力者」といった感想が挙がっており、彼と現役の四皇との戦いを望む読者も少なくありません。
一方、王下七武海については、「四皇に比べて弱い」「ミホーク以外は別格ではない」という厳しい意見も見られます。
しかし、王下七武海制度が撤廃されたことで、世界はより混沌とし、物語の今後の展開に期待が高まっています。
まとめ
『ワンピース』における三大勢力は、世界の均衡を保つための重要な要素でした。
その均衡は、頂上戦争を皮切りに崩れ始め、王下七武海制度の撤廃、そして新四皇の誕生によって完全に崩壊しました。
ルフィとバギーという、対照的な二人が四皇の座についたことは、今後の物語の行方を占う上で非常に重要な意味を持っています。
彼らが世界にどのような影響を与え、最終的に海賊王の座を掴むのは誰なのか、物語の結末に注目が集まります。
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