
海賊王を目指すモンキー・D・ルフィの壮大な冒険を描く「ONE PIECE(ワンピース)」において、ルフィの10人目の仲間として正式に加入を果たしたジンベエ。
魚人族の侠客であるジンベエは、麦わらの一味に加わるため、当時の傘下であった四皇ビッグ・マムから離脱を決意します。
その際、ビッグ・マムから突きつけられたのが、命がけの「死のルーレット」、そして魂を奪う「魂への言葉(ソウル・ポーカス)」でした。
この記事では、ウェブライターとして、ジンベエがビッグ・マムの死のルーレットに直面した際の内容と結末を詳らかにし、なぜジンベエが寿命を奪われることなく傘下を抜けることができたのか、その任侠としての覚悟と強さの秘密を徹底的に考察していきます。
ジンベエの麦わらの一味への加入が、いかに壮絶な覚悟の末に実現したのかを、彼のこれまでの歩みや伏線と合わせて深掘りしていきましょう。
ジンベエとは?
まず、ビッグ・マムの死のルーレットに挑むことになるジンベエの基本的な情報と、ルフィとの出会いから麦わらの一味に加入するまでの経緯を確認します。
ワンピースの作品概要とあらすじ
ジンベエが登場するワンピースは、尾田栄一郎が1997年から週刊少年ジャンプで連載している海洋ロマン漫画です。
連載期間は20年を超え、日本の出版記録を多数保持・更新し続けており、国内外合わせた累計発行部数は「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されています。
物語は、海賊王を目指すルフィと麦わらの一味の冒険を描いており、ジンベエが初登場するのは、インペルダウン編です。
ルフィは、義兄のエースが囚われ、公開処刑されそうになっているニュースを知り、ボア・ハンコックの協力を得て大監獄インペルダウンに潜入します。
そこでルフィが出会うことになるのが、当時王下七武海の一人であったジンベエでした。
ジンベエのプロフィール
ジンベエは、ジンベエザメの魚人族であり、「海峡のジンベエ」という異名で知られています。
大型な体格と威風堂々とした雰囲気を持つキャラクターで、仁義を重んじる侠客(きょうかく)でもあります。
リュウグウ王国の魚人街の出身で、魚人空手や魚人柔術などの使い手であり、その戦闘能力は四皇の幹部にも匹敵するほど高いと評価されています。
| 種族 | ジンベエザメの魚人 |
| 異名 | 海峡のジンベエ |
| 身長 | 301cm |
| 年齢 | 46歳(新世界編時点で) |
| 誕生日 | 4月2日 |
| 覇気 | 武装色、見聞色 |
| 元所属 | 王下七武海、タイヨウの海賊団船長、ビッグ・マム海賊団傘下 |
| 現所属 | 麦わらの一味 操舵手 |
ジンベエの懸賞金
ジンベエは、その戦闘能力と世界政府への反骨心から、これまでに何度も懸賞金がかけられています。
懸賞金の金額の推移
ジンベエの最も古い懸賞金は、タイヨウの海賊団の幹部時代の7600万ベリーです。
その後、タイヨウの海賊団の船長になり、王下七武海に加入する前には2億5000万ベリーまで跳ね上がっています。
頂上戦争への参戦によって七武海の座を剥奪された後の新世界編突入時は4億3800万ベリーとなりました。
そして、麦わらの一味に正式加入し、ワノ国での戦いを経た最新の懸賞金は11億ベリーという大台に達しています。
四皇幹部クラスの懸賞金をかけられていることは、ジンベエの世界に対する脅威と強さを裏付けていると言えるでしょう。
ジンベエのルーレットの結果を考察
ジンベエの麦わらの一味への加入をめぐる最大の焦点が、ホールケーキアイランド編でビッグ・マムが持ち出した「死のルーレット」です。
ビッグ・マムのルーレットの中身
ビッグ・マムがジンベエに傘下脱退の条件として持ち出したルーレットには、首や手、足といった身体の部位のイラストと、数字が描かれていました。
ルーレットの詳細が完全に説明されたわけではありませんが、身体の部位が当たればその部位を失うことになり、数字が当たればその分の寿命(ライフ)をビッグ・マムに取られると考えられます。
ルーレットに書かれた数字は、当たれば死亡する可能性すらあるほどの上限を超える寿命を要求するものも含まれていました。
ソルソルの実の能力と寿命(ライフ)を奪う仕組み
ビッグ・マムが他人の寿命を奪うことができるのは、彼女が超人系(パラミシア)のソルソルの実の能力者であるためです。
ソルソルの実は魂を操る能力であり、ビッグ・マムは、この能力を用いてホールケーキアイランドの島民から安全の保証として寿命を奪っていました。
ルーレットで寿命を要求された場合も、このソルソルの実の能力を使い、魂から寿命(ライフ)を直接抜き取ると考えられます。
ビッグ・マムのルーレットで死なずに助かった者はいる?
ビッグ・マムのルーレットは死の確率が非常に高く、作中で存在が明らかになっているのは、かつてペドロが船長を務めていたノックス海賊団の件のみです。
ペドロの元相棒で、ベポの兄であるゼポがこのルーレットを回しました。
その結果、ゼポは寿命を取られることになり、ペドロと二人合わせて100年分の寿命を払うことになります。
ゼポは30年分を払ったところで息絶えてしまい、残り70年の寿命を払う必要がありました。
ペドロは懇願し、さらに自ら左目をえぐり出すという壮絶な覚悟を見せたことで、50年分の寿命を払うことで許されました。
この一件から、ビッグ・マムのルーレットがいかに過酷で、死と隣り合わせのものであったかがわかります。
ジンベエはルーレットを回さなかった?
ノックス海賊団の例からもわかる通り、ビッグ・マムの死のルーレットは、生還が非常に困難なものでした。
ジンベエの決断と傘下脱退の一時撤回
ジンベエは、ビッグ・マムのルーレットを前にして「死と悪意の匂いしかせん」として、ルーレットを行うこと自体を拒否します。
仁義を重んじるジンベエは、ビッグ・マムの悪意と死の強制を許さなかったのです。
ジンベエはこの時、傘下脱退の申し出を一時的に取り下げることで、ルーレットを回すことを回避しました。
しかし、麦わらの一味に加わるという固い決意は変わっていなかったため、これは時を待つための戦略的撤退であったと考察する読者が多いです。
ジンベエはビッグ・マムに寿命を取られた?
ルーレットを一時回避したジンベエですが、麦わらの一味のホールケーキアイランドでの大暴れの中、再びビッグ・マムと対峙することになります。
ビッグ・マムの「ステイ オア ライフ」とジンベエの答え
ルフィたちがサンジの結婚式に乱入し、島中が半狂乱状態になった中で、ジンベエは改めてビッグ・マムの前に姿を現します。
この時、ビッグ・マムはジンベエに残るか寿命かという意味の「ステイ オア ライフ(Stay or Life)」と迫ります。
ジンベエはこれに対し、迷わず「ライフ」と答えます。
これは、寿命を差し出し、傘下を抜けるという覚悟を改めて宣言した瞬間でした。
ジンベエは寿命を奪われた?
この「ライフ」の宣言に対し、ビッグ・マムはソルソルの実の能力である「魂への言葉(ソウル・ポーカス)」を発動しますが、なんとジンベエから寿命を取ることができませんでした。
魂への言葉(ソウル・ポーカス)の発動条件
ビッグ・マムの魂を奪う能力であるソウル・ポーカスが発動するのには、絶対的な条件があります。
その条件とは、「ステイ オア ライフ」のように直接尋ねることと、「相手がビッグ・マムを心底から恐れていること」です。
ビッグ・マムは「ステイ オア ライフ」と尋ねるという一つ目の条件は満たしていましたが、二つ目の条件が満たされていなかったのです。
「未来の海賊王のクルー」としての気概と恐怖心の欠如
ジンベエが寿命を奪われなかった理由、それは彼がビッグ・マムのことを全く恐れていなかったからです。
ジンベエは、ビッグ・マムに対し、「未来の海賊王のクルーになろうっちゅう男が四皇ごときに臆しておられるか」という任侠としての気概と覚悟を示しました。
この恐れを知らない心こそが、ビッグ・マムの最強の能力を無効化した回避方法であり、ジンベエの強さと人間性を象徴する名シーンとなりました。
ジンベエの回避方法と任侠としての評価
ビッグ・マムの能力の弱点を突いたジンベエのこの行動は、「任侠のジンベエらしい」と多くの読者から称賛されました。
命を懸けることはできても、恐怖心を抱かないという精神的な強さは、麦わらの一味の操舵手として巨大な戦力となることを予感させました。
ジンベエはルフィ達の仲間になった?伏線は?
ジンベエがビッグ・マムの傘下を抜けるまでの壮絶な経緯を経て、麦わらの一味に正式に加入するまでの流れと、その伏線について掘り下げます。
ジンベエはルフィ達の仲間になった?
ジンベエは、ホールケーキアイランド編で麦わらの一味への加入を改めて宣言しましたが、すぐに合流できたわけではありませんでした。
魚人島でのルフィからの勧誘と保留にした理由
ジンベエは、それ以前の魚人島編の時点でルフィから直接仲間になるように誘われていました。
しかし、当時のジンベエは、故郷である魚人島が白ひげの死によって空白地帯になってしまった状況を懸念していました。
仲間と故郷を守るため、ビッグ・マムの傘下に加わることを決断した直後であったため、ルフィの誘いを保留にするしかなかったのです。
これは、仁義を重んじるジンベエの責任感からくる、苦渋の決断でした。
ビッグ・マムの傘下に入った経緯:故郷と仲間のため
ジンベエがビッグ・マムの傘下に入ったのは、魚人島をビッグ・マムのナワバリに入れてもらうことで、島民の安全を確保するためでした。
彼は魚人島でルフィと再会した時点では、まだビッグ・マムの傘下にあり、ルフィの誘いを受けられない立場にあったのです。
ホールケーキアイランドでの傘下脱退と殿(しんがり)
ホールケーキアイランドでルフィたちと合流したジンベエは、ビッグ・マムの傘下を抜ける決意をし、死のルーレットに直面することになります。
無事に傘下を抜けることを宣言した後、ジンベエはタイヨウの海賊団やジェルマ66と共に殿(しんがり)を務め、ルフィたちをビッグ・マムのナワバリから逃がす役割を担いました。
この殿の最中、ジンベエはビッグ・マムに捕まったり、死亡したのではないかという憶測が、読者の間で飛び交うことになります。
麦わらの一味の操舵手として正式加入
ジンベエがルフィたちのいるワノ国に無事に駆けつけたのは、ワノ国編第三章のことでした。
ビッグ・マムのナワバリから離脱することには成功していましたが、負傷者の手当やタイヨウの海賊団の面々との送別会などで合流が遅れていました。
このワノ国での再登場をもって、ジンベエは麦わらの一味の操舵手として正式に仲間に加わることになり、ワノ国での戦いにも巨大な戦力として参加することになりました。
ジンベエが仲間になる伏線はあった?
ジンベエが麦わらの一味に正式に加入したことについては、物語の初期から伏線があったと考察されています。
麦わらの一味の操舵技術の不足とジンベエの荒業
複数の読者が指摘している伏線の一つが、麦わらの一味の「操舵手」の不在です。
特にホールケーキアイランド編において、ルフィたちの操舵が不慣れであることが強調されるような描写が多くなっていました。
この中で、ジンベエがサニー号の操舵を取り、グリーンルームを抜けるという荒業を披露したことは、彼こそが一味に必要な存在であることを示していました。
扉絵連載『ジンベエ海峡一人旅』に秘められた伏線
ジンベエを主人公とした扉絵連載の『ジンベエ海峡一人旅』の中には、赤字で「10」という数字の入った服を着た少年が2度描かれていました。
これは、ルフィを含めてジンベエが麦わらの一味の10人目の仲間になるという決定的な伏線を示していたと考察されています。
また、ジンベエの異名の「海峡」が、操舵手として荒波を乗り越えるアンカーの役割を果たすという意味合いも示唆していたという見方もあります。
ジンベエに関する感想や評価
ジンベエは、ルフィの仲間に直接誘われたという点や、仁義に厚いキャラクターとして、読者からの人気が非常に高いです。
感想:ジンベエの加入と殿後の安否
ジンベエの麦わらの一味への正式加入は、長い間期待されていたため、「無事に加入して良かった」とする安堵の声が多く挙がりました。
特に、ホールケーキアイランド編での殿の役割の後、ビッグ・マムがワノ国に到着してもジンベエの姿が見えなかったことから、「もしかして死亡したのではないか」と心配する読者も多かったようです。
感想:死亡説や欠損説が流れたルーレットの描写
ホールケーキアイランドでのルーレットの結果は直接は描かれなかったため、「死亡した」、あるいは「身体のどこかを失った」という考察が飛び交っていました。
ルーレットには身体の部位のイラストも描かれていたため、「シャンクスが腕を、キュロスが足を失っているように、ジンベエもどこかの部位を失うのではないか」という欠損説も有力視されていました。
感想:ルーレットの件とビッグ・マムとの戦闘展開の予想
ジンベエがルーレットで欠損したり、死亡したりした場合は、ルフィがビッグ・マムと本気で戦うきっかけになるのではないか、と今後の展開を予想する読者もいた程です。
ジンベエの安否は、ホールケーキアイランド編の最大の懸念事項の一つであり、五体満足でワノ国に再登場した際には、多くの読者が安堵しました。
感想:ルフィの勧誘と人気を高めた名シーン
ジンベエは、インペルダウン編や頂上戦争でルフィを支えたことから、感動的なセリフや名シーンが多く、人気の高いキャラクターでした。
魚人島でのルフィからの勧誘は、読者にとって非常に嬉しい出来事であり、ここですぐに仲間にならなかったことで、「いつ仲間になるのか」という期待感が高まり、さらに人気が上がったキャラクターでもあります。
特にビッグ・マムの「魂への言葉」を恐れを知らない心で回避したシーンは、ジンベエの任侠としてのかっこよさを決定づけた名シーンとして評価されています。
まとめ
ジンベエがビッグ・マムの傘下を抜ける際に突きつけられた「死のルーレット」は、命を賭けた壮絶な試練でした。
しかし、ジンベエは、「死と悪意の匂いしかせん」としてルーレットを拒否し、さらにビッグ・マムの「魂への言葉」を「未来の海賊王のクルーになろうっちゅう男」としての恐れを知らない覚悟で無効化するという、任侠の魂を見せつけました。
結果的に、ジンベエは寿命を奪われることなく、五体満足でビッグ・マムの傘下から離脱し、ワノ国で麦わらの一味の操舵手として正式に加わることになりました。
彼の決断と覚悟は、麦わらの一味にとって、操舵技術だけでなく精神的な支柱としても不可欠な存在であることを証明しています。
その他のワンピース関連記事もご覧ください!
















コメント