
アニメ『オーバーロード2』で登場し、リ・エスティーゼ王国編において重要な立場にいるラナー王女。
可憐で美しく頭脳明晰、まさに才色兼備な彼女は、国民から「黄金」と称えられています。
しかし、そんなラナー王女には隠された裏の顔、そして物語の根幹に関わる恐るべき正体が隠されています。
生まれながらに規格外の天才であったラナー王女は、周囲に理解されず孤独な幼少期を過ごしました。
その孤独を救ったある人物への、異常なほどの感情こそが、彼女を王国最大の「裏切り者」へと変貌させる引き金となったのです。
この記事では、ラナー王女の正体や本性、そしてナザリックのデミウルゴスとの間に存在する謎の関係について、詳細な考察と共に徹底的にネタバレしていきます。
彼女の行動のすべてが、いかに王国の崩壊へと繋がっていったのか、その真の動機に迫りましょう。
オーバーロードのラナー王女の正体をネタバレ!デミウルゴスとの関係に迫る!
『オーバーロード2』王国編にて登場したラナー王女ですが、その優しくおっとりとした雰囲気とは裏腹に、彼女は真の目的を隠して生きていました。
普段は国民のことを第一に考える良き王女を演じていますが、その本性は、自身の目的のためなら手段を選ばない冷酷な知恵者です。
特に、彼女に仕えるクライムに対して異常なほどの感情を持っていることが、彼女の行動原理のすべてを決定づけています。
物語を深く読み解くと、彼女の正体は、人間という種族の枠を超越した「知性の化け物」であり、ナザリックの守護者デミウルゴスとさえ利害を一致させるほどの存在であったことが分かります。
ここからは、彼女のパーソナリティを深く掘り下げ、デミウルゴスとの怪しい関係についてネタバレしていきます。
彼女の「黄金」という評価と「化け物」という本性が、どのように共存していたのかを分析することで、オーバーロードというダークファンタジーの深層に迫ることができます。
オーバーロードとは?
ラナー王女が活躍するオーバーロードは、VRMMORPG「ユグドラシル」の中にゲームアバターのまま取り残された主人公モモンガが、意思を持ち動き始めたNPC達を率いて異世界にアインズ・ウール・ゴウンの名を知らしめるべく動きだすという、丸山くがね原作のダークファンタジー小説です。
2015年のアニメ第1期以降、その人気は絶大で、作品の魅力は、主人公アインズが「悪の支配者」として異世界を侵略していくという、従来のファンタジーとは一線を画した構造にあります。
アニメは2018年に第2期が、同年には第3期が放送されました(原作はさらに進行しています)。
ラナー王女のエピソードは、アインズの侵略の裏側、新世界側の「知恵者」がナザリックの「絶対的な悪」といかに渡り合うか、というテーマを深く描いており、ナザリック側の視点だけではない、新世界側の人間模様の複雑さを示しています。
特にラナー王女は、ナザリックの圧倒的な力を目の当たりにした新世界側の人間の中でも、ただ恐れるだけでなく、その力を利用しようと考えた唯一無二の存在として描かれています。
| 原作 | 丸山くがね |
| ジャンル | ダークファンタジー、異世界転生 |
| テーマ | 絶対悪による異世界支配、種族間の葛藤 |
オーバーロードのラナー王女とは?
フルネームはラナー・ティエール・シャルドルン・ヴァイセルフです。
二人の兄を持ち、リ・エスティーゼ王国第三王女の立場にあります。
その美しい容姿と、奴隷売買の禁止、冒険者への報酬の支払い改革といった国民に寄り添う政策を立案したことから、王国の「黄金」とも呼ばれていました。
彼女は、オーバーロードの登場キャラクターの中でも、ナザリックのデミウルゴスやアルベドに匹敵する、最強クラスの知能を持つ規格外の天才と評されています。
しかし、この天才故に、彼女の人生は孤独に彩られることになります。
彼女の知性はあまりにも突出しており、周囲の人間にはその思考の深さや先見性を全く理解されませんでした。
これが、彼女の心に深い溝を作り、「人間とは劣った存在である」という歪んだ認識を生み出すきっかけとなったと考察できます。
| フルネーム | ラナー・ティエール・シャルドルン・ヴァイセルフ |
| 立場 | リ・エスティーゼ王国 第三王女 |
| 通称 | 黄金 |
| 特徴 | 類稀なる知性の持ち主。作中屈指の知恵者。 |
| 本性 | 目的のためなら手段を選ばない冷酷な策士。クライムへの異常な執着を持つ。 |
オーバーロードのラナー王女の本性はヤンデレ?正体をネタバレ!
ラナー王女が立案した政策は、一見すると国民のことを第一に考えているように見えますが、実はその動機は極めて個人的なものでした。
リ・エスティーゼ王国の大貴族であるレェブン侯の前で、ラナー王女は本性を露呈する発言をしています。
「この糞ったれな王国なんかどうでもいいから、クライムと結ばれれば…」という発言は、彼女の正体そのものです。
彼女にとって、国民は数字であり道具でしかなく、彼女が国民の支持を集めるような政策を実行していたのも、すべては彼女の目標達成のための「演技」であり「布石」であったことが分かります。
この本性から、彼女のクライムへの愛情は、単なる恋愛感情ではなく、「愛玩動物」に対する所有欲や支配欲が混ざった病的な執着であると考察されます。
一部の読者からは「究極のヤンデレ」と評されることもありますが、その愛情は自己満足と独占欲に根ざしており、彼女の行動原理のすべては、愛するクライムと永遠に共にいること、そして彼を完全に所有し支配下に置くこと、この一点に集約されています。
彼女にとって王国は、クライムを手に入れるための障害でしかなく、その排除のためにナザリックと手を組むという選択肢は、彼女の論理においては極めて合理的なものであったと言えるでしょう。
オーバーロードのラナー王女の過去と転機をネタバレ!
リ・エスティーゼ王国の第三王女という環境に生まれながらも、ラナー王女は幼くして規格外の天才であったがために、周りに同等の存在、人間はいませんでした。
ラナー王女の言動は周囲には理解できず、理解不能な事を言う薄気味悪い少女と相手にされず、その青い瞳からは輝きが無くなっていきました。
オーバーロードのような多種多様な人間を超越する存在がいる異世界であってもラナー王女を理解できる者はごく少数であり、人間種の中に至ってはラナー王女を理解することは不可能とも言えます。
自分が理解できることを誰も理解できない、そんな孤独の中で幼いラナー王女は次第に心の中で人を見下すようになっていきます。
彼女は、「人間は誰一人として自分を理解できない、劣った存在である」という結論に至り、人間に対して感情的な繋がりを求めなくなりました。
しかし、ラナー王女の転機とも言えるある出会いが、幼き頃のラナー王女を孤独から救いました。
それはある雨の日、気まぐれで拾った死にかけの子犬、クライムとの出会いです。
その子犬から向けられた重く純粋な眼差しは、他人を理解できないラナー王女にすら人間らしさを感じさせるほどのものでした。
その目にラナー王女は、自らと同じ、同等の人間性を見出し、孤独から救われたのです。
この出来事以降、ラナー王女の瞳の輝きは戻り、彼女の人生の目標は「クライムを永遠に所有すること」に定まりました。
彼女にとってクライムは、「世界で唯一、自分を孤独から救い出した存在」であり、彼を守り、支配することが、彼女自身の存在意義となったと言えるでしょう。
オーバーロードのラナー王女の想い人クライムの正体をネタバレ!
ラナー王女の異常な愛の対象であるクライムは、ミスリルの鎧を全身に身にまとう兵士でラナー王女に仕えています。
幼少期に路上で死にかけていたところをラナー王女に拾われて以来、ラナー王女のためなら命を投げ出すほどの忠誠を誓っています。
ラナー王女を守るために日々の努力は欠かさず、王国の一般兵士を上回る強さを持ちますが、既に成長限界まで達していて自身でも剣の才能がないことを自覚しています。
元は平民であるがために、貴族やその周囲の人物などの位が高い者達からは疎まれていますが、周囲の人物には恵まれており、その誠実さから多くの実力者から可愛がられています。
例えば、王国最強の戦士であるガゼフ・ストロノーフや、そのガゼフと互角の試合をしたブレイン・アングラウス、アダマンタイト級の冒険者である青の薔薇のメンバー、特に戦士ガガーラン、さらにはナザリック地下大墳墓の執事であるセバス・チャンなど、実力者との関りが多数あります。
クライムは、「才能はないが、努力と忠誠心だけは本物」という、純粋な戦士として描かれており、その美徳こそが、ラナー王女の心を射止めた最大の理由です。
彼がラナー王女の恐ろしい本性に全く気づいていないという対比構造が、物語のダークさを際立たせています。
| 氏名 | クライム |
| 立場 | ラナー王女に仕える兵士 |
| 特徴 | 天賦の才はないが、たゆまぬ努力で一般兵士以上の強さを持つ。ラナー王女への忠誠心は極めて高い。 |
| 関係 | ラナー王女にとって唯一の愛の対象であり、永遠の所有物。 |
オーバーロードのラナー王女のクライムに対する異常な愛情
ラナー王女がクライムに対して抱いた愛情は、多くの人が想像する「恋人」のようなものではなく、完全に「愛玩動物」に対する所有欲に近い感情です。
それを象徴しているのが、レェブン侯への以下の発言です。
「クライム……そうですね。この糞ったれな王国なんかどうでも良いから、クライムと結ばれれば……うーん。ついでにクライムを鎖で繋いで、どこにも行かないように飼えればもっと幸せかもしれません」
ラナー王女はこの発言を「愛情」だと否定していますが、その本質はクライムの人生や自由を完全に支配することにあり、これが彼女の正体とも言える部分です。
彼女はクライムを馬鹿にする者には容赦がなく、特にクライムが関わった女性など、ライバルとなり得る存在への容赦はありません。
裏で徹底的に排除を行い、クライムの前では優しい王女を演じるという、二面性を完璧に使い分けています。
ラナー王女の異常な計画性は、クライムをわざと危険な任務に就かせ、死亡したクライムに対して復活魔法をかけることでわざと弱らせたクライムを、ラナー王女自ら看病をすることを企むほどです。
これは、立場の違いから周りに口を挟まれることなく、さらにはクライムと一緒にいられるという、彼女の人智を超えた頭脳が計算し尽くした結果です。
彼女は「クライムから純粋な眼差しを向けられさえすれば、どんな形でも、彼を所有し結ばれていればそれでいい」という結論に達しており、この異常な愛こそが、王国を滅亡に導く原動力となったのです。
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスの関係は?
リ・エスティーゼ王国第三王女であるラナー王女と、ナザリック地下大墳墓第七階層守護者であるデミウルゴス。
この、本来であれば敵対するはずの二人がいかにして関わることになったのか、その謎の関係は物語の大きな鍵を握っています。
デミウルゴスはアインズの右腕であり、ナザリックの「頭脳」の一角を担う存在です。
そんな彼が、異世界の人間種であるラナー王女と接触し、協力関係を結ぶという事実は、ラナー王女の知性が、ナザリックにとって利用価値があると認められたことを意味しています。
これは、ラナー王女の知性が、ナザリックの守護者たちと同等のレベルに達しているという、最も説得力のある根拠の一つと考えることができます。
彼女は、自分の人生の目的を達成するために、躊躇なく王国を裏切り、絶対的な悪であるナザリックの力を利用するという非情な選択をしました。
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスは協力関係?その実態をネタバレ!
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスが協力関係にあると噂され始めたのは、『オーバーロード2』王国編での『ゲヘナ』での出来事からです。
ゲヘナは、アインズの真の目的を隠し、多くの私案が巡らされた複雑な作戦でした。
その描写をよく考察してみると、ラナー王女の存在が不可欠であったことが理解できます。
ナザリック側の視点では、この協力関係は人間種がナザリックの駒としていかに有用かをデミウルゴスがアインズに示すための実験的な側面も持っていました。
ここからはその根拠、謎の関係、そしてゲヘナにおいて欠かせない人物『ヤルダバオト』の正体をネタバレしていきます。
ヤルダバオトは、ゲヘナで作戦を指揮した仮面の悪魔であり、その正体はデミウルゴスです。
このヤルダバオトの作戦の緻密さの裏には、ラナー王女が提供した、王国中枢に関する極秘の情報があったのです。
オーバーロード2王国編で起こったゲヘナをネタバレ!
『オーバーロード2』王国編にて起こったゲヘナは、アインズ率いるナザリックがリ・エスティーゼ王国へ行った物資の奪取、人間種の拉致、実験、そして王国裏社会の組織「八本指」への報復などが目的とされた大規模な作戦です。
複数の悪魔を率いて王都を襲撃した、ゲヘナを起こした『ヤルダバオト』を名乗った仮面の悪魔の正体はデミウルゴスであり、このゲヘナの立案や指揮はデミウルゴスが行っていて、自らも表舞台へと登場しています。
この作戦で階層守護者らがアインズの役に立つということを証明したいデミウルゴスは、アインズ・ウール・ゴウンが扮する冒険者モモンに、ヤルダバオト(デミウルゴス)を撃退させるという「出来レース」のシナリオを実行することで、モモンを王国最大の英雄に仕立て上げることにも成功しています。
さらにプレイアデスの面々や、シャルティア、マーレなどの階層守護者も参加し、ナザリックの戦力の一部が動員されました。
このゲヘナには王国側も多くの強者が参加しており、王国戦士長であるガゼフ・ストロノーフ、ブレイン・アングラウスや青の薔薇のメンバーであるアダマンタイト級の冒険者達、その他多数の冒険者や兵士が参戦しています。
ラナー王女は、この作戦の裏で、王国の冒険者に扮したプレイアデスのナーベ(ナーベラル・ガンマ)やモモンが切り札として参戦できるように情報を操作し、クライムはラナー王女から危険な任務を任されることになります。
危険な任務を任されたクライムは、ブレインらとの移動中に、変装をしたシャルティアと遭遇し、個人的な因縁があるブレインが単独で戦闘に入ります。
ブレインがシャルティアの爪を切り、ブレインがその場から逃走をしますが、そのことに気を障ったシャルティアがブレインを追うことをやめます。
その理由は、次に述べるラナー王女とデミウルゴスの間で行われた取り引きに起因します。
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスの謎の取り引きとは?
『オーバーロード2』王国編でのゲヘナには一見すると不自然な描写が多くありますが、それはすべてラナー王女とデミウルゴスの「取り引き」という伏線を理解することで納得がいきます。
『オーバーロード2』第10話にてデミウルゴスが王都のどこかへと向かうシーンがあります。
王都で情報を集めていたセバスの提出した資料を見て「行きたいところができた」と、アインズの許可を得て王都のどこかへと向かいます。
この時、デミウルゴスの先にラナー王女の居る、ロ・レンテ城が描かれており、この時にデミウルゴスはラナー王女と接触をし、そこで極秘の取り引きが行われました。
この取引は、ナザリック側から見れば、人間種の最高峰の知性を持つラナー王女の情報を利用することであり、ラナー王女側から見れば、愛するクライムと永遠に結ばれるための「手段」と「場所」を得ることでした。
ラナー王女は、自らが持てるすべて、すなわち「王国」という国そのものを、クライムと永遠に結ばれるという目的のためだけに差し出したのです。
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスの取引きその1
ラナー王女とデミウルゴスが接触した際に、互いの利害が一致し、情報の交換が行われました。
ラナー王女は、憎き八本指を壊滅に追い込めるだけのナザリックの「戦力」が必要でした。
八本指は王国社会の腐敗の根源であり、これを排除することで、クライムと結ばれる上での障害を一つ取り除こうと考えたのです。
一方デミウルゴスは、八本指の拠点の場所や、王国裏社会の詳細な「情報」が必要でした。
ここで互いの利害が一致したために情報を交換をしており、ナザリックはラナー王女の情報提供により、八本指の拠点襲撃に成功しています。
拠点襲撃の際の時間調整も、すべてラナー王女の情報に基づいて行われており、出来事のほとんどが計画によって決められたシナリオ通りに進んでいます。
この協力関係は、ラナー王女の知性と、彼女が持つ王国中枢の情報が、ナザリックの守護者たちと同等、あるいはそれ以上の価値があると認められた瞬間を示しています。
オーバーロードのラナー王女とデミウルゴスの取引きその2
デミウルゴスがラナー王女に接触をしに行く際に、アインズへ「ナザリックの利益の為に動く」と発言しています。
これは、後のゲヘナを確実に成功させるため情報を交換しただけでなく、ラナー王女が最も重要視する人物の身の安全を約束したためです。
デミウルゴスは作戦の説明中にある人物への攻撃を禁止していますが、その人物こそがクライムです。
ラナー王女は、クライムの身の安全、そして王国の崩壊後も永遠にクライムと結ばれるための「永遠の命と彼を所有する権利」を、ナザリックに要求しました。
デミウルゴスは、ラナー王女の卓越した知性とその情報収集能力がナザリックの利益になると判断し、この非道な要求を呑みました。
そして、デミウルゴスはラナー王女に監視を付けることで、クライムへの攻撃禁止を条件に、協力関係が築かれています。
これが、シャルティアがクライムを見逃した決定的な理由であり、すべてはラナー王女がクライムを永遠に所有するための「作戦」だったのです。
オーバーロードのラナー王女とナザリックの協力関係
この協力関係はゲヘナの時だけでの話ではなく、現在に至っても続いています。
『オーバーロード2』では描かれていませんが、ナザリックはゲヘナの後も、人間種で王国の関係者であり、天才であるラナー王女が使えると判断し、ゲヘナでの功績も認めています。
アインズからラナー王女へ褒美も与えられており、ナザリックにおける領域守護者と同等の役職を与えられる予定でもあります。
ラナー王女は、王国の崩壊後、ナザリックによって「異形種(リッチ)」へと転生させられることを望みました。
リッチになることで、彼女は永遠の命と衰えることのない肉体、そしてクライムと永遠に寄り添える「ナザリック」という理想の場所を手に入れたのです。
ラナー王女にとってナザリックは、同等のレベルに達しているアルベドやデミウルゴスが所属しているため、自身の知性を完全に理解し、活用してくれる理想の場所となりました。
ナザリック側も、王国に内通者ができて尚且つアルベドやデミウルゴスど同等の知能を持っているため、ナザリックにおいても重要な駒としてこの協力関係は継続していくことがわかります。
クライムもまた、ラナー王女の願いにより、ナザリックの手によって「異形種」へと転生させられ、永遠にラナー王女の傍にいることになります。
この結末は、「自分の愛を成就させるためだけに、故郷と国を売った」という、究極の悪女としてのラナー王女の物語を完成させています。
オーバーロードのラナー王女はその本性から正体は化け物と言われていた?
ラナー王女の正体は、クライムに対する異常な愛だけでなく、その人智を超越した頭脳にもあります。
彼女の正体を知る兄であるザナックは、クライムとすれ違う際にクライムへ向けて、ラナー王女を化け物と呼んでいます。
これについてクライムはキッパリと否定していますが、王族の兄が妹に「化け物」という言葉を使うのは、尋常な事態ではありません。
さらにラナー王女は、レェブン侯しか知らない情報を、メイドとのどこまでが真実か知れない程度の会話から導き出しました。
あまりの驚きにレェブン候はラナー王女の前で「ばけものか」と発言しています。
この「化け物」という言葉は、ラナー王女のクライムに対する異常な愛についてではなく、ラナー王女の異常な洞察力や推理力を指しています。
人智を超越したまさに化け物とも言える存在であるラナー王女は、王国きっての知恵者であるザナック、レェブン侯に化け物とまで言わせるほどの、「人間の皮を被った異形種」のような存在であったと考察されます。
彼女は、生まれながらにして人間という枠組みを超えてしまっていたのです。
そして、彼女が求めていたのは、その知性を理解し、その愛を認めてくれる、ナザリックという「異形の種族」が支配する世界でした。
ラナー王女は、王国を裏切ることで、初めて真の自分を解放し、永遠の愛を手に入れたのです。
まとめ
今回は、オーバーロードのラナー王女の正体と、ナザリックのデミウルゴスとの恐るべき協力関係について徹底的に考察しました。
「黄金」の姫と称えられたラナー王女の真の姿は、愛するクライムを永遠に所有するためなら、故郷である王国を迷わず裏切る「知性の化け物」でした。
彼女の天才的な頭脳は、ナザリックの守護者デミウルゴスに利用価値を認めさせ、クライムの安全と、彼女自身とクライムが異形種(リッチ)として永遠に生きる権利を取引として手に入れました。
この物語は、単なる裏切りではなく、「究極の愛の成就」を達成するために、すべてを捨て去った一人の天才の凄まじい執念を描いています。
ラナー王女は、ナザリックの支配下で、クライムという永遠の愛玩動物を得て、彼女にとっての「永遠の幸福」を手に入れたと言えるでしょう。
オーバーロードの物語において、ラナー王女は新世界側の人間でありながら、アインズ率いるナザリックの支配体制における最も重要な「駒」の一つとなったのです。
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