
「小説家になろう」発、シリーズ累計発行部数3800万部を突破した超話題作『薬屋のひとりごと』!
アニメも大ヒットし、その中毒性のある物語にハマっている方も多いのではないでしょうか?
中華風の美しい後宮を舞台に、薬師の少女・猫猫が知識と機転を駆使して事件を解決していくミステリー。
そこに「天女の微笑み」と形容される美男子、壬氏とのコミカルで時にドキッとする関係性が加わり、唯一無二の世界観を作り上げています。
この作品の大きな魅力は、主人公の猫猫や壬氏だけでなく、本当にたくさんの個性豊かなキャラクターが登場し、それぞれの思惑や秘密が複雑に絡み合っている点にあります。
「この人って誰だっけ?」「あのキャラクターの関係性はどうなっているの?」と、物語が進むにつれて、登場人物の多さや関係の複雑さに驚く人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、僕がこれまでに学んだ作品の知識を総動員して、『薬屋のひとりごと』に登場する主要なキャラクターたちを、相関図をイメージしながら分かりやすく紹介しちゃいます!
キャラクターの名前や年齢はもちろん、物語における彼らの役割や、気になる関係性、そしてネタバレも含めて深掘りしていきますね。
この記事を読めば、『薬屋のひとりごと』の世界をさらに深く楽しめるはず!
さあ、美しくも謎多き宮廷の住人たちに、一緒に会いに行きましょう!
薬屋のひとりごととは?
まずは、『薬屋のひとりごと』という作品がどんな物語なのか、その概要とあらすじを簡単におさらいしますね。
ここから作品の世界観を掴んでいきましょう!
薬屋のひとりごとの概要
『薬屋のひとりごと』は、日向夏先生が小説投稿サイト「小説家になろう」で2011年10月に連載を開始したWeb小説が原作です。
Web小説として人気を博し、RayBooksを経て、イマジカインフォスのライトノベルレーベル「ヒーロー文庫」から書籍化されました。
ヒーロー文庫版は2024年3月時点で15巻まで刊行されており、さらにシリーズ累計発行部数は電子書籍含め3800万部を突破しています!
また、2017年からは『月刊サンデーGX』(小学館)と『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)にて、それぞれ異なる作画によるコミカライズ版も連載されており、こちらも大人気です。
そして2023年にはついにTVアニメ化され、美しい映像と音楽、実力派声優陣の演技が大きな話題となりました。
舞台は、作者が唐代をモデルとしているという架空の中華風帝国「茘(リー)」。
その帝の妃たちが住まう後宮が、物語の主な舞台となります。
下女として後宮へ売られた薬師の少女、猫猫が、謎多き美貌の宦官、壬氏と共に、後宮で起こる様々な事件や人間模様、そして陰謀を紐解いていく推理小説です。
薬屋のひとりごとのあらすじ
ここでは『薬屋のひとりごと』の物語の始まりを簡単にまとめていきます。
主人公は、花街で薬師として働く、好奇心旺盛な少女、猫猫です。
ある日、薬草採取中に人攫いに遭ってしまい、後宮に下女として売られてしまうという、思いがけない出来事から物語が始まります。
猫猫は、後宮内で目立たず、年季が明けたら花街に戻るつもりでした。
しかし、彼女が持つ並外れた薬学知識と、鋭い観察力が、それを許しません。
ある時、後宮を騒がせていた、皇帝の御子たちの原因不明の衰弱事件の真相に、猫猫は薬師としての知識で気づいてしまいます。
猫猫は自分の正体を隠したまま、事件解決のヒントを書き残しますが、それが美形の宦官、壬氏の目に留まります。
壬氏は猫猫の能力に興味を持ち、彼女を玉葉妃付きの毒見役侍女として抜擢。
こうして猫猫は、壬氏から持ち込まれる後宮での様々な謎や事件の解決に関わっていくことになります。
物語が進むにつれて、猫猫が関わる事件は後宮内に留まらず、やがて国を揺るがすような大きな陰謀や権力争いにまで広がっていきます。
後宮という華やかさと残酷さが同居する場所で、猫猫がその知識と機転、そして壬氏との関係性を頼りに、様々な困難に立ち向かっていく物語です。
薬屋のひとりごとの登場人物相関図・キャラ同士の関係を紹介
『薬屋のひとりごと』には、猫猫と壬氏を中心に、本当にたくさんの魅力的なキャラクターが登場します。
そして、彼らの関係性は、物語が進むにつれて複雑に絡み合っていきます。
ここでは、主要なキャラクターたちの関係性を、相関図をイメージしながら分かりやすく解説しますね!
人間関係が入り組んでいるからこそ、ドラマが生まれるんです。
ここでは、「猫猫の周囲の関係」、「皇帝と皇妃や後宮内の関係」、「猫猫出生の秘密」という3つの視点から、ネタバレを含めてまとめていきます。
ネタバレ解説①猫猫の周囲の関係
物語の主人公、猫猫は、後宮という特別な場所で、様々な立場の人々と関わりを持つようになります。
後宮に売られてきた下女という立場から、その薬学知識によって皇子を救ったことで、上級妃、玉葉妃の侍女に出世。
猫猫の能力に目を留め、玉葉妃に推薦したのが、物語のもう一人の主人公ともいえる美形の宦官、壬氏でした。
壬氏は後宮の管理を担当する立場ですが、単なる宦官ではなく、明らかに高貴な身分を隠している、謎めいた人物です。
「天女の微笑み」と形容されるほどの美しい容貌と、優れた知性を持っており、後宮にいる女性たちの憧れの的。
しかし、目立つことを嫌い、壬氏の美貌にも全く惑わされない猫猫だけは別で、壬氏のことを「無駄に美形」「粘着質」と、やや嫌悪感を抱いています。
一方、壬氏は、そんな猫猫の反応を面白がり、最初は興味本位だったものが、次第に本気で深い好意を寄せるようになっていきます。
猫猫からは、時にナメクジを見るような目で見られてしまうこともありますが、それでも彼女に構い続けます。
猫猫の周囲には、他にも彼女の養父であり、薬師の師匠でもある羅門がいます。
羅門は花街で薬屋を営んでいますが、かつては後宮で医官を勤めていた経験があり、その過去が猫猫の知識や、物語の展開に繋がっていきます。
物語が進むにつれて、猫猫は壬氏や羅門だけでなく、武官の李白や、怪しげな軍師、羅漢といった、さらに多くの人物と関わることになります。
特に軍師の羅漢は、物語中盤から猫猫や壬氏にしきりに絡んでくる人物ですが、実は猫猫の出生の秘密と深く関係のある人物であることが明らかになります。
ネタバレ解説②皇帝と皇妃や後宮内の関係
『薬屋のひとりごと』の舞台である後宮は、皇帝と彼に仕える多くの女性たちが暮らす場所です。
後宮の頂点に立つのは皇帝。
そして、皇帝の次に偉い立場にいるのが、上級妃と呼ばれる4人の妃たちです。
最も格式が高い、翡翠宮、水晶宮、金剛宮、柘榴宮という四か所の宮に、それぞれの妃が住んでいます。
物語開始当時の上級妃は、翡翠宮の玉葉妃、水晶宮の梨花妃、金剛宮の里樹妃、そして柘榴宮に住んでいたのが阿多妃です。
猫猫は、玉葉妃が皇子の衰弱事件を解決してくれたことで、玉葉妃付きの侍女として働くことになります。
玉葉妃は猫猫のことを信頼しており、猫猫は玉葉妃の毒見役を務めながら、後宮内の様々な事件に関わっていきます。
物語の途中から阿多妃が後宮を出たことで、楼蘭妃が入れ替わりで柘榴宮に入ってきます。
皇帝と妃たちの関係、そして妃同士や、妃と侍女たちの間の権力争いや人間模様も、後宮パートの重要な見どころです。
華やかな後宮の裏側で繰り広げられる、血縁や立場、そして思惑が絡み合う人間ドラマは、時にドロドロとしていますが、それがまたリアルで引き込まれます。
ネタバレ解説③猫猫出生の秘密
物語が進むにつれて、主人公、猫猫自身の過去、特にその出生の秘密が明らかになっていきます。
猫猫は後宮に入る前、花街で薬屋として暮らしていました。
花街にある最高級妓楼、緑青館には、彼女と姉妹のように育った、梅梅、白鈴、女華という「三姫」と呼ばれる美しい妓女たちがいます。
そして、猫猫が本気で嫌悪する軍師、羅漢との関係が明らかになるのと同時に、猫猫の実の母親が、緑青館の元妓女、鳳仙であることが判明します。
つまり、猫猫の父親は羅漢、母親は鳳仙ということになります。
羅漢は、顔で人を判別できない相貌失認という障害を持ちながらも、唯一、鳳仙のことだけは特別な存在として認識し、深く愛していました。
鳳仙もまた、羅漢との間に子(猫猫)を設けることで、自らの価値を下げ、身請けを促すという壮絶な策を実行しました。
この猫猫の出生の秘密は、物語の後半において、様々な事件や人間関係に大きく関わっていくことになります。
羅漢の猫猫への歪んだ愛情表現や、猫猫が彼を心底嫌悪する理由など、二人の複雑な関係性は物語の大きな柱の一つです。
薬屋のひとりごとの登場人物・キャラの名前や年齢一覧~主要キャラ~
ここからは、『薬屋のひとりごと』の物語を牽引する、猫猫と壬氏という二人の主要キャラクターを詳しく紹介していきます!
この二人の、どこかちぐはぐで、でもお互いを認め合っている関係性が、多くの読者を惹きつけていますね。
猫猫
物語の主人公、猫猫!
年齢は物語開始時で17歳、その後20歳になります。
花街で薬屋を営んでいましたが、人攫いによって後宮に売られてきました。
目立つことを避けるため、普段から化粧で顔にそばかすやシミを書いて、地味に見せています。
花街で薬師として勤めていた経験から、薬と毒に対する知識は非常に深く、さらに様々な毒薬を自分で試し続けてきた経験によって、多くの毒に対する免疫を持っています。
旺盛な好奇心と研究心を持っており、謎や事件を見ると、つい首を突っ込んでしまいます。
一方で、人付き合いはあまり得意ではなく、特に壬氏のような美形には露骨に嫌悪感を示します。
「この症状はこの毒のせいだ」「この薬を調合するには…」と、物事を論理的に分析し、解決策を見つけ出す、理系女子のような思考の持ち主です。
後宮では、その薬学知識を活かして皇子の病気の原因を見抜き、それがきっかけで壬氏に能力を知られ、玉葉妃付きの侍女に抜擢されることとなりました。
冷静沈着でありながら、時に見せる人間らしい反応や、毒や薬への探求心には、多くの読者が魅力を感じています。
壬氏
物語のもう一人の主人公と言える存在、壬氏!
年齢は公称で24歳。
後宮の管理を担当する美形の宦官です。
「天女の微笑み」「花の顔」と形容されるほどの、息を呑むほどに美しい顔立ちをしています。
その美貌を見た下女や下級妃はもちろん、男性の武官ですら見惚れてしまうほどです。
しかし、猫猫からは、その美しさゆえに厄介な人物だと思われており、何かとちょっかいをかけてくる壬氏に対して、猫猫はナメクジを見るような目で見てしまうことも。
当初は、自分の外見に全く惑わされず、有能な猫猫に興味を抱いていましたが、次第にその興味は、猫猫に対する深い好意へと変わっていきます。
立場上、猫猫に直接的なアプローチはできませんが、様々な方法で猫猫に構い、彼女の反応を楽しんでいます。
優雅に見えて、意外と子供っぽい一面や、目的のためには手段を選ばない執着心も持ち合わせています。
実はその立場や過去には、大きな秘密が隠されており、単なる宦官ではないことが物語の序盤から示唆されています。
彼の正体に関する謎も、作品を読み進める上で大きな見どころの一つです。
薬屋のひとりごとの登場人物・キャラの名前や年齢一覧~上級妃~
後宮には、皇帝に仕える多くの女性たちが暮らしています。
その中でも、最も格式が高いとされる「四夫人」と呼ばれる上級妃たちを紹介します!
彼女たちの存在が、後宮内の様々な出来事に関わってきます。
上級妃は、国内の有力者の娘や、友好国の王族から嫁いできた人物が多く、最も早く男子を産んだ妃が、将来の皇后候補となることもあります。
玉葉妃
物語の序盤から猫猫と深く関わる上級妃、玉葉妃!
年齢は物語開始時で19歳、その後22歳になります。
翡翠宮に住んでおり、猫猫が侍女として仕えることになった主です。
赤い髪と翡翠の目が特徴的な、エキゾチックで魅力的な外見をしています。
身分の低い踊り子であった実母が西方の出身であるため、その美貌は皇帝からも深く寵愛されています。
性格は明るく穏やかですが、後宮で生き抜くしたたかな一面も持ち合わせています。
猫猫には、高級白粉に含まれる毒によって皇子の容体が危うくなった時に、その知識によって命を救われたという大きな恩があり、猫猫のことを深く信頼しています。
猫猫の能力を高く評価し、時に彼女をからかって楽しむなど、親しみやすい一面もあります。
梨花妃
帝の妃にふさわしい気品と、「メロン」と形容される豊満な胸が特徴的な梨花妃!
年齢は23歳。
水晶宮に住む、位は賢妃の上級妃です。
猫猫が玉葉妃の次に信頼している人物の一人です。
初登場時は、息子の死や自身の病によって荒れていましたが、猫猫の的確な看護と励ましによって回復し、本来持っている賢妃の名に相応しい寛大かつ懐が深い性格を見せるようになります。
猫猫の忠告を聞かずに高級白粉に含まれる毒で息子を亡くし、自身も病を患いましたが、猫猫によって命を救われたことで、猫猫に深い恩を感じ、信頼するようになります。
玉葉妃とは、以前は後宮内の競争相手でしたが、事件を通して良好な関係を築くようになります。
里樹妃
まだまだ幼さが残った少女のような上級妃、里樹妃!
年齢は物語開始時で14歳、その後17歳になります。
金剛宮に住む上級妃ですが、元々は先帝の妃として、わずか9歳の頃に後宮に入っていました。
先帝が崩御したことで一度出家し、改めて現帝の妃として後宮に入り直しています。
皇帝の妃の中では最年少で、気弱な性格。その純粋さゆえに、後宮の陰謀に巻き込まれたり、侍女にいじめられたりするなど、不幸属性とも言える境遇に置かれることがあります。
猫猫の尽力によって命を助けられますが、騒ぎを起こした責任を取らされて、上級妃から退くことになります。
物語が進むにつれて、馬閃との関係に変化が見られます。
阿多妃
かつて柘榴宮に住んでいた上級妃、阿多妃!
年齢は35歳。
元上級妃であり、皇帝が東宮(皇太子)だった時代からの妃です。
皇帝の乳兄弟にして幼馴染という特別な関係です。
華や愛らしさはないものの、男装が似合う中性的な顔立ちと凛々しさ、そして美しさを持ち合わせているため、侍女や下女たちからの羨望を集めています。
しかし、かつて難産を経験し子宮を失ってしまったことと、息子を幼年期に亡くしたことが原因で、後宮にいることができなくなり、離宮に移り住むことになります。
さっぱりとした姉御肌のような性格で、猫猫のことを気に入っていました。
壬氏の出生の秘密に関わる重要な人物であり、壬氏が彼女の息子ではないか、という説も根強くあります。
楼蘭妃
阿多妃が後宮を出た後、入れ替わりで柘榴宮に入ってきた上級妃、楼蘭妃!
年齢は17歳。
父親は上級官僚であり地方の豪族である子昌、母親は先帝の上級妃でしたが、後に子昌に下賜されたという複雑な出自を持っています。
顔立ちは北寄り出身に見えますが、南国調の派手な服や簪を身に付けており、厚い化粧や様々な装いで、皇帝も会う度に別人のような印象を受けるほど、素性を分かりづらくしています。
掴みどころのない、謎めいた雰囲気を持つ妃ですが、物語の後半において、国家を揺るがす大きな事件に深く関わってきます。
薬屋のひとりごとの登場人物・キャラの名前や年齢一覧~後宮~
後宮には、皇帝や妃たちだけでなく、彼女たちに仕える多くの人々が暮らしています。
ここでは、後宮内で活躍する侍女や宦官、医官などを、猫猫との関わりを中心に紹介します!
彼らの存在が、後宮という特殊な社会を成り立たせています。
後宮は、皇帝以外は生殖機能を失った宦官しか立ち入りが許されない、閉ざされた空間です。
皇帝
後宮の最高権力者、皇帝!
立派な髭を蓄えた壮年の男性です。
猫猫からは、玉葉妃や梨花妃といった豊満な胸の女性を寵愛していることから、「好色親父」と思われていますが、彼自身の本質は意外と純潔で、東宮時代に迎えた妃は阿多のみであったことがその理由の一つです。
情に厚い人物でもあり、里樹妃のことを「母親が幼馴染」という理由で娘のように思っています。
気まぐれな一面もありますが、国の行く末や臣民のことを考えている、為政者としての顔も持っています。
壬氏の兄にあたり、彼に深い信頼を寄せています。
高順
壬氏付の武官、高順!
年齢は36歳。
代々皇族を守護する一族の出身であり、現皇帝とは後宮内で共に遊んでいた幼馴染にあたります。
見た目は武官を思わせる精悍な顔立ちと逞しい体つきをしていますが、猫猫のことを初っ端「小娘(シャオマオ)」と呼ぶようなお茶目な一面があったり、壬氏の無茶振りに振り回されるなど、苦労人ポジションとなっています。
真面目で忠実、そして非常に有能な人物で、壬氏が最も信頼を置いている腹心です。
私生活では、妻である桃美、そして馬閃をはじめ複数の子供と孫がいます。
水蓮
壬氏付の初老の侍女、水蓮!
作中では、現皇帝を身籠った皇太后を守り抜いたことで「伝説の侍女」と言われるほどの経験と実力を持っています。
元は壬氏の乳母を務めていたことがあるため、壬氏の正体を知る数少ない人物の一人です。
そのため壬氏からはまるで母親のように頼られており、親戚のおばあちゃんのような温かい雰囲気も出すこともあります。
常に冷静沈着で、どんな状況でもテキパキと仕事をこなす、まさに完璧な侍女であり、猫猫のことも気にかけています。
紅娘
玉葉妃の侍女頭、紅娘!
年齢は30歳。
無能を装っていた猫猫の事情を知り、彼女のためにわざと花瓶を割って借金を帳消しにするなど、人々の事情に配慮できる、懐の深い侍女の鑑とも言える人物です。
アメの使い方が上手く、部下をまとめる能力に長けています。
一時は高順との結婚を狙っていた節がありますが、彼が既婚者と知って諦めています。
結婚願望はあるようですが、有能さゆえか男を惹きつけない性質があり男運がない、と自虐的に語ることも。
玉葉妃に絶対的な忠誠を誓っており、猫猫の能力を高く評価しています。
風明
阿多妃の侍女頭、風明!
東宮妃時代からの古参で、阿多妃に長年仕えてきました。
実家である子氏の力を頼りに得た立場に負い目を抱えています。
過去に阿多妃の赤子に蜂蜜を与えて死なせてしまった秘密を守るため、里樹妃を排除することで自らの秘密を守ろうとし、命を狙う陰謀を企てますが、最終的にはその陰謀は露見し、密かに処理されることに。
悲しい過去と、歪んだ忠誠心、そしてそれが招いた悲劇を描く、物語に深みを与えるキャラクターです。
小蘭
猫猫と同じ時期に後宮にやってきた、14歳の下級女官、小蘭!
貧しい農家から後宮に売られた過去がありますが、その境遇に暗さを見せず、常に明るく前向きな性格の少女です。
猫猫とは身分に関係なく偏見なく親しく接し、噂話や甘いお菓子が好きな、普通の女の子らしい一面を持っています。
後宮内の様々な噂話に詳しく、情報通であり、親友である猫猫がしばしば彼女と接することで、耳寄りな情報を仕入れることができていました。
2年間の年季が明けて後宮を去りますが、下級妃に気に入られており、無事に新しい仕事に就くことができました。
後宮を出た後も猫猫との手紙のやり取りは続いていますが、肝心の勤務先の住所が記されていないため、猫猫は返事を書けずにいるようです。
虞淵
後宮唯一の医官を務める、虞淵!
どじょうひげをたくわえた小太りの宦官で、その見た目と、残念ながら医師としての腕前はほとんど頼りにされておらず、猫猫の心の中では内緒で「やぶ医者」と呼ばれています。
初めは、後宮で薬師まがいのことをする猫猫に対して警戒心を抱いていましたが、次第に彼女の手腕に気づき、仕事を任せた方が楽できると悟り、少しずつ心を開いていきます。
どこか憎めない性格で、猫猫にはいつも茶や菓子を振る舞う、愛すべきヒロイン(?)的な存在です。
医官でありながら死体を恐れるなど、基本的な医師の技術は乏しいですが、猫猫のような専門家がいる場所で、自分の限界を理解し、適材適所で猫猫に仕事を任せるという判断力は、ある意味彼の才能と言えるかもしれません。
翠苓
後宮に突如現れた、猫猫より頭一つ大きい謎の女性、翠苓!
年齢は19歳。
猫猫によると、骨格と素材が後宮の花になれるほどの一級品とのことですが、独特の苦みを帯びた薬の匂いと、地味な化粧でその美しさを隠しています。
その正体は、地方の有力者である子一族の一員であり、楼蘭妃の異母姉、子翠(シスイ)でした。
子一族のスパイとして宮中で暗躍し、事故を装った壬氏の暗殺を猫猫に見抜かれたことで一度は姿を消しますが、仮死状態になる薬を使って自死を偽装し、再び後宮に潜伏・暗躍します。
最終的には、奈落との戦いを終えた後、阿多妃の元で暮らすことになります。
悲しい過去と、子氏からの精神的支配という、複雑な背景を持つキャラクターです。
薬屋のひとりごとの登場人物・キャラの名前や年齢一覧~その他~
後宮以外にも、『薬屋のひとりごと』の世界には、花街、外廷、そして地方や名家など、様々な場所に魅力的なキャラクターたちがいます!
彼らの存在も、物語には欠かせません。
梅梅
猫猫の故郷、花街にある最高級妓楼「緑青館」でトップ3を務める「三姫」の一人、梅梅!
緑青館は一晩の酌で一月の銀が飛ぶと言われるほどの人気があり、市民からも憧憬を集める場所です。
そんな場所の三姫の一人に相応しく、碁や将棋が得意で知性的な雰囲気を纏っています。
また、猫猫の実母である鳳仙の妹分であり、面倒見がよく姉御肌です。
年齢は三十路前で、妓女としては引退を考える頃ですが、得意の碁や将棋で客を楽しませることで人気を保っています。
猫猫にとっては、頼れる姉のような存在です。
羅漢から碁や将棋を教わっていたこともあり、彼に対しては他の緑青館の面々と異なり、普通に接しています。
最終的には、「棋聖」と呼ばれる囲碁・将棋の名人に身請けされ、妾ではなく弟子として引き取られるという、彼女らしい結末を迎えます。
白鈴
緑青館三姫の一人で、最年長の白鈴!
自由恋愛主義者で、心の中で「白馬の王子様」を待ち続けている、ロマンチストな一面を持っています。
舞踏の腕前は確かで、男衆に対して色欲的な一面を見せることもありますが、同時に母性も強く、かつては猫猫の親代わりとなって育てたこともありました。
実は、出産経験はないものの母乳が出る体質という特異な体質を持っています。
猫猫にとっては姉のような存在であり、彼女の力強く、そして愛情深い姿は多くの読者の心に残っています。
作中では、猫猫の計らいで武官の李白と縁ができ、本気で出世を考えるほどの想いを抱かせます。
二人の関係は良好で、猫猫も密かに応援していました。
女華
緑青館三姫の中で、最年少の女華!
白鈴とは違って大の男嫌いですが、猫猫の性格が自分に近いと感じています。
彼女との会話についていければ科挙に合格すると言われるほどの才女で、非常に頭が良いです。
猫猫の姉貴分として、彼女の性格に共感し、猫猫が抱える壬氏への感情について、女華なりの鋭いアドバイスを惜しみません。
三姫の中でも、冷静で客観的な視点を持っています。
実は皇族の血筋を引いているのではないか、という疑惑もあり、その出自には謎めいた部分があります。
やり手婆
高級妓楼「緑青館」を仕切る、やり手婆!
本名は不明。
昔は売れっ子妓女でしたが、衰えてからは儲けにならなければいい顔をしない、金にがめついだけの女性になっています。
しかし、貸し借りの約束はきちんと守るなど、筋を通す一面もあります。
猫猫に対しては妓女として育てるため、芸事を仕込もうとしていましたが、彼女の強い個性と商才が物語を動かす重要な役割を担っています。
過去には国の宴で舞ったこともあり、西方の賓客に「月の女神」と称され、その肖像画も贈られていました。
厳しくも、花街で育った猫猫のことを気にかけている一面も持っています。
漢羅門
花街の医者であり、猫猫の育ての親、そして薬師の師匠、漢羅門!
羅の一族の一員で、羅漢の叔父にあたります。
元後宮医官の宦官で、温和で女性的な外見を持つ彼は、かつてある皇子を誤って死なせてしまい、肉刑を受けて後宮から追放されることに。
医師としての腕前はトップクラスで、国から西洋留学の機会も得たほどです。
猫猫からは「おやじどの」と呼ばれ、非常に優しい人柄ながらも、どこか不運な一面もあります。
猫猫の包帯のせいで虐待を疑われたり…まさに苦労人。
後に、その腕を惜しまれて再び医官として宮中に戻ることになります。
猫猫にとって、薬師としての道を教えてくれた大切な師匠であり、尊敬できる人物です。
羅漢の才能を唯一理解し、彼を導いた人物でもあります。
鳳仙
緑青館の元妓女で、猫猫の血縁上の母親、鳳仙!
囲碁と将棋の名手で、その腕前は羅漢を凌ぐほどでした。
猫猫を産んだことで一度はその価値を失い、最終的には梅毒で体調を崩して廃人同様となり、離れに隔離されます。
しかし、その生き様には羅漢への深い愛と、彼との間に子を設けることで自らの価値を下げ、身請けを促すという壮絶な策を実行した、複雑な感情が交錯しています。
羅漢は本気で彼女を愛し、彼女との棋譜を本として出版するほどでした。
最終的には猫猫の画策で羅漢に身請けされますが、猫猫の幼少時、身請けされた翌年に他界します。
羅漢の相貌失認の中でも、唯一、彼女の歌声だけは聞き分けることができました。
悲劇的な人生を送った、物語の重要な鍵を握る人物です。
李白
鍛え上げた肉体を持つ若い武官、李白!
年齢は20代前半。
典型的な脳筋タイプで、園遊会の際には、出会った若い女性たちに次々と簪を渡しては、好意を表現します。
実力は高いものの、性格が非常にお人よしで、猫猫からの頼みを断れず、彼女には内心「駄犬」と呼ばれています。
戦場ではしばしばケガをしてしまうほど、危険を察知する力に欠けています。
一方で、猫猫に紹介された白鈴に惹かれていき、彼女を緑青館から迎えに行くことを本気で考え始めます。
二人の関係は良好で、猫猫も少し応援している様子。
白鈴が李白にどう思っているかは不明ですが、少なくとも彼との親密さを見せています。
李白は白鈴の身請け料を「現在の自分の給料10年分」と真剣に思い描き、出世を考え始めます。
壬氏の正体や猫猫の素性を知りながらも、以前と変わらぬ態度を取る李白は、壬氏にとって数少ない信頼できる人物の一人です。
馬閃
高順の息子であり、壬氏の乳兄弟でもある若い武官、馬閃!
年齢は19歳から21歳になります。
真面目で律儀ですが、頭が固く融通が利かないのが欠点。
父親の高順と同じく壬氏に仕えており、彼の無茶振りに振り回される苦労人でもあります。
どうやら幼少期から痛覚が鈍いため、自分自身の怪我にも気付かずに行動する所があるようです。また痛覚が鈍いせいか精神的にも鈍感。
しかしその反面、常人ではない身体能力を有しています。
作中では猫猫と普通に接していますが、実は幼少期から「女性らしい女性」を苦手としています。
里樹妃とは事件がきっかけで縁ができ、それ以来彼女のことを意識するようになります。
里樹妃が上級妃から追放された際に一緒にいた所で、偶然孵化した家鴨に懐かれ、その家鴨を「舒鳧(ジョフ)」と名付けて彼女との思い出を共有していました。
漢羅漢
狐目に片眼鏡を付けた姿が印象的な軍師、漢羅漢!
位は将軍で、「漢太尉」という肩書きを持ちます。
羅の一族の一員であり、羅門の甥、そして猫猫の実の父親です。
奇異な言動を繰り返すため「変人軍師」と呼ばれており、猫猫からは「あのおっさん」と呼ばれ、心底嫌悪されています。
羅漢は、脳障害による相貌失認のため、他人の顔を認識することができません。
しかし、その代わりに人間を将棋の駒のように役割や、その人物から発せられる空気感などで捉え、戦場でもその能力を駆使して適切な人員配置を行い、軍を巧妙に指揮する天才的な軍略家です。
碁や将棋も得意で、国内に敵無しと言われるほど。
非常に鋭い直感を持っていますが、気づいても自ら積極的に動くことは少なく、他者を駆り立てて動かすことが多いタイプ。
羅漢本人は猫猫や鳳仙のことを深く愛しているようですが、愛情表現がことごとく裏目に出てしまい、特に猫猫からはドン引きされています。
羅門を深く尊敬し、素直に助言を受け入れることができます。羅門からもその能力を高く評価されており、猫猫にはその点で嫉妬されています。
猫猫の出生に関わる、物語の最重要人物の一人です。
薬屋のひとりごとの登場人物相関図とキャラまとめ
この記事では、『薬屋のひとりごと』に登場する、個性豊かで魅力的なキャラクターたちを、相関図をイメージしながら紹介してきました。
主人公の猫猫はもちろん、美形で謎多き壬氏、そして後宮の妃たち、仕える人々、花街の人々、羅の一族など、本当にたくさんのキャラクターが登場し、物語を彩っています。
彼らの年齢や立場、そして複雑に絡み合う人間関係を知ることで、『薬屋のひとりごと』という作品をさらに深く理解し、楽しめるはずです。
特に、猫猫自身の出生の秘密、そしてその鍵を握る羅漢や鳳仙、さらに壬氏の隠された正体など、キャラクターたちの背景にある謎や秘密が、物語を大きく動かしていきます。
後宮という場所は、華やかさの裏で、そこに生きる女性たちがまさしく「薬にもなれば毒にもなる」存在であり、それぞれの思惑が渦巻いています。
緻密なミステリー要素はもちろん、キャラクター同士の人間ドラマや、猫猫と壬氏の絶妙な距離感の恋愛模様など、様々な角度から楽しめる作品です。
残念な美男子になりつつある壬氏が、好意を寄せる猫猫に今後どのようなアプローチを取っていくのか、そして医官手伝いとして働く猫猫が、どんな事件を解決していくのか…!
物語が進むにつれて、キャラクターたちはさらに魅力的になり、関係性も深まっていきます。
ぜひ、アニメや原作小説、漫画を通して、『薬屋のひとりごと』の世界を存分に楽しんでくださいね!



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