漫画『OUT-アウト-』に登場する斬人遊撃隊長の田口勝。チーム随一の巨漢で、柔道経験もあるパワーファイターです。気性が荒く、トラブルメーカーとして周囲から扱われることも少なくありません。
しかし、その粗暴な見た目や言動の裏には、親友への深い思い、そして「策士」としての一面を隠していました。そして物語が進むにつれ、彼の行動には、読者の想像を超えるある大きな目的があったことが明らかになります。
今回は、欠点だらけに見えて、物語の鍵を握る男、田口勝について、そのプロフィール、人物像、過去、強さ、作中での活躍、そして彼の正体に迫ります!
田口勝のプロフィール
まずは、田口勝の基本的なプロフィールをご紹介します。
名前:田口 勝(たぐち まさる)
所属:元 斬人 7代目遊撃隊長(狂乱鬼参加後、実は斬人スパイ)
年齢:17歳
外見:チーム1の巨漢
演 – 小柳心
斬人では遊撃隊長を務めていましたが、物語の展開の中でその所属や立場は変化していきます。
田口勝の人物像
田口勝は、その巨体に似合わず、気性が荒くトラブルメーカーな一面が目立ちます。
金銭面でもだらしないなど、欠点も少なくありません。喧嘩においては、不意打ちや武器も平気で使うなど、卑怯な手段も辞さない側面があり、必ずしも「カッコいい不良」とは言えない人物です。
しかし、彼は単なる粗暴な男ではありません。作中でも屈指の「策士」であり、勝利のため、あるいは目的のためならどんな手でも使う頭脳的な一面を持ち合わせています。
読者からは、その生き抜く力こそが、OUTの世界で一番強いのではないか、といった評価も聞かれます。
親友である目黒修也とは、幼馴染として強い絆で結ばれています。目黒修也からは頻繁に注意を受けていますが、それは目黒修也が田口勝を心底気にかけているからです。
また、斬人総長である丹沢敦司に対しては、強い愛情と深い忠誠心を抱いています。
かつて自身より有名で人気のあった丹沢敦司に幾度となく喧嘩を仕掛け、全て敗北した経験から、次第に丹沢敦司を敬愛するようになったと言われています。
田口勝の過去とは?
田口勝の過去は、親友である目黒修也と共にありました。幼馴染である二人は、中学時代には札付きの悪として知られていました。
高校時代には柔道の重量級で県チャンプになるほど、その体格と柔道で培った実力は確かなものです。
そして、彼の人生に大きな影響を与えたのが、丹沢敦司との出会いです。
自身より有名で人気のあった丹沢敦司に挑み続けた結果、敗北を重ね、いつしか敬愛の念を抱くようになります。この丹沢敦司への思いが、彼のその後の行動原理に深く関わっていきます。
田口勝の強さとは
田口勝の強さは、柔道重量級県チャンプとしての実力と、チーム1の巨体から繰り出されるパワーファイトにあります。マウンティングスタイルの喧嘩を得意としており、相手を力で制圧します。
井口達也とのタイマンでは敗れていますが、きちんとしたルールがなければ井口達也は田口勝に勝てていなかっただろう、という評価もあります。
目黒修也に実力で上から押さえつけられるほどであり、その基本的な戦闘力は高いレベルにあります。
しかし、田口勝の真の強さは、腕力だけではありません。
作中でも屈指の策士としての頭脳、そして目的のためならどんな手段でも使うことができる胆力こそが、彼をOUTの世界で生き抜く力がある人物たらしめています。彼の強さは、単なる武力だけでなく、知力と非情さを含んだ、総合的な「生き抜く力」と言えるでしょう。
作中での活躍
田口勝は斬人遊撃隊長として、また親友・目黒修也との関係性の中で描かれます。
トラブルと忠告、そして斬人からの追放
爆羅漢との抗争後、丹沢敦司の斬人勧誘を断った井口達也を気に入らず、その上後輩たちが達也に憧れを抱くようになったことで、達也を目の敵にするようになります。
後輩たちに対して荒んだ行動を取るようになり、そのことを聞きつけた丹沢敦司から「もし再度仲間に手を出したら斬人を抜けてもらう」という厳しい忠告を受けます。
しかし、それに逆上し、さらに後輩たちを痛めつけてしまいます。
その所業に耐えかねた後輩たちからの逆襲を受けるも、嘘泣きで相手を油断させて形勢を逆転するという、策士らしい一面を見せます。この一部始終を見ていた井口達也とタイマンになりますが、敗北します。
丹沢敦司の忠告を無視したことで、最も敬愛する丹沢敦司から斬人脱退を命じられ、チームを去ることになります。
狂乱鬼への参加と任務
斬人を追放された後、楽崎海に声をかけられ、狂乱鬼に参加することになります。
狂乱鬼参加後、彼はある重要な任務を遂行します。
それは、かつての仲間である斬人別動隊のマルコ、王への襲撃と拘束、そして、幼馴染であり親友である目黒修也の殺害命令を受けるという、非常に重く辛いものでした。
目黒修也殺害を命じられた際には、恐怖心に打ち震える場面もあり、その内心の葛藤が描かれます。
狂乱鬼メンバーとしてヤードの仕事をこなしつつ、角田兄弟にも付き従います。
VS ニカク&目黒修也編
目黒修也が狂乱鬼のニカクと対戦する場面で、田口勝はニカクとの連戦になった目黒修也の元に駆けつけ、彼と共闘してニカクを倒すことに成功します。
しかし、ニカクを倒した後、読者を驚かせる展開が待っていました。なんと、田口勝は隙を突いて目黒修也を攻撃し、殺害したかに見えたのです。
田口勝の正体と物語への影響
田口勝の物語における最大の秘密は、彼の真の正体です。狂乱鬼に参加し、かつての仲間を襲撃する彼の行動は、多くの読者には裏切り者として映ったかもしれません。
しかし、衝撃の真実が明らかになります。なんと、田口勝は狂乱鬼に参加したその時から、既に丹沢敦司ら斬人と繋がり、狂乱鬼のヤードの情報を得るためのスパイとして動いていたのです!
目黒修也を殺害したかに見えた描写も、目黒修也を生かすための田口勝と丹沢敦司による「策略」でした。マルコと王への襲撃も、手加減をしていたことが明らかになります。
楽崎海の信用を得るために、彼は裏切り者を演じ続け、ヤードの居場所を丹沢敦司らに伝達するという、命がけの任務を遂行しました。
捕らえられていた後輩である翔と蓮を助け出す際、自身の裏切りに気づいた楽崎海に襲撃されますが、機転を利かせて楽崎海を銃撃するなど、土壇場での対応力も発揮しました。
田口勝のスパイ活動は、斬人がヤードの正確な居場所を把握し、狂乱鬼を追い詰める上で決定的な役割を果たしました。
一見卑怯者や裏切り者に見えた彼が、実は敬愛する丹沢敦司と親友目黒修也のため、そして斬人のために体を張っていた真の忠誠心を持つ男だったことが明らかになり、多くの読者を驚かせました。
まとめ
田口勝は、巨漢のパワーファイターでありながら、作中でも屈指の策士という頭脳も持ち合わせた、非常に多面的なキャラクターです。
気性の荒さや欠点も目立ちますが、親友目黒修也や敬愛する丹沢敦司への深い思い、そして生き抜く力は本物です。
狂乱鬼への潜入スパイという、命がけの任務を遂行した彼の活躍は、ヤード決戦の行方を大きく左右しました。見せかけの裏切り者の顔と、忠誠心あふれるスパイとしての顔。田口勝という人間臭いキャラクターは、OUTの世界に深みを与えています。
作品をもっと深く楽しみたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください!


コメント