
剣と魔法、そして人間の深い闇が描かれる壮絶なダークファンタジー『ベルセルク』。
その世界には、想像を絶する非道な行動を繰り返す、恐るべき異形の存在「使徒」たちが登場し、物語に凄惨な爪痕を残していきます。
中でも、その狂気的な言動と行動で読者に強烈な印象を残した、最低最悪とも称される使徒がいます。
それは、罪人兵団「黒犬騎士団」団長、ワイアルドです!
今回は、ベルセルクの使徒ワイアルドにスポットを当てて、その正体、人間離れした強さの秘密、欲望と本能の赴くままに生きるその思想、そして壮絶な最期まで、徹底的に解説します!
まずはここから! 『ベルセルク』ってどんな物語?
ワイアルドのような強烈なキャラクターが登場する『ベルセルク』がどんな作品なのか、簡単におさらいしておきましょう。
ダークファンタジー漫画の金字塔!
『ベルセルク』は、漫画家の三浦 建太郎(みうら けんたろう)先生が、1989年から連載を開始したダークファンタジー漫画作品です!
圧倒的な画力で描かれる美麗かつ残酷な世界観、人間の深い感情や暗部を掘り下げた重厚なストーリーで、国内外問わず絶大な人気を誇っています。
中世ヨーロッパを彷彿とさせる世界観に、剣と魔法、そして異形の存在「使徒」が登場し、見ごたえあるアクションシーンが多数描かれています。
ガッツの復讐と、終わりのない戦い!
物語は、巨大な剣を振るう「黒い剣士」ガッツが、かつての親友グリフィスへの復讐の旅を続けるところから始まります。
自らの野望のために仲間を生贄に捧げ「ゴッド・ハンド」となったグリフィスと、彼に仕える使徒たち。
ガッツは、自身の運命に抗いながら、次々と現れる使徒と戦い続け、その旅の中で様々な出会いと別れを経験していきます。
「ミッドランドの恥部」! 罪人の兵団・黒犬騎士団団長ワイアルド!
物語の暗部を象徴する存在として現れたワイアルド。その人物像や、彼が率いる兵団について見ていきましょう。
類人猿めいた外見と、野人的な振る舞い!
ワイアルドは、類人猿めいた顔立ちに、体毛が濃く筋肉質な巨大な体格、そしてボサボサの黒髪といった、非常に野性的で「獣のような」外見が特徴です。
性格もまた、欲望と本能の赴くままに行動する、常識外れの「怪物」といった様相を呈しています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 黒犬騎士団 |
| 地位 | 団長 |
| 種族 | 使徒 |
| モットー | エンジョイ&エキサイティング |
| CV | 千葉繁(快進撃!怒涛の傭兵団) 河本邦弘(ベルセルク無双) |
| 人間形態の特徴 | 類人猿めいた顔立ち、体毛が濃く筋肉質 |
| 使徒形態の特徴 | 猿のような巨体、三つ目、大口、舌は触手、本体は頭部 |
| 武器(人間形態) | 大きな木の棒 |
凶悪な罪人の兵団、黒犬騎士団!
ワイアルドが団長を務める「黒犬騎士団」は、「ミッドランド王国」が逃亡中の鷹の団を捕らえるために、凶悪な罪人のみで結成した特殊な兵団です!
ワイアルドは、結成時に同じ囚人であったバーボを瞬殺し、その腕力と恐怖によって団員の頂点に君臨。団長命令は絶対であり、団員からの信頼は皆無という歪んだ統率力を持っています。
「ミッドランドの恥部」と呼ばれる非道ぶり!
黒犬騎士団は高い戦果を挙げる一方で、ワイアルドの非道な行動によって評判は最悪です。
戦闘後の相手を串刺しにしたり、欲望のままに略奪、虐殺、強姦を繰り返すため、他の騎士からは「ミッドランドの恥部」と呼ばれて忌避されていました。
本来は辺境に追いやられていますが、通常の兵士では手に負えない相手(今回の鷹の団など)に対してのみ、その命令が下される存在でした。
欲望と本能のままに! ワイアルドの強さと能力!
ワイアルドは、その狂気的な性格に見合った、人間離れした強さと能力を持っています。その力の秘密は、使徒としての正体にありました。
正体はベヘリットで転生した「使徒」!
ワイアルドの人間離れした強さ、そして自信に満ちた言動の根拠は、彼の正体が「ベヘリット」によって人間から転生した使徒であることにあります!
誰を生贄に「使徒」へと転生したかは作中で描かれていないため不明ですが、その力は人間を遥かに凌駕しています。
人間形態でも規格外のパワー!
使徒としての正体を隠し、人間形態でいる時でも、ワイアルドは規格外のパワーを発揮します!
人間形態のゾッドのような筋肉質な体格を持ち、大きな木の棒を武器に、ガッツの剣撃を棒や口で簡単に受け止めるほどの力と反射神経を見せつけました。
落石をパンチで破壊したり、炎に包まれても平然としているなど、その身体能力も人間離れしています。
猿のような異形! 使徒形態の姿と能力!
ワイアルドが正体を現し変身する使徒形態は、巨漢のガッツを遥かに上回る巨大な、猿のような異形です!
大きな3つの目と1つの口を持ち、口中の舌は触手のように伸びます。身体の頂点にワイアルドの本体が存在し、会話はそこから行われます。
この使徒形態になると、そのパワーはさらに増大し、一撃でガッツを気絶させるほどの力となります。
使徒としての再生能力!
使徒であるワイアルドは、傷を受けても回復する再生能力を持っています。
ただし、ガッツによって一時的に倒された後、瀕死状態となりながらも完全に回復したわけではなく、ゾッドに比べると再生能力は劣る描写でした。
彼の使徒としての本体は身体の頂点(頭部)にあり、ガッツはその弱点を見抜いて攻撃しました。
「エンジョイ&エキサイティング」! ワイアルドの思想と行動原理!
ワイアルドの行動原理を端的に表す言葉が、彼が信条としているモットーです。
人生のモットーは「エンジョイ&エキサイティング」!
ワイアルドの人生のモットーは、「エンジョイ&エキサイティング」です!
享楽と興奮を求める彼は、自身にとっての「エンジョイ」を女性への強姦、「エキサイティング」を戦いと語り、これらを邪魔されることを最も嫌います。
このモットーは彼が率いる黒犬騎士団の心得としても団員に強要されており、生死をかけた戦いですら刺激的に楽しめという意味が込められています。
欲望と本能のまま、計算高い一面も!
ワイアルドは基本的に欲望と本能の赴くままに暴走する野人的なキャラクターですが、一方で計算高い一面も持ち合わせています。
黒犬騎士団を結成した際の駆け引きや、ガッツのフェイントを一度は見破るなど、その野蛮な見た目と裏腹な狡猾さも垣間見せます。
しかし、「使徒」という絶対的有利な立場にあるからこそ、彼は自身のモットーを真の意味で「エンジョイ&エキサイティング」できていたのかもしれません。
ガッツとの死闘! そしてゾッドによる壮絶な最期!
ワイアルドは鷹の団追討の任務でガッツたちと激突。壮絶な戦いの末、意外な形で最期を迎えます。
衝撃の初登場シーン!
ワイアルドの初登場シーンは、彼の非道さを象徴するあまりにも衝撃的なものでした!
鷹の団が馬車を用立ててもらった村を襲撃し、村娘を強姦したのちに手足を引きちぎって殺害し、串刺しにするという鬼畜極まりない行為をして現れました。
村人たちの死体を串刺しにしたまま鷹の団に追いつくという、その登場からして読者に強烈な不快感と恐怖を与えました。
ガッツとの一騎打ちと、キャスカへの非道!
村での非道な行為の後、ワイアルドは鷹の団と交戦。部下が全滅した後、使徒形態を現し、ガッツと一騎打ちとなります。
使徒形態の圧倒的な力でガッツを追い詰めたワイアルドは、意識を失ったキャスカを発見し、口から出る触手のようなものでキャスカを凌辱しようとするという、さらなる非道な行為に及びます。
必死に抵抗するキャスカと、ダメージを受けながらも立ち上がったガッツによって、舌の触手を切断され、チョークスリーパーで一時的に倒されました。
瀕死からの復活、グリフィス人質、そして…!
ガッツのチョークスリーパーによって倒されたと思われたワイアルドでしたが、瀕死状態となりながらも復活!
その場で動けないグリフィスを人質にとり、自身の延命のために「降魔の儀」を行なわせて「ゴッド・ハンド」を呼び出すことを要求します。
しかし、グリフィスの元にベヘリットが無いことを知ると逆上し、グリフィスを殺そうとしました。
グリフィスが絶体絶命と思われたその時、突如上空から使徒形態のゾッドが現れ、ワイアルドの背中に角を突き刺し、身体を真っ二つに引き裂いて殺害しました。
ワイアルドは以前にゾッドを「牛バカ」と称しており、顔見知りであったことが示唆されますが、それが彼の最期に繋がるとは皮肉なものでした。
使徒の魔力が抜けた後、残された「老人」の屍!
ゾッドによって殺害されたワイアルドの身体からは使徒の魔力が抜け落ち、残されたのは小さな老人の屍でした!
屈強な巨漢の正体が老人であったことに、ガッツたちは驚愕しました。
これは、使徒が死亡すると人間だった時の姿に戻ることを示唆する描写であり、同時に、ワイアルドが享楽を求める使徒に転生する前は、真面目に生きていたのではないか、しかし報われず絶望したことで使徒になったのではないか、といった考察も生んでいます。
クズなのに大人気?! ワイアルドの人気の理由と名言!
悪行の限りを尽くし、最低最悪とも称されるワイアルドですが、一部の読者からは根強い人気があります。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか?
「ザ・悪人」としての分かりやすさと爽快感!
ワイアルドが人気を集めている理由の一つは、欲望のままに行動する分かりやすい「悪」としてのキャラクター性です。
現実世界にいれば絶対に嫌われる人物ですが、漫画作品の敵キャラクターとして割り切って見ると、その突き抜けた非道ぶりや傍若無人な振る舞いが、ある種の爽快感に繋がるという読者の意見もあります。
「ザ・悪人」として、彼の存在はベルセルク世界の暗部を強烈に印象付けました。
「エンジョイ&エキサイティング」! 名言の力!
そして、彼の人気の理由として最も大きいのが、数々の「名言」です!
特に彼のモットーである「エンジョイ&エキサイティング」は、彼の代名詞となり、ファンに強く記憶されています。
本来は非道な行動原理を指す言葉ですが、読者の間では「辛い事があった時」などに「楽しく刺激的に生きよう」という前向きな意味で使われることもあります。
この名言は、彼のキャラクターグッズ(Tシャツなど)が作られるほどの人気を博しました。
「死ぬの生きるのなんて言ったら人生損しちゃうよ」!
また、「死ぬの生きるのなんて言ったら人生損しちゃうよ」といった名言も人気です!
これは、生死をかけた戦いですら楽しめという彼の思想を表しており、「勇気が出る」といった読者の感想も寄せられています。
シリアスな物語の中で、ワイアルドだけが放つ独特の軽いノリの発言は、場面の雰囲気を一変させるほどのインパクトを持ち、読者に強い印象を残しました。
アニメにはなぜ出ない? ゲームでの映像化!
ワイアルドは、その強烈なキャラクターにも関わらず、意外にも過去のテレビアニメや劇場版には登場していません。その理由は何だったのでしょうか?
あまりに残虐? アニメでは差し替え!
1997年のテレビアニメ第1作や2012年の劇場版では、ワイアルドが登場するはずだったシーンが、無名の兵士に差し替えられています。
制作者側から明確な理由は発表されていませんが、彼のあまりにも残虐な描写(村娘への行為など)や、シリアスな雰囲気を壊すギャグ的な側面、あるいは単純な尺の問題などが、登場を見送られた理由として考察されています。
特に、彼が使徒化するシーンや、グリフィスの衰弱した身体を晒すという重要なシーンがあるにも関わらず、アニメでは別のキャラクターがその役割を担いました。
ゲームでついに映像化!
しかし、ワイアルドはメディアミックス作品であるゲームでついに映像化されました!
『ベルセルク無双』などで彼の動く姿を見ることができたファンからは、「やっとワイアルドが動く!」「ゲームで映像化してくれて嬉しい!」といった喜びの声が多くあがりました。
ゲーム版では残虐なシーンは抑え目に作られていますが、『ベルセルク無双』での使徒化演出などが「かっこいい」と評判になっています。
ワイアルドに魂を吹き込んだ声優!
ゲーム作品でワイアルドの強烈な個性に声を吹き込んだのは、このキャラクターにぴったりの実力派声優たちです!
ゲーム版は千葉繁氏、河本邦弘氏!
ゲーム『ベルセルク 快進撃!怒涛の傭兵団』では声優の千葉 繁(ちば しげる)氏、『ベルセルク無双』では声優の河本 邦弘(かわもと くにひろ)氏が、それぞれワイアルドの声を担当しました。
千葉氏は『ハイスクール!奇面組』(一堂零役)や『幽遊白書』(桑原和真役)など、独特のハイテンションな演技で知られるベテラン声優です。
河本氏は『北斗の拳』(ケンシロウ役)などで知られ、悪役や中年男性を演じることが多いハスキーボイスが特徴の声優です。
両氏ともに、ワイアルドの持つ狂気や非道さ、そして独特のテンションを、それぞれの魅力的な演技で見事に表現しました。
読者の反応は? 「クズなのに好き!」「社会に必要!?」
ワイアルドは、その極端なキャラクター性から、読者の間でも賛否両論ありつつも、強烈なインパクトを残しました。
「クズだけどなぜか好き!」
彼の悪行の数々に対しては嫌悪感を抱く読者が多い一方で、「クズだけどなぜか好き」「見ていて目が離せない」といった声も多く見られます。
これは、「ザ・悪人」としての分かりやすさや、後述する名言のインパクト、そしてシリアスな物語における彼の異質な存在感が、逆に魅力として映っているためと考えられます。
「社会に必要!?」ジョーク交じりの評価!
また、彼のモットー「エンジョイ&エキサイティング」を掲げて、「社会に必要!?」「国のトップになってほしい」といったジョーク交じりの評価をする読者も見られます!
これは、彼の思想が人間の真意を突いている側面もあると感じさせ、彼のキャラクターが持つ独特の深みを示しています。
まとめ:ベルセルクの「黒犬騎士団」団長! ワイアルド、非道と享楽の使徒の魅力!
漫画『ベルセルク』に登場するワイアルドは、凶悪な罪人の兵団「黒犬騎士団」団長であり、欲望と本能の赴くままに行動する非道な使徒です。
「エンジョイ&エキサイティング」をモットーに掲げ、略奪、虐殺、強姦を厭わない極悪人でありながら、人間離れした強さと使徒形態を持ち、ガッツや鷹の団を苦しめました。
ガッツとの激闘の末、瀕死状態となりながらもグリフィスを人質にとりますが、突如現れたゾッドによって壮絶な最期を迎えます。
彼の死後、使徒の魔力が抜けた後に残されたのは小さな老人の屍であり、使徒の死後の姿や、彼の使徒転生理由に関する謎を残しました。
残虐な行動とは裏腹に、「エンジョイ&エキサイティング」といった独特の名言で一部ファンから根強い人気があり、「ザ・悪人」としての分かりやすさや、シリアスな物語における彼の異質な存在感が、魅力として受け止められています。
テレビアニメには登場しませんでしたが、ゲーム作品でその姿が描かれ、ファンを喜ばせました。彼の狂気的な個性を、実力派声優が見事に演じています。
ベルセルク世界の暗部を象徴するキャラクターであり、その非道さと享楽的な思想で読者に強烈な印象を残したワイアルド。
物語においては短い登場期間でしたが、その存在感は色褪せることがありません。
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