
大人気漫画『キングダム』の序盤に登場し、主人公の信たちの前に立ちはだかった強敵、左慈(さじ)。
その圧倒的な武力と不気味な存在感は、読者に強いインパクトを与えました。
特に、実写映画版『キングダム』ではラスボスとして描かれ、その迫力あるアクションで多くの観客を魅了しましたね。
今回は、そんな左慈が史実に存在した人物なのかという疑問に迫りつつ、彼の強さの秘密や性格、そして実写映画で左慈を演じた俳優、坂口拓(TAK∴)さんの「最強」エピソードについて、深掘りしていきます。
『キングダム』の左慈とは?謎多きキャラクターを徹底解説
『キングダム』作品概要
原泰久先生による『キングダム』は、紀元前3世紀、春秋戦国時代の中国を舞台にした壮大な物語です。
天下統一を目指す秦の若き王・嬴政(えいせい)と、大将軍を夢見る孤児・信の視点を通して、激動の時代を生き抜く人々のドラマが描かれています。
2006年から『週刊ヤングジャンプ』で連載が始まり、2025年3月には最新刊75巻が発売され、累計発行部数は1億1千万部を突破する超人気作品です。
2013年には手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、アニメ化や実写映画化など、多方面でメディア展開されています。
左慈のプロフィールと人物像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 王弟・成蟜派(竭氏傘下将軍の上級武官) |
| 通称 | 竭氏の人斬り長 |
| 性格 | 自信家、プライドが高い、短気 |
| 武力 | 87(公式ガイドブックより) |
| 知力 | 62(公式ガイドブックより) |
左慈は、物語の序盤で起こった王弟・成蟜(せいきょう)の反乱編に登場する、竭氏(けつし)傘下将軍の上級武官です。
「竭氏の人斬り長」の異名を持ち、その名の通り、人並み外れた剣術を誇ります。
自分自身を「天下最強」と豪語するほどの自信家で、非常にプライドが高く、短気な一面もあります。
この過度な自信が、後に信との一騎打ちで彼自身の弱点となるなど、その性格が物語の展開に影響を与えたと考える読者も多いようです。
左慈は史実に実在した人物なのか?
中国史における「左慈」
『キングダム』に登場する多くのキャラクターが史実の人物をモデルにしていますが、左慈に関しては、この春秋戦国時代に実在したという記録はありません。
しかし、中国史においては、三国志の時代に「左慈」という名の人物が存在します。
こちらの左慈は、仙術を使う謎多き老人として『後漢書』に記載されており、300歳を自称していたという伝説が残されています。
例えば、「水を張った銅盤に糸を垂らして鱸(すずき)を釣り上げた」という奇妙なエピソードや、曹操が「蜀の生姜を食べたい」と漏らすと、遠く離れた地から瞬時に持って帰ってきた、といった不思議な逸話が数多く伝えられています。
これらの経歴からもわかるように、三国志時代の左慈は『キングダム』に登場する武官・左慈とは、名前以外の共通点はほとんどなく、キャラクター性も大きく異なります。
そのため、『キングダム』の左慈は、仙人・左慈の名前だけを借りて、物語のために創造されたオリジナルキャラクターであると考えるのが自然でしょう。
漫画での初登場シーンと活躍
漫画『キングダム』で左慈が初登場したのは、コミックス4巻です。
信たちが王宮のある街に足を踏み入れた際、山の民を侮辱した兵士を信が殴りつけた場面で、「あ?」という威嚇の声と共に登場しました。
その後、信たちが成蟜のいる本殿を目指す道中で、彼らを待ち受けていたのが左慈と彼が率いる兵士たちです。
左慈は、山の民が繰り出す攻撃をあっさりといなし、一太刀で真っ二つにするなど、その武力の高さを見せつけました。
信や壁(へき)といった実力者たちですら、左慈が放つ威圧的なオーラの前には体が動かなくなってしまうほどでした。
しかし、信だけは左慈のオーラに抗い、激昂して斬りかかります。
左慈は自らを「剣は力、剣は速さ、共に最上を極める俺は天下最強だ」と豪語しますが、信の執念と、壁が負わせた傷が響き、最終的には信の最後の渾身の一撃によって打ち破られました。
左慈の強さの秘密と実写映画での「最強」ぶり
「将軍クラス」の武力と指揮力の欠如
『キングダム公式ガイドブック』によると、左慈の武力は87とされており、これは張唐(ちょうとう)将軍の86や万極(まんごく)の88に近い数値で、将軍クラスの武力を持っていると評価できます。
しかし、彼の知力は62と低く、山の民のバジオウよりも低い数値です。
また、すぐに激昂する短気な性格も相まって、戦場での指揮官としてはあまり優れていないと考えることができます。
『キングダム』の世界では、個の武力だけでなく、指揮力が階級を上げるために非常に重要です。
そのため、もし左慈が正規の戦場に出ていたとしても、千人将程度の階級にとどまり、将軍にまで上り詰めるのは難しかっただろうと考察する読者も多いようです。
実写映画版『キングダム』での変貌と坂口拓の演技
原作漫画では物語序盤の敵役として描かれた左慈ですが、実写映画版『キングダム』では、王弟反乱編のラスボスとして登場し、その存在感は格段に増しています。
原作ではこの立ち位置に蘭開(らんかい)がいましたが、映画では登場順が入れ替わり、左慈が信たちの前に立ちはだかります。
映画での左慈は、原作よりもさらに強力なキャラクターとして描かれ、その迫力あるアクションは多くの観客を釘付けにしました。
左慈を演じたのは、日本を代表するアクション俳優、坂口拓(TAK∴)さんです。
坂口拓が演じる左慈の動きは、あまりにも速すぎてカメラが追いきれないほどだったとされており、共演した信役の山崎賢人は、彼の動きを「怖かった」と語っています。
また、映画版では左慈に「元将軍」という設定が追加されており、この設定と坂口拓の迫力ある演技が相まって、原作漫画版よりもさらに人気のあるキャラクターになったと評価する声も多く聞かれます。
坂口拓の「最強」エピソード
実写映画版『キングダム』で左慈を演じ、その「最強」ぶりで観客を魅了した坂口拓は、アクション俳優としてだけでなく、アクション監督やアクションコーディネーターとしても活躍しています。
信役の山崎賢人にもアクション指導を行うなど、その技術は折り紙付きです。
彼の代表作には、デビュー作である映画『VERSUS』(2001年公開、海外でもヒット)、『あずみ』、『地獄甲子園』などがあります。
実は、坂口拓は2013年3月に一度俳優業を引退していました。
きっかけは、ワンカット77分、558人斬りに挑戦した映画『狂武蔵』の撮影でした。
この過酷な撮影で肋骨や指の骨折といった大怪我を負い、「もうやめよう」と思ったそうです。
しかし、2014年に「TAK∴」として俳優業に復帰。
零距離戦闘術(ゼロレンジコンバット)を編み出した稲川義貴との出会いが、彼を再びアクションの世界へと導いたと言われています。
そして、彼が引退のきっかけとなった映画『狂武蔵』は、クラウドファンディングの成功を経て、2020年に公開されました。
坂口拓の壮絶なアクションが詰まったこの作品も、実写映画版『キングダム』での左慈の活躍と合わせて、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
『キングダム』の左慈まとめ
『キングダム』に登場する左慈は、史実には存在しないものの、その圧倒的な武力と、実写映画版での「最強」ぶりによって、読者や観客に強い印象を残したキャラクターです。
漫画版では序盤の強敵として信の成長を促し、実写映画版では坂口拓の迫真の演技によって、まさにラスボスと呼ぶにふさわしい存在感を放ちました。
彼の武力は将軍クラスでありながら、知力や指揮力の欠如がその階級を上げられなかった要因と考える読者もいるでしょう。
しかし、その「個の強さ」は物語に大きな興奮をもたらしてくれました。
まだ実写映画版『キングダム』を観ていない方は、坂口拓が演じる左慈の圧倒的なアクションをぜひその目で確かめてみてください。
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