
三勇教とは何か?
「盾の勇者の成り上がり」に登場する三勇教は、剣、槍、弓の三人の勇者を崇める異世界の宗教です。
主人公である岩谷尚文が召喚されたメルロマルク王国において、三勇教は絶大な権力を握っており、国民のほとんどがその信徒となっています。
そのため、三勇教は王族に匹敵するほどの財力を持ち、本来は他国に召喚されるべき勇者たちをメルロマルク王国に独占召喚させるなど、違法な行為も平然と行っていました。
三勇教は、物語の序盤で尚文が王国から追放される原因を作った組織であり、尚文にとって最大の敵の一つと言えます。
「盾の勇者の成り上がり」の作品情報とあらすじ
三勇教について掘り下げる前に、まずは作品の基本情報を押さえておきましょう。
盾の勇者の成り上がりは、2012年からアネコユサギ氏によって刊行されているライトノベル作品です。
2020年4月時点で累計発行部数780万部を超え、アニメや漫画、スピンオフ作品など多数のメディアミックスが展開されている人気作です。
物語は、ごく普通の大学生・岩谷尚文が突然異世界に召喚されるところから始まります。
彼は盾の勇者として、世界を襲う災厄「波」と戦う使命を与えられますが、召喚直後に王女マインに裏切られ、濡れ衣を着せられて王国を追放されてしまいます。
全てを失い、人間不信に陥った尚文は、奴隷のラフタリアを仲間に加え、自らを追いやった者たちへの復讐を誓いながら、過酷な旅を続けることになります。
三勇教が盾の勇者を忌み嫌う理由
三勇教は、なぜ盾の勇者だけを信奉せず、忌み嫌うのでしょうか。
その理由は、今から何百年も前にまで遡ります。
かつてこの世界は、人間と獣の姿をした亜人が敵対関係にありました。
その時代に召喚された大昔の盾の勇者は、人間の味方をするはずが、なぜか亜人の味方をしてしまったのです。
この裏切り行為により、当時の人間たちは盾の勇者を裏切り者として扱い、忌み嫌うようになりました。
その結果、人間を信奉する三勇教が誕生し、盾以外の三人の勇者だけを崇めるようになったのです。
一方、亜人たちは盾の勇者を信奉する「盾教」という独自の宗教を築き、現在に至るまで盾の勇者を神聖視しています。
尚文が召喚された時、三勇教が絶大な権力を持つメルロマルク王国に召喚されたことが、彼の不遇な旅の始まりでした。
三勇教の教皇とは?その強さと人物像
三勇教のトップに君臨するのが、教皇です。
その地位に相応しく、教皇は一見すると温厚で慈悲深い人物に見えますが、その顔は偽りです。
心の中では盾の勇者である尚文を心底嫌っており、尚文たちの旅を妨害するために様々な手段を講じていました。
例えば、勇者に与えられた権限であるレベルアップを、意図的に尚文にだけ禁止するなど、その妨害は徹底していました。
しかし、教皇は剣、槍、弓の勇者たちも完全に信用しているわけではなく、無能と見なした彼らを最終的には切り捨て、反逆を企てます。
そして、その圧倒的な力で四聖勇者を追い詰めます。
この章では、そんな教皇の人物像と、彼の強さの秘密に迫ります。
教皇との初対面:尚文への悪意
尚文が教皇と初めて対面したのは、ラフタリアのために教会で聖水を手に入れようとした時でした。
教皇は金貨一枚という高価な聖水を尚文に渡そうとしましたが、それは実は価値のない粗悪品でした。
旅の中で物の価値を調べる能力を身につけていた尚文は、すぐにそれに気づき、教皇の悪意を指摘します。
すると、教皇は怒りを露わにし、責任を部下になすりつけながらも、渋々本物の聖水を渡しました。
この一件からも、教皇が尚文に対して個人的な悪意を抱いていたことが分かります。
教皇の武器の強さ
教皇が勇者たちを追い詰めるために使用したのが、伝説の武器の模造品でした。
これは、勇者しか使えないはずの伝説の武器の能力を再現した規格外の武器で、教皇はこれを使いこなしました。
武器の強さ①:一振りで数百人分の魔力消費
教皇が使用した模造品は、剣、槍、弓、すべての能力を兼ね備えていました。
そのため、一撃で尚文でさえ防ぐのが難しいほどの強力な攻撃を放つことが可能でした。
しかし、その代償として、一回振るごとに数百人分の魔力が必要という大きな欠点がありました。
教皇は、この欠点を大量の信徒を引き連れて魔力の養分とすることで補っていました。
信徒の命を犠牲にすることで、彼は何度でも強力な攻撃を繰り出すことができたのです。
武器の強さ②:使用に時間を要する
伝説の武器の模造品には、もう一つの弱点がありました。
それは、攻撃を放つまでに時間を要することです。
そのため、教皇は最強の攻撃を連発することはできませんでした。
しかし、一撃の威力が絶大であるため、この欠点は教皇の圧倒的な強さの前ではあまり意味をなしませんでした。
この二つの弱点にもかかわらず、教皇は四聖勇者全員を相手に圧倒的な力を見せつけました。
三勇教の教皇戦の結末をネタバレ
いよいよ、尚文たちと教皇の壮絶な戦いの結末を見ていきましょう。
この戦いは、尚文の運命を大きく変えることになります。
教皇戦①:尚文と元康の共闘
尚文が第2王女メルティを誘拐したという冤罪をかけられた後、彼は槍の勇者・北村元康に襲撃されます。
その時、突如として謎の高圧エネルギーが降り注ぎ、周囲を消し飛ばしました。
この攻撃をなんとか防いだ尚文たちの前に現れたのは、三勇教の教皇でした。
教皇は、これまでの味方であるはずの剣、槍、弓の勇者たちを裏切り、彼らを抹殺しようとします。
これに対し、尚文と元康は一時的に共闘し、教皇に立ち向かいました。
教皇戦②:教皇の登場
謎のエネルギーを放ったのは、教皇でした。
彼は、無能な勇者たちが異世界に災いを幾度も起こしたことに見切りをつけ、彼らを排除しようと反逆を企てたのです。
その場には王女マインもいましたが、教皇は盾の勇者を滅ぼすという目的のためなら、王族をも平然と殺そうとしました。
教皇戦③:錬と樹の参戦
教皇の圧倒的な力の前に、尚文と元康は苦戦を強いられます。
しかし、メルロマルク王国に仕える諜報組織「影」に助けられて生きていた剣の勇者・天木錬と弓の勇者・川澄樹が救援に駆けつけました。
教皇は四聖勇者を「逆賊」と呼び、皆殺しにしようとしましたが、ついに四人の勇者が手を組んで教皇に挑むことになります。
教皇戦④:三勇教と四聖勇者の戦い
四人の勇者は三勇教の信徒たちを倒していきますが、教皇の力で何度でも復活してしまいます。
尚文は、盾に秘められたカースシリーズを発動し、呪いを付与する「セルフカースバーニング」で信徒の復活を阻止しようとします。
しかし、教皇は呪文でその効果を打ち消してしまいます。
さらに、女王ミレリアの軍が駆けつけるものの、自らを神と称する教皇の力によって一瞬で全滅してしまいました。
教皇戦⑤:尚文がラースシールドを発動
追い詰められた尚文は、カースシリーズの力を全て引き出そうとします。
これは、怒りを元に発動し、暴走する禁断の技でした。
しかし、仲間のフィーロの想いが、尚文の怒りの暴走を抑え込み、彼は「ラースシールド」と呼ばれるレベル3の憤怒の盾を発現させます。
それでもなお余裕の表情を浮かべる教皇でしたが、尚文が目覚めた新たな力によって、戦いは終結に向かいます。
教皇戦⑥:教皇の最期
教皇が信者たちを利用して勇者たちを倒そうとしたその瞬間、女王ミレリアが登場しました。
彼女は氷魔法で信者たちを凍らせ、教皇を孤立させます。
孤立した教皇に対し、尚文は自身の命を削る必殺技「ブラッドサクリファイス」を放ちます。
この一撃で教皇は呆気なく最期を迎え、三勇教との戦いは結末を迎えました。
教皇戦⑦:尚文が受けた代償
教皇を倒した尚文でしたが、その代償は非常に大きいものでした。
「ブラッドサクリファイス」は自身の身体に強い影響を与える諸刃の剣であり、尚文は瀕死の状態に陥ってしまいます。
その後、ミレリア女王によって王国に搬送されますが、盾の呪いによって負った傷が癒えるまでに一ヶ月もかかりました。
この戦いを経て、尚文は自らを陥れたマインと王に大きな罰を与え、見事に恨みを晴らすことに成功しました。
三勇教の教皇役の声優
三勇教の教皇という重要なキャラクターに命を吹き込んだのは、ベテラン声優の菅生隆之です。
その深みのある声は、教皇の威厳と狂気を完璧に表現しています。
菅生隆之のプロフィール
| 名前 | 菅生隆之(すごう たかゆき) |
| 出身地 | 千葉県 |
| 生年月日 | 1952年8月1日 |
| デビュー年 | 1970年代 |
| 趣味 | ゴルフ、釣り |
菅生隆之は、1970年代から声優としてだけでなく、俳優としても幅広く活躍しているベテランです。
年配の男性キャラクター、特に威厳のある役や悪役を得意としており、教皇のキャラクターを見事に演じきっています。
菅生隆之の主な出演作品
菅生隆之の代表作には、アニメ「ナルト」の初代火影・千手柱間役、「BLEACH」の斬月役、「宇宙戦艦ヤマト2199」の沖田十三役などが挙げられます。
いずれの役も、その重厚な声でキャラクターに深みを与えており、教皇の威厳と狂気を完璧に表現しました。
三勇教に関する感想や評価
三勇教の教皇戦は、物語の大きな節目となり、ファンからも様々な感想が寄せられています。
「攻撃に専念すれば勝てたのでは?」という考察
教皇は圧倒的な力を持っていたにもかかわらず、最終的に尚文に敗北しました。
ファンの中には、「信者たちを回復させている間に尚文に逆襲されたが、もし最初から攻撃に専念していれば勝てたのではないか」と考える人もいます。
教皇の油断や、自らを神と見なす傲慢さが、彼の敗北を招いたという見方もあります。
「国を乗っ取る気だったのか?」という考察
教皇が王女マインを殺そうとしたことから、「メルロマルク王国を乗っ取るつもりだったのではないか」という考察もなされています。
教皇は戦いの最中に、次期王女の代わりを用意していると語っており、傀儡政権を樹立して王国を支配しようとしていた可能性が高いです。
三勇教は宗教という枠を超え、政治的な野心を持った危険な組織だったと言えるでしょう。
「女王は三勇教を知らなかった?」という考察
物語の終盤で颯爽と現れ、教皇を倒す手助けをしたミレリア女王ですが、一部のファンからは「ミレリア女王は三勇教の存在を知らなかったのではないか」という声も上がっています。
もし彼女が三勇教の危険性を知っていたなら、盾の勇者を迫害するような組織を放っておくはずがない、という考え方です。
しかし、ミレリア女王は教皇の動きを監視しており、その上で最適なタイミングで現れました。
このことから、彼女は三勇教の危険性を知った上で、自らの不在中に国を乗っ取ろうとする彼らの動きを待っていた、と考えるのが自然でしょう。
まとめ
三勇教は、盾の勇者を忌み嫌う異端の宗教であり、そのトップに君臨する教皇は、絶大な力と恐ろしい野心を持った人物でした。
彼は、伝説の武器の模造品を使い、四聖勇者を圧倒的な力で追い詰めますが、尚文が放った命懸けの必殺技によって最期を迎え、三勇教は壊滅しました。
この戦いは、尚文にとって大きな試練であると同時に、彼が真の勇者へと成長する重要な転機となりました。
教皇の敗北は、傲慢な人間が、ひたむきに信頼を築き上げた者たちに敗北する、という物語のテーマを象徴していると言えるでしょう。
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