
講談社の「週刊少年マガジン」で連載された大人気ファンタジー作品『七つの大罪』。
主人公メリオダス率いる個性豊かな「七つの大罪」メンバーの中でも、主人公たちの前に立ちはだかった強敵として読者の記憶に深く残るキャラクターがヘルブラムです。
屈強で豪勢な巨漢の姿ながら、どこかお茶目で気の良いおじさんのような性格。
その正体は、親友であるキングこと妖精族の王ハーレクインと深い因縁を持つ妖精族ヘルブラムでした。
作中でもトップクラスの実力を持ちながら、その闘級は意外な数値に留まります。
本記事では、ヘルブラムの悲しい過去、キングとの固い友情、そして彼が七つの大罪をも苦戦させた驚異的な強さの秘密「同調(リンク)」について、徹底的に解析していきます。
七つの大罪とはどんな作品か
『七つの大罪』は、2012年より「週刊少年マガジン」にて連載が開始された大人気作品です。
物語は、かつて王国転覆を企てたとされる伝説の騎士団「七つの大罪」のメンバーが、心優しく可愛いエリザベス王女と共に再集結し、リオネス王国を暴走した聖騎士団から奪還する戦いを描いています。
メリオダスをはじめとする「七つの大罪」メンバーは、それぞれが非常に強力な魔力と個性を持ち、その人間味あふれる人物像が大きな人気を集めました。
2014年にはアニメ放送が開始され、豪華な声優陣がキャスティングされたことも話題となり、作品の世界観をさらに奥深いものにしています。
作中の細かい設定や壮大なストーリー展開も見どころの一つで、多くのファンを魅了し続けています。
「七つの大罪」人気ゲームや商品とのコラボレーション
『七つの大罪』は漫画やアニメの枠を超え、様々な分野でコラボレーションを展開するビッグタイトルとなっています。
大人気ゲームアプリ「モンスターストライク」(モンスト)や「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)とのコラボは特に有名で、これがきっかけでゲームを始めたというファンも多いほどです。
モンストでは、キングやヘルブラムを含む主要キャラクターがガチャで登場し、高い人気を誇りました。
また、2014年には資生堂の洗顔料・整髪料シリーズ「UNO」とのコラボレーションも実現しました。
「七つの大罪」のメンバーがおしゃれなデザインで登場し、いつもの戦闘服姿とは違った一面を見せてくれました。
こうした多岐にわたる商品展開から、作品の根強い人気がうかがえます。
「七つの大罪」用語:闘級とは何か
『七つの大罪』の世界では、キャラクターの強さを客観的に数値化する指標として「闘級」が設定されています。
これは、各キャラクターの総合的な戦闘力を示す数値であり、作中のバトルシーンを理解する上で非常に重要な要素となります。
闘級の三つの指標:魔力・武力・気力
闘級は、以下の三つの指標の合計値で算出されます。
一つ目は、魔力(魔力の強さ)です。
二つ目は、武力(肉体的な身体能力)です。
三つ目は、気力(忍耐力や冷静さなど精神的な強さ)です。
この三つのバランスが、そのキャラクターの戦闘スタイルや弱点を正確に示しており、数値の比較によって、強さが正確にわかるようになっています。
闘級測定器「バロールの魔眼」とその使用キャラクター
キャラクターの闘級を測定するために使用される道具が「バロールの魔眼」です。
対象の相手を見ることで、その闘級の数値が測定され、測定した者の目には数字となって表示されます。
「七つの大罪」のメンバーでは、ゴウセルには魔眼が搭載済みであり、闘級を見抜くことが可能です。
また、物語の第二部では、ホークがマーリンから「バロールの魔眼」を譲り受けて使用していました。
ちなみに、ホーク自身の闘級は30です。
「七つの大罪」:ヘルブラムの二つの姿
ヘルブラムの正体は妖精族ですが、作中では大きく二つの姿で登場します。
この二つの姿のギャップも、ヘルブラムというキャラクターの大きな魅力の一つとなっています。
屈強な巨漢姿のヘルブラム
| 体格 | 身長190cm、体重101kg |
| 特徴 | 豪勢な巨漢の体格、「オレっち」「チミは~」といった特徴的な喋り方 |
物語の最初のシリーズで「七つの大罪」の前に立ちはだかった際にヘルブラムが取っていた姿が、この屈強な巨漢姿です。
高い戦闘力と、その体格からは想像もできないお茶目な言動のギャップが印象的でした。
この姿でキングを圧倒し、暴走状態のメリオダスと互角以上に渡り合う実力を見せ、読者を驚かせました。
この姿は、後に判明するヘルブラムの「ある理由」によって、彼自身が選択した姿でした。
本来の姿である小さな妖精のヘルブラム
| 体格 | 身長162cm、体重50kg |
| 特徴 | 小柄で可愛らしい少年姿 |
ヘルブラムの本来の姿は、キングと同じ妖精族の少年姿です。
体格は小柄で可愛らしく、巨漢姿とのギャップは非常に大きいです。
キングとの戦いを通して、ヘルブラムと妖精族との間にあった深い関係が示唆されることになります。
妖精族であるキング同様、本来の姿は戦闘において重要な意味を持っています。
「七つの大罪」ヘルブラムの登場シーン
ヘルブラムは、その正体が明らかになる前から、作中で様々な姿や名前で登場していました。
彼の登場シーンは、その後の物語の伏線にもなっています。
当初の姿:黄金の鎧をかぶった騎士「ヘルブラム卿」
物語の序盤で、ヘルブラムは黄金の鎧をかぶった騎士姿で登場し、七つの大罪と対峙します。
ともに行動していたギーラやジェリコからは、聖騎士として「ヘルブラム卿」と呼ばれていました。
死の都では、七つの大罪に敗北し、顔に盛大な落書きをされたギーラに軽く引くという、人間的なお茶目な一面も見せていました。
この騎士姿は、彼の持つ魔力「同調(リンク)」を用いて、他の聖騎士の能力を利用するためのものでした。
バイゼル喧嘩祭りの司会者「ラブヘルム」としての登場
第10話のバイゼル喧嘩祭りの最中にも、ヘルブラムは登場しています。
この時は、「ラブヘルム」と名乗るハイテンションな司会者として登場しました。
特徴的な兜をそのまま被っていたため、その後の展開を知る読者からすると、最もかわいらしいヘルブラムの姿として記憶されています。
祭りでは、七つの大罪のメンバー、特にキングですら、彼がヘルブラムであることに気づいてはいませんでした。
「七つの大罪」キング(ハーレクイン)のプロフィールと罪状
ヘルブラムと最も深い関係にあるのが、七つの大罪の一人、「怠惰の罪(グリズリー・シン)」を背負うキング、こと妖精族の王ハーレクインです。
普段は可愛らしい少年姿ですが、自身が「正装」と称する変身姿は、メタボの汗臭いおじさんの姿です。
彼の罪状は「妖精王として、妖精による人間の虐殺を放置した怠惰の罪」であり、その判決として1000年の禁固刑を受けていました。
この重い罪を背負うことになった出来事こそ、ヘルブラムの悲劇と深く関わっています。
キングの優しさと思いやり
キングは、七つの大罪の中でも特に他人を思いやる優しい心の持ち主です。
仲間や団長メリオダスに憎まれ口を叩くこともありますが、それは仲間を大切に思っているがゆえの言動ともいえます。
想い人であるディアンヌのこととなると、途端に恋する少年のようなかわいらしい一面を見せます。
バイゼル喧嘩祭りでは、魔力を使えなかったために本来の強さが出せませんでしたが、作中でエレインが語るように、キングは「大切な人のために自分自身を顧みず戦う」強さを持っています。
親友ヘルブラム、ディアンヌだけでなく、人のために涙を流すことができる、真に優しい王様なのです。
「七つの大罪」キングとヘルブラムの過去の関係
キングが「怠惰の罪」を背負うことになったのは、ヘルブラムとの過去の出来事が強く関連しています。
二人の関係性は、物語の根幹を成す重要な要素の一つです。
妖精族の親友ハーレクインとヘルブラム
物語が始まる何百年も前、キングことハーレクインとヘルブラムは、親友であり、同じ妖精族の大切な仲間という関係性でした。
当時の妖精界と人間界は、互いに干渉しないという和平条約を結んでいましたが、ヘルブラムは人間の文化や考え方に強く興味を持ち、人間が大好きでした。
二人は、もしどちらかが馬鹿なことをしそうになったら、親友であるハーレクインが止める、という固い約束を交わしていました。
人間による妖精族惨殺とヘルブラムの復讐
しかし、ヘルブラムの人間への好奇心は悲劇を招きました。
人間たちに騙され、関係のない仲間の妖精たちが、ヘルブラムの目の前で無残にも殺害されてしまいます。
絶望と怒りに燃えたヘルブラムは、人間への復讐を誓い、その過程で駆け付けたキングも傷つけ、キングは記憶を失ってしまいます。
この裏切りと惨殺の記憶が、ヘルブラムを500年間人間を殺し続けるという闇の道へと突き動かしました。
記憶を失ったキングと復讐に燃えるヘルブラムの再会
長き時を経て、記憶を取り戻したキングと、人間に対する恨みを募らせたヘルブラムは再会します。
ヘルブラムは怒りで暴走し、無関係の村人たちを壊滅させました。
親友との約束と、王としての責務から、キングは暴走するヘルブラムを止めるため、自らの手で彼を手にかけるという辛い決断を強いられたのです。
この出来事が、キングに「怠惰の罪」という重い十字架を背負わせるきっかけとなりました。
ヘルブラムの聖騎士団協力者としての再登場
キングの手によって絶命したはずのヘルブラムは、物語の中で再びキングの前に姿を現します。
この再登場の裏には、二大聖騎士長ヘンドリクセンの暗躍がありました。
絶命したはずのヘルブラムの肉体が闇商人からヘンドリクセンの手に
キングに絶命させられたヘルブラムの肉体は、妖精族特有の性質により、死してもなお腐敗することなく残りました。
その肉体は200年もの間、闇商人の間をさまよっていました。
二大聖騎士長ヘンドリクセンは、その遺体を買い取り、魔神族の秘術によってヘルブラムに仮の命を与え、自身の駒として利用していたのです。
聖騎士団とともに活動するヘルブラムは、以前よりも残虐性が増し、キングの前に立ちはだかりました。
人間の姿に化けるヘルブラムの悲しい理由
ヘルブラムは、人間を大嫌いで恨んでいるにも関わらず、人間の姿に化けて聖騎士団の協力者として活動していました。
その理由を彼は「大切な仲間を守れなかった自分自身に対する戒めの意味だ」と語っています。
この言葉を言い放つヘルブラムの手には、かつてキングに送るはずだった兜が抱えられていました。
これは、復讐という狂気に身を落としながらも、親友キングや失われた仲間への愛情と後悔を忘れていなかった、ヘルブラムの悲しい心情を示す描写として読者の間で大きな感動を呼びました。
キングとの最後の対峙と懇願
ディアンヌを守るため、キングは再びヘルブラムと対峙します。
一度倒されたヘルブラムは、ヘンドリクセンの手によって再度復活させられてしまいますが、この時の彼は自我がほぼ壊れかけていました。
キングは再び親友を傷つけることに躊躇しますが、ヘルブラムは「オイラがオイラであるうちに・・・」「友達をやめる!!」と、キングに自分を止めてくれるよう懇願と叱咤を送ります。
この懇願に応える形で、キングは意を決し、最後の技でヘルブラムの肉体ごと葬ったのでした。
親友同士が繰り広げたこの悲劇的な戦いは、作品における屈指の名シーンとして知られています。
死してなおキングのそばに:兜に宿るヘルブラムの魂
王国の奪還後、七つの大罪を抜けるというバンとともに妖精の森を訪れたキングでしたが、そこには裏切り者扱いされる厳しい現実があり、彼の居場所はなくなっていました。
ヘルブラムが残した遺品の兜をかぶり、涙を流しながら彼に語りかけるキングに、優しい声が聞こえてきます。
友情の証:兜を通したヘルブラムの姿
その声の正体は、兜に宿るヘルブラムの魂でした。
目の前に現れたのは、昔のように明るく優しいヘルブラムの姿でした。
彼は「親友を放っておけない」と言い、七つの大罪のメンバーであるへレインの懇願もあって、キングのそばで見守ることを決めました。
キングは、この兜を介して、ヘルブラムの姿を見、彼の声を聞くことができるようになります。
これは、一度は断ち切らざるを得なかった二人の固い友情関係の証であり、ファンにとっては非常に感動的な展開でした。
固い友情関係で結ばれていたキングとヘルブラム
へレインの「もう少し、キングを見守ってほしい」という懇願は、ヘルブラムが死した後も、彼との絆と友情の関係が絶たれていないことを示していました。
死してなお、親友をそばで見守り続けるヘルブラムの優しさと、ヘルブラムを二度も手にかけてしまったことへの罪滅ぼしとして、キングは七つの大罪へと戻ることを決意します。
ヘルブラムの存在は、キングが妖精族の王として、そして七つの大罪のメンバーとして成長していくための、重要な推進力となったのです。
「七つの大罪」ヘルブラムの強さ
ヘルブラムは、妖精族でありながら、聖騎士団を率いて七つの大罪とも互角にやりあうほどの魔力を持つ強敵でした。
特にキングやディアンヌを苦戦させ、初期のメリオダスとの戦闘でも余裕を見せるほどの実力を持っていました。
ヘルブラムの闘級:魔力・武力・気力の内訳
ヘルブラムの屈強な巨漢姿での闘級は以下の通りでした。
| 闘級合計 | 1400 |
| 魔力 | 750 |
| 武力 | 250 |
| 気力 | 450 |
この闘級1400という数値は、七つの大罪メンバーであるキングの闘級3000以上、メリオダスの闘級3000以上(一時的な暴走状態では更に高い)と比較すると、数値上では大きく劣っています。
しかし、ヘルブラムはディアンヌや聖騎士団のギーラ、ハウザーといった実力者を苦戦させました。
闘級数値以上の実力を発揮する理由
ヘルブラムが闘級の数値以上に強いと感じさせたのは、彼の持つ魔力「同調(リンク)」というチート級の能力にありました。
純粋な魔力・武力では「七つの大罪」に及ばなくても、この「同調(リンク)」を最大限に活用することで、集団戦やトリッキーな戦術において圧倒的な力を発揮したのです。
これは、ヘルブラムの冷静な気力と戦術眼があってこそ可能となった戦い方です。
「七つの大罪」ヘルブラムの技:同調(リンク)
ヘルブラムが七つの大罪メンバーと渡り合えた最大の秘密が、彼の固有魔力である「同調(リンク)」です。
この魔力は、妖精族の特徴である魔力による攻撃を、より強力かつ応用的にするための能力でした。
同調(リンク)の仕組みと効果
同調(リンク)とは、ヘルブラムが自分に同調した者たちから魔力を分けてもらうことができる技です。
この分けてもらった魔力は、ヘルブラムのもともと持つ魔力に加算して使用することができます。
同調する相手が球体の周りにいる聖騎士たちであり、彼らから魔力を提供してもらうことで、大技の連発や、自分よりも闘級が強い相手と対峙することが可能になります。
同調できる人数分だけ魔力を上乗せできるため、理論上は「七つの大罪」クラスを越えるほどの巨大な魔力を手に入れることも可能となります。
同調(リンク)による魔力の増強と大技の発動
同調(リンク)は、魔力の増強に留まりません。
ヘルブラム自身の魔力ではない必殺技を使うシーンもありました。
例えば、ディアンヌをも貫くほどの大技である空中に氷山を作る技や、無数の氷の弾を作る技です。
これは、聖騎士グスタフ(ジェリコの兄)の技であり、ヘルブラムがグスタフと同調(リンク)することで、彼の技を使用することができたのです。
そこにヘルブラム自身の魔力をプラスすることで、オリジナルを超える強力な大技を繰り出すことができました。
同調(リンク)による洗脳とダメージの身代わり
「同調(リンク)」の恐ろしい点は、その応用範囲の広さにもあります。
一つは、同調した相手を洗脳し、強制的に自身に魔力を送らせることができる点です。
さらに、自分が受けたダメージを、同調(リンク)している者に身代わりとして受けさせることもできます。
これにより、ヘルブラムは自身の肉体を傷つけずに戦闘を継続することができ、彼の驚異的な粘り強さの根源となっていました。
この複数の人間を利用する戦術は、人間を憎むヘルブラムの残虐性を象徴するものでもあります。
妖精族の特徴である魔力による攻撃
先述の闘級の内訳が示すように、妖精族であるヘルブラムは、単純な肉弾戦(武力250)は弱い部類に入ります。
そのため、キング同様に魔力による攻撃が戦闘スタイルの中核を成しています。
ヘルブラム自身が持つ魔力による攻撃には、無差別に周りを魔力で覆い広範囲の生物にダメージを与えたり、対象を追跡し、触れたところで爆発させるなどの技が見られました。
これらの技はキングと少し似ており、妖精族独特の魔力特性を生かした戦い方といえます。
アニメ「七つの大罪」でのヘルブラムの声優は?
ヘルブラムの二つの姿、そしてお茶目な言動と冷酷な残虐性のギャップを表現したのは、二人の超豪華声優でした。
それぞれの姿で別々の声優が担当している点も、ヘルブラムの大きな魅力の一つです。
ヘルブラム(変身時:巨漢姿)の声優:置鮎龍太郎
ヘルブラムが最初に登場した屈強な巨漢姿を担当したのは、大御所声優の置鮎龍太郎です。
置鮎龍太郎は1989年より長きにわたって活動しており、その渋い低音のイケメンボイスで多くのファンを魅了しています。
他作品では、アニメ『トリコ』のトリコ役、アニメ『テニスの王子さま』の手塚国光役、アニメ『戦国BASARA弐』の豊臣秀吉役など、主役級のキャラクターを数多く演じています。
置鮎龍太郎の重厚感のある声が、「オレっち」というお茶目な口調と相まって、ヘルブラムの異質な存在感を際立たせていました。
ヘルブラム(本来の妖精姿)の声優:神谷浩史
可愛らしい本来の妖精姿と、回想シーンの優しいヘルブラムを担当したのは、大人気声優の神谷浩史です。
神谷浩史は、アニメ『おそ松さん』の松野チョロ松役、アニメ『夏目友人帳』の夏目貴志役、アニメ『進撃の巨人』のリヴァイ兵長役など、いずれも超人気作品の主要キャラクターを多く務めています。
クールな役から可愛い少年、お茶目な役まで、非常に演技の幅が広いのが特徴です。
神谷浩史の優しい声が、キングとの友情を描く過去のシーンに深みを与え、読者の涙を誘いました。
「七つの大罪」ヘルブラムの魅力はここにあり!
ヘルブラムの魅力は、彼の持つ強力な技や闘級だけではありません。
何といっても、親友キングとの間に結ばれた固い絆と、その絆が悲劇的な形で引き裂かれ、そして死後に再び繋がるという壮絶な物語です。
一度は復讐の狂気に身を落としながらも、親友キングや仲間を想う気持ち、そして優しさを失っていなかった彼の人間性(妖精性)は、読者の心に深く響きました。
飄々とした態度やお茶目な喋り方、そして好奇心旺盛な性格という、彼の根底にある魅力が、悲劇性の中で一層輝いていたと言えるでしょう。
まとめ
ヘルブラムは、その正体が妖精族でありながら、聖騎士団の協力者として七つの大罪の前に立ちはだかった強敵でした。
彼の強さは、闘級1400という数値以上の力を発揮する魔力「同調(リンク)」によって支えられていました。
しかし、彼の物語の本質は、キングとの深い友情と、人間による裏切りによって復讐の道に進んでしまった悲劇性にあります。
キングとの最後の対決、そして死してなおキングのそばで見守り続けるという展開は、多くの読者に涙を誘い、彼が単なる敵キャラクターではないことを証明しました。
ヘルブラムの存在があったからこそ、キングは真の「妖精王」へと成長できたと言っても過言ではありません。
彼の複雑な魅力は、今後も長くファンに語り継がれていくでしょう。



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