
「とんでもスキルで異世界放浪メシ」は、小説家になろうで連載が始まり、コミックガルドでのコミカライズ、そして待望のアニメ化を経て、多くのファンを魅了し続けている人気作品です。
特に、主人公のムコーダ(向田剛志)が現代日本の食材を召喚できる固有スキル「ネットスーパー」を駆使して作る絶品料理は、物語の核となっています。
この美食につられて、ムコーダの周囲には、伝説級の魔獣である従魔たち、そして神界の神々といった、規格外の存在が集結しています。
彼らが加わることで、ムコーダの異世界での旅は、グルメ紀行であると同時に、バトルとは無縁のチートパーティーによる規格外の放浪記へと変貌を遂げました。
今回は、ムコーダ一行の強さの源である従魔たち、そしてお供えを要求してくる愉快な神々、さらにはムコーダのプロフィールから彼らを取り巻く人々まで、作品を支える個性豊かなキャラクターと設定に徹底的に迫ります。
※この記事には原作小説の内容、およびスピンオフの内容が含まれます。
ムコーダ(向田剛志)の基本情報とユニークなスキル
異世界グルメ旅の主人公であるムコーダは、勇者召喚に巻き込まれて異世界へとやってきました。
彼が元々持っていた「ネットスーパー」という地味な固有スキルが、いかにしてこの異世界で最強の要素となったのか、その背景を見ていきましょう。
ムコーダのプロフィールとサラリーマン時代の背景
| 本名(異世界名) | 向田剛志(ムコーダ) |
| 職業(当初) | 単身サラリーマン |
| 年齢(召喚時) | 27歳 |
| 外見 | 中肉中背のどこにでも居そうな青年(漫画版ではややタレ目) |
| 性格 | ヘタレ、気弱、事なかれ主義、常識的で要領が良い |
| スキル適性 | 火魔法、土魔法に適性あり |
ムコーダは、元地方都市に住んでいた独身のサラリーマンでした。
外見はごく普通ですが、学生時代の様々な飲食店でのアルバイト経験から、現実世界にいた頃から料理の腕前はプロ級です。
また、ネット小説を読み漁っていた経験から、異世界召喚という事態にも多かれ少なかれ慣れ親しむことができ、王国の胡散臭さにいち早く気づき、国外脱出を決意するという要領の良さも持ち合わせています。
しかし、女運が壊滅的であるという悩みも抱えており、創造神デミウルゴスに加護よりも女運を求めたこともあるほど、その点は本人も自覚しています。
固有スキル「ネットスーパー」の仕組みと影響
ムコーダが召喚された際に手に入れた固有スキルは「ネットスーパー」でした。
このスキルは、異世界の資金をチャージすることで、現代の地球の物資を購入し、異世界に召喚できるというものです。
戦闘スキルを全く持たなかったため、他の勇者たちからは役立たず扱いされましたが、このスキルこそがムコーダの異世界生活を支える最大のチート能力となります。
地球の食材は、摂取者のステータスを一時的に変化させる効果があり、これにより従魔たちは常識外れの強さを手に入れました。
レベルアップに伴い、テナントが追加されたり、フェアが開催されたりするなど、機能が拡張していくのも特徴です。
このスキルは、異世界の創造神デミウルゴスですら詳細が分からず、再現できないと言われており、極めてユニークな存在であることがわかります。
異世界での活動:商人からSランク冒険者への異例の昇格
ムコーダ本人の希望は、スキルを活かして商人となることでした。
しかし、従魔のフェルが狩ってくる獲物が軒並み高ランクであるため、その解体・売却を行ううちに、商人ギルド(アイアンランク)と同時に冒険者ギルドにも登録せざるを得なくなります。
元々Gランクで登録したムコーダでしたが、フェルたちが狩ってくる魔物の大量討伐や難関ダンジョンの踏破が続いた結果、ギルドマスターたちの権限により、F〜Dランクを飛ばしてCランクへ、さらにBランクを飛ばしてAランクへ、最終的には無試験で最上級のSランクまで昇格するという異例のスピード出世を遂げました。
これは「史上最強の冒険者」と呼ばれる所以となり、ムコーダ自身は商人志望でありながら、その実態は最強パーティの「料理人兼保護者」としての地位を確立することとなりました。
ムコーダの保有スキルと加護
ムコーダは、戦闘技術に関しては自己流のド素人ですが、従魔たちとの旅を通して様々な能力を獲得しています。
| 固有スキル | ネットスーパー |
| 共通スキル | アイテムボックス(容量無限大、時間経過無し)、鑑定 |
| 習得スキル | 火魔法、土魔法、完全防御、獲得経験値倍化 |
| 加護 | 風の女神ニンリル(小)、火の女神アグニ(小)、土の女神キシャール(小)、創造神デミウルゴス(小) |
| 称号 | 巻き込まれた異世界人、孤独の料理人 |
神託によって与えられた加護「小」が3つになったことで、通常と同程度の状態異常無効化を得ており、さらに創造神デミウルゴスの加護「小」により、種族が「一応人」となり、寿命が大幅に延びてハイエルフ並みになったとされています。
また、「孤独の料理人」という称号の影響からか、「鑑定」スキルが食品関連に特化し始め、食用可能か否か、食材の味が詳細に分かるようになってきている点も、彼の異世界生活を豊かにしています。
従魔は全部で4匹!最強の戦闘力を持つ愉快な仲間たち
ムコーダの周りには、彼の作る料理の香りに惹かれて集まってきた、伝説級の魔獣たちが従魔として契約しています。
彼らは皆、個性的で強力な戦闘力を持った愉快な仲間たちであり、ムコーダ一行の旅を安全かつ賑やかなものにしています。
現時点で従魔は全部で4匹おり、フェル、スイ、ドラちゃん、ゴン爺がその名を連ねています。
フェル(フェンリル):ムコーダ最初の従魔と最強の戦闘狂
| 種族 | フェンリル(雄) |
| 年齢 | 1014歳 |
| 加護 | 風の女神ニンリル、戦神ヴァハグン |
| 特徴 | 銀の毛並み、手足が赤い、豊富な知識、風魔法主体、ほぼカンストのステータス |
| 性格 | 誇り高く尊大、食いしん坊(肉・魚介好き)、野菜嫌い、戦闘狂、スイに甘い |
ムコーダの最初の従魔となったのが、伝説の魔獣フェンリルのフェルです。
レイセヘル王国から隣国へ移動中、ムコーダが作ったレッドボアの生姜焼きの匂いに釣られて現れ、その料理の美味しさに魅了され、食事提供を条件にムコーダと従魔契約を結びました。
その強さは「一匹で国を滅ぼせる」とまで言われるほどで、レベルはほぼカンスト状態であり、古竜とも対等に戦った経験を持つ歴代最強のフェンリルと評されています。
普段はムコーダにお主と呼び、異世界について教えるなどしていますが、人間の生活には疎く、お風呂が大の苦手という可愛らしい一面もあります。
野菜嫌いなため、ムコーダの料理に野菜が入ると必ず文句を言うのがお約束となっていますが、ムコーダが調理した肉料理は格別だと認め、そのために今日も狩りに出かける「戦闘狂」の一面も持っています。
スイ(スライム):驚異の進化を遂げる特殊個体スライム
| 種族 | 特殊個体のスライム |
| 年齢 | 若年(生後3日から登場) |
| 加護 | 水の女神ルサールカ、鍛冶神ヘファイストス |
| 特徴 | 水色のボウリング玉サイズ(ヒュージスライムに進化)、念話で会話、超巨大化・増殖可能 |
| スキル | 酸弾、水魔法、回復薬生成、鍛冶 |
| 性格 | 幼い子供、明るく天真爛漫、素直で甘えん坊、バトルジャンキーになりつつある |
ムコーダの2体目の従魔となったのが、ベビースライムとして登場したスイです。
ムコーダがネットスーパーで出た異世界のゴミを食べてレベルアップした結果、いつの間にか従魔契約が成立していました。
その成長速度と適応能力は驚異的で、長寿のフェルでさえ「見たことがない」と語るほどの特殊個体です。
酸弾での戦闘が得意なだけでなく、ヒーリングマッシュルームを食べて回復薬生成を習得したり、鍛冶神ヘファイストスの加護でミスリルの短剣を作成するなど、戦闘以外でも非常に便利な能力を持っています。
ムコーダをおあるじと呼び、フェルをおフェルおじちゃんと呼ぶ幼い口調と、ぷるんとした愛らしいフォルムで、パーティのマスコット的存在でありながら、戦闘時にはその幼さに似合わず獰猛さを見せ、バトルジャンキーな一面も持ち始めています。
ドラちゃん(ピクシードラゴン):小柄でやんちゃな兄貴肌
| 種族 | ピクシードラゴン(雄) |
| 年齢 | 116歳(成竜) |
| 加護 | 戦神ヴァハグン |
| 特徴 | 赤に近い桃色の鱗、非常に小柄、火と雷魔法を使用、高速突撃が得意 |
| 性格 | やんちゃ、兄貴肌、小生意気、イタズラ好き、プリン好き |
ドラちゃんは、ムコーダ特製羽根つき餃子の匂いに釣られて、クレールの森で3体目の従魔となったピクシードラゴンです。
小柄でかわいい見た目に反し、口調は小生意気でやんちゃな性格ですが、パーティの中では兄貴肌的な振る舞いも見せます。
ドラゴン種の中でも珍しく、冒険者の間でも一般的には知られていない激レア種です。
戦闘では、小柄な体を活かした高速突撃を得意としており、フェルでも油断ならないほどの戦闘力を持っていますが、ドラゴン特有のブレス攻撃はできません。
ムコーダに「ドラちゃん」と命名された際には、かっこいい名前が良かったと文句を言ったものの、フェルの命名経緯を聞いて渋々諦めました。
肉料理が好きですが、フェルほど野菜嫌いではないため幅広い料理を楽しみ、特にプリンが大好物で、テナントのケーキショップでプリンを頼む姿は非常に微笑ましいです。
ゴン爺(古竜/エンシェントドラゴン):世界を滅ぼす力を持つ仮契約の最強ドラゴン
| 種族 | 古竜(エンシェントドラゴン)(雄) |
| 年齢 | 3024歳 |
| 加護 | なし(加護を与えれば強くなりすぎるため) |
| 特徴 | 黒の鱗と巨大な姿(普段はフェルと同じくらいに小型化)、作中最強のステータス |
| スキル | 究極魔法「古竜の魂」(世界滅亡級) |
| 契約 | 300年限定の仮契約 |
| 性格 | 穏やか、親しみやすい、酒好き、フェルのライバル |
ムコーダの4体目の従魔となったのが、ブリクストのダンジョン最下層で寝ていた伝説級の魔獣、古竜のゴン爺です。
彼は創造神デミウルゴスが自ら創った最強のドラゴンであり、ブリクストのダンジョンボスである黒竜を一言で消滅させるほどの圧倒的な強さを誇ります。
その究極魔法「古竜の魂」は、使用したら世界が滅亡するほどの力を持つとされています。
ムコーダの作るガーリックステーキの味に感動し、フェルのように強引に従魔契約を結びましたが、その契約は300年限定の仮契約となっています。
フェルとは400年前に戦い引き分けた旧知のライバル関係にありますが、性格は比較的穏やかで親しみやすく、ムコーダと一緒にお酒を嗜むなど、豪快なオヤジのような一面もあります。
ドワーフと同じく酒好きであり、ムコーダのネーミングセンスには呆れてはいるものの、フェルの経緯を聞いて受け入れるなど、分別のある態度を見せています。
ムコーダのスキルに目をつけた神様は全部で7柱
ムコーダが異世界から現代の品物を召喚できる「ネットスーパー」は、地上の人間だけでなく、神界の神々をも魅了しました。
神様たちは、ムコーダのスキルで目当ての異世界のアイテムを入手しようと、次々とムコーダに「加護」を与え、その対価としてお供えを要求してくる、愉快で個性的なメンバーが揃っています。
現時点で、ムコーダに関わる神様は全部で7柱います。
ニンリル(風の女神):甘いものに目がない残念女神
| 担当 | 風の女神 |
| 外見 | スレンダー体型の絶世の美女(女神の内では年長者) |
| 性格 | 気分屋、堪え性がない、破天荒、わがまま娘(外見上は思慮深く慈悲深い) |
| 好物 | 甘いお菓子(特に餡子系)、ホールケーキ |
| 眷属 | フェル |
ムコーダに最初に目をつけたのが、フェルの眷属である風の女神ニンリルです。
ムコーダからは「残念女神」と思われているほど、その言動は神々しくなく、欲望に忠実です。
ムコーダのスキルを知るや否や、自身が気になっていた甘いお菓子を入手しようと、フェルを通じてムコーダに加護を与えました。
お菓子の食べ過ぎで太りかけるなど、非常に人間臭い一面があり、その要求はホールケーキなどへとエスカレートしていきます。
信者数は四大女神の中で一番少ないですが、ムコーダが教会に寄付した際には、感謝する素直な一面も見せました。
キシャール(土の女神):美容にうるさいおしとやかな女神
| 担当 | 土の女神 |
| 外見 | 豊満な肉体を持つセクシーな美女 |
| 性格 | 要領が良いお姉様タイプ、おしとやかだがヒステリックな一面も、美容にうるさい |
| 好物 | 高級基礎化粧品、シャンプー、リンス、保湿パック |
| 眷属 | なし(ムコーダに加護) |
ニンリルがお供えをたかっているのを目撃し、それに便乗する形でムコーダに加護を与えたのが、土の女神キシャールです。
当初はニンリル同様に甘味を希望しましたが、ムコーダが異世界の美容品を販売し始めてからはそちらに執心し、高級基礎化粧品やシャンプー、リンスといった美容アイテムをお供えとして要求するようになります。
豊穣と豊作の象徴であり、四大女神の中で信者数は最も多く、教会も立派です。
お供えの金額を値上げ要求するなど、要領の良さと強かさも兼ね備えた、ムコーダにとっては頼れる女神の一柱です。
アグニ(火の女神):ビールを愛するガサツな火の女神
| 担当 | 火の女神 |
| 外見 | 健康的な色黒美女 |
| 性格 | 勝気、体育会系気質、脳筋、ガサツ |
| 好物 | お酒(特にビール)、異世界の甘味 |
| 眷属 | なし(ムコーダに加護) |
キシャールと共にニンリルの前に現れたのが、火の女神アグニです。
ムコーダに適性のある火魔法の加護を与え、当初は甘味を希望しましたが、その脳筋で体育会系な性格から、すぐにビールなどの酒をねだるようになります。
彼女がお酒をねだるようになったことが、戦神と鍛冶神にムコーダの存在がバレる要因を作ってしまいました。
アグニの教会は3番目に信者数が多く、武闘派なシスターが子供たちに槍の訓練を付けているなど、信仰者たちも武闘派であることが伺えます。
ルサールカ(水の女神):スイに加護を与えた美少女女神
| 担当 | 水の女神 |
| 外見 | 美幼女 |
| 性格 | 物静かで理性的だが、毒のある言葉を吐く、計算高い |
| 好物 | お菓子全般(特に洋菓子、ケーキ、アイス)、異世界の食べ物 |
| 眷属 | スイ |
キシャールやアグニと共に現れたのが、水の女神ルサールカです。
大人しさがありつつも、少し毒のある言葉を吐く美少女の風貌をしています。
ムコーダに適性がなかったため、スイに加護を与え、そこからお供えをもらえるようにした、ある意味で非常に強かな神様です。
スイの観察を密かな楽しみとしています。
彼女の教会は2番目に信者数が多く、計算の授業をしている様子が見られるなど、彼女の理性的で計算高い一面が反映されているのかもしれません。
ヴァハグン(戦神):好戦的な兄貴肌の男神
| 担当 | 戦神 |
| 外見 | 精悍で大柄な男性(筋肉隆々) |
| 性格 | 気前のいい兄貴肌、好戦的 |
| 好物 | お酒(特に度数の高いウィスキーなど) |
| 眷属 | フェル、ドラちゃん |
アグニの酒の匂いを嗅ぎつけて、鍛冶神ヘファイストスと共に登場したのが、戦神ヴァハグンです。
ムコーダに適性がなかったため、従魔のドラちゃんに加護を与えました。
気前のいい兄貴肌で筋肉隆々の好戦的な神様ですが、ドラちゃんの名前をからかうなど、愉快な一面も持っています。
彼の教会は、信者が集団生活を送り、強さを求めて日々切磋琢磨する、教会というよりも修行場のような場所です。
鍛冶神と予算を合算し、ウィスキーなどの度数の高い酒をお供えとして楽しんでいます。
ヘファイストス(鍛冶神):酒好きで面倒見の良い鍛冶の男神
| 担当 | 鍛冶神 |
| 外見 | 恰幅の良いオヤジ(ドワーフのような小柄で筋肉質の老人) |
| 性格 | ガサツだが面倒見が良い、父親のような側面 |
| 好物 | お酒(特にアルコール度数が高い物) |
| 眷属 | スイ |
ヴァハグンと共に登場したのが、鍛冶神ヘファイストスです。
ドラゴンの解体作業中に、ムコーダがギルド所有のミスリル短剣を折ってしまった一件をきっかけに、ムコーダに適性がないため従魔のスイに加護を与えました。
見た目は恰幅の良いオヤジですが、ガサツながらも面倒見の良い、父親のような性格が垣間見えます。
彼の教会は、鍛冶場と見間違うほどでドワーフが多く集まり、お布施が武器の購入というユニークな形です。
ヴァハグンと共に度数の高いお酒を好んでおり、ムコーダに「対アンデッド用の国宝級魔道具『聖刻印』」を与えるなど、協力的な姿勢を見せています。
デミウルゴス(創造神):日本酒好きの最上神とムコーダへの加護
| 担当 | 創造神(最上神) |
| 外見 | 不明 |
| 性格 | 優しくておちゃめ、思慮深い、日本酒が好き |
| 好物 | 日本酒、梅酒、おつまみセット |
| 眷属 | なし(ムコーダに加護) |
先に述べた6柱の神々がムコーダからの供物を受け取るために暴走した際に、それを諫める形で登場したのが、ムコーダが召喚された世界を司る創造神デミウルゴスです。
ムコーダに対し、召喚に巻き込んだことを謝罪し、とても優しくておちゃめな一面を持つ神様です。
地球の神と知己であるため、日本酒が好物であり、ムコーダから内密に日本酒とおつまみセットのお供えを定期的に受け取っています。
その代償として、ムコーダに加護「小」を与えて寿命を大幅に延ばしたり、召喚勇者たちのその後を教えたりするなど、ムコーダの異世界生活に最も深く関わる神様と言えます。
ムコーダ一行を取り巻く主要人物と冒険者たち
ムコーダの旅の安全と平穏は、彼を取り巻く様々な人々によって支えられています。
ここでは、ムコーダのビジネスパートナーやギルドマスターたち、そして異世界のシステムに巻き込まれた勇者たちの運命についても触れていきましょう。
レイセヘル王国に召喚された勇者たちとその後の運命
ムコーダと共に召喚された勇者たち、カイト、カノン、リオの3人は、レイセヘル王国の他国侵略のための戦力として呼び出されました。
当初はチートスキルに浮かれていた彼らですが、王国の企みに気づき、過酷な運命を辿ることになります。
勇者カイト(斎藤櫂斗)の逃亡と結婚
ジャニーズ系のイケメン高校生であるカイトは、召喚当初、ムコーダのスキルを馬鹿にしていました。
しかし、リオが騎士から渡された「隷属の腕輪」によって豹変したのを見て、王国の策略に気づき、カノンとリオを連れてマルベール王国へ逃亡します。
その後は一介の冒険者として生活を送りますが、カノンとリオと結婚するという、ある意味でムコーダ以上のハーレム展開を築きました。
勇者カノン(大野花音)とリオ(吉田莉緒)のその後
長髪のスレンダーな美少女高校生であるカノンも、カイトと共に王国の策略から逃れ、マルベール王国でカイトと結婚しました。
アイドル系の小柄な美少女高校生であるリオは、「隷属の腕輪」により一度は自我を失いますが、魔物の襲撃で片腕と腕輪を同時に失ったことで自我を取り戻します。
後にダンジョンで手に入れた「劣化エリクサー」(ムコーダがデミウルゴスを通じて譲渡したもの)により片腕を取り戻し、カイトとカノンと共に生活を送り、カイトと結婚しています。
ムコーダとは対照的に過酷な運命を辿った彼らですが、ムコーダのIFストーリーでは、彼の説得を受けエルマン王国へ亡命し、ムコーダを頼り切って生活するという別の未来も描かれています。
各街のギルドマスターたち:ムコーダの活動拠点と協力者
ムコーダの異世界生活を円滑に進める上で、各地のギルドマスターたちは欠かせない存在です。
彼らはムコーダの異常な従魔たちに頭を悩ませつつも、その実力を認め、協力してくれています。
カレーリナ街のギルドマスター:ヴィレムと「神薬毛髪パワー」
カレーリナ街の冒険者ギルドマスターのヴィレムは、元Aランクの冒険者です。
フェンリルを従魔にしたムコーダを見込み、Cランクに昇格させ、滞った討伐依頼を要請するなど、ムコーダの良き理解者として協力しています。
彼もまた、ムコーダが卸した「神薬毛髪パワー」により薄毛が劇的に改善した一人であり、その効果は領主のラングリッジ伯爵にも波及し、貴族間の話題になるほどでした。
ドラン街のギルドマスター:エルランド(ドラゴン狂いのエルフ)
ダンジョン都市ドラン街の冒険者ギルドマスターのエルランドは、元Sランクのエルフです。
ムコーダが固有スキルを明かした数少ない人物の一人であり、極度のドラゴン狂いで知られています。
ムコーダの従魔となったドラちゃんに夢中で、その生態を見極めるべくべったりと観察するなど、その行動はしばしば暴走し、部下のウゴールを苦労させています。
古竜ゴン爺が従魔になったと聞くや、勝手に辞表を出してムコーダの家に押し掛けるなど、そのドラゴン愛は常軌を逸しており、後にウゴールに捕縛され減俸処分を受けることになります。
ムコーダの奴隷たち(ムコーダ邸の従業員)とその役割
ムコーダはカレーリナで豪邸を購入し、その管理とランベルト商会に卸す商品の詰め替え作業を任せるため、奴隷を購入しました。
ムコーダ本人は彼らを「従業員」として雇っているつもりで、現地人から見れば破格の待遇を与えています。
警護組リーダーのタバサ(元Bランク冒険者、虎の獣人)、ドワーフのバルテル(最年長で元Bランク冒険者)、双子の虎の獣人であるルークとアーヴィン、巨人族の先祖返りであるペーター、元農民のアルバン家、元果実農家で後にエリクサーで病が治ったトニ家などがいます。
後に、狩りに行った島で出会ったハイエルフの夫婦3組、ヨルゲン、アデラ、ヴェルデ、セルマ、ラドミール、ラウラも、フェルたちに解体技術を買われてムコーダ邸に加わりました。
異世界を渡り歩いた先駆者:賢者カズ(松本和希)
ムコーダ以外にも、異世界に召喚された日本人がいます。
それが、ムコーダが過ごしていた地球での2年前に、アスタフィエフ王国に召喚された賢者カズ(松本和希)です。
彼はムコーダと同じく召喚国に疑心を抱き、自らステータスを書き換えて王国を脱出しました。
固有スキル「深遠」により、あらゆる魔法を短時間で学び習得し、魔族大陸への興味から転移魔法を研究し、魔道具を開発しました。
魔族、巨人族、エルフ族の妻を娶り大往生を遂げ、晩年に「自叙伝」と「転移魔道具」を未来の同胞に遺し、これがムコーダの手に渡ることになります。
ムコーダが異世界で安心して暮らせるきっかけを作った、もう一人の異世界人として、物語の重要なファクターとなっています。
冒険者パーティ一覧:ムコーダ一行との関わり
ムコーダ一行は、その規格外の強さゆえに、他の冒険者パーティとの関わりは限定的ですが、時に共闘し、時に情報交換を行うことで、異世界での生活を成り立たせています。
【鉄の意志(アイアン・ウィル)】:ムコーダの最初の護衛パーティ
リーダーはヴェルナー、メンバーはヴィンセント、リタ、ラモン、フランカで構成されるCランク(後にBランク)パーティです。
ムコーダがレイセヘル王国を脱出する際に護衛を依頼したパーティであり、ムコーダとフェルの従魔契約に立ち会い、一時的に旅を共にしました。
ムコーダの人柄と料理の腕に感銘を受け、ムコーダに冒険者ギルドの登録を勧めるなど、ムコーダの異世界生活の基盤を作った恩人たちです。
【不死鳥(フェニックス)】と【嵐(テンペスト)】
【不死鳥】は、リーダーのラーシュを筆頭に、シードル、ヘンク、アロイス、セサルで構成されるCランクパーティです。
ムコーダ一行に盗賊の襲撃から救われ、後にSランクに昇格したムコーダと再会しています。
【嵐】は、リーダーのジェロームを筆頭に、シリル、ジュリオ、ダミアン、フランシスカで構成されるAランクパーティです。
ドランダンジョンでダミアンが瀕死の重傷を負った際にムコーダから上級ポーションを購入し、情報を交換するなど、ムコーダ一行と関わりを持ちました。
【影の戦士(シャドウウォーリア)】と【箱舟(アーク)】
【影の戦士】は、リーダーのアロンツォを筆頭に、クレメント、マチアス、アーネストで構成されるBランクパーティです。
メンバー全員が強面という特徴がありますが、中身はまともな冒険者集団であり、ネイホフでのオークの集落殲滅依頼をムコーダたちと共にしたことがあります。
【箱舟】は、リーダーのガウディーノを筆頭に、ギディオン、シーグヴァルド(ドワーフ)、フェオドラ(エルフ)で構成されるAランクパーティです。
エイヴリングダンジョンでムコーダたちと出会い、料理をごちそうしてもらった縁で、お礼にブリクストのダンジョン転移石を贈るなど、親交を深めています。
特にフェオドラは、ムコーダの料理の虜になり、食事目当てで部屋に押しかけるほどの食い意地を見せていますが、彼女には5人の子供と孫がいるため、ムコーダは早々に恋愛対象から諦めています。
異世界のシステム:ギルドとスキル、その他用語
ムコーダが活動する異世界には、彼らを取り巻く独自のシステムが存在します。
ここでは、作品を理解する上で重要な用語や設定について詳しく見ていきましょう。
召喚勇者と「固有スキル」の特別な能力
召喚勇者は、古の儀式により異世界から呼び出された人間を指し、ムコーダのように巻き込まれる形で召喚される者もいます。
召喚された者は、職業に関係なく「アイテムボックス」と「鑑定」スキル、そして異世界言語の理解能力が備わります。
また、ムコーダの「ネットスーパー」や賢者カズの「深遠」のように、個人限定のユニークな能力を固有スキルとして持つ者がいます。
召喚の儀式は時空に無理な歪みを生じさせる禁忌であり、元の世界に送り返すのは危険性が高いため不可能とされています。
冒険者ギルドと商人ギルドのランク制度
ムコーダが所属する冒険者ギルドと商人ギルドは、国境を越えた組織であり、登録者は各国や各街への入国・入街税が軽減または免除されるメリットがあります。
冒険者ランクはGからSまでの8段階があり、ムコーダのように従魔の力でSランクまで異例のスピードで昇格するケースは極めて稀です。
依頼を失敗した際の違約金や、一定期間依頼を受けないと登録が抹消されるなどの厳しいルールも存在します。
商人ギルドのランクは、アイアンからミスリルまでの5段階があり、ムコーダは最低限の商取引ができるアイアンランクです。
寿命と種族:加護によるムコーダの変化
ムコーダは、創造神デミウルゴスの加護「小」を与えられた影響で、種族が「一応人」へと変化しました。
デミウルゴス曰く、この変化によりムコーダの寿命は大幅に延びており、少し長生きなハイエルフほどになっているとのことです。
神々の加護は、病などの一部状態異常にかからなくなるなどの効果がありますが、ムコーダのように複数の加護を合わせ持つことで、その効果は通常の加護と同程度にまで強化されています。
まとめ
「とんでもスキルで異世界放浪メシ」は、ムコーダの作る美食を軸に、最強の従魔たちと愉快な神々が織りなす異世界グルメファンタジーです。
従魔カルテットは、フェンリルのフェル、特殊個体スライムのスイ、ピクシードラゴンのドラちゃん、そして古竜のゴン爺という、一匹で国を滅ぼせるレベルの魔獣ばかりが集結しています。
そして、神界からは、風の女神ニンリル、土の女神キシャール、火の女神アグニ、水の女神ルサールカの四大女神に加え、戦神ヴァハグン、鍛冶神ヘファイストス、そして最上神デミウルゴスの7柱が、お供え目当てでムコーダに関与し続けています。
ムコーダは、彼らの胃袋を満たすために異世界を奔走し、その結果、本人の意図とは裏腹にSランク冒険者へと昇り詰めてしまいました。
従魔たちの好物や、神様たちの貢物要求に応えるムコーダの苦労は絶えませんが、彼らに助けられ、守られているのも事実です。
今後、ゴン爺との仮契約がどうなるのか、そしてムコーダの「孤独の料理人」としての旅がどこへ向かうのか、ますます目が離せない作品です。
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