
『ONE PIECE(ワンピース)』の物語は、処刑直前に「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」の存在を宣言した伝説の海賊王、ゴールド・ロジャーの言葉から幕を開けました。
しかし、その偉大なる航路を制覇したロジャーが、実は不治の病に冒されており、自らの「寿命(おわり)」を知った上で最後の航海に出ていたという衝撃の事実が、物語の回想編で明らかになりました。
なぜ、ロジャーは自分の寿命を正確に知っていたのでしょうか。
そして、彼が患っていたという不治の病は、単なる病気ではなく、Dの一族や悪魔の実、さらには世界の王イム様の存在と深く関わる、世界を揺るがす秘密なのではないか、と多くの読者は考察しています。
さらに、主人公モンキー・D・ルフィもまた、これまでの激しい戦いやインペルダウンでの治療で、ロジャーと同じように寿命を削っていることが示唆されており、ルフィもロジャーと同じ病気にかかるのではないかという可能性が囁かれています。
この記事では、ロジャーの不治の病の正体と寿命の謎に迫り、ルフィとの運命的な共通点について、ファン考察をもとに徹底的に掘り下げていきます。
ロジャーの不治の病と寿命の謎に迫る
まずは、物語の起点であり、すべてを手に入れた男と呼ばれるゴールド・ロジャーの基本情報と、彼が抱えていたとされる「不治の病」について深く見ていきましょう。
ロジャーとは?「海賊王」の伝説とプロフィール
ゴールド・ロジャー、本名ゴール・D・ロジャーは、「この世のすべてを手に入れた男」として、大海賊時代を築いた伝説の海賊王です。
ロジャー海賊団を率い、歴史上ただ一人、偉大なる航路(グランドライン)を制覇し、最後の島「ラフテル」に到達しました。
彼の航海は、世界に大きな影響を与え、処刑後に放った「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ!この世の全てをそこに置いてきた!」という言葉は、すべての海賊を海へ駆り立てる原動力となりました。
彼は覇王色、武装色、見聞色のすべての覇気を極めており、悪魔の実の能力を持たないにも関わらず、その戦闘力は白ひげと互角に渡り合う世界最強クラスでした。
家族には妻のポートガス・D・ルージュと、処刑後に生まれた息子ポートガス・D・エースがいます。
| 本名 | ゴール・D・ロジャー |
| 異名 | 海賊王 |
| 海賊団 | ロジャー海賊団 |
| 船 | オーロ・ジャクソン号 |
| 懸賞金 | 55億6480万ベリー |
| 覇気 | 覇王色、見聞色、武装色 |
| 最期 | 24年前、故郷のローグタウンで処刑 |
ちなみに、ロジャーはルフィと同じく、「万物の声を聞く」という特殊な能力を備えていました。
この能力は、彼が最後の島「ラフテル」に到達し、世界の秘密を知る上で、決定的な役割を果たしたと考えられています。
ロジャーは不治の病で寿命を知っていた?「終わり」を悟った理由
ロジャーが自身の「寿命(おわり)が近い」と発言したのは、ワノ国過去編(漫画965話)で、白ひげと再会した時のことです。
海兵たちとの戦いを終えた直後にも関わらず、ロジャーは白ひげとのバトルを望み、「次に会うのは最後になるかもしれない」と、自らの残り時間がわずかであることを悟っている様子を見せました。
ロジャーが寿命を知っていた理由は、この数年前に不治の病を患っていたためです。
この病気は、世界一の名医をもってしても治すことができず、ロジャー海賊団の船医クロッカスが症状を和らげることしかできませんでした。
クロッカスはロジャーに対し「持ってあと一年」と余命を告げていましたが、ロジャーはそこから2年間も生き延び、偉大なる航路の制覇を果たしました。
結果として、ロジャーは病死ではなく、故郷ローグタウンでの処刑によってその生涯を終えることになります。これは、クロッカスの医学的知識の優秀さ、あるいはロジャー自身の強靭な肉体と精神力の賜物と言えるでしょう。
不治の病の正体は?「呪い」やイム様との関係を考察
ロジャーが患っていた不治の病の具体的な症状や病名は、作中では明らかにされていません。
ロジャーの強靭な肉体と精神力を考えると、普通の病気ではなかったと考えるのが自然です。
そこで、ファン考察の中で有力視されているのが、以下の説です。
1. 「呪い」説
ロジャー海賊団の中でロジャーだけが発症していることから、ロジャー個人にのみ作用する特殊な「呪い」ではないかという見方があります。
この「呪い」は、世界の均衡を乱す者、あるいは特定の血筋(Dの一族など)を標的とするものであり、古代の秘密や空白の100年の真実に関わる可能性が指摘されています。
2. 「Dの一族」の宿命説
ロジャーがDの意志を持つ者であることから、Dの一族には、「短命」という宿命や、「特定の時期に発症する病気」という「神の裁き」のようなものが科せられているのではないかという説です。
この説が正しければ、同じDの名を持つルフィも、いずれ同じ病気を発症する可能性があるということになります。
3. イム様との関係説
ロジャーは、象主(ズニーシャ)や海王類の声を聞くことができる「万物の声を聞く」能力を備えていました。
この能力によって、ロジャーが世界政府の最高権力者であるイム様の思考や存在、あるいは歴史から抹消すべき人物を決める力を偶然にも読み取ってしまったのではないか、という考察があります。
世界の均衡を乱す存在であるロジャーは、イム様にとっては「消してしまいたい人物」の候補であり、イム様がロジャーの寿命に関する「世界の理(ことわり)」のようなものを感知させた、あるいは「病気」という形で影響を与えたのではないか、という見方もあります。
この説は、ロジャーの病が単なる医学的な病ではなく、「世界の根幹に関わる超自然的な力」によるものであった可能性を示唆しています。
ロジャーと同じ病気にルフィも罹っている?その可能性を考察
ロジャーの不治の病の正体は謎に包まれていますが、多くの読者が注目するのは、主人公ルフィがロジャーと同じ運命を辿るのではないかという点です。
ルフィもDの名を持ち、ロジャーと同じく「万物の声を聞く」能力(海王類の声を聞くなど)の片鱗を見せています。これらの共通点から、ルフィにも病気の可能性が囁かれています。
考察①ルフィもロジャーと同じ不治の病?過去の病歴から検証
ルフィがロジャーと同じ不治の病を患っている可能性については、現時点では「低い」と考えるのが妥当です。
グランドラインのリトルガーデンに上陸した際、ナミが「病気」で苦しむ姿を見たルフィは「病気というものはそんなにつらいのか?」という言葉を口にしています。
この発言から、ルフィは幼いころから大きな病気にかかった経験がないと推測され、先天的な病気を抱えている可能性は低いと見られています。
しかし、ロジャーの病気が「ある程度の年齢になってから発症した」(ワノ国過去編の時期)という事実があるため、ルフィも今後の物語の展開の中で、何らかの形で病を発症する可能性は否定できません。
ロジャーの病気が「Dの意志を持つ者」に課せられた「寿命」という名の呪いであるならば、ルフィもその運命から逃れることはできない、という見方も根強く存在します。
考察②ロジャーもルフィと同じゴムゴムの実の能力者?悪魔の実との関連性
ロジャーの病気の原因が、ルフィが食べたゴムゴムの実(後のヒトヒトの実 幻獣種 モデル「ニカ」と判明)と関係しているのではないか、という考察も過去にありました。
ロジャー海賊団の見習いだったシャンクスが、かつてゴムゴムの実を持っていたことから、「その元の持ち主はロジャーだったのではないか?」という推測が生まれたのです。
この説が正しければ、ゴムゴムの実(ニカの能力)には「寿命を削る」という副作用があり、ロジャーの病気もそれが原因であった、という説明が可能になります。
しかし、この説はカイドウの「ロジャーは能力者じゃなかった」という発言や、ルフィがゴム人間としての能力を見せた際に、ロジャーと行動を共にしていたバギーやレイリーが特に反応を示さなかった点から、否定される結果となりました。
ロジャーは悪魔の実の能力者ではなかったため、不治の病とゴムゴムの実(ニカの能力)の直接的な因果関係は不明のままです。
ただし、ニカの能力は「想像力」と「解放のドラム」によって強大な力を発揮しますが、その代償として使用者に過度な身体的負担をかける可能性は、今後の考察の余地を残しています。
考察③ルフィがこれまでの身体への負荷や痛み:ダメージの蓄積
ルフィは不治の病ではないとしても、これまでの冒険や戦いの中で、ロジャーの病気に匹敵するほどの「身体的な負荷」を負ってきました。
特に壮絶だったのは、スリラーバーク編での王下七武海バーソロミュー・くまとの対峙です。
くまは、激戦を終えて気絶したルフィが受けた「すべての苦痛と疲労」を、肉球の能力で実体化させました。
ルフィの代わりにその痛みを引き受けたロロノア・ゾロは、自身も満身創痍であったにも関わらず、その壮絶な痛みに耐え抜き、死の寸前まで追い込まれました。
これは、ルフィの体が常人では考えられないほどのダメージを「ストック」していることを示しています。
ルフィのゴムゴムの実(ニカの能力)は、その特性上、ダメージを一時的に凌駕できるかもしれませんが、その代償は体内に蓄積されていると考えるのが自然です。
この「ダメージの蓄積」が、将来的にロジャーの不治の病のような、不可逆的な症状として発症するのではないかという懸念は、常に読者の中に存在しています。
考察④ルフィがインペルダウンで受けた猛毒:寿命を削る治療
ルフィの身体への最大の負荷の一つは、マリンフォード頂上戦争前のインペルダウン潜入時に受けたものです。
ルフィは、署長マゼランの「ドクドクの実」の猛毒を全身に浴び、生命の危機に瀕しました。
この時、革命軍幹部エンポリオ・イワンコフの「ホルホルの実」による奇跡の治療によって回復しましたが、この治療は「想像をはるかに超える苦痛」を伴うものであり、さらにルフィの「10年分の寿命」を差し出すことになったとされています。
このエピソードは、ルフィが自らの命(寿命)を削って戦っているという事実を、物語の中で明確に示しました。
ロジャーが「寿命」という運命と戦ったように、ルフィもまた、自らの肉体の限界と不可逆的なダメージという名の「寿命」と向き合わざるを得ない状況にあるのです。
考察⑤ルフィの不治の病を治すのはチョッパー?万能薬の夢
もしルフィが今後、ロジャーと同じような不治の病、あるいは蓄積されたダメージによる重篤な症状を発症した場合、その治療を担うのは、麦わらの一味の船医トニートニー・チョッパーだと考えられています。
チョッパーは、「万能薬になる」という大きな夢を掲げており、どのような病気でも治せる医者になることを目指しています。
ワノ国編の兎丼では、百獣海賊団の大看板クイーンが作った最強の細菌兵器「氷鬼」に感染した者たちを、優れた医師としての能力をフルに発揮し、見事に治療し、無効化に成功しました。
クイーンが「最高の出来」と自負するほどの毒性の強い細菌兵器を克服した実績は、チョッパーの医学的才能が、すでに世界トップクラスに到達していることを示しています。
ロジャーを助けることができなかったクロッカスの名誉をかけても、「Dの意志を継ぐ者」であるルフィの命を救うのは、チョッパーの「万能薬」の夢が成就する集大成の瞬間となるのではないか、と多くの読者が期待しています。
ロジャーは今も生きている?生存説を考察
ロジャーは処刑されたという事実がありますが、その偉大な存在感や作中での謎めいた描写から、「実は生きているのではないか?」という生存説も根強く囁かれています。
ここでは、ロジャーの生存説を裏付ける可能性のある要素を考察します。
ロジャーの年齢に関する作者の気になる発言:SBSでの謎めいた回答
ロジャーの生存説が生まれたきっかけの一つに、コミック82巻のSBS(質問コーナー)における作者尾田栄一郎の回答があります。
読者からのシルバーズ・レイリーの年齢に関する質問に対し、作者は「レイリーは78歳」と答え、続けて「ロジャーは77歳、センゴクは79歳、ガープは78歳、おつるは76歳」と、当時生存しているキャラクターと共に、処刑されたはずのロジャーの年齢も明らかにしました。
この時、作者は「生きているなら」という言葉を一切使わなかったため、ロジャーが「物理的な肉体はなくても、何らかの形で存在し続けている」のではないか、という憶測が広がる原因となりました。
この回答は、ロジャーが単なる「過去の人物」ではなく、「現在の物語にも影響を与え続けている存在」であることを示唆していると考えることができます。
ロジャーは現在も生存している?魂が宿るラフテル説
ロジャーの身体は故郷ローグタウンで処刑されましたが、「ロジャーの魂は今でも生き続けている」という説があります。
ロジャーの魂が宿っている場所として最も有力視されているのが、彼が到達した偉大なる航路の終着点「ラフテル」です。
ロジャーはラフテルでジョイボーイや空白の100年の真実を知り、涙が出るほど笑い、その島を「ラフテル(笑い話)」と名付けました。
彼の「万物の声を聞く」能力やDの意志、そして「ワンピース」という秘宝の正体に関わる何らかの力によって、ロジャーの「魂」や「意識」がラフテルに残り、「いつか、Dの意志を継ぐ者がたどり着くのを待っている」のではないかという見方があります。
そして、ルフィがラフテルに到達した際、ロジャーの魂によって「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」の全貌、あるいはジョイボーイの真実が語り継がれるのではないか、と多くのファンは予想しています。
この説は、物語の核心にロジャーが関わり続け、「意志は受け継がれる」というテーマを補強するものとして、非常に大きな意味を持っています。
ロジャーに関する感想や評価:「ラフテル」や白ひげとのバトルへの読者の反応
ロジャーは作中の登場回数が少ないにも関わらず、読者から絶大な人気を誇っています。
その魅力は、彼の圧倒的なカリスマ性と、ロマンスに満ちた生き様にあります。
特に読者の間で感動的なシーンとして語り継がれているのが、ラフテルに到達した際の描写です。
ロジャーが「ラフテル」と叫び、涙が出るほど大笑いするシーンは、「感動シーンでもなんでもないのに感動してしまう不思議」という感想に見られるように、ロマンと自由を追い求めた彼の生き様の「ゴール」が結実した瞬間に、読者が心を揺さぶられたことを示しています。
また、アニメで描かれた白ひげとのバトルシーンも、「本誌で見た時まじで震えた」という感想が寄せられるほど、大きな反響を呼びました。
互角の強さを誇る二人のレジェンドが、「次が最後かもしれない」という運命を背負いながら、心から再会を喜び、拳を交わす姿は、友情と強さの極致を描き、ロジャーの魅力を決定づけるものとなりました。
まとめ
海賊王ゴールド・ロジャーが患っていた不治の病は、彼の偉大な航海を制限しつつも、「寿命(おわり)が近い」という運命を知った上での「最後の冒険」という壮絶なロマンスを完成させました。
病気の正体は不明ですが、「Dの一族の宿命」や「イム様との関係」といった、世界の根幹に関わる秘密が隠されている可能性が濃厚です。
主人公ルフィもまた、「インペルダウンでの寿命を削る治療」や「数々の戦いによる身体への負荷」という形で、ロジャーと同じく「命を削る戦い」の中に身を置いています。
この運命的な共通点は、ルフィの物語がロジャーの遺志を継ぐだけでなく、同じ「寿命」という壁に直面する可能性を示唆しています。
しかし、麦わらの一味には「万能薬になる」という夢を抱く船医チョッパーがおり、もしルフィが病に倒れるようなことがあっても、ロジャーの時とは違う未来を切り開いてくれるだろうという希望があります。
ロジャーの「魂」は処刑された今もなお、ラフテルで生き続けているという生存説も、物語の核心にロジャーが関わり続ける可能性を示しており、彼の存在は物語の最後までキーパーソンであり続けるでしょう。
ロジャーが残した「ひとつなぎの大秘宝」の正体が明かされる時、彼の不治の病の真実もまた、明らかになる日が来るかもしれません。
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