異世界ダークファンタジーの傑作『オーバーロード』。
主人公アインズ・ウール・ゴウンが転移した世界には、約200年前に世界を救ったとされる「十三英雄」の伝説が存在します。
彼らは、悪魔の王「魔人」から世界を救った英雄として、現代においてはおとぎ話のように語り継がれていますが、その実態は謎に包まれた部分が多く残されています。
本記事では、この十三英雄にまつわる設定やメンバー、活躍といった情報を徹底的に深掘りし、リーダーの「リク」の正体や、イビルアイ、白銀の竜王といった主要メンバーの強さを考察していきます。
十三英雄の存在は、アインズが転移したこの世界の過去のプレイヤーやワールドアイテムの歴史と深く関わっており、彼らを知ることで、作品の奥深さをさらに楽しむことができるでしょう。
オーバーロードの概要と「十三英雄」とは何か
まずは、十三英雄が登場する『オーバーロード』という作品の基本情報と、彼らがこの世界でどのような存在として認識されているのかを確認しましょう。
オーバーロードの作品概要とあらすじ
十三英雄が登場するオーバーロードは、丸山くがねが生み出したライトノベル作品です。
「剣と魔法」の世界を舞台にした重厚なファンタジー物語であり、小説投稿サイトでの連載から始まり、大ヒット作となりました。
テレビアニメや漫画、スマホゲームなど、多岐にわたるメディアミックスが展開されています。
ウェブ版と書籍版では、世界観や基本設定は同じであるものの、物語の流れや一部のキャラクター設定が異なっているため、両方を楽しむ読者も多いです。
物語は、長年愛され続けたVRMMORPG「ユグドラシル」のサービス終了を迎えるところから始まります。
プレイヤーのモモンガは、強制ログアウト状態にならず、気が付くと自分自身がゲーム内の骸骨の姿をしたキャラクター、「アインズ・ウール・ゴウン」となり、異世界に転移していました。
この世界で、アインズはギルド本拠地「ナザリック地下大墳墓」のNPCたちを従え、魔導王として活動を開始します。
十三英雄とは過去に活躍した英雄達
十三英雄とは、アインズが転移する約200年前にこの世界に降臨し、活躍した英雄達のことを指します。
| 時代 | 約200年前 |
| 通称 | リーダーを筆頭とする英雄達 |
| 実態 | 実際は13人以上が存在していた |
| 伝承 | 転移後の世界ではおとぎ話として語り継がれる |
彼らは、この世界の住民からは「神話的な存在」として認識されていますが、実際はリーダーを筆頭に13人以上が存在していました。
特筆すべきは、十三英雄の中には人間以外の種族も存在していたという事実です。
しかし、人間を重視する者たちの手によって、英雄譚の中には、人間以外の英雄の名前は意図的に挙げられていないという歴史の改ざんがなされています。
これは、この世界の種族間の対立と、人間中心の思想が根強いことを示唆しており、物語の背景を深く理解する上での重要なポイントです。
十三英雄の主な活躍：魔人の討伐と神竜との戦い
十三英雄の最も大きな功績は、世界を滅ぼそうとしていた悪魔の王「魔人」とその配下の悪魔たちとの戦いです。
この戦いは、種族の垣根を越えたものであり、人間以外の種族も多数参加していたとされます。
最終的に、十三英雄は天界から9体の女神を降臨させて魔人を滅ぼした（封印した）といわれており、この「女神降臨」のエピソードは、彼らがユグドラシルに由来する強力な力を持っていたことを示唆しています。
また、魔人との戦いの後、彼らは「神竜」との戦いに挑み、冒険を終えますが、この戦いの結果がどうなったのかは、生き残ったメンバーが語ることを拒否したため、不明のままとなっています。
この戦いの傷跡を残した場所は、現在もこの世界に存在しており、彼らの偉業が単なる御伽噺ではないことを証明しています。
読者の中には、この「神竜」がアインズが持つワールドアイテムの力を超える存在であった可能性や、彼らがこの世界から去るための何らかの儀式であった可能性を考察する見方もあります。
十三英雄のメンバーと「リク」の正体考察
十三英雄のメンバーには、後の時代にまで影響を与える重要なキャラクターが含まれています。
ここでは、判明しているメンバーの詳細と、リーダー「リク」の正体に関する考察を深めていきます。
十三英雄のリーダー
十三英雄のリーダーは、約200年前に降臨したプレイヤーだった可能性が非常に高い人物です。
| 属性 | プレイヤー（可能性が高い） |
| 性別 | 男性 |
| 特徴 | 凡人から最強へ成長、蘇生を拒否 |
| 偽名 | リク・アガネイア（ツアーが使用） |
イビルアイの証言によると、リーダーは当初は凡人であり、メンバーの中でも最弱であったそうですが、剣を振るい続けるうちに、誰よりも強い最強の英雄へと成長しました。
しかし、共に歩んできた同胞を殺してしまったことに強いショックを受け、亡くなった際には、自身の蘇生を拒否したとされています。
この「蘇生拒否」のエピソードは、彼が単なるゲームプレイヤーではなく、異世界転移後に人間らしい感情を持っていたことを示しており、読者の間で胸が熱くなるという感想を呼びました。
書籍版14巻にて、白金の竜王（ツアー）が偽名として名乗った「リク・アガネイア」という名前は、この十三英雄のリーダーの名前である可能性が非常に高いと考察されています。
リーダーは、ゲーム終了を聞きつけて最後にモモンガ（アインズ）に会いに来たタチのようなプレイヤーではないか、という胸熱なファン考察も存在します。
十三英雄のメンバー：イビルアイ
十三英雄のメンバーとして、現代にも登場し、アインズの物語にも深く関わるのがイビルアイです。
| 異名 | ヴァンパイアプリンセス（吸血姫）、「国堕とし」 |
| 種族 | ヴァンパイア |
| 所属 | アダマンタイト級冒険者チーム「蒼の薔薇」メンバー |
| 年齢 | 250年以上の時を生きる |
彼女は、「ヴァンパイアプリンセス（吸血姫）」や「国堕とし」という恐ろしい異名を持ち、250年もの時を生きるアンデッドです。
現在は、最強クラスの冒険者チームである「蒼の薔薇」のメンバーとして活躍しています。
冒険譚においては十三英雄が魔人を滅ぼしたとされていますが、イビルアイは実際に魔人と共に戦ったという、伝承とは異なる真実を知る人物です。
この設定は、彼女が伝承の裏側にある世界の真実を知るキーパーソンであることを示唆しており、読者からは彼女の口から語られる真実に期待する声が多く上がっています。
十三英雄のメンバー：リグリット・ベルスー・カウラウ
十三英雄のメンバーであり、イビルアイと深い関わりを持つのがリグリット・ベルスー・カウラウです。
| 異名 | 死者使い |
| 種族 | 人間（250歳以上） |
| 職業 | ネクロマンサー（推測） |
| 活躍 | 魔人討伐後に冒険者として活躍、蒼の薔薇に一時期所属 |
彼女もまた、250歳を超えて生きる人間の女性であり、「死者使い」という異名から、ネクロマンサーの職業を取得している可能性が高いと考察されています。
魔人を討伐してから170年後に冒険者となり活躍し、一時期は「蒼の薔薇」にも所属していました。
蒼の薔薇を脱退する際には、彼女より高レベルとされるイビルアイと戦い勝利し、イビルアイを自分の後任としたという実績を残しています。
現在、彼女は引退して世界を旅していますが、ユグドラシルのアイテムやギルド武器に匹敵する力を持つアイテムの情報を収集する依頼を、ツアーから受けています。
これは、リグリットがプレイヤーの遺産に関わる重要な役割を担っていることを示しており、物語の核心に迫るキーパーソンの一人として注目されています。
十三英雄のメンバー：白銀の竜王（ツァインドルクス=ヴァイシオン）
十三英雄の「白銀」の正体は、この世界に存在する竜王（ドラゴンロード）の一体、ツァインドルクス=ヴァイシオンです。
| 通称 | 白銀 |
| 正体 | 竜王（ドラゴンロード）ツァインドルクス=ヴァイシオン |
| 特徴 | 空の鎧を遠隔操作して十三英雄と共に行動 |
| 物語 | 原作14巻でアインズと相対する |
彼は、本体ではなく「空の鎧」を遠隔操作して十三英雄と共に行動していたという、特殊な参加形態をとっていました。
この「空の鎧」は、ツアーという偽名で行動しており、ナザリックのシャルティアとも遭遇・交戦しています。
白銀の竜王は、プレイヤーとの関わりや、この世界の世界観の根幹に関わる存在であり、原作14巻でアインズと直接相対することになります。
彼の存在は、十三英雄がプレイヤーとこの世界の原住民の連合であったことを示しており、竜王がプレイヤーの技術を利用していた可能性など、多くの考察を生んでいます。
十三英雄のメンバー：イジャニーヤと暗黒騎士
その他のメンバーにも、興味深い設定を持つ人物が多く存在します。
| イジャニーヤ | 暗殺者の男性。「老人」とも。ドラゴンの魔法的感覚器官を潜り抜ける能力を持つ。暗殺者集団「イジャニーヤ」の祖。 |
| 暗黒騎士 | 悪魔との混血児。四大暗黒剣の一つ「魔剣キリネイラム」の元所有者。キリネイラムは現在ラキュースが所有。 |
イジャニーヤは、暗殺者の男性で、ドラゴンの魔法的感覚器官を潜り抜ける能力を持っていました。
これは、彼が竜王たちを警戒する、あるいは彼らの間を潜り抜けるために必要な能力であったと推測されます。
暗黒騎士は、悪魔との混血児という出自を持ち、四大暗黒剣の一つである「魔剣キリネイラム」の元所有者です。
キリネイラムは現在、イビルアイの所属する「蒼の薔薇」のリーダー、ラキュースが所有しており、十三英雄の遺した武器が、現在の世界にも強力な影響を与えていることがわかります。
十三英雄のその他メンバー
英雄譚には名前が挙がっていますが、詳細が不明なメンバーも存在します。
| 暗黒邪道師 | 詳細不明 |
| 魔法剣士 | 詳細不明 |
| 聖魔術師 | 詳細不明 |
| 大神官 | 詳細不明 |
| 魔法工 | ルーン工王と同一人物である可能性が高い |
| 祖たるエルフの特徴を持った者 | エルフ王家の者 |
| エアジャイアントの戦士長 | 旋風の斧を振るいし戦士 |
この中で、魔法工はルーン工王と同一人物である可能性が高いとされており、彼が残したルーン技術が、アインズの魔導国でも重要な技術として再評価されています。
また、祖たるエルフの特徴を持った者やエアジャイアントの戦士長といった、人間以外の種族の名前も挙がっており、十三英雄が真に種族の垣根を越えたチームであったことがわかります。
読者視点では、これらの詳細不明なメンバーの中に、未だ明かされていないプレイヤーや、後の世界の重要人物の祖先が含まれているのではないかという考察が多く、今後の物語での情報開示に期待が高まっています。
十三英雄の強さと「リク」の正体に関する深掘り考察
十三英雄のメンバーの強さは、現代のこの世界においてもトップクラスであり、アインズやナザリックのNPCにも匹敵するレベルに達していたと推測されます。
特に、リグリットと白銀の強さ、そしてリーダーの名前である「リク」について、さらに深く掘り下げて考察します。
考察①リグリット・ベルスー・カウラウの強さ
リグリットは、自分より高レベルと推測されるイビルアイに勝利した実績を持つなど、その強さは当代随一です。
ただし、イビルアイとの戦いでは、イビルアイが本来の力を出していない様子であったため、単純なレベル差以上の戦術や相性、あるいは切り札があったと見る向きもあります。
トップクラスの魔法詠唱者であるフールーダ曰く、リグリットは現在であれば自分と五分程度の強さだそうです。
また、彼女はツアーの知覚能力に察知されずに忍び寄る潜伏能力も有しており、これは彼女がネクロマンサーとしての能力だけでなく、暗殺者や盗賊の技術も持ち合わせていることを示唆しています。
さらに、ガストを20体以上同時に行使できるという事実は、彼女の魔力の高さと死霊魔法の練度が、この世界では規格外であることを証明しています。
考察②白銀（ツアー）の強さ
白銀の竜王が遠隔操作する空の鎧（ツアー）は、アインズと相対した際に、ナザリックの面々からその強さを推測されています。
| パンドラズ・アクターの判断 | レベル90のタンク職 |
| アルベドの判断 | レベル80前後のタンク職 |
| アインズ/シャルティアの判断 | レベル80台レベル中盤 |
このように、判断レベルに差があるのは、相対した際の相性やツアーの戦術が影響していると考察されます。
特に、ツアーはアインズとの戦いで、アインズが影武者であるパンドラズ・アクターだと気づかず、「力の底が見えた！勝てる」と発言したことが、読者からは「やっぱ中ボスの雑魚なんだろうな…」という皮肉な評価を受けました。
しかし、パンドラズ・アクターが擬態先の能力の80%しか出せない状態で、ツアーが勝利したという事実もあり、白銀の鎧自体が屈指の強さを持っていることは確かです。
読者からは、鎧の状態よりも、本体のツァインドルクス=ヴァイシオンとしての戦闘力が圧倒的に高いのではないかという期待と考察が多く寄せられています。
白銀の竜王は、ナザリックの守護者たちとは異なる、異世界固有の最強クラスの存在として、物語において非常に重要な位置づけにあると考えられています。
考察③「リク」はリーダーの名前？
白銀の竜王が操っていた空の鎧「ツアー」が、アインズと相対した際に最後に自身のことを「リク・アガネイア」と名乗りました。
この「リク」という名前が、十三英雄のリーダーの名前である可能性は非常に高いと考察されています。
竜王が、プレイヤーであったとされるリーダーの名前を偽名として使用した理由には、いくつかの見方があります。
一つは、プレイヤーであるアインズに対して、同じプレイヤーであるリーダーの名を名乗ることで、敵意を和らげようとした、あるいは牽制しようとしたというものです。
また、もう一つは、リーダーが竜王たちと深い関わりがあり、その遺志を継いでいることを示すため、という見方もあります。
十三英雄のリーダーが蘇生を拒否したというエピソードと、白銀の竜王がリーダーの名を名乗ったという事実は、十三英雄と竜王たちの間に、複雑で深い関係があったことを示唆しており、物語の核心的な謎の一つとして、ファンの間で熱心に議論されています。
十三英雄が物語に与える影響とファンの考察
十三英雄の存在は、単なる過去の英雄譚ではなく、アインズが転移した後の世界に決定的な影響を与え、ナザリックと対峙する勢力の行動原理となっています。
彼らに関するファンや読者の考察を深く見ていきましょう。
オーバーロードは「知識を入れてから見る」ことでさらに面白くなる
オーバーロードを見た読者からは、「十三英雄とか国の関わりとか色々知識入れてから見るとすごい面白い」「流し見するにはもったいない作品」という感想が多く寄せられています。
これは、十三英雄の背景やプレイヤーの関与といった複雑な情報が、物語の伏線として機能しているためです。
アニメ一回目の視聴時と、設定を深く理解した後の理解度の違いに唖然とするという声もあり、オーバーロードが何度も楽しめる奥深い作品であることを証明しています。
十三英雄のリーダーはプレイヤーなのか？
十三英雄のリーダーがプレイヤーであった可能性については、読者の間で共通の認識となっています。
八欲王、六大神といった、過去にこの世界に影響を与えた存在が全てプレイヤーであるという考察が多いことから、十三英雄のリーダーもまた、ユグドラシルから転移したプレイヤーであると考えるのが自然です。
「エルフの国の王様的存在が恐らくプレイヤーかその子孫である可能性」といった、他の勢力にもプレイヤーの影響が色濃く残っているという考察も、物語の壮大さを物語っています。
特に、「十三英雄のリーダーがゲーム終了を聞きつけて、最後にモモンガさんに会いに来たタチさん説は胸が熱くなる」という考察は、アインズのギルド仲間であった可能性を示唆しており、ファンを熱狂させました。
もしリーダーがプレイヤーであった場合、彼が蘇生を拒否した理由や、彼がこの世界に残した遺産が、今後の物語でどのようにアインズに影響を与えるのかが、最大の焦点となります。
十三英雄が遺した武器やアイテム
十三英雄の活躍は、「魔剣キイラム」や「魔剣キリネイラム」といった、彼らが遺した強力な武器やアイテムを通して、現代にも影響を与え続けています。
これらのアイテムは、十三英雄の強さと、彼らがユグドラシルの知識を持っていたことを証明するものです。
アインズが異世界転移後に課金アイテムやギルド武器といったユグドラシル由来のアイテムを活用しているように、十三英雄もまた、プレイヤー特有の知識やアイテムを駆使して、魔人との戦いを優位に進めたと推測されます。
リグリットがユグドラシル関連のアイテムの情報収集を依頼されているという事実は、彼らが遺した知識やアイテムが、この世界で最大の価値を持ち続けていることを示しており、ナザリックが今後、これらの遺産とどのように向き合うのかが注目されます。
オーバーロードの十三英雄に関するまとめ
オーバーロードの十三英雄は、単なる過去の英雄譚ではなく、プレイヤーの関与と、この世界の歴史の真実を秘めた重要な存在です。
約200年前に活躍した彼らは、実際には13人以上おり、リーダーはプレイヤーであった可能性が高く、イビルアイや白銀の竜王といった異種族も含まれていました。
彼らが世界を救ったという英雄譚の裏側には、人間による歴史の改ざんや、プレイヤーの悲劇が隠されていると推測されます。
リーダーの「リク」という名前の謎、リグリットの規格外の強さ、そして白銀の竜王のプレイヤーとの関わりなど、十三英雄に関する謎は、物語の核心に迫る鍵を握っています。
今後、『オーバーロード』の物語がさらに進むにつれて、十三英雄に関する新たな情報や、彼らが残した遺産が、魔導王アインズとナザリックに大きな影響を与えることが期待されます。
流し見ではもったいないこの奥深い作品を、十三英雄という謎めいた英雄達の背景に注目しながら、改めて楽しんでみてはいかがでしょうか。
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