
ダークファンタジーの金字塔『オーバーロード』に登場するエントマ・ヴァシリッサ・ゼータは、ナザリック地下大墳墓の戦闘メイド部隊「プレアデス」の一員です。
和服調のメイド服を纏い、幼く甘ったるい声で話す姿から、ファンからの人気も非常に高いキャラクターですが、アニメの視聴者からは一時期、「エントマの声が変わった?」「声優が変更された?」といった疑問の声が頻繁にあがりました。
なぜ、エントマの声は変わってしまったのでしょうか。
本記事では、エントマの声にまつわる最大の謎である声変り現象の真相と、その裏側に隠されたエントマの真の姿、そして一人で複数の声を演じ分けた声優・真堂圭の驚異的な演技力に焦点を当てて解説していきます。
エントマの個性的な魅力の源泉を、ナザリックの異形性とともに深く掘り下げていきましょう。
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータのプロフィールとナザリックでの役割
声変りの真相に迫る前に、まずはエントマというキャラクターがどのような存在なのか、その基本的な情報とナザリックにおける位置づけを確認しておきましょう。
エントマの基本プロフィールと正体
エントマは、ナザリック地下大墳墓に仕える戦闘メイド「プレアデス」の一員です。
| 正式名称 | エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ |
| 種族 | 蜘蛛人(アラクノイド) |
| 所属 | 戦闘メイド「プレイアデス」の五女または六女 |
| 通称 | 蟲愛でるメイド |
| 外見的特徴 | 幼げな整った顔立ち、和服調のメイド服 |
| 本性 | 体は蟲の集合体 |
エントマは、幼げで整った顔立ちに、和服調のメイド服という「かわいい」外見的特徴を持っていますが、その本性は異形です。
彼女の体は蟲の集合体で構成された蜘蛛人(アラクノイド)であり、時にはグリーンビスケット(ゴキブリ)を食べるなど、その生態は常人には理解しがたいものとなっています。
アインズやナザリックの仲間がいる時はかしこまった態度を取りますが、本来の話し方は幼い口調であり、このギャップも彼女の人気の理由の一つです。
ファンからは、「顔の部分が虫だったのにはビックリした」という驚きの声や、「素顔が怖い」という感想もあがっていますが、その異形性も含めて、エントマはナザリックのキャラクターの中でも特に人気が高い存在です。
戦闘メイド「プレアデス」とは?
プレアデスとは、ナザリック地下大墳墓において戦闘能力を持つ6人のメイドで構成されたチームを指します。
エントマを除くメンバーは、ユリ・アルファ、ルプスレギナ・ベータ、ナーベラル・ガンマ、シズ・デルタ、ソリュシャン・イプシロンの5人です。
彼女たちは、ナザリックのNPCの中でもレベル50から60程度と、守護者に比べればレベルは低いものの、種族レベルよりも職業レベルを多く習得しており、高い戦闘能力と特殊な能力を持っています。
プレアデスのメンバーは、それぞれの個性的な能力を活かして、ナザリック外部での偵察や工作活動、そしてアインズの護衛といった重要な役割を担っています。
エントマは、その中でも末っ子的な存在として描かれることが多く、他の姉妹たちとの微笑ましい交流も、読者にとっては魅力の一つです。
エントマの声が変わった理由と声優変更の真相
エントマの大きな特徴である幼く甘ったるい声が、アニメの途中で突然変わったことに、多くの視聴者が驚きました。
結論から言うと、エントマの声優は変更されていません。では、なぜ声が変わったように聞こえたのでしょうか。
「声が変わった」現象の核心:口唇蟲の喪失
エントマの声が変わるきっかけとなったのは、アニメ版『オーバーロード』の第2期・第11話での出来事です。
ヤルダバオトとして暗躍するデミウルゴスの「ゲヘナ作戦」に参加したエントマは、アダマンタイト級冒険者チーム「蒼の薔薇」のイビルアイと一戦を交えます。
この戦闘の最中、エントマは自身の「口唇蟲」を失ってしまいます。
口唇蟲とは、エントマの素顔(蜘蛛の顔)を隠し、人間の女性の顔の役割を担う仮面状の蟲とは別に、声を発する役割を担っている蟲のことです。
この口唇蟲を失ったことで、エントマは本来の幼く甘ったるい声を失い、金属が擦れるような、甲高い機械的な声へと変化してしまいました。
このショッキングな変化が、ネット上で「エントマの声が変わった?」と話題になった最大の理由です。
エントマは、この本来の声を非常に嫌っており、口唇蟲を失って以降は、声を発することをほとんど避けるようになってしまいます。
声優変更疑惑の真実:真堂圭の「一人二役」
エントマの声優が変更されたのではないかという疑問は、アニメ版『オーバーロード』の第3期・第8話での出来事によってさらに強まりました。
ナザリック地下大墳墓に侵入したワーカーチーム「フォーサイト」のメンバー、アルシェがシャルティアに捕縛され、その後、彼女の肉体が有効活用された結果、エントマの声がアルシェの声に変わったように描写されたのです。
視聴者の多くは、エントマの「本来の声」と「アルシェの声」が全く異なる印象であったため、声優が変更された、あるいはアルシェ役の声優がエントマの新しい声を担当したと誤解しました。
しかし、アニメのエンディングクレジットを調査すると、エントマの幼く甘ったるい当初の声、口唇蟲喪失後の金属的な声、そしてアルシェの声に変わった後の声、すべてを声優・真堂圭が演じていたことが判明しました。
真堂圭は、エントマの「声が変わる」という特殊なギミックを、一人の声優として見事に演じ分けてみせ、その驚異的な演技力が、かえって声優変更疑惑を生む要因となったのです。
エントマの声優・真堂圭のプロフィールと演技力
エントマの声をめぐる一連の騒動は、声優・真堂圭のプロフェッショナルな演技がいかに視聴者に衝撃を与えたかを物語っています。
ここでは、真堂圭のプロフィールと、彼女の多彩な出演作品について解説します。
真堂圭のプロフィール
エントマの声を演じた声優・真堂圭は、幅広い役柄を演じこなす実力派声優です。
| 名前 | 真堂圭(しんどうけい) |
| 生年月日 | 1984年9月10日 |
| 出身地 | 千葉県 |
| 所属事務所 | アクセルワン |
| デビュー | 2005年 |
| 旧芸名 | 斉藤圭 |
真堂圭は、2005年に『SPEED GRAPHER』の天王洲神楽役で声優デビューを果たしました。
旧芸名である斉藤圭時代から、その明るく活発な声質と高い演技力で注目を集めています。
現在は声優事務所「アクセルワン」に所属し、多方面で活躍しています。
真堂圭の主な出演作品と演じ分け
真堂圭は、エントマの甘い声から機械的な声への変化を見事に演じきったことからもわかるように、その演じ分けの幅は非常に広いです。
特に代表作として知られるのが、『僕のヒーローアカデミア』の耳郎響香役です。
耳郎響香のクールでロックなキャラクターは、エントマの幼い話し方とは対照的であり、真堂圭の多才さを証明しています。
また、『Fate/Apocrypha』の赤のアサシン/セミラミス役では、妖艶で高貴な女性を演じきり、その圧倒的な演技力はファンから高評価を受けました。
他にも、『一騎当千』シリーズの劉備玄徳役や、『こどものじかん』の鏡黒役、『たまごっち!』のラブリっち/ラブリン役など、少年役から可愛らしいマスコットキャラクター、シリアスな役柄まで、多岐にわたるキャラクターを演じています。
読者からは、エントマの声が変わったにも関わらず、声優が変更されていないという事実に「すごい」「演技力が高い」と驚きの声と高評価が寄せられています。
エントマの強さとスキル:蟲を愛でるメイドの戦闘スタイル
エントマは、声や外見の変化だけでなく、その戦闘スタイルも非常にユニークです。
通称「蟲愛でるメイド」と呼ばれる彼女の強さと、蟲を駆使した特殊なスキルについて考察します。
エントマのレベルと戦闘における位置づけ
エントマのレベルは、合計51と、ナザリックのNPCの中では比較的低い方に位置しています。
| 合計レベル | 51 |
| 種族レベル | 12(蜘蛛人など) |
| 職業レベル内訳 | フジュツシ10、フゲキシ7、ムシツカイ7、ウェポンマスター3 |
しかし、彼女はサポート役として非常に適した職業レベル構成を持っています。
特に注目すべきは、ムシツカイ(蟲使い)という職業レベルです。
エントマは、この能力を活かし、剣刀蟲、硬甲蟲、鋼弾蟲、千鞭蟲といった様々な蟲を召喚し、戦闘を有利に進めます。
また、フジュツシ(符術師)のレベルも高く、呪文を書いた紙片を用いることで、魔法詠唱を行うことができます。
彼女は、ナザリックの殲滅戦において、サポートや情報収集、そして特殊な攻撃を行う要員として、重要な役割を担っています。
エントマのユニークな戦闘スキルと武器
エントマの戦闘は、蟲を媒介としたユニークなスキルによって成り立っています。
蟲を駆使したスキル
エントマは、主に以下の3つの精神系魔法詠唱者スキルを持っています。
1. 蝿吐き:肉を抉って中に入り込み、蛆虫を産み付けるウシバエに似た肉食蠅を吐き出す吐息。1日3回まで使用可能で、相手に継続的なダメージと精神的な不快感を与えることができます。
2. 蜘蛛の糸:非常に硬く粘着性の高い糸を吐き出すスキル。相手を拘束したり、行動を妨害したりするために使われ、エントマの機動性を高める役割も果たします。
3. 斬撃の蜘蛛の巣:蜘蛛の糸で相手を切り裂くスキル。見た目のかわいらしさとは裏腹に、致命的な攻撃を行うことが可能です。
武器の代わりとなる蟲
エントマは、一般的な武器を使用せず、代わりに蟲を武器に見立てて使用します。
1. 剣刀蟲:ブロードソードにも似た長い蟲で、手の甲に貼りつかせて剣のように扱います。
2. 千鞭蟲:10mを超える巨大なムカデを呼び出し、鞭のように扱って広範囲の攻撃を行います。
3. 鋼弾蟲:ライフル弾に酷似した蟲で、指先から射撃します。遠距離攻撃を可能にする重要な蟲です。
4. 髪の蟲:エントマの髪の役割をしている蟲で、彼女の異形性を隠す役割も担っています。
このように、エントマの戦闘スタイルは、多種多様な蟲を駆使するトリッキーなものであり、その異形さから、ナザリックの非日常性を象徴するキャラクターの一人と言えるでしょう。
エントマの声変りエピソードとファンからの評価
エントマの声が変わるというエピソードは、単なるキャラクター設定に留まらず、声優・真堂圭の演技の深さを示すものであり、ファンからも熱狂的な評価を受けています。
真堂圭の演技力への驚きと高評価
エントマの声が幼い声から機械的な声、そしてアルシェの声へと変化したにも関わらず、声優が真堂圭から変更されていないという事実は、ネット上で大きな話題となりました。
「エントマの声変わったけど、声優が変わらないとこがすごい」という声や、「途中でエントマの声変わったと思ったけど同じ声優なのか」という声は、真堂圭の演じ分けの巧みさと演技の幅広さに対する驚きと称賛を示しています。
読者は、声優がキャラクターの内面的な変化や特殊な設定まで表現しきったことに、プロフェッショナルな仕事を見出し、高評価を与えています。
特に、アルシェの声(元の声も真堂圭が担当)を奪って話すという描写は、物語の残酷さと、エントマの本来の声を嫌う心理を表現する上で、非常に効果的な演出となりました。
エントマの「かわいい」と「怖い」のギャップ
エントマは、「かわいい」外見と声(口唇蟲による)を持ちながら、その素顔が蜘蛛人であり、体が蟲の集合体であるという強烈なギャップを持っています。
この「かわいい」と「怖い」の二面性が、エントマというキャラクターの最大の魅力となっています。
ファンからは、「エントマの声かわいいよね」というストレートな声から、「素顔が実は怖い」という、彼女の異形性に言及する声まで、様々な感想が寄せられています。
エントマの声変りは、この「かわいい」部分が剥がれ落ちるという描写であり、彼女の本質的な異形さを視聴者に突きつける、ダークファンタジーらしいエピソードと言えるでしょう。
オーバーロードのエントマの声に関するまとめ
本記事では、『オーバーロード』に登場する戦闘メイドエントマ・ヴァシリッサ・ゼータの声が変わった理由と、声優変更疑惑の真相について、詳しく解説してきました。
エントマの声が変わったのは、ナザリックを襲ったイビルアイとの戦闘で、声を発する役割を担う「口唇蟲」を失ってしまったためであり、声優が変更されたわけではありません。
幼く甘ったるい声や、その後、アルシェの声を「利用」して話す声、そして本来の機械的な声のすべてを、真堂圭という一人の声優が驚異的な演じ分けで表現していました。
エントマの存在は、ナザリック地下大墳墓の異形性と、その背後にある複雑な設定を体現しており、そのかわいい外見と異形の正体のギャップが、多くのファンを魅了しています。
エントマの声をめぐるエピソードは、真堂圭の卓越した演技力とともに、物語の奥深さと残酷さを示す重要な要素です。
エントマの魅力的な個性と、それを表現しきった声優のプロの技に注目しながら、改めて『オーバーロード』の物語を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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